広い敷地内に広がるコテージは温水シャワーも完備(エアコンはなし、ファンのみ)。
レストランは広くて雰囲気も良い。周囲数十kmに人家の一軒たりともない熱帯雨林の
ど真ん中とは思えない設備だ。冷えたビール片手に、リゾートしちゃってます。そして、テラスの
向こうは野生動物たちの暮らす森。ロッジのすぐ横では、野生のイノシシが草を食べてました。

さて、ここDanum Valley(ダナンバレーとも、ダヌムバレーとも)は、Lahad Datuから約85km。うちダートが70kmオーバー、最寄りの人家まで数十kmという、ボルネオの中でも秘境中の秘境なんです。熱帯林の伐採の手も及ばなかったこの地域をなんとか保護しようということで、1994に観察施設として作られたのが、ここRainforest Lodge(日本的にいえば「熱帯雨林荘」ということでしょうかね)。最初は最大収容人数24人でスタートしたこの施設も、今は一泊60人収容が可能だということですが、とにかく、施設の周りには何もない。いや、ありすぎます、現地の自然が。

宿舎からは、歩いて動物観察に行きます。「歩いて」です。動物園じゃないんですからどこに動物がいるかは全くわからないのですから、それだけ周辺の野生動物生息数が多いことを意味します。このロッジ付近にはとにかく最低限の人工物以外何もありません。夕方は圧巻です。周りの林から、様々な昆虫たちの鳴き声があたりにこだまします。日本的にもの悲しいというより、お互いが呼応して鳴き合っているので恐いくらい。とにかく部屋の電気を消してしまえば、ベランダの先は真の闇です。なんだか太平洋戦争中の旧日本軍の苦労が偲ばれます。だって、まじめにあんな中での野宿の連続、いくら兵隊とはいえつらいよ。

 

しかし、ここの設備は何ともいえず素晴らしい。部屋にはご覧のようなベッド、温水シャワー、冷蔵庫が取り付けられており、エアコンこそないものの、正直いって何不自由なく過ごせます。夕方以降は、電気蚊取りをつけてもらえるので、雨期末期の今回でさえ、蚊に悩まされることは全くありませんでしたよ。部屋は高床式で、下からの湿気や虫の侵入もかなり防止できます。ただ、右の写真に見られるような家守(ヤモリ)は、ベランダではもちろんのこと室内でもそれなりに多く見かけます。小昆虫を餌にしている彼らですから人畜無害、歓迎してあげましょう。

ここに泊まる場合、乾期と雨期とでは多少の違いがあるかもしれませんが、夕方からの森の大合唱は一見、いや一聴の価値ありです。森の中から、けたたましいと言ってもよいほどの虫たちの鳴き(叫び?)声が聞こえてきます。日本でいえば、夏のヒグラシの大合唱が近いような気もしますが、正直いってそんな生やさしいもんじゃない。お互いを呼び合うような動物の叫び、そんな声が距離の遠さを感じさせずに聞こえまくってくるのです。ちなみに鳴いているのは動物ではなくて昆虫(セミ)ですが、さすが恐るべしボルネオ。こればっかりはキナバル山の登山口周辺でも聞いたことがなく、低地熱帯雨林ならではの夜の営みといえるのかもしれません。

 

ロッジのすぐ脇を流れる川は、雨期ゆえしっかり茶色に濁っている。

ところで、右上の写真ですが、この地域に自生するヤムイモの原種なんですね。これって、屋久島にあるクワズイモと酷似しているんだけれどどうなんだろ。葉の形や質感がそっくり。現地のガイドスティーブさんに「南日本ではこれとそっくりなのがあって、日本名を訳すと「Uneatable Potatoっていうんだよ」というと、「う〜ん、確かに普段は食べないけれど、Emergencyには▼◎☆して食べることも出来る」って言っておりました(▼◎☆部分については、その時は覚えてたんだけれど、帰国して10日あまりたった今ではうちら二人とも思い出せないんです。すみません)。屋久島の皆さん、クワズイモの非常時の食べ方ご存じですか>華のやJUNさんほんやさん



これは野生種のバナナの花。集落のまわりにある食用バナナは
花がその重みで完全に下を向いているはず。野生種はこんなにも
真上を向いて咲くんですね。やっぱりこうでなくちゃ(何のこっちゃ)。


 

ふと足元を見ると、そこには巨大なダンゴムシ。丸まった時の直径は約4cm弱といったところで、
さすがにスケールが違う。間違っても踏みつぶしたくないなあ。ああおぞましい(爆)。

さて、次はいよいよ野生動物の写真かい?と思いきや、そうではなくて、この熱帯雨林に住む様々な生き物、そのうちの1グループにスポットをあてた特集ページ。ここダナンバレーでの動物観察をする際には切っても切れない軟体動物?にスポットをあててみたいと思います。

え?もう想像できたって?んでもって、そんなの見たくもないって?そんな、骨も固い皮もなく、ナメクジというか何というか気味悪いやつで、しかも血ぃ吸ったらデカくなるヤツなんて見たくもないって??はいはい、そのような方はここをスキップして結構です。ちゃんとスキップ出来るように「次の次っ」を下に作っておきましたからね。…でも、わたしゃ思うんです。そんなあなた、い・つ・か、拙HPのこのページに戻ってきて、次こそクリックしちゃうんじゃないですかぁっ?というわけでお戻りを、お・待・ち申し上げちゃいますからね。だいたい我々には恐いもの見たさという本能があるんだなこりゃ。ちなみにそんなに恐いのないから大丈夫。ちょっと人間の血の痕、そして血ぃ吸った正真正銘の軟体ご本尊が写ってるだけだからね、大したことないよ(爆)。