− Page6 7年ぶりに喜望峰再訪! −



ケープタウンの空港はワールドカップ絡みで大工事中でした。ヨハネスも同じ。

やっぱり11時間40分のフライトは長いです。しかし「ケープタウンに到着したらすぐ車を運転しなければならない=いつまでもダラダラ飲んだくれていてはいけない」と我が身に活を入れていたからか(ホントか?)、かなりゆっくり眠ることができました。

到着前の機内では入国カードが配られなかったため、「何だよシンガポール航空ともあろうキャリアが、入国カードすら配らないってのはちょっとペケだなぁ」と思いつつイミグレまで進んでいくと、カードを置いた棚が見あたらない?ちなみに他のお客を見ても手にしているのはパスポートだけみたい。これってどういうこと?まさか数年間のうちに入国カードが不要になったとか?そんなバナナ(死語)。

しかし現実はチキータバナナというか台湾バナナというか、とにかくそのバナナだったのであります。パスポートを出すと、イミグレの係員氏は一切質問をしないままシールをぺたりと貼ってこちらに返してきました。ちなみに余談ですが、今回の旅行では南アフリカへの出入国を4回ずつ行いましたが、陸路入国の場合でさえ入国に関して質問をされることはなく、シールに添付されたバーコードを読み取るだけでした。進んでるなぁ。

さて今回はAVISのレンタカーを予約しておいたので、空港内のカウンターで手続き&カードで支払い完了。というわけで駐車場へ行き、いよいよ「わが愛車」とご対面です。

こちらがわが愛車となったホンダのJAZZ。いわゆるフィットの海外仕様車のようですが、何でもこの車、クレームの少なさでは国際的に一番評価が高いんだとか。頼むからわが旅行中にトラブルが起きないでおくれ(結果として完全にノートラブルでした。レンタル時走行14500kmのほぼ新車でしたから当然といえば当然です)。

‥と、走行前にTakemaが何やら車内に配線を取り付けている様子(右上画像にマウスオンしてみてください)。実は取り付けているのはドライブレコーダー。そう、「事故の瞬間を記録する」というふれこみで最近ではタクシーを中心に取り付けられ始めているというあれですね。実はこの旅行のしばらく前に購入し、しばしの実車試験のあと今回の旅行にも持参したというわけです。でもこのレコーダー、よくあるモノとはちょっと違います。

タクシーなどに付けられているレコーダーの多くは、「一定の衝撃を受けると、その瞬間前後の20秒程度の動画を保存する」という方式が採られているようです。しかしこのレコーダー(製品名「あんしんmini」)はそんなセコイことはせずひたすらSDカードに録画(Asf形式、Widows PC標準装備のメディアプレーヤーで再生可能)、5分以上になると新しいファイルに自動移行し、常に最新1時間分の動画を記録できるというスグレモノなのであります。今回これを持参したのはいざというときの事故および車を襲う強盗に対応しようとした‥わけでは全然なくて(笑)、普段車内でデジカメを構えて走行風景を撮っていた手間を省こうとしたわけです。
ちなみに使ってみた結果はまぁまぁ。ただし1時間後には古いファイルが上書きされてしまうのでカードを差し替えなければならないこと、そしてそのたびに1GBのカードを差し替えていたら1日の総データファイル量がとてつもないものになってしまうという問題点もありました。まぁこういう使い方をすることは想定されていないと思うので、今後は電源ON/OFFの手元スイッチを追加すればいいかなと思います。
まぁそんなこんなでいよいよ出発です。南アフリカは日本と同じ左側通行だし、マナーも比較的‥地方ではいいですが、ちょうど平日の通勤時間にあたり、ケープタウン市内へ向かう片側3-4車線のモーターウェイ(高速)は結構強引な運転をする車もいました。ま、比較的混んでいる日本の休日の高速と同じような感じです。でも乗ったばかりの車なのと、空港からすぐに高速に乗らざるを得なかったので「この国のデフォルト」がわからず、まずは大安全運転に徹することに。



火力発電所の冷却塔を見ながら市内に向かって進んでいくと‥うわ、いずこも同じ朝の渋滞ですね(笑)。

しかし今回はケープタウン市内に行く予定はなく、ちょうど右上の画像に示されたインターを左に流出して喜望峰方面に行こうとしていたのですから特に問題はありません。予想通り南に下るモーターウェイに乗るとガラガラでした。

