− その1 チミラカンを見学 −



峠から下ってくると、ポインセチアまで咲いてたりします。チミラカンにて。

目次でも書いたとおり、ドチュ・ラ(3050m)からは長い峠道をとにかくひたすら下ってきます。何といってもプナカの標高が1300mくらいですから、一気に1700m!峠付近は針葉樹林に覆われていたのに、下るにつれて照葉樹林へ、そして棚田の稲作地帯へと風景がめまぐるしく変わっていきます。さっきまで道の横に雪があったのに、それから1時間後にはポインセチアの群落があったりするのもここブータンならではというところですな。そして広い谷あいまで降りてきた分岐のところ(ロベサという地名らしい)でプナカ方面へと向かうことになるのですが、まずはここで最初のお寺見学ということに。

寺の名前は「チミラカン(ラカン=寺)」。車道からはかなり離れていて、片道20分くらい家々の間や田畑の中をてくてくと歩いていくことになるのですが、やはりここまで来ると純粋に田舎らしいのんびりとした空気が漂っています。

時期が時期だけにもう稲の収穫は終わっていて、あたりの風景は一面黄土色(上の写真では茶色に見えますが)。春や夏に来てみたら(夏は雨期だから大変そうですが)このあたりのイメージも全然違った、もっとみずみずしい感じなのでしょう。ちなみに左写真の中で唯一緑を保っている畑に植えられているのは菜の花なんです。このあたりも日本とそっくりですね。花はまだ1-2分咲きといったところでしたが、あ〜、おひたしにして食べたかったなぁ。

ちなみに左の写真の上にマウスポインタを載せると、刈り取ったあとの稲わらの山が出てきます。積み上げる形は微妙に日本とは違うとはいえ、何だかここが日本からはるか遠く離れた大陸の一風景だとは思えない感じです。

さて話がそれましたが、右の写真の上方に目指すチミラカンが写っています。民家から結構り近そうに見えますが、実際はその間にある放牧地はかなり大きく、そこからはまだ10分ほどかかります。実は「ただ今参道整備中」ということのようで、お寺の門から民家方面にかけてずっと樹木を植えて保護育成しているのですが、その整備が終わるにはまだまだ当分かかりそうです。植えられた木だってまだせいぜい人の背丈ぐらいだし。

(左写真) 参道予定地の柵をを左に見ながらお寺を目指すカルマさんとおしんこどん。
(右写真) はぁとりあえず着いたぁ。ちなみに車を降りたのは矢印のあたり。結構遠いんです。

お寺の門をくぐると、まずは大きなマニ車が出てきます。マニ車の中にはお経が収められていて、車を1回まわすごとにその中に収められた経文を一度読んだのと同じだけの功徳が得られるという、チベット仏教のエリアでは大小織り交ぜてしばしば見られる施設なのですが、やはり車が大きければ大きいほどありがたいのだとか。このような大きなやつは3回まわすのが決まりなのだということです。

さてマニ車をまわし終わって本堂へ。われわれ外国人は原則としてお寺内部への立ち入りが禁じられているというのは前にも書いたとおりですが、状況によっては入れてもらえる場合もあります。もっとも本堂内部は常に撮影禁止というのは絶対のお約束。というわけでありがたいことに本堂内部へ。

「郷に入りては郷に従え」というわけで、ご本尊にはカルマさんのやり方を真似してお祈りを捧げます。やはりチベット仏教の流れを汲んでいるからか、祈りの作法にも「五体投地」の要素が含まれているようです。祈りが終わると額にかざして念を送ったお賽銭をささげます。

一通りのお参りが終わった後、一人のお坊さんがカルマさんと何か話している様子。すると、「この寺はChildlessの夫婦が子供を授かるようにとお祈りを捧げるお寺なんだけれども、こちらのお坊さんいわく、あなた達の(今後のお子さんについて)占ってみましょうかということです。どうしますか。」そりゃあめったにない良い機会だということで早速占いが始まりました。道具は‥いや、内緒にしておきましょう。

結論としては「男の子を授かる。名前は○☆*。」という結果でした。実はこの直前直後に、ブータン国内唯一の新聞「KUENSEL」の総編集長(地球の歩き方にも写真が出ている方でした)とお会いする機会があって、その方にこの話をしたら、

「あなた方が仏教徒であるのなら、その占いは100%当たります。私が保証しますよ。」

とのことでした。編集長さんに保証してもらってもどうなるものでもありませんが、もちろん悪い気はしませんね。どうなることやら。

さて、そんなこんなでチミラカンを出発、いよいよ本日の目的地であるプナカ中心部へと向かいます。

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