廻り目平のキャンプ場は長野県川上村に位置し、随分古くからある(アウトドアブームのはるか以前から、という意味で)キャンプ場です。でも古くささとは全く無縁の、とても居心地のいいキャンプ場です。場内へのバイクの乗り入れはもちろんOK、一体どこまでがキャンプ場なのか全くわからないほどに奥が深く、入り口付近の混雑を無視して坂道を上っていけば、もう人の声などは聞こえません。朝の目覚めが鳥の声、というのはほぼ保証できます(GWやお盆には行ったことありませんが、それとて混むのは入り口付近ばかりでしょう)。清潔好きの人には15:00-19:00の間お風呂がありますし(300円)、24時間OKのコインシャワーだってあります(3分100円はちょっとお高い!?)。さらにキャンプサイトでの焚き火は全く問題なし。上の方に行けば薪はいくらでも落ちていますし、面倒な人は管理棟でも売っています。あ、キャンプ代は500円です。入り口には立派なゲートがありますが、バイクの場合はそのすぐ横をすり抜けて入場することが出来ます。
とにかく広い場内。ここでキャンプするときはとにかく目の前の利便性にこだわって管理棟やトイレ近くに張ろうとするのではなく、とにかく「上へ上へ」がポイントです。場内の道は一部を除いて未舗装、ちょっと石のごろごろしているところもありますが、乾いてさえいればオン車だってかなりのところまで上がっていけます。不安な人は、駐車場の上で舗装が終わったところまで行ってみてどうするか決めて下さい。ただ、雨のあとなどはオンでは厳しいです。さて、ある程度上まで上がると、洗い物はともかく水には困りません。いつでも出ているというわけではないのですが、何と伏流水が流れ出しているところがあります(探してね)。基本的にこのあたりの地盤は花崗岩ですから、「花崗岩+湧き水」という、南アルプス天然水にも鮮度の点で絶対に勝てる「おいしい水」が手に入ります。ただ、だからこそそこでの洗い物はバツですが。
テントサイトの雰囲気はこんな感じですが、場所によって大きく違うのは当たり前。[下:便利だけどうるさく自然度小 VS 上:風呂トイレに行くのは遠いけれど自然共有度抜群!]のどちらを取るかということです。それでも下がいい!という人は、無理してこのキャンプ場に泊まらなくてももっといい場所がいくらでもあるでしょう。もう一枚の写真はご愛敬といったところですね。
さて、廻り目平といえば背後に小川山を控えたフリークライミングのメッカとしてその方面の人々には大変有名な場所でもあります。したがってキャンパーの客層もその関係の方々の比率が結構高い(だからあんまり混んだエリアで宴会やるのは慎みましょう)。場内のかなり上の方、もうここから先は傾斜きつくて張れないかな、というあたりにくると結構大きな岩がころがっています。それらの多くはボルダリングにしばしば使われているようで、それぞれの石の登り方(グレード別にルートが設定されている)についてのガイド本まで出版されているほどです。というわけで、ヤラセながらちょっと写真撮ってみました。こんな感じで登るわけです(ちなみにこういう場合、本来Gパンで登ることはありません。でも靴はちゃんとクライミングシューズはいてます)。やったことのない人には厳しいアトラクションですが、ハイキング的にあたりを登っていくだけでもかなり楽しめるはずです。
なお、キャンプ場とは関係ありませんが、ここから大弛峠を越えて山梨県の塩山にいたる峰越林道、現状ではオン車ではかなり厳しそうです。むしろ山梨側からの往復に限れば、ダートはあと5kmくらいだということなので、路面が乾いてさえいればとりあえず何とかなるだろうと思います。長野側は深砂利&大石ごろごろだということなのであっさり諦めるしかありません。
とにかくこの廻り目平、のんびり快適に自然の中で過ごせるという点では首都圏随一だと思います。キャンプ道具をくくりつけていざ、行ってみて下さい。(1999 6/5.6)