というわけで、拙いながらも綴ってまいりましたボルネオ島サバ州の旅行記ですが、いかがでしたか?「じぇったい行きたくないもんね、ヒルなんかが出る島には!」というあなたも、「昼はサンゴ礁のシュノーケリング、夜はウミガメの産卵を1.5m横で見られる」といえば心が動くかもしれませんし、州都コタキナバル周辺にはいくつかのビーチリゾートもあり、ホテルライフにも最適。物価は安いし。治安は夜だって普通に歩ける程度ですし(好きこのんで裏道を歩けば別でしょうが)、そして何よりも日本から近い!直行便で来れば片道6hですよ。近いイメージのあるシンガポールに7hですからね。情報があふれかえるこのご時世ですが、実は偏った情報があふれているだけで、本当にほしいものは伝わってこないだけなのかも。でも、このボルネオは本当にいい島です。名前の響きとかイメージで考えず、次の旅行先候補に考えてみてはいががでしょ?ま、ツアーなどはあまりないので、自分で旅行をアレンジ出来る人向けではありますけれど。なお、こちらに現地旅行社へのリンクを張ってありますので、ご参考までに。
【 州都コタキナバルまでの航空便 】

成田からは週1便、コタキナバル直行便が出ています。昔は週2便だったんですけれど、ボルネオの南洋材の輸出が先細りになるに従ってビジネス系の需要が減った結果減便されたのだとか。それゆえ、日程が合わなければ必然的にKL(クアラルンプール)経由になってしまうのが痛いところ。香港経由でも行くことができますが、キャリアがMH(マレーシア航空)だけだと思うのであまり現実的ではないかな。

日本〜アジア線はいつでも混んでいるというイメージがありますが、某大手旅行会社の方の話だと、「とにかくいつでも混んでるのが韓国便、香港はそれなりだが一時の勢い無し、バンコク線はすっごい混んでるので繁忙期は避けたほうが無難、シンガポールはバンコクの次くらいかな」ということでした。ということはクアラルンプール線は?

「KL線?あ、取りやすいですよ。ペナン便などはランカウイに行く人も使いますから混むときもありますけれどね」

なぁるほど、アジアの穴場はKLだったのか!でも、マレーシア航空、結構色々なところに飛んでるから、実はいいのかもしれないなあ。南アフリカ便だってロンドン便だってNZ便だってあるし(かつて考えたことがあるんですね実は)。成田便はたぶんほとんど全席液晶TVつきですしね。

今回(2001/3)、コタキナバル往復の航空券、6万円くらいでした。

【コタキナバルには何がある?】

自分でこんなタイトルつけていうのもなんですが、「これっ!」っていうのはないです(爆)。でも、古いものと新しいものが入り交じった不思議な町という印象はありますねえ。1990に初めて訪れたときとはもう全然違います。いつのまにか高層ビルがたくさん出来ていて。変わらないのは中央市場くらいかな。

中央市場からすこし西に行ったところ、フィリピーノマーケットの先にある屋台街はお勧めですね(夕方から営業)。中国系、ムスリム系の屋台が入り乱れていて、その周囲には魚や野菜の露店が「はぁ〜い、安いよ安いよ安いのだっ!」的に声を掛けてくるし(この雰囲気は中央市場にはないなあ)、市場の海側には沖の島に住む人々のためのバスともいうべきボートがひっきりなしに出入りしていて、それを眺めながらつつくミーゴレンはおいしかったなあ。そのすぐ近くでは、6-7才の女の子が下の子をおぶって歩く姿や、どうやらアンパン吸って気持ちよくなってるらしい少年を父親が見つけだし、「バゴッ」という鈍い音を立てつつぶん殴ったうえで(その音がうちらまで聞こえてきた)自分の店(露店のね)に引きずり連れ帰る姿など、ボルネオの現実がしっかり垣間見られたりしたわけですね。なぜかバナナしか売っていないお店が延々続く市場(これで商売になるのか?と本気で心配)など、そういう系好みの方には最高のエリアです。

あ、もうちょっとリッチに飯くらい食いたいぞ系の方は、カンポンアイルの駐車場付近に夜になると野外食堂がオープンしますのでそちらのご利用を。海鮮系が有名のようで、地球の歩き方などにも紹介されています。ビール会社から派遣されている販売促進お姉ちゃんが「ビールはいかが?」と聞いてきますのでアルコールにも不自由しません。ただし、そのお姉ちゃんたちの着ている服に注意。どの銘柄が飲みたいのかの指定がある場合は、自分の飲みたい銘柄の服を着ているお姉ちゃんに頼まなければなりません。料理は結構、いや、かなりおいしいです。

