ティンプーを見下ろすTV塔から見たティンプー市街。これでほぼ全景です。

【国立図書館】
仏教関係の貴重な経典などが火災などによってなくなってしまいつつあることに危機感を覚えた政府によって1982年に建てられた図書館。国立とはいってもその規模は思いの外小さいです(4階建)。そして中はといえば、予想通りその多くが経典で占められており(下の写真)、一般の書籍が目立たないほど。まぁ図書館設立の経緯を考えればそれもなるほどという感じでしょうね。

なお、4Fだけは貴重な経典の所蔵庫というからなのか撮影禁止でした。なぜかプナカ・ゾンの大きな模型がありましたが、確かどこかの展示会に出品されたとかいうことだったでしょうかね(曖昧)。

係員はいるのかいないのかわからないような感じで(何たって正面入口はロックされてた。勝手知ったるという感じのカルマさんについて裏口から潜入)、セキュリティはどうなっているのか不明ですが、ことブータンに関する限り経文を盗むなどという不逞の輩はいるはずがないということでしょうか。

ここの売店ではちょっと変わったものが買えます。何が買えるかは行ってみてのお楽しみ。
【夕刻のティンプー】
道路に街灯がともるのはここティンプーとパロのメインストリートだけです。もっともパロの照明は最近付いたばかりのようで、それまでは首都ティンプーだけが文字通り「輝いて」いたようです。

夕方のティンプーはまだ人通りも多く、さすがに華やかな「首都」を感じさせます。もっとも、夜も9:00を回れば歩いている人はほんのわずか。バンコクからダイレクトに来た人はその違いにたまげるでしょうね。ちなみに治安は基本的に安心。ただし犬がちょっと凶暴になるとかならないとか(笑)。

夜景らしい夜景といえば、今でもティンプー以外に見ることはできないでしょう。ティンプー・チュ(川)をはさんだ反対側から見るのが簡単ですが、事情が許せばTV塔方面に上がるともっと綺麗でしょうな。

ま、規模が規模ゆえ「100万ニュルタム(NU)の夜景」というのが適切な表現ですけれど。
【朝方のティンプー】
朝のティンプーはかなりおすすめっぽいです。ゆったりと朝が始まるといった感じで、それほど慌ただしさを感じることがないのはやはりブータン独特のものでしょうか。もっともティンプー自体の人口が5万人程度ですから、他の国の首都と比べること自体がおかしいんですけれど(笑)。

ちなみに左上の写真は時計台広場。この日は日曜日の朝ということもあって見事に人がいませんね。そんな中、景品の赤い車とともに、宝くじ売りのお姉さんたち(前出)、朝早くからご苦労様。商売にはなってないみたいですが(笑)。

日曜日には国立競技場(というかただのグラウンド)の横でアーチェリー大会が開かれます。弓はブータンの国技(「ダ」というらしい)なのだそうで、それで皆さんやっておられるのですね。ちなみに伝統的な弓の競技会では、今でも竹製の矢を使うそうです(左写真では現代アーチェリー用の器具を使用していますが)。

約130mほど先(!)の的をめがけて射るのですが、これがまたうまいし見ていても面白い。どんなものなのかは、このあとのパロ編の中でまた触れることにしましょう。
【タシチョ・ゾン】
首都のティンプーにももちろんゾンはあります。ただ首都としての歴史はまだたかだか50年余りの新しい街ゆえ、歴史的建造物はあまり(というかほとんど)ないのだとか。

ティンプーのタシチョ・ゾン(右写真)も、規模だけはさすがに大きいですが、中は何だかだだっ広いだけであまり歴史の重みのようなものは感じません。ただセキュリティの面では各ゾンの中で一番厳重だったかも知れませんが(笑)。そりゃ当然のことで、ここは国王のオフィスをも兼ねているんです。

なお、このゾンからはティンプー・チュをはさんで反対側にSAARC(南アジア地域協力連合)の会議場を眺めることが出来ます。何でも、1994年の国際会議開催に合わせて建設されたものの、会期にはしっかり間に合わなかったそうな(笑)。まぁそんなところがブータンらしいといえば言えるのですが、さて、その時の会議はどこでやったのだろう??

うちら夫婦がタシチョ・ゾンに行ったときには、前庭に植え込まれたバラの剪定作業の真っ最中(冬ですからね)。バシバシ切り取られたトゲだらけの枝をどうやって運ぶのだろうと思っていたら、こんな光景に出くわしました。なるほど合理的、かつ見ていてほのぼのしてきますね。


というわけで、お待たせしました!次のページではいよいよティンプーを離れて旅のスタート地点であるパロへ戻ります。え、いよいよ旅行記も終わりに近づいたなって?甘い甘い。このあとパロでは3泊するんですから、まだしばらく続くよ(笑)。

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