ところでこの日のお天気はご覧の通りの曇天。というか冬(日本では夏)のケープタウンは1年で一番天気が悪く雨も多い時期なんですね。確か前回訪問したときもサンセットヨットクルーズは大揺れだし雨も降るしでかなり大変だったっけ。ちなみにこの時期、どうせ天気も悪いんだからということからかテーブルマウンテンへのロープウェイは定期点検のため運休になります(〜8月上旬)。いや、この日はそうでなくても運休だっただろうな。

7年前はツアーのミニバスに乗ったため喜望峰への往復はお仕着せのルートでしたが、今回はせっかくなので西海岸のチャップマンズ・ドライブというルート経由で行こうと考えていたのであります。たぶんこのルート選択は間違っていなかったと思います、ええ普通であれば。

さて森の中のくねくね道である63号線に入りHout Bayへ。それにしてもこんなくねくね道なのに生活道路だからか何なのか、地元の車は飛ばす飛ばす!あのー、雨が降っていてウェットな路面なんですけれど皆さん?(笑)。わたしゃまだ南アフリカの運転初心者ですから「自分は今、軽トラを運転中の田舎のおじぃちゃんなのだ」と思いこむことにしてマイペースで。ちなみにそうこうしているうちに少しずつこの車に慣れてきた気がしましたが、乗りやすーい!加速もいーい!きっちり曲がるー!JAZZ(Fit)ってえらーい!と思った次第です。世界的に売れているのもわかりますね。
ちなみにわたしの場合バイクは今に至るまでの4台ともホンダですし、多分これからもホンダでいくでしょう(わからんけど)。でも車は三菱とスバルしか所有したことがありません。四輪の場合別にこだわりはないつもりなんですけれどトヨタや日産はついついパス‥。なぜだろう?(これで次の車がマツダだったらほんまもんです)。



「車載カメラはこんな感じ」

6ページ目にして初めての動画ですね(笑)。フロントガラスにカメラを貼り付けたため画面のブレもなくクリアな動画です。しかしともすれば「変化に乏しい?」。なお画面上部に表示されている時間は日本時間ですのであまり気にしないで下さい。

Wmv形式、5.19MB、2分19秒

さて降りしきる雨がその強さを増す中、ようやくチャップマンズドライブの入口に到着です。と??



な、な、何だって!

何とここより3.5km先のビューポイントから先は閉鎖の看板!うそだろー!

手元に南アフリカ共和国のロードマップがあれば見て下さい(ってあるはずないですよね)。なのでこちらをご覧下さいませ。せっかく緑点線部分(チャップマンズドライブ)のドライブを楽しみにしてきたのに、ぐるぐるっと迂回も余儀なくされちゃうことになっちゃいました。


しかしそうそうは来られない場所なので3.5km先のLookoutまでは行ってみようと、雨も風も強い中進んでいくと‥あれま料金所はしっかり営業中!(驚)。と思ったら、さすがに通り抜けが出来ないのにお金を取るというのは道路運営側としても良心がとがめたのか(そんなことじゃないでしょうが)、黒人のお姉ちゃんからチケットは渡されたけれど「Free Charge!」とのこと。いよっ公社だか何だかの太っ腹!(笑)。



ちなみに「戻ってきたときにこのチケットを出してください」と言われたので、なくなっちゃう前に記念写真♪

さて雨は止む気配もないし、風はびゅーびゅー吹きまくっているので何だか車から降りたくもないのですが、そんなふうに思いながら進んでいくうちにルックアウトまで来ちゃったのでまぁしょうがないかと専ら義務感で車を降ります。

左上画像が通行止めを示す三角コーンですが、実はこの先のカーブを曲がった先にはがっちりと鉄パイプ&金網でガードされたゲートがありました。突破は不可能です(しようとも思いませんが)。で、ルックアウトポイントまで行き写真を撮ったわけですが、おしんこどんの髪の毛が暴れん坊将軍になっているところからこの時の風&雨の様子をご想像下さい。いや雨はいきなりざざざーっと来るパターンだったんですけれどね(このあと車に戻るときにぞぞわーっと降り出して猛ダッシュしたTakemaでした。右上画像にマウスオンすると画像が変わります)。

