野湯行脚みちのく編 −田代元湯−

【 その1 アプローチ編 】

いやぁ、さすがに仕事を終えて帰宅したあとの「夜の東北道ひた走り」はつらいもんです。しかも、福島とかまでならともかく八戸あたりまでともなると、こりゃもう体力、いやいや退屈との勝負というのが正しいですなぁ。

そんなこんなで途中で寝たりしながら、岩手山SAで朝食。おしんこどんは朝から盛岡名物の冷麺と格闘していたゾ。わたし?えぇ、トーストなんぞをお洒落にぱくついておりました(だって眠くて食欲なかったんだもん)。さ、八戸道を軽米ICで降りて、いよいよ今回の旅の第一弾、田代元湯へと向かいます。



あぁ有名ですねぇ。あの映画、忘れ難し。

この銅像のあるところからほんの1kmちょい酸ヶ湯というか十和田湖方面に進んだところに田代元湯方面への林道が分岐します。とはいっても分岐の標識「田代元湯→」とかいう気の利いた看板などは一切ありません。おまけにすぐ手前には「だまし林道」もあって気が抜けません。ポイントとしては、進行左側に舗装された小さなパーキングがあったら、そのすぐ脇(手前)から直角に下っていくのが林道分岐です。走りながらでは絶対に見えませんが、分岐にはほんの小さな標識(左の写真ね)が出ているので、バイクや車を停めてこの番号を確認してください。
んでもって、ここから林道をぐいぐいと車で降りていくことになります。し、しかぁし!結構ラフな道です。下りの場合も4駆ならともかく、うちらのような2輪乗用車では時に腹を擦ることもあるかもしれません。私の場合腹擦りはありませんでしたが、しかし、ある程度下ってきたところ(下の場面)で思い切り躊躇しました。


これは斜面の下側から撮った写真ですが、道の真ん中はかなりの深さにえぐれ、しかも常時ヌルヌル系に湿ってます。傾斜もかなりのもんです。下りはともかく登りは、特にFF車の場合はしんどいです(わたしゃ登るときに2度スタックしました)。ちなみに、雨上がりなどの時は4駆だって保証しません。これからはどんどん荒れていく一方の道だし(ダム予定地ということですからね)。ま、今のところなら林道に慣れた4駆乗りであれば終点の広場まで難なく行けちゃうでしょうけど。さらにバイクの場合は両サイドのしまったところを通ればいいので楽勝です。ただし2駆の人はそれなりにあきらめが肝心です。な〜に、舗装道路から歩いて下の駐車場までだって、ゆっくり歩いても20分ちょいだって!(ただし下り道だから帰りはもっと時間がかかるよ)。

手前の適当なところに車を止め、へこへこと歩き始めます。林道終点の駐車場にはこんな看板が。

 

いつ設置され、何度雪の重みにひしゃげたかわからない(でもこの折れ曲がり方を見るとそんなに古くないのかも)看板のわきの山道を歩き始めます。あたりにはヒグラシの声、あとは静寂。でも歩いていくうち徐々に沢音が近くなります。

 

まずは小さな沢に出ます。鉄パイプで組まれた小さな橋です。板はのせられているだけなので、案外こういうほうが大雨のあとの復旧は早いでしょうね。問題は誰が復旧するかですが、この温泉は篤志家の方が定期的に補修して下さっているということなのでありがたいです。でも、大雨直後でもない限り飛び石づたいに渡れそうです。

 

ほんの数分、沢の本流沿いの気持ちのいい道を歩いていくと吊り橋に行きあたります。この橋を渡ればいよいよ田代元湯に到着です。林道終点から歩いて約10分、標高差は50-60mくらいですからホントにお散歩気分です。

さて、たどり着いた田代元湯、肝心の「湯」のほうはどんな感じなのか、それは次のページにてお楽しみ下さい。

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