「そんなのいやだっ!私はもっとハイソなリゾートライフにはまりたいっ!」って方には、思いつき的にいくつかのホテルをご紹介。まずは先ほどのページでご紹介したホテル、Pacific Sutera Hotel Kota Kinabalu。某地球の歩き方(どこが某じゃい)2000-2001版によるとシービューでRM460となっていますが、現地旅行会社を通じて手配したらRM280(その時のレートで約8500円/ツイン)でした。シービュー、最上階、しかも角部屋でしたよ。設備もいいし、ここは最高でしたね。
2004年3月注:上記ホテルは「Sutera Harbour Resort」として経営形態が変わったようです。「パシフィックステラ」と「マジェランステラ」の2タイプがあるということで、うちらの泊まった「マジェラン」の方が豪華だとのこと。そりゃそうだよなぁ、いい部屋だったもの。でもそのかわりお値段も上がったようで?2004年現在、ほぼ同じ部屋で380リンギットだとか。でも日本円換算では10000円ちょい。ゆったりリゾートライフを楽しむには十分ですねぇ。

以上、情報提供はぴあだーさんでした!(「サンダカン八番ガイド」ウェブサイトはこちらです。)
あとはShangri-La's Tanjung Aru Resortなんかが町に近くていいですね。ま、どちらも近いとはいってもシャトルバスですが。でもこっちのほうがちょっと古くて高いかも(ホテル自体のブランド料金ですかね)。
ただ、いずれも町に近い=海のきれいさはあまり期待しない方がいいというのはご想像の通りです。特にPacific Suteraなどは埋め立て地に作ったらしいですから(とはいっても東京湾の埋め立て地を想像したりしないでね)。だから言ったでしょ、リゾートライフって。行ったことないけれど、海もきれいそうなのは同じShangri-La's Rasa Ria Resortですかな。でも、町から遠すぎて、全てホテル関係の施設を利用しなけりゃいけないのが泣き所ですかね。

で、今回泊まろうと思っていたのに泊まらなかったんでちょいと失敗したと思っているのがThe Jesselton Hotel。街中にあるんだけれど、1954オープンとかいう老舗。でも、雰囲気はよさそうなんだけれどな。あ、1990にいろんな個人的折衝の末にRM30だけある人(農林省のお役人でしたね)に払って泊まったHyatt Regency Kinabaluなんてのもありましたね。確かに、街中をうろうろするのには最高の立地ですよ。ただし設備がちょっと古いかも。

他に、「安宿じゃあ!」という人には個人的にTrekers Lodgeがいいかも。中心部にあって、しかもネットカフェ併設だし。でもちょいとうるさいかな。朝飯のパンが無料なのがいいかもしれないけれど、東南アジアのパンって全体的にあんまりおいしくないんだよね(笑)。短期の旅行だったら個室を使ってもいいんじゃない?どうせここでわずかにケチっても日本でもと取られてることだし(笑)。

とにかくボルネオでは「ちょいと奮発すればすんごいお部屋&設備」というのが相場。ここにあげなかった中級(RM100くらい)の宿なんかもええっすよお。たぶんね(笑)。

【ダナンバレーあれこれ】

ヒルの襲撃恐るべし、でも野生動物もりだくさんの天秤量りで行くか行かぬか迷うかもしれないダナンバレーですが、やはり「一度も行かぬ馬鹿」にはなりたくないです。わたしも3度目にして初めての訪問でしたが、そのすばらしさは折り紙付きだと断言できます。スカウ(River Kinabatangan)と合わせ、是非一度、騙されたと思ってでいいですからご来訪を。それぞれ宿の設備もいいですし、このコンテンツにはアップしませんでしたがナイトサファリの時に出てくるホタルなどもちょっと幻想的でおすすめ。ただ、日本語の話せるガイドさんは皆無ですし、たとえ話せる人がいたとしてもその人が動物の見つけ方などにも精通したジャングル出身の方であるとは限りません。せめてこちらも最低限の英語は話せたほうがより面白いでしょう(おいおい、自分が「英語話せる」様な書きかたしているぞ(爆))。

レストランのビールもちゃんと冷えてるし、各部屋に冷蔵庫ありで、日本から持っていった山形の「栄光富士 純米大吟醸」もきゅっと冷えたところをくいっとやりながら見つめる熱帯雨林の真の闇は最高のおつまみ。たまらないですよぉ(あ、これは個人的な趣味の問題ですけれどね)。

なお、ダナンバレーで聞かれる様々な動物の鳴き声等をお聞きになりたい方はYoichiさんのHPへ。Borneo Vol.3では現地で録音されたテナガザルの鳴き声などが聞けます。おすすめっ!

また、Viewpointから眺める谷もまたすばらしく、もし何泊もするのであれば、動物が動かない=発見できない昼間などはここまでビールでも背負い上げてゆっくりするのが最高の贅沢かも。帰りには天然のジャグジープール=滝壺で汗を洗い流せるし。え、水着持っていくのが面倒だって?そんなん、どうせ滅多に人も来ないんだから?マッパーでやっちゃいましょうよ。ただし樹上のサルがコーフンしても責任はおえませんので念のため(爆)。

あ、ただ、ダナンバレーに向かう際には片道約70kmのダート道を走っていくことになります。乗り物酔いの不安がある人は必ず酔い止め持参でね。おしんこどん@妻は往路で結構難儀しましたから。でも、その道沿いで鹿やらサルやらが出てきたりもするので楽しむことも出来ます。なお、2001/6には「世界ふしぎ大自然(「生き物地球紀行」の後継番組)」でこのダナンバレーが紹介される予定です(あ、この記述はよほどのことがない限り書き換えないので、とうの昔の話になっていたらごめんなさい)。

