さぁって、いざいざ首都ティンプーへっ!

到着したこの日は首都のティンプー泊まりということで、パロから2hあまりのショートドライブの開始です。この道は国際空港から首都までの、いわば国を代表するメインロード‥のはずなんですが、舗装路面は1.5車線くらいのくねくね舗装が続きます。パロ谷の、空港がある平らなエリアから徐々に谷沿いに進んでいくと、山あいに家々が点在する乾燥地帯に入っていくのですが、これは冬だから乾燥地帯に見えるだけなのかもしれません。

今日はいい天気だからか、道の脇では小沢の水で洗濯をする人々の姿。「うーむブータンじゃ」と、いやが上にもコーフンしてきます(ちなみに皆さん洗濯物を乾いた枯れ草の上に干していました。こちらの田舎では物干し竿なんて使わないのかな)

‥と思っていたら、いきなり刈り取った下草を一杯に背負った女性が道を歩いているのに出くわしました。思わず車を停めてもらって一緒に写ってもらうことに。しかし、こんな方が「メインロード」を歩いていらっしゃるのですからさすがにブータンはやってくれます。しかも、親族らしい男性の方がかなりインテリめいているのもまたミスマッチ的にすごいすごい。んでもってその男性がゴを着ているところが、この国では当然のことなんですがこれまたまだ見慣れぬ目にはたまげる系です。そんなわけで睡眠不足で眠くなったりする暇もなく、目をランランと輝かせながらのブータン初移動なのでありました。

こぉんな風景が丸出しあたりまえっ!の、ブータンを代表するメイン道路。草を担ぐ女性もすごいが、しっかり一緒に写る連れの男性も堂々としていていいですなぁ。
さて、そんなこんなでいよいよこの国の首都であるティンプーへ。さすがに首都、町の規模がパロとは全然違います。とはいっても人口は5万人、山あいの地方都市というのがぴったりの雰囲気。ちなみにこの首都には信号というものがありません。一番のメイン交差点(2ヶ所)には手信号で交通整理をするお巡りさんがいるだけなのです(このあたりのネタについては後述します)。

すでに夕方になっていましたが、まだわずかに開いているというティンプーの市場へ。しかし、太陽が山陰に隠れたからか、すでに市場も店じまいの雰囲気濃厚だったからか、パロに比べてどうもぱっとしません。せいぜい活気があったのは建物内のお肉屋さんくらいだったかなぁ。

干し魚を売るお姉?さん。もう店じまいなのに目の前のてんこ盛りのお魚は、さては持って帰って来週のマーケットでまた売るんでしょうね。ちなみにブータンでは殺生禁断の観点から漁師さんはほとんど(全く?)おらず、これらの魚はインド(少量はチベット方面)から輸入しているそうです。お肉屋さんで遊んでいた君たちも、もうすぐ一人前になってお手伝いをするのかな?(右の写真にマウスオンすると「もう少しお兄さん」が内臓らしき部分をさばいている画像が出てきます)。
さて、この日の宿はティンプーでも大きな、そして近代的な(はずの)「ホテル・リバービュー」。確かに部屋数もティンプー随一、宿からの景色もなかなかのものがあります(町の中心部まで遠いのが難点だけれど)。ブータン最初の夜を過ごすことになるこのホテル、どんな感じなのかなと期待半分不安半分で、いざ部屋に案内されてみると‥。

あれま、案外いいじゃないのさ!というか、これがブータンかい?と思うような、悪くいえば没個性的などこにでもあるような部屋でございました。部屋の窓の形にほんのわずかブータンらしさを感じるというところでしょう。しかし、部屋のテーブルの上をよく見てみると、そこには「ああブータン!」を感じさせる逸物が!(下の写真にマウスオンしてみてください)

そう、それは停電用のロウソクとマッチなのでありました。ブータン国内のどこのホテルに行っても必ず存在するこの取り合わせは、ブータンの夜の現実を如実に表しているものです。幸いこの夜は使うことはありませんでしたが(後日別の宿でお世話になりましたが)、そのかわり別のお楽しみが用意されておったのですね。

さて、考えてみれば日本出発以来シャワーを浴びていませんし、こんだけの「高級」ホテルなんですからどんどん設備を使っちゃおう、何たって田舎のほうに行くとお湯が出ないということもあるらしいしなぁということで、わたくしTakemaは悠然とシャワーのコックをひねり、服を脱いでお湯様の御登場を待つことにしました。

30秒。何も変化なし。1分経過、何となくあったかくなってきた感じ(最初冷たい水をさわっていたからかも)。2分経過、何も変化なし。5分経過、何だかさっきまでより冷たくなってきたような‥。

マッパーで待機していたため、しっかり身体は冷え冷え。最初からしてやられたとはこのことです。地方どころか、首都の高級ホテルにしてこれとはブータン恐るべし。何だか腹立たしいというよりは切ない気持ちになってお布団にもぐり込みました。

よい子のみなさん、ブータンでは「お湯がちゃんと出る」ことをよぉっく確認した上で服を脱ぎましょうね(笑)。



そんな私をせせら笑うかのように煌々と輝いていた、100万ニュルタムの?ティンプーの夜景。

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