きつい道中もまた楽し? − 湯沢温泉行脚 −

【 その1 何とかたどり着いたぞ編 】



この悦楽状態に至るまでには、かなりの苦難と忍耐が必要だったのだ。

栃木の山奥深く、河原から湧き出すいくつもの温泉群があるということはずっと以前から聞き及んではいました。しかしなかなか訪問を実行に移せぬまま時だけはどんどんと流れゆき、最初に知った頃(高校生)からはすでに20年もの月日がたっていました。

しかし今回、ふとしたことから「New Zealand Tramping & 温泉情報」HPの管理人である秋場さんと一緒に、かの地を目指すことになりました。秋場さんとのミニオフ会は2回目(前回はこんな感じでした)だし、しかも彼は今回の目的地にもう何度か行ったことがあるということで、それなら後ろをポコポコついていけばいいのだからルートに悩まないでいいしということですぐさま決定!秋場さんのお知り合いのEさんと4人の温泉行脚‥しかし、現地まではそんなに楽な道のりではなかったのです。くぅ〜っ。

というわけで、今回のへとへと道中記、始まりはじまりぃ〜!

 

おしんこどん(赤のザックカバー)は、今回も見かけ荷物がやたらにデカイ。

この日はちょうどお彼岸の中日ということで、朝一番でお墓参りを済ませてからの出発となりました(ご先祖さんは全てに優先?)。途中栗山村内で蕎麦を食べたりしたこともあって、川俣温泉から日光に抜ける舗装林道をさかのぼる途中にある分岐ゲート(左上の写真)を出発したのは14:40。かなり遅い出発ですが、まぁ2時間もあれば着くだろうしとタカをくくっていました。実際の到着は日没ぎりぎりになっちゃったんですけれど(苦笑)。

林道の分岐に車を止めていよいよ歩き出します。この林道の途中から沢に降りるわけですが、それにしちゃこの林道、後半は上り坂です。高度計で測ってみたら入口から標高差で50m近く登ってました。ザックの中にはタープやら秋刀魚やら、どうせ一泊だしということでナメた気分で持ってきた荷物が詰まってますから、この登りは予想外。バテたわけじゃありませんが、「なんで上り坂なんだよぉ!」とちょいとしおたれたりして(笑)。

温泉への分岐(看板あり)からは、一気に斜面を下ります。結構急で、道ははっきりしてるんですけれど、「帰りはここを登るのかぁ」とブルーな気分になります。標高差は80mくらい。まぁ何はともあれ河原に降りたって、さぁここからがいよいよ本番です。

 

実は、ここに来るまでにいくつかネットで検索した結果、「温泉まではほんの数回渡渉(川渡り)をするだけで、あとはまがりなりにも道がついてるんじゃないか」とタカをくくっていました。できれば靴を濡らしたくないなぁ、その時だけビーサンに履きかえればいいかと思っていたわけです。しかし、現実はその淡い願望を見事にうち砕いてくれました。道など無いのです。歩けそうなところを選んでとにかく進むのみ。滝こそありませんが、こりゃぁ純粋な沢歩きそのものです。

しかも、この日危惧されていた雨まで降り出しました。蒸れるのがいやで、極力雨具を着たくないTakemaはさっさと折り畳み傘をさします。しかし、やはり3段折り畳み傘は街用ですな。ちょっとした障害物ですぐチョコになっちゃう。4ヶ月前にカナダのバンクーバーで盗られた折り畳み傘は使い勝手が良かったんだけどなぁ。また買いに行かなくちゃ。

沢沿いに行かれないところは一段上を高巻くことになるんですが、道がないから結構バランス感覚が必要になります。しかも結構トゲあり系の植物があるんです。短パンで行ったTakemaは気を遣わざるを得ません。とはいっても、枝ごと踏みつけるように歩けば何とかなるわけで、結局往復とも何とか傷は作らなくてすみましたけれど。以下、沢沿い道中の写真をいくつか。

  

結局膝下までの渡渉10数回、かなりあてにならない、木々に巻かれたテープによる(みんな好き勝手につけてる)ルートをたどりながらの沢歩きとなりました。しかし不思議なことに、上流に行けば行くほど歩きやすくなっていくのは不思議な感じです。

そして、「いいかげん着かないと暗くなっちゃうなぁ」と思っていた17:00ちょい過ぎ、突如として立派な道&丸木橋(流されてたけど)に行きあたりました。そしてそこには、それまでの「ルート」に比べたら全く信じられない、「道」があったのです。



突如として現れる整備された遊歩道。なんでやねん。

そして何とか、暗くなる前に通称「広河原」に到着。数張りは張れるであろうテントサイト、そしてその少し下流にある温泉。絶妙のシチュエーションに陶然としながら、まずはテントの設営です。今回は天気が悪いというのがわかっていたので、バイクキャンプ用の巨大タープを持参していましたから、雨が降ろうが何だろうが恐いものはありません。実際、夜は結構霧雨も降ったりしていましたから、これなしではきつかったでしょう。持ってきて良かった♪。

設営後、だいぶ暗くなってからの証拠写真。実はテントサイトのすぐ下からもわずかながら温泉が出ています。足湯にちょうど良かったのだ。
さて、ぐったりと疲れた身体をほぐすべく温泉じゃあ!といいたいところですが、長くなってきたんで次のページでね。

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