ふたたびHout Bayまで戻ったあたりでお昼時。でもレストランがないんだよねー。いや、あるんだけれど「何だか高そうで」(苦笑)。NZでもそうでしたがどうも英連邦諸国のレストランは自分にとって敷居が高いです(笑)。というわけでスーパーの中にあったベーカリーでミンスパイなどを購入して車内ではぐはぐしました。パイゆえ破片がぽろぽろ落ちちゃうのは‥うーむ今日借りたばかりの車なのに(笑)。

というわけで再び西海岸を行くことしばしも、そのうち内陸ルートに。と、左側にオーストリッチ牧場が。入場するつもりはなくそのまま通過したわけですが、どうやら牧場の敷地は道路沿いに続いているようで、それならばというわけで沿道の木々の切れ目あたりに車を停めて牧場のフェンスに近寄ってみると‥

見るとこの広ーいゲージ内にはこの雄ダチョウ1羽しかいない様子(うーん「1頭」って呼びたいよなー)。その唯一の1羽(1頭)がゲージの端っこまで寄ってきたと思ったら‥何やら妙なダンスを始めたんですが‥。



「もしかしてこれ、(おしんこどんに対する)求愛のダンス?」

ちょこっと調べてみたところによると、やっぱりこの行動は雌に対する求愛ダンスに他ならないようです。おしんこどんよかったねー、求愛の対象として認められたよ!(笑)。

Wmv形式、1.02MB、22秒



おしんこどん、いろんな生き物に好かれてますねー。

ま、そんなことはどうでもいいんです(いいのか?)。というか本来の目的地の喜望峰の話に戻しましょう。岬に向かうにつれて雨は止み、風もおさまってきました。やっぱりこのあたりの(特にこの時期の)天候はわかりませんね。7-8月のこの界隈の天候は安定していないというか、基本的に「雨ベース」なのでそれを覚悟することが大切かと思います。現地では冬とはいっても長袖にフリースがあれば何とかなる温度ですが、雨ばかりは如何ともし難いですね(ただし南アフリカ全土がこのような気候というわけではありませんので念のため)。

さて一口に喜望峰といっても現地は大きく2箇所に別れています。灯台のある「いかにも大洋の分かれ目と思えるCape Point」と、何の変哲もない場所ながら誰もが一度は習ったはずの(忘れている云々はともかくとして「バスコ・ダ・ガマ(ポルトガル人)によって発見?されたというCape of Good Hope」エリアですね。2度目の訪問ですし今回はレンタカーで自由に動けるので、まずは前回も観光客が多かった記憶のあるCape Pointへ。というのもちょうどお昼になろうというタイミングだったんで(団体ツアー客が来ないだろうと考えました)。

駐車場は一部の普請工事の関係で狭くなっていましたが、車はメイン駐車場のすぐ下に止められて一安心。で、ここから歩けばいいのにまたもや安楽の人生ルートを選んでしまいついついミニケーブルカーのお世話になることに。あー軟弱(笑)。こんなことだからこのあと9月下旬の登山で大筋肉痛大会の優勝候補になっちゃったんだ(意味不明)。



よい子の皆さんは元気よく歩きましょうね。ちなみに線路横の道は保守用のもので、ここを歩くわけではありません。

さてケーブルカーを降りてここからは階段を上ることになります。相変わらずの曇天ですが、チャップマンズドライブと違いここでは雨が降っていないのでまぁよしとしましょ。

灯台までは結構遠いように見えても登り出せば案外近いんですよね。2度目の訪問ということで特に感慨にふけることもなく、おきまりの記念写真の後は海を眺めながら「クジラがジャンプしたりしないかな」などと目を皿にしておりました。ま、そんなに焦らなくても‥ね(謎笑)。

ちなみに灯台のある展望台から見える「インド洋と大西洋の分かれ目」は左上画像のような感じなのですが、ちょっと下に降りたあたりからよーっく見てみると、さらに先端の方にもう一つ灯台があるんですね(右上画像マウスオンで確認してください)。これは、崖の上にある灯台の灯りが霧で見えなくなってしまうしまうことが多いことから設置されたものなのだとか。なるほどそう言われてみればこの灯台は確かに高すぎるかも。と同時に、われわれにとってはただの観光地でもここは海上交通の要衝なんだなということを実感した次第であります。

しかしあの険しい地形の場所によく灯台を設置したものですね。相当の難工事だっただろうに‥そういえば日本でも昔は「灯台守」といわれる方々が灯台の保守管理のために住み込んでおられましたが(現在日本では有人灯台はゼロ)、ここの灯台はともかくとして世界にはまだ有人灯台がどれくらいあるんだろう?

