− 鬼首「奥の院地獄の湯」 −

さて、お次は鬼首の奥に位置する地熱発電所方面へと向かいます。発電所の周辺にはいくつか「地獄」と呼ばれる噴気地帯があるのですが、その一番大規模なものが「片山地獄」。しかしその核心部は発電所の敷地内にあり立入禁止になっています。そこで今回目星をつけていたのは、その手前にある別の地獄。とはいっても「奥の院地獄入口」などという看板が出ているわけでもありませんし、道路から見えるわけでもありませんから見つけるのは至難の業です。

ここを上がればいいのかなぁと目星をつけ、沢を遡っていきます。入口付近に道は全くなく、踏み跡もないので「ここでいいのかいな」と不安になります。ハズレだったら精神的にへたれますからねぇ。



しかし、この沢の色からすれば上流にはかなり濃厚に‥ちなみに入口付近の沢水も何となく温かいですから、
多分間違いない‥ことを祈りつつ、靴を濡らさぬように進みます。ホントは長靴が一番ですけれどね。

沢沿いに数十m進んでいくと‥何と、歩道が出てきました!道路からは道の気配など微塵もないのですが、奥に進めば進むほど立派になってきます。道は沢の一段上を通るようになっているので、沢の増水による浸食崩壊を免れていたということなのでしょう。入口付近では道が沢沿いに付いていたため跡形がなくなっているのでしょうかね。このことが幸いして、荒湯地獄のように有名にはなっていないということもあるかもしれません(荒湯地獄が「有名」といっても、後日再訪した際にはGWど真ん中の日中にもかかわらず無人というレベルでしたが(笑))。

時々薮の斜面を下りて湯温を確かめます。「う〜ん、ここはぬるいなぁ」「ん?かなり良くなってきたぞ!でもまだぬるいよなぁ」などと何度かチェック。しかし、こういうのってなぜだか疲れないんですよね。温泉アドレナリン大分泌中というところなんでしょう。そしてその分夜はパタンと寝ちゃう。う〜ん健康的っ!



う〜ん立派な歩道。左側に白く見えるのが湯の流れる沢。そして正面には明るく開けた「地獄」がっ!

そしてそのままトコトコ歩いていくと、いよいよ地獄の入口にたどり着きました。沢はここから一気にV字の峡谷になり、歩道はその上部を巻いていく形になるのですが、裸地の斜面ゆえ、かなり危なっかしい感じで自然に戻りつつあり、落ちたら10数m一気に落下の危険もあります(手前の木にロープが束ねてありましたが)。奥の地獄エリアにも興味はあるのですが、それよりもとにかく適温の湯に入れればいいので、まずはその手前の沢に下りて湯温をチェックすることにしました。さてどうだろ‥すると‥

というわけで、奥に行くのはあっさり諦め、どこかいい入浴場所はないかとちょっと上流を見てみると‥ありましたありました、すぐ上流にミニ滝状に流れ落ちる「湯船」が!というわけでさっさと入浴開始。

というわけでここでも動画

「こんな感じの野湯ですね」

ね、入ってみたくなるでしょ?ちなみに他の人が来る可能性はほとんどなし。おしんこどんの湯浴み着も出番なし。

Asf形式、294KB、9秒



「はぁ、しあわせ。」


何だか喋ってます。

Asf形式、128KB、4秒
この絶好の環境にとにかく感謝(先人が手を入れてくれていたようです)。湯船は大分浅くなっていたので、底を手で掘ってよりよい入浴環境にしてみました。いやぁ、こりゃいいわな。久々にいい感じの湯に入れました。

奥の院地獄の湯、アプローチの簡単さからいってもとにかくすばらしい!ここに来ることがあったらまた絶対入りたい!そう思わせてくれる場所でした。

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