Sandakanからは飛行機でKota Kinabaluに戻ることに。しかし、空港は大、大、大混雑。コンコースからロビーから食堂から階段まで、とにかく人だらけ。駐車場には屋台まで出ている。1日10便に満たない発着しかないこの空港にこの人々はいったい何なのか?しかし、気になる点がいくつかあった。

1: こんなに人が多いのになぜかSouvenier Shopが閉まっている。いや、閉店しているといえば語弊がある。中には店員がいるがドアを閉めて入れないようにしているのだ。そして、我々二人が興味深そうに中をのぞくと「Welcome」とばかりに、我々だけを店内に入れてくれた。もちろん我々には通常の営業をしてくれた。これは?

2: そうそう、大勢の人々でごった返しているのはもちろんだが、そのほぼ全員がマレー系の人々であり、中国系の人々はほとんど(いや、全然)見られなかった。しかも女性の着ているサリーだが、町中で見かけるサリー姿よりもえらく着飾った(派手な)美しい絵柄のものが多かった。

3: どう見てもこれから飛行機に乗るという雰囲気ではなく(荷物を見れば一目瞭然。こちらの人はビジネスマンを除き恐るべき量の荷物とともに移動するのが通例だから)、飛行機の到着を待っている以外には考えられない。

4: この日は3/25であった。あ、こりゃ年によって違うだろうけれどね。

さて、いったい何が起こっていたのか、わかりましたか?これわかる人はかなりの通ですな。



なんだよ、飛行機自体はガラガラだった。前回来たときはまがりなりにもジェット機だったのに。

さて正解はメッカ巡礼(ハッジ)を終えた家族を一族総出で出迎える」ということでした。正しくいえば「Hari Raya Haji」、ムスリム=イスラム教信者にとって重要な祭事であったわけです。そういえば日本からここに来る途中のクアラルンプール空港で、いかにも「これからメッカ巡礼に行って来ます」的白装束に身をつつんだ団体さんがいたものなあ。要はあの人達が帰ってくるということか。以下に上記1-4についての解説をば。

Souvenier Shopからすればどうせ地元の人間がおみやげ屋で買い物などするはずがないし、とすれば家族が到着するまでの明らかな暇つぶしで店の中をうろうろされても邪魔なだけだから店を閉めていたわけですね。だからどう見てもイスラム教徒には見えない=観光客然とした我々が近づいていったら入り口を開けてくれたわけです。

2の「マレー系」でピピーンときた人も多かったんじゃないかな。マレーシアはイスラム教を国教としてはいますが全国民に信仰を強制しているわけではありません。中国系やインド系の人たち、そしてこのあたりではフィリピン系の人たちも多いわけですから。マレー系の人たちだけがムスリムなわけで、ということはこの人々はムスリムという共通点をもとに集まっていたわけですね。

3は理由がわかってしまえば当然のこと。でも、空港に着いたときはあまりの人口密度の高さにたまげたなあ。だって前回ここからKK行きの飛行機に乗ったときには広いコンコースにお客なんて10人いなかったんだもの。人々を見た瞬間、「こりゃオーバーブッキングで乗れないかもしれんぞ」などと余計な心配をしてしまいましたのだ。正規の(正規料金で買った)チケット持ってるのに妙に疑心暗鬼に駆られるところが格安航空券に慣れきった旅行者の性だな(爆)。

4は一番難しいヒント。だってイスラム暦は太陽暦と違うから、毎年この時期にハッジが行われるわけじゃあないしね。

今になって思い出すのは、ムスリム最大の祭事といえば明らかに「Hari Raya Puasa(ハリ・ラヤ・プアサ)」、いわゆるラマダン=断食明けのお祭りですね。1990、クアラルンプールに着いた日がまさにその日で、今だったら「よし、マハティール首相と握手をしに行こう!(※ 下注参照)」などとコーフンしちゃうところですが、その時は「なんだ!バタワースまでの急行列車、軒並み満員じゃないかっ!」と途方に暮れ、仕方なく各駅停車(何と25両編成くらいだった)で向かったはいいものの、途中で列車は遅れに遅れ、結局午前0時頃、ペナン市内のもうすでに電気を消している安宿をたたき起こした、これもまた今となっては懐かしい思い出ですなあ。

(注)ラマダン明けの日は多くの有力者の家がオープンハウス状態になり、訪問客は誰でもWelcomeと歓待されるというわけです。もちろん全ての家が異教徒である我々までWelcomeとするかどうかは保証できませんが、まあ普通なら大丈夫でしょう。で、このオープンハウスの発想は首相官邸にも適用されちゃうところがすごい。我々外国人の異教徒にもオープンなわけですね(この辺に、他宗教に寛容な本来のイスラム教の原点を見る思いがするんですが)。で、ホスト役はもちろん首相ですから、列に順番に並べば握手が出来ちゃうというわけですね。もっともここ数年、マハティール首相を取り巻く環境も安穏とはしていないようだから今年あたりはどうなのかな。

あ、話が完全にそれてますね。このページのタイトル、「ホテルの話」でしたね。
あ〜もう、何だかもうどうでも良くなってきたな(爆)。


よし、気を取り直して(笑)。さて、今回のボルネオ行きは日本でKota Kinabalu往復及びLahad Datuへの航空券を手配し、現地の移動及びアレンジは現地の旅行会社「Wildlife Expeditions Sdn.Bhd」とメールで連絡を取り合いながら折衝していったわけですが、KK1泊を巡ってどのホテルにするかなかなか決めかねていたわけです。自分としては「どうせ一泊で、翌朝キナバルパークに行っちゃうわけだから、温水シャワーとエアコンのあるところならどこでもいいや」と思っていたのだけれど、それよりも全体の日程に無理があったり、肝心なラバンラタ小屋のBookingが満員で取れなかったりして変更に次ぐ変更。結局出発直前になって旅のコース取りが決定し、もうその時になると「KKの宿?もうどこでもいいや、それなりの所を押さえてください」という感じのまま出発したわけですな。

んでももって、KKの空港からこのホテルについてビックル、いやビックリ。これこそまさに「リゾートホテル」じゃないですかぁ!真正面に南シナ海、んでもってプールあり、部屋はひろーいベッドルームはもちろん、バスルームはもちろんのジャグジー付き、最上階角部屋のベランダからはご覧のような絶好の展望。うひゃーっとコーフンたまげっちゃって(言葉遣いが多少乱れてますがご容赦下さい)、驚いた驚いた。

気になるお値段は‥あれ、今改めて見直すと結構高いな。でも、RM280/TWIN、1泊約8500円(朝食付き)一人4000円ちょいか。これって、イギリスあたりでB&B泊まるのと変わらないぞ。やはりあのアジア通貨危機以来、マレーシアの物価は相対的に下落したままっていうのがよくわかるな。

 

さて部屋に落ちつき、まずTakemaがやったこと。それは…「バスタブに湯ぅちょいと張って洗剤ちと入れての足踏み式洗濯の儀」だったりしたわけですね。あ〜いやだいやだこの貧乏性っ(爆)。