夕暮れ間近、ちょっと強めの風が吹く中、とりあえず本体の設営も完了です。しかしさすがに本体だけじゃ寒いので、今回はフライシートの変わりに冬用の外張を持ってきました。これで夜の寒さも十分にしのげるはず、さっそく本体にかぶせにかかります。が、しかし?なぜかうまく取り付けられません。これまで何度も使っているし、取り付け方が間違っているはずもないのになぜ?‥しばし熟考、そして、あまりにもわかりやすい確固たる結論に達してボーゼンとするTakemaなのでありました。
そう、私Takemaは2つテントを持っているのですが、そのどちらもICIゴアライトなんです。で、何が違うって大きさが違うんです。今回持参した本体は「3-4人用」のものだったんですが、外張は「2-3人用」のサイズだったんですね。完全にうっかりしてました。しかも困ったことに、「小は大を断じて兼ねない」というのが宇宙開闢以来連綿と受け継がれつつある真理なのであります。こりゃ、天地がひっくり返ってもうまく取り付けられるはずがありません。うはぁ、やってもぉたぁ(涙)。
まぁ仕方ない、テント内でがんがんストーブをつけることで寒さをしのぐしかありません。幸いなことに予備も含めてガスのカートリッジは4つありますから、多少の無駄遣いは許されます。しかし、この日の風の強さが災いしました。強いといってもテントを吹き飛ばすような強さではないんですが、たった一枚のテント地を通して冷気を入りこませるには十分でした。一気にテント内をあったかくしても、火を消して30秒後にはほぼ外気温近くまで下がってしまうという現実に気付くまで、さして時間はかかりませんでした。
持てる限りの服を着て下半身を寝袋にもぐり込ませても、上半身はやっぱり寒い。こうなったら、内燃機関に頑張ってもらうしかありません。というわけで必殺芋焼酎の登場!チョコレートをつまみにしてくいのくいのクイッ!あ〜ら不思議、寒くなくなっちゃった♪‥という程ではありませんでしたが、何だかさっきまでよりはるかにましになりました。というわけで、頃合いを見はからって「就寝!」
明けて翌朝。外を見ると「思いっきり快晴」です。「よし!」と気合いを込めて起き出し、おいしくないパンとコーヒーの朝食後、いざ出発です。アイゼン付けるのも久々だぁ。ちなみに前回使ってから手入れをしていなかったので、最初の数歩は足跡が茶色になりました。よい子は錆びくらいあらかじめ落としておきましょうね(笑)。というわけで出発は6:30。
主稜線の西側ゆえなかなか朝日はあたりませんが、風もほとんどなく絶好の春山日和です。中山乗越目指して歩く気分も悪くないはずがありません。しかも山はほぼ無人状態!雪を踏みしめる「キュッキュッ」という音だけが響きます。気温は手持ちのアバウト温度計で-15度くらい、この時期この場所にしては普通でしょう。
中山乗越まで来ると、硫黄岳・大同心小同心方面が見えてきます。さて行者小屋へちょっと下ればいよいよ「本番」です。