その1 − 登山口〜避難小屋編 −



今年は紅葉の色づきが遅く、10月中旬でもまだピークの少し前でした。

会津朝日岳(1624m)。奥深い会津の西側、福島県只見エリアにあり、特に東京方面からのアプローチは極端に悪い山です。

体育の日がらみの連休、どこに行こうかなと考えているうちに、「メジャーなところはどこも混んでいるだろうし、ちょっとシブめの山のほうがいいかな」と思って選んだのがこの山でした。日帰りできる山だけれど、頂上近くには避難小屋もあるから、そこでのんびり一泊すればゆっくりできるだろうと思ったのです。

土曜日の夜遅く(23:00頃)千葉の自宅を出て、関越道をひた走ります。小出ICを出たところにあったコンビニでビールと朝ご飯の買い出し。これから深夜の六十里峠越えです。走り屋のお兄ちゃん達軍団もすでに引きあげてくるような時間でしたからすれ違う車はほとんどなく、せいぜい丸々太ったタヌキを追いかけたり(いやぁ太ってたぁ)、飛び出そうとしたウサギをびびらせるくらいの出会いしかありませんでした(笑)。んでもって、登山口には午前4:00頃到着。やっぱこりゃ、アプローチの長い山だわ(笑)。


ちょっと仮眠してふと目覚めたら、すでにあたりはしっかり明るくなっておりました。天気は‥曇り。まぁ、気圧配置からしてこの雲が雲海(だから一定標高まで上がれば快晴)というのは明らかでした。従ってそれは問題ないのですが、問題は駐車場に停められた車の数。15-6台はあったでしょうか。ここで今日の行程についてちょっと思案。

もともとの予定では今日の夜は避難小屋に泊まるということでしたが、この車の数&小屋のキャパシティが小さい(10人程度)ということを考えると、小屋はかなり混雑しそうです(明日も休日だし)。そこで急遽予定を変更しのんびり日帰り登山、下山後近くの日帰り温泉施設の休憩大広間で一寝入りし、帰りも深夜の東北道ひた走りということにしました。

出発は6:30。最初のうちは沢沿いの道を行くことになります。上のような橋もありますが、先月の湯沢遡行を考えれば屁とも思いません(笑)。だって、ちゃんとした道があるんだもん(笑)。

最初のうちはほぼ平坦。まだ標高が低い(登山口の標高は約600m)こともあって、あたりにはいくつもの花や実がきれいです(上の写真にロールオーバーあり)。あたりはまだガスの中。いくつかの支沢(水汲みは本流ではなくてこちらの方がいいかも)を渡り、本流の反対側に渡ったあたりから、徐々に傾斜がきつくなります。

うーむ日頃の運動不足がこたえたか、おしんこどん、少々膝に変調をきたし始めました。しかし無情にもTakema「自分のペースで登ればいいからね」と言い残しつつも、さっさと「自分のペースで」進んでしまいます。途中で知り合ったご夫婦がまさにこのパターンだったようで、奥さんいわく「私が遅れて登ってくるのを(夫は)待っていてはくれるんだけれど、私が追いつくとまたそそくさと登り始めちゃうでしょ、結局私は休めないのよねぇ」。さもありなん、いや、うちらのパターンもそうでした。すまんおしんこどん。



それでも一歩一歩ジグザグを登っていくと‥いやぁ出た出た、雲海の上に。

ようやく「人見の松」まで到着するとあたりの景色が広がります‥って、人見の松、狭すぎです。すでに先客パーティ(3人)が陣取っていて、もうほぼ満員です。しかも展望もイマイチ。休むには、そこから直線距離で50mほど進んだ尾根の上の方が全然いいぞ、反対側の展望も開けるし、と思ったTakemaなのでありました。

ここからはしばし緩やかな上り下りを繰り返します。しかし‥どうやら紅葉の最盛期には至っていないようで、もちろん色づいた木々も数多いのですが、一方でまだ青々としたブナなどもあったりして、なかなか微妙なところです。



君ぃ、まだまだ「夏」やってるでしょ(笑)。

でもこれじゃ悔しいので、何とか紅葉の時期らしさを写真に撮ってみました。もっとも「こうじゃないかなぁ」と思っていたのでデジカメしか持参しませんでしたが(笑)。




てなわけで、結構きれいに見える(見せてる)写真も多いんですが、全体的に色づきがまだイマイチです。学生時代、10月の連休に山形の朝日連峰に行ったときの色づきといったらなかったなぁ。

登山口から登ること約900m(もっとも途中で100m下ってますが)、いよいよ避難小屋地点まで到着しました。本来ならここに泊まるはずだったということで、中をちょっとのぞいてみると‥
初めにことわっておけば、この小屋は別に「荒廃」しているわけではありません。小屋の中にはゴミもないし、それなりにきれいに整頓されています。でも、いかんせん暗すぎるし、何といっても目が痛い(笑)。この小屋は中で火が焚けるようになっています。そのアイデアや良し。でも、火を焚く設計の割には換気用の窓が小さすぎます。よって、小屋の中は(火はついていないにも関わらず)煙いぞ状態。一晩泊まれば服も寝袋も燻製臭がつくことは間違いありません。しかも小屋のキャパは最大10人程度(もともとこの山域に人がどっと押し寄せることなど想定していませんから、これは仕方のないことでしょう)、そこに前夜は15人が泊まり、一部の人は外に何とかテントを張って寝たそうです(ちなみに小屋の外にテントを張る広いスペースはほとんどありません)。

またトイレはありませんから、この小屋の周囲(おそらく登山道とは尾根をはさんで反対側)はキジ場の嵐と化していることでしょう。ああ、日帰りで降りることにして良かった。
ま、そんなわけで、この小屋に泊まるのなら平日がよさそう。というわけで次のページへ続きます。

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