それと、実は遠くて近いダナンバレー、コタキナバル発ラハダトゥ行きの始発便の飛行機に乗れば、空港でピックアップされた上でそのまま直行することができ、時間的なロスが全くなくて便利です。我々はそれを知らず、ラハダトゥで1泊したわけです。ま、それはそれでよかったけれど、日程がきつい人にはおすすめでしょう。

【キナバル山あれこれ】


「4000m以上の山に登ってみたいっ!」と思われる人のために、日本からも海外登山ツアーがいくつかの旅行会社から企画されています。でも、1990にはコタキナバルに行ってから自力で手配して登りましたし、今回は現地の旅行会社に手配を頼みましたが、それでも日本初のツアーに比べれば格安です。やろうと思えば現地の入山料及び山小屋の宿泊までインターネットで申し込めるはずです(「Kinabalu Gold Resorts」。←ただし2001/5現在なぜかアクセス不可。アドレスが変わるのかもしれません。Yahoo Singaporeなどで検索してみてください。)。

登山上の特殊技術はな〜んもいりません。でも、高度の問題(前のページで書きましたが)と、標高差2200mを制覇する体力的な問題はあるでしょう。でも、体力と高度適応能力にはあまり因果関係がないらしいので、下手するとムキムキマンのあなたが「駄目だっ、もう一歩も登れないっ!」と嘆くことだってあり得ますし、その逆もまたしかりですね。

設備はしっかりしています。水筒だっていらないくらいで(各休憩所に流水が引かれている)、ラバンラタの小屋なら部屋の中はTシャツ1枚だってOK(パネルヒーターがありますから)。温水シャワーだってありまっせ。寝袋はSayat Sayat小屋を含めて必要はないです。寒がりの人がラバンラタ以外に泊まる場合は持っていっても構いませんが。それぞれの小屋のトイレは水洗ですから全然悪臭とは縁がないし、日本の山小屋以上の設備が整っているというのは間違ってないな。

なお、一時期(アジア通貨危機以降)ラバンラタ小屋のパネルヒーターや温水シャワーは経費節減ということで止められていたようですが、2001/3の段階では全てかつてのように稼働していました。よっぽどお客が少ない時以外は大丈夫なんじゃないかと思いますよ。

【各ポイントを巡る上でのルート】

サバ州内の主な見どころは、キナバル山、セリンガン島(カメ島)、セピロック(オランウータン保護区)、スカウ(キナバタンガン川)、ダナンバレーといったところでしょうか。この他には、シバダン島(ダイビング)やサバ鉄道(蒸気機関車運行)などが挙げられるかもしれませんが、ここではあえて(行ったことがないので)割愛します。

これらを効率的に巡ろうとする場合、やはり一番行きにくいダナンバレーへはコタキナバルからの空路が一番便利です。往復のうちどちらかは飛行機にすることを強くオススメします。

とすれば、たとえばこんなのはどうでしょ。

コタキナバル→(飛行機)→ラハダトゥ経由ダナンバレー→サンダカン→セリンガン島(カメ島)→スカウ(キナバタンガン川)→サンダカン→セピロック→(陸路)→ポーリン温泉→キナバル公園事務所→キナバル山往復→コタキナバル

ダナンバレーで2泊はしたいですね(我々はそうだったけれど1泊じゃあもったいないです)。またセリンガン島から帰ってきた日は、タイムロス無しにスカウに行けるようにどのツアー会社もアレンジしてくれるでしょう。スカウも2泊していいかもしれません。セピロックは行っても行かなくてもいいかなあ(ダナンバレーで野生のオランウータン見てるなら)。サンダカンからポーリン温泉まではちと長い陸路の移動になりますが、その日は温泉に泊まるんだと思えば我慢できるでしょう。翌朝ポーリン温泉発でラバンラタの小屋まで。「え、前日のうちに公園事務所まで入っておかないと翌日の登りがきついんじゃないの?」と思うなかれ。われわれは朝コタキナバルのホテルを出てその日のうちにラバンラタまで登っちゃいましたよ。ポーリン温泉からなら時間的には何の問題もないです

上の日程で最短(連泊なし)7日で行けるかも。でも移動ばかりできついですから(うちらは上記のルート通りではありませんでしたが連泊なしだったんで結構きつかった)、やはり10日くらいはかけた方がいいでしょう。うはぁ、何だかガイドブックみたいになっちゃったな。ただ、このルートと日程は、あくまで旅行会社にアレンジを頼んだ場合のみ有効です。ダナンバレーやスカウなどは公共交通機関がないですからどうしようもないんですね。念のため我々が利用した旅行社へのリンクはこちら

なお、ボルネオに関するおすすめは、このページ以外にここにもありますのでご参考まで。いずれにせよ、このへなちょこな意見が「遠くて近いボルネオ」の旅を目指すきっかけとなってもらえれば幸いです。お、かっこう良くまとめちゃったな。

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