頂上付近の平原を行く登山者。広くて気持ちよさそうだって?
でもこのあたりで標高は4000m近く。みんなそれなりにヘロヘロのはずです。
午前2:00起床。起きるには起きたがあまり食欲はない。寝起きだからということもあるのだけれど、やっぱり頭がぼよょ〜んとしている。「まぁ前回登ったときもこの小屋ですでに多少頭が痛かったから、こんなもんだろう」と思うことにして、いざ登り始める。出発が遅くなったこともあって暗闇の登山道は人々で渋滞。前がつまっているからサクサク登ることは出来ないのを幸いに息を整えつつゆっくり登る。
しかし、どうも調子が変だ。かなり苦しく、気のせいか視界が狭い気がする。ある程度登ったあたりからは岩場が出てくるのだが、自分の足元しか見えない。いや、見えないのではなくて「足元以外に目を移したらクラクラきそうで視線を動かせない」というほうが正しいか。頭はガンガンくるというよりは朦朧という感じに近いかもしれない。
こんな感じの斜面を登っていくと、一番上の小屋であるSayat Sayat小屋に着く。なお、上の写真は下山時に写したもので、登りの時はまだ夜明け前で真っ暗な頃であった。急に便意を催して(爆)トイレへ。すごいと思うのは、この小屋の付近は3800m位なのに、トイレ(上の緑色の小屋)は水洗。産み落とした分身(おいおい…)は水とともにパイプを通ってどこかへ流れていってしまうわけですね。だからトイレ付近には悪臭無し。どっかの先進国の一番高い山にある山小屋に聞かせてやりたい話で、どこが先進国なんだよって言いたくなる。
ドンキーイヤー(左写真)を右手に、サウスピークを右手に見ながら苦しい道を登っていく。おかしいなあ、11年前はこのあたりもそれなりにガシガシと登ってたはずなんだけれどなあ、体力が落ちたのかなあ、でも、おしんこどんは別に苦しそうでもなく登ってるよなあ。やっぱり高山病か、頭もぼーっとしてるしなあ。高山病は体力とはあまり関係なく体調次第で出るときは出るというし、そうなのだろうなあ、ついてないなぁ等々、好き勝手な言い訳を考えながら登っていく。そうして、さしもの主峰Low's Peak 4095mまで登りつめたのであった。
頂上は高曇りで、周辺の山々や下界の展望はいいもののお目当てのご来光は
ほとんど駄目だったようだ。まぁいいか、どうせ間に合わなかったんだから(笑)。
さて、頂上ではやるべき事があった。それは、ここまで担ぎ上げた日本酒を口にすることだ。プハァってやつを証拠写真で撮りたいがためにここまでやってきたんだから(笑)。しかし、ザックの中から瓶を取り出すのさえ結構しんどい。そして…飲むのなんてとんでもない、今飲んだら絶対に下れなくなるっ!という本能的直感により、ただ瓶だけを持っての記念撮影としたのであった(下の写真)。ああ残念。
そんなにヘロヘロになっていても、たばこは吸えるもんだと改めて実感。
こんな高いところでも、トリさんは元気だねえ。Sayat
Sayat小屋付近にて。
そして一通りの儀式&休憩の後、いよいよ下山開始。ここから昨晩泊まったラバンラタを越え、登山口まで一気に下らなきゃ行けないのだ。2000m以上の下りっていうのも日本ではそうそう味わいたくない味わえない醍醐味で、いい加減膝が痛いぞという感じで一気に下る。しかしやはり体調はなかなか回復せず、途中、おしんこどんに荷物を持ってもらったくらいだ。
予想より早く、13:30頃には登山ゲートまで着いてしまった。し、しかぁし!実は標高1800mちょいのゲートまで戻ってきても頭の痛み、後頭部のズーン的痛みは取れていなかった。それですべてがわかった。
「そうかぁ、高山病じゃなくてただの二日酔いだったんだっ!」
なるほど、高度が高度ゆえ分解も遅かったわけですね。日本酒3合くらいなら大丈夫だろと思っていた自分がばかだった。次回からは少し控えようっと。