− ブリコ石下流の湯 その1−



小さいけれど、適温で気持ちいいっ!

1/25000の地図で秋の宮温泉郷周辺を見ていると、ここにも「荒湯」という地名があるということに気づきました。荒湯とはいい響き。そこには絶対何かが待っていそうな気がします(自分だけ?)。というわけで行ってみました。これがまた大当たり。

秋の宮で国道を離れ、町道に入ります。一応地図を頭の中に入れていたとはいえ、結構当てずっぽうだったんですね。野湯好きの皆さんはいったいどうやって調べてるんでしょう、いまだに不思議です(笑)。

しばらく細い舗装路を進んだところでいよいよ「天然記念物ブリコ石」の看板に出くわします。ここからはダート路なのですが、入口付近からしてすでに荒れた感じですから、普通乗用車の場合はそのあたりに車を止め、ここからは歩いた方がいいのかもしれません。ちなみに分岐からは700mちょい(ただし登り道)ほどで現地に着きますから、無理に車で強引に進入する必然性はありません。え、私?はい、しっかり進入しました(笑)。ちなみにこの道は周回の一方通行ですのでお気を付け下さい。

さて、進んでいくと、下のような看板が出てきます。



立派な看板の脇に道があるんですが、わかるかなぁ。

日陰ゆえ見にくくなっていますが、「じ(魚編に而と書く)状珪石・噴泉塔」とあります。温泉の沈殿物が魚卵のような形状をして石化したもののようで、通称はブリコ石と呼ばれています。ちなみに天然記念物なのですが、その指定が大正13年というのですから驚きです。しかも、そんなに古くから貴重なものとして認められていたにもかかわらず、現地は今もほとんど当時のままであるのがこれまたすごいことです。

家に戻ってきてから改めて調べてみてわかったのですが、このブリコ石、現地でもどこにあるのかわかりませんでした(ちなみに柵があり、その向こう側のどこかにあるのだろうとは思っていましたが‥)。それもそのはずで、石そのものは地中に埋まっているのだそうで、空気中に出すと崩壊してしまうそうです。なるほど、それじゃわからないはずだ、残念だけれどしょうがないですね。

しかし、ブリコ石という名前に気を取られていたのですが、下の看板を見てふと我に返りました(笑)。



以前は標柱に打ちつけられていたのかなぁ。でもわかりやすい指導標でした。

むむっ!「噴泉」!ということは‥お湯が出ているのか?というわけで、指導標通りに山道を下っていくことに。すると程なく、向こうからもうもうと立ちのぼる湯気が見えてきましたっ!こ、これはもしかして?

うわぁ、まさに熱湯が噴出しているようです!看板にあった噴泉「塔」そのものは何だかどれが塔なのかわからない状態でしたが、噴気そのものは元気。そしてその噴気とともに、熱そうな湯が流れ下っています!こ、これは期待できそう♪

噴泉塔付近の湯は相当熱そうなのでさっさとあきらめ、今度は下流からアプローチします。いったん車を止めた林道まで戻り、その橋の下の沢に手をつけてみると‥適温ただしちょいとぬるいというところでしょうか。ちなみに相当前に先人が手を付けたと思われる湯船の痕跡が残っていましたが、これを再興するには相当の努力が必要だし、しかも完全な泥湯です。源泉は湯花も出していないことだし、泥の中にはもはや腐葉土と化した葉っぱも多く含まれているしということで、もう少し上流に上がってみました。すると‥以下次ページに続くっ!

[戻る]  [次へ]