※ 「鉄ちゃん」とは、鉄道ファンのことだと思って下さい。実はわたしゃ小中学生の頃完全にハマってました(笑)。



なかなか乗れない只見線を、冬にタンノーしてきました(2004/1/10.11)。

− その1 − 自宅〜東京〜越後湯沢〜小出

さて、成人の日がらみの連休、どこに出かけるかを真剣に考え出したのは連休前日の夜になってからでした。どうやら山沿いはあまり天気が良くないかもしれないという予報のもと、雪山登山はあっさり却下。となると温泉に入りたいおしんこどんと、やはりこの季節だし雪を見たいよなぁと考えるTakema双方の希望を叶える場所といえばどこなんだろう。何とかの考え休むに似たり系の真剣さでしばし悩んだTakemaなのでありました。

しかし、Takemaの普段の機動力であるバイクや車は雪道にめっぽう弱いです(うちの四輪はノーマルタイヤだしね)。となれば雪のあるエリアに行くには列車しかないというのが当たり前に出せる結論。「鉄道で、しかもまだ乗ったことのない路線沿いに温泉があるところ、しかも近くにスキー場などのないシブいぞ系の温泉がある線といえば‥」
というわけで結論を出すのは案外簡単でした(笑)。只見線沿いには、観光化されているとは言い難いシブめ系の温泉がいくつもあるのですが、千葉から日帰りで行くにはちょっと遠いのが災いして、実はTakemaも数えるほどしか行ったことがありません。ついでにそれら温泉の多くは、駅からローカルバスで大移動するほどの遠距離にあるわけでもありませんから(大体は国道の近く)、予約を入れておけば迎えにも来てもらえそうです。とりあえずいくつか目星を付け、ネット上の情報で様々に比較検討したうえで「大塩温泉」に決定!しかし時間はすでに23:00を回っていたので、この日は電話できず。明日朝起きてから家を出るまでに連絡をすることにして就寝。

翌朝は7:30過ぎに起き出し、まずは予約の電話を入れます。んでもって(結構あっさり)予約OK!よし、連休スタートです!

とまぁここまでは良かったのですが、東京駅ではさっそく新幹線の時間をしっかり1h間違えちゃいました。とはいっても1h早い電車に乗ってしまったわけなのでまぁ大勢に影響はないなとも思ったわけなのですが(実は乗ってから気付いた)、怒涛の席取り合戦に何とか勝利した我々も、「こりゃあこの列車に乗り続けていたら大変なことになる!」と気付くまでにそう長い時間はかかりませんでした(笑)。さぁて、話が徐々に鉄っぽくなっていきますよ(爆)。

只見線の始発駅である小出には新幹線の駅はありません。その最寄り駅は浦佐という駅なのですが、「どうせ各駅停車だろう」と思って乗った「Maxとき313号」はなんとその浦佐を通過してしまうということが、車内アナウンスにより発覚。ということは、絶対に一つ手前の越後湯沢で降りなければならなくなりました。改めて調べてみると、同じ「とき」でも列車によって停車する駅としない駅がまちまちなんですね。「こだま」と同じく全部各駅停車だと思ってました。あ〜アブナカッタ。

しかしボーっとしている時の自分は何をしでかすかわかりません。越後湯沢で降りたTakemaは何の確認もせずにおしんこどんを引き連れ、さっさと新幹線の改札を出ちゃったんです。もちろん特急券は自動改札に吸い取られてしまいました(出てから唖然)。しかしこれでもし在来線の下り電車が小出まで行かなかったりすると、われわれは路頭に迷うかまた特急券を買わねばならないということになります。その場合1人約1600円×2をJRに無償寄付(もともと買っていた特急券の差額+新規購入金額の合計)ということになり、「人がいいのにも程ってもんがあるよ」と後ろ指を指されかねない状況です(誰が指すんだ誰が)。

しかし幸いなことに、在来線の時刻を調べると「次の下り普通列車=もともと浦佐で乗り換える予定だった電車」であることがわかりました(安堵)。しかもその列車の発車時刻まで多少時間があるということで、地酒ワンカップ5本セットと簡単なおつまみを入手することが出来ました。そしてこのことは只見線乗車後に大きな意味を持ってくることになったのです(笑)。



越後湯沢での待ち時間に雪と戯れる図。谷川連峰がきれいに見えていましたっけ。

さて、なぜか越後中里始発の普通列車がやってきました(もしかしたら水上始発だったかも)。予想外にお客さんが乗っていて、ボックスシート席は取れず。スキー関係のお客はそれほどいません。というか、車窓から見えるスキー場、3連休の初日の昼間だというのにどこも何だかガラガラです。やっていけるんだろうかとちょっと心配になりました。かくいう我々も最後にスキーをしたのは「おしんこどん=7-8年前、Takema=15年前(NZのワーホリ時代が最後)」というていたらくなんですが。

我々の座ったシートからほど近いところに旅行者とおぼしきおばさん集団が陣取っていたのですが、またその集団がしゃべるしゃべる笑う笑うウルサイウルサイ(笑)。うちお一人などはもうほとんど笑っていない時間がない、お腹痛がってるぞ、そんなに笑い続けちゃ内臓飛び出しちゃうぞ、果たして息継ぎは無事に出来ているんだろうか?と思ってしまうほどのパワー全開状態まっしぐら。あれだけ道中を楽しみながらどこに行くのかなぁ、そういや、この集団に限らずこの列車に乗っている皆さんの多くはどこに行くんだろう?六日町でもさして降りなかったしなぁ。まさか?と、何だか不安になってきましたが、まさかねぇ。

しかし、その「まさか」が大的中。「まもなく小出、小出です。只見線はお乗り換えです」という車内アナウンスの後、にわかに車内が動き出しました。網棚から荷物を下ろし出す人、早くも出口ドアの方に歩き出す人、驚いたことにあのおばちゃん軍団まで降りる準備を始めたようです!

