Leech(ヒル)は、こんな感じで木の葉などにくっつきながら「お客様」のお越しをお待ち申し上げているわけですね。
このエリアには大きく分けて2種類のヒルが生息しています。これはTiger Leech。体長約5cm。
オレンジ色の体に茶色のラインが入っていることからつけられた名前です。
もう一種はBrown Leech。そっちはラインが入ってないんですな。

さて、日本ではよほどのエリアに行かない限りお目にかかることもないヒル。Takemaも、今から20年くらい前に南アルプスの山の中で一匹見つけたのが最初で最後だったわけです。し、しかぁし!ここボルネオの森の中ではヒルがいるのはあたりまえ。特に今回は雨期の末期頃の探訪でしたから、こりゃあいないはずがない。というわけで、奴らには当然色々とお世話になってしまったわけですね。 >おしんこどん@妻

その辺のエピソードを交えながら、現地の状況について書いていこうと思います。上の写真を見るとなんだか健気で、あれ、結構カワイイ奴じゃないのさと思われるかもしれませんが、上のはあくまで「使用前」。「使用後」にはどうなるか、それは読んでのお楽しみってえことでね。

 

はいはぁ〜い!いきなり出てきましたねえ。これが「お客様を見つけたときの彼らの初期動作」ということになります。「体長5cmもないじゃあないか!」と言うなかれ。彼らは伸縮自在ですから、この時は「餌=指にかぶりつくために身を縮めて口に全神経を集中している」状態なわけですね。ちなみに、この指の持ち主は我らがガイドのスティーブさんなのですが(蛇足:ここでは必ずガイドを雇わねばなりません。ガイド料は宿泊代金に含まれています)、この指が自分だったとしたら、「おいこら、早く撮れよ!バカ、早くしないとホントに血ぃ吸い始めちゃうじゃないかよっ!」おい、撮ったか?ナニ、まだピントが合わない?たったっ頼むっ!はようやってくれっ!!!」等のパニック状態になること必定ですよねえ。さすが地元のガイドさん、全然動じていませんでしたね。それに比べてUrbanな育ちの?自分なんか、ふとGパンのポケットに指を入れかけたら、何とポケットの中に半分まで入り込んだヒルと指が御対面!そのときゃ驚きと「くっ、喰うなよテメエ」的怯えとでびびりまくっちゃってました

さて、この状態でヒルに食いつかれているのを発見した場合はどうすりゃいいと思いますか?実はいくつか方法があるのですが、一番よろしくないのは「胴体を引っ張って強引に剥がそうとする or つまむのはコワイので強引に手で払う」というやり方です。この場合、ヒルの歯が傷口に残り、下手をすると数ヶ月から1年もの長期にわたってカユイ思いに苦しむことにもなりかねません。

で、とりあえず無難な方法としては、[1]塩をかける [2]タバコの先をヒルの体に押しつける というものがあります。でも、[1]の場合は「そっそんな悠長なことやってらんないっ!はっ早く取りたいっ!取って!というパニック状態になるような気もしますし、[2]のタバコの場合も、吸わない人には困った対処法ですよね。

さて、われらがガイドさんのスティーブさんがおっしゃったオススメは別の方法。要は、相手が真剣に歯を立ててしがみつかない状態ではねのけるということでした。すなわち、食いつくヒルの接合面(口)の部分に「デコピン」を食らわしてはじき飛ばす、ということのようです。

しかし、手で払うのとデコピン、多少スピードは違えど結構状況的に似てますよね。慣れていない我々にとっては、迂闊に中途半端なやり方をするよりは堅実さを第一にしたいもの。幸いわたしゃタバコ吸いますから、これが一番だろうってことで準備してましたね。ただ問題は、血を吸って太くなる前の胴体直径1-2mmの時にはタバコの先を押しつけにくいのではないかということ。この方法は、敵がある程度血を吸って太く(=動きが鈍く)なった時にこそ有効な方法なんじゃないかと思いますのだ。

しかし… Takemaの不安は杞憂に終わったのでした。先ほど書いたGパンポケット侵入未遂事件を除けば、ヒルの攻撃からは結果的に(偶然)身を守ることが出来たのですから。し、しかぁし!

 

なんだか右の写真、アサヒビール本社屋上のオブジェに似てません??



血ぃ吸ったヒルのヤローは、このような何とも言えない色になりやがるわけですな。
これら3枚の写真はどれもちょいと縮んだ状態ですが、こいつが移動のために
ぐぃ〜っと体を伸ばすときはこの1.5倍くらいのサイズに膨張するので
鬼気迫るというかおっとろしいものがありますのだ。

「し、しかぁし!」の続きです)

約3時間半の森林ウォークの後、まずは二人ともヒルにやられていないかのチェック。そして、おしんこどんが「ヒャーッ!」のおたけび。いましたいました靴下の中、ムッチリ太ったヒル。靴の内部に巣くっていたため外観からは分からなかったけれど、靴下は血まみれ。そしてその後、そのまま朝食のため食堂に行き、そこで今度は反対の足からもムッチリくん発見!行動中に「なんか足が痒いなあ」ということで足を見たとき、靴下からはみ出ていたヒモのようなものを引っ張ったらそれがヒルだった、という事件もありまして、結局おしんこどんの被害は、「右足2匹、左足1匹、未遂1匹の計4匹っ!」ということでした。

それに対して、わたくしTakemaの場合は「未遂1匹、以上っ!」という非常にシンプルなもので、その差は歴然。「ニコチン混じりの血だからうまくないんで喰われなかったんだ」という理由づけはともかく?、原因として考えやすいのは「膝から下がウールの靴下=目が粗い、だったので入りこみやすかった、ということじゃないかなと思います。わたしゃGパン+綿の靴下(もちろん裾から入りこまないようにはしていましたが)だったんで、伸縮自在のあいつらも入りこみやすかったんじゃないかな。でも、わたしとてそういうことは知らなかったんですけれどね(言い訳??)。



これが行動直後のおしんこどんの格好。
この時はまだおのれの下半身に何が起こっているかを知らないので
「いやぁ、いろんな動物見られて良かったね」と幸せ口をたたいていたのであったが…(笑)

現地では「ヒルよけソックス」なるものも販売されていたようですが、ちょっと熱帯雨林を甘く見た?我々だったのでありました。まぁいい経験ではありましたけれどね。え、そんなの経験したくないって?大丈夫、あなたは正常です。でも、やっぱり滅多に出来ないことでもあり楽しかったなぁ。

さてお次のページは、ここDanum Valleyで見た動物についてのページ。距離が遠い(50m上の木の上、とか)ということもあってそれほど出来のいい写真はありませんが、まあ見てやっておくんなまし。