禁断の銀山湖。どうして二輪車通行止め??

降りてくると、沼山峠は思ったより車の数も少なかった。「おやおや、その割には結構人が登ってきてたんだけどなあ」と思いつつバイクに火を入れる。寒さもだいぶゆるんできた。さて、分岐点の御池まで降りてくると…あれま、ゲートが閉まってる！もちろんそばには係員がいて開けてくれたのだが、聞いてみると「今日はかなりの車が上がってるんで、ここの駐車場に停めさせてるんです。」とのこと。確かに峠は駐車スペースも少なく、大渋滞も予想されるからその対応は適切（かつて群馬側の鳩待峠周辺は大渋滞ですごかった。駐車車両のせいでバスが降りられなかった！確かあの時は沼田市内からレッカー呼んで移動させたってことだった…）。しかし、昨日の夕方に上まで上がったのは正解だったな。いったん閉まったらバイクも入れてくれないし。しめしめ。

さて、ゲート係員に銀山湖方面の二輪通行止めについて聞いてみる。と、またもや思いがけない答えが。いわく、「枝折峠は通行止めだけど、あとは二輪でも行けるよ。」えっえっ、いつの間に規制撤廃されたの？しかも檜枝岐でも同じようなことを聞いたから、どうやら本当のようだ。よっしゃあ、これで未踏破ルートを一つ減らせるぞ！

さて、いよいよ銀山湖方面にバイクを走らせる。標高が下がるにつれて紅葉があらわれてくるが、やはり美しさの点で例年には遠く及ばない。左の写真はその中でもかなり綺麗なものを写した写真だけれど（色調は無修正）、それでもこんなもの。色の付き具合も、ムラも含めて「うーん…」と唸るしかない。ま、仕方ないか。夏にあれほど楽しませてもらったんだからこれくらいは我慢しなきゃいかんのだろう。

ここから銀山湖にいたる道沿いにいくつかある集落はもともと檜枝岐の出作り集落というもので、平地の少ない檜枝岐集落がやむを得ず考え出した窮余の一策である。かつては今よりはるかに多くの家屋及び畑があったが、今ではほんのいくつかが残るに過ぎない。もちろん無雪期だけの集落である。今の檜枝岐は観光という新たな生活手段を見いだしているから、このままいけばこれらの家々は山小屋などを除き遅かれ早かれなくなってしまう運命なのだ。後述の清四郎小屋にかかっていたS30年代の集落の写真を見て改めてそう思った（あ、またマジなネタになっちゃったな）。

さて、腹も減ってきたし、食べるところもそうそうあるはずでもないので、平ガ岳登山口に位置する清四郎小屋で蕎麦をたべることに。で、驚いた！ここの蕎麦、ほかのところと作りが違う！あの舌触りや食感を含めて是非一食の価値あり。なお全て蕎麦粉や製粉なども含めて全て自家製とのこと。このあたりに秘密がありそうだな。11:00〜14:00頃までだということだから時間が合ったら寄ってみて下さい。

さて、清四郎小屋からさらにすすんでいくと、突然「これより先、大型車及び二輪の通行禁止」の横断幕が！えーっ、なんだやっぱり通行止めじゃないか！檜枝岐の人たちが話してくれてたのはなんだったんだ！…と思っても仕方がない。戻るか…いや、それはあまりに面倒くさい！どうせなら御池の分岐から通行止めにしといてくれりゃこんなことにはならなかったのに！残り点数、もうほとんどないんだぞ（^_^;）！

そしてそれから数分後、通行禁止のはずの道を突き進むTakemaの姿があった。さっき、一台のタンデムバイクがむこうから来たことを思い出したからだ。向こうから来られたということは、あっちには警官によるチェックが行われていないという事じゃないか！いっちゃえ！というのが最大の理由であった。が、またそれからしばらくして「待てよ、彼らはさっきの横断幕から引き返してきたとか、さらには『銀山湖まで行ったものの、そこで警官にキップ切られ、さらには引き返すよう命令された』なんてことだってあるんじゃないか？」などとも考えてしまう。

結局、対向車線に車を停めている四輪ドライバーに「あのーっ、向こうから来られる時、警官の姿とか検問とかってありませんでしたか？」と何度も確かめる羽目に。結論は皆さん「見てない」ってことでした。というわけで、え、ええ、行きました。はい。

しっかし、こんなに展望もいい道をどうして二輪通行止めに？その理由をいろいろ考えてみた。「道が狭く見通しが悪いから」ってのは論外。だったら四輪がOKというのは説明できない。一番あやしいのは、多くの沢が橋を造らずに道上を流す構造になっているため（おそらくその方がかえって道の補修などに便利なのだろう）、そこは水ゴケなどがついて滑りやすいため＋雨天などに二輪が脱出不能になるため、といった感じだろうか。しかしそれでも「じゃ、トンネル道路のシルバーラインまでがなぜバイクが駄目なのか」という問題の答えは出ない。「道路管理者のバイク嫌い」なんてのも大きなファクターなんだろうなとも思う。どなたかホントの理由をご存じの方いらっしゃいます？

ちなみに銀山湖のほとりのドライブイン付近には自分を含めて3台の掟破りバイクがいましたが、みなきょろきょろまわりを見渡して安全確認してるのが印象的でした。しかし！納得いかん！