列車がホームに進入し始めた頃、跨線橋をまたいだ反対側にある4番線ホームに停車中の只見線車両が見えました。「2両編成だ!」「この普通列車は4両、しかも結構多くの人が下車しようとしている、これは一つ間違えると大変なことになる‥」などのことを瞬時に考えたTakemaはすかさずドアの方へ移動!

ドアが開くと、ホントに(予想外に)多くの人々が乗り換えのための跨線橋へと足を向けました。幸いなことに我々のドアは乗り換え階段からはそれほど遠くない場所でしたから、こりゃいかんとダッシュ開始!(結果的におしんこどんを置いていきましたが、あの状況ならば仕方ありません@自己弁護)。階段も2段抜かし(久々)、通路を走り‥只見線ホームに降り立つと、すでに乗り込んでいる「余裕人」の皆さんが驚いた様子でこちらを見ていたような気がしますが、気にしない気にしない、まずは席を確保しなくっちゃ!

幸いなことに、自分は後部車両に二番乗りすることが出来ました。余裕人の皆さんの人数は数えるほどでしたからこれで一安心。「ええっと、進行方向はこっちだよなぁ(勘)、ということがこっちが川沿いというような感じだった気がするし‥えい、じゃあこのボックスの窓際2席に決めた!」
そのあと程なく、後続の皆さんによる席の争奪戦が始まりました(爆)。「そ、そこ空いてますかっ?お〜い、ここ2つあるぞぉ、あと3つだ、そっちはどうだぁ!」と手分けをして席を探す団体さん、遅れてきてしまい、困った顔をしてそれでもあわよくばを狙って空席を一つ一つしらみつぶしに物色する人。(だからこういう場合、状況が安定するまで絶対に席を離れてはいけないというのが、長年夜行列車の席取り合戦に参加してきた経験を持つTakemaの鉄則です。席を確保した後、隣の人とのコミュニケーションもそこそこに売店に買い物に行ったりすると、戻ってきたわが席にはちゃっかり別の人が座っていたなんてこともよくあることでした)

まぁ何だかんだで皆さんそれぞれそれなりに落ちついたようで。見ると、こちらの車両だけで10人弱の方々(皆さん旅行者ふう)が席を確保できずに立ちんぼを余儀なくされたようでした。ご愁傷様です。そうそう、あの「内臓を吐き出しかねないおばさん軍団」はどうなったのかと思いきや、ボックス席は確保できず、それでも車両の端っこ側のロングシートを確保した様子でした。しかし、ロングシートじゃ旅の風情も半減ですからねぇ(「せっかく只見線に来たんだし」=鉄色の濃いTakemaの思い)。それに向かい合って盛り上がるからこそ話も弾むというのが筋なのか、この車内では皆さんお静かなままでした(苦笑)。



席の争奪戦も終盤、たった2両編成の会津若松行きは満席の大盛況♪

さて、これをお読みの皆さんも思いあたる節があるでしょう。始発列車で首尾良く席を確保した後、皆さんはどのような行動に出るでしょうか。そう、それは「道中を楽しく過ごすための買い出し」に決まってますよね。どうやらこの列車に乗り込んだ皆さんのほとんども、思いは同じものであるようでした。しかぁ〜し!

実は先ほどまで乗っていた上越線下り列車とこの只見線とは絶妙な接続関係にあります。上越線の小出駅到着は13:02、そして只見線の出発は13:12。乗り換え時間はたったの10分に過ぎません。それでも普段であれば上越線到着と同時にすぐ改札から出させてもらい、売店で買い出しをしてから只見線ホームに向かってもまだ多少余裕があるタイミングでしょう(普段はガラガラだといいますから)。しかし今日のような場合、席取りをしてから再び跨線橋を渡って反対側にある売店まで買い出しに行くというのはほとんど不可能な状況だったのです。

しかしTakema&おしんこどん一行としては、新幹線の列車を1時間間違え越後湯沢に早着したミスが大きな幸運でした。前述したとおり越後湯沢での待ち時間中に買いこんだお酒やおつまみは心強い味方となってくれました。「災い転じて福となす」とはまさにこのこと、周りのお客さん方が「あれぇ、もう買いに行っている時間がないよぉ」と嘆いているのを耳にして、「ふぉっふぉっふぉっ♪」と心の中で意地の悪いバルタン星人のような高らかな笑いを発していたのは多分Takemaとおしんこどんだけだったのです。



とりあえず5合あればいいでしょう(誇)!おしんこどんも味わい深げに飲んでます。

というわけで、只見線会津若松行き@1日たった3本(だから午後1時過ぎの発車にもかかわらず「二番列車」)、いよいよ出発です!

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