さてメイン灯台のある場所は狭くて人がごった返しているので、岬の西側(大西洋側)にいくつかある展望スペースに移動することにしました。左上画像に見えているのがそれですが、何だか昔の要塞のような石積みがなかなかいい味を出しています。ちなみにこちら側にはほとんど人もおらず静かに過ごせそうなのでお弁当を広げるのにいい感じかな。

さてしかし、今日はケープ半島泊まりというわけでもないのでそうそうのんびりもしてはいられません。というわけでぽくぽくと下っていくと‥

まぁのんびりと、バブーン(ヒヒ)が毛繕いにいそしんでおりました。すぐ脇が遊歩道なのですが全く人を警戒するそぶりもありませんね。バブーンは結構凶暴なので気をつけろと、確か前回ここに来たときに教えられた記憶もありますが、ま、これだけ観光客が行き来するところで暮らしているとさすがに人慣れもするということなのでしょう。でも中禅寺湖畔の猿のように「人様の手荷物に目を付ける」ようなそぶりはこれまた見せなかったな。



「ケープポイントからの眺めと毛繕いするバブーン」

やっぱり太陽が出ていないと全体的に暗い雰囲気ですね。なおバブーンですが、もちろん「最南端」ではないにしろ、「毛繕いしている」と限定すればアフリカ大陸でもっとも南にいたバブーンかも知れません(ちょっと苦しいか‥)。

Wmv形式、1.22MB、30秒

さて再び駐車場まで戻ってきて少しすると‥雨が降ってきました。おお、いいタイミングだ!というか、このタイミングで灯台まで上がった人にとっては最悪でしたね(笑)。で、今度は「Cape of Good Hope(喜望峰)」へと移動。



あー、7年前、この場所で写真撮ったよなぁ‥(遠い目)

ちなみに7年前の旅行ではある意味ここが「終着駅」だったわけですね。でも今回は「始発駅」なのであります。今日から2週間半もの間この南部アフリカをぐるーりぐるりと巡るわけで、このあとの旅行の安全や無事を祈らずにはいられません。というわけで‥



無意味に気合いを入れたポーズをしてみた次第です(笑)。

ちなみにここでは雨こそ降っていないとはいえ結構な強風が吹き荒れており、海を見てもおしんこどんを見ても、その風が半端でないことはよく分かるのでありました。北風だから寒くなるわけではないんでしょうが(ここは南半球なので北風=暖かい空気を運んでくる風です)、それにしても結構な風、この界隈の沖合で海難事故が多発するというのもわからないでもありません。



波は向かい風によって飛沫を上げてます。おしんこどんはいつもの「安定ポーズ」。

ところでこの看板すぐ手前の駐車場には何だかクラシカルなサイドカー付きバイクが止められておりました。持ち主さんはすぐそばにいたのですが、物珍しさに観光客がパチパチ写真を撮っているのを「またがって撮ってもいいですよ」と言って下さる心優しい方で、われわれもそのお言葉に甘えることに。



いやはや何ともお楽しそうであります。

この旅行の計画を立て始めた当初は、「この日だけバイクをレンタルしてタンデムでケープ半島を回るなんてのはどうだ?」というアイデアもあったのですが、うーん天気も悪かったしやらなくてよかった。「何が何でもバイクでなくちゃ!」というこだわりがあったわけでもないしね。

またこの時期のケープタウンは基本的に天候不順だし気温も低いので、ポートエリザベスやダーバンなど、もっと東側の都市で借りるのであれば案外快適なツーリングが楽しめるのかも知れません。ただしかの都市にレンタルバイク屋があるかどうかは知りませんので念のため。さーてそろそろ喜望峰エリアから離れましょうかというところでダチョウ発見。こちらは飼育されているのではなく野生のダチョウです(喜望峰周辺は国立公園ですので)。

雄雌のつがいでいましたから、おしんこどんに向けて求愛のダンスをすることもなく、また人間が危害を加えることがないことを経験的に知っているのか悠然と草を食べておりました。

さて、喜望峰からは東側=インド洋側の道路を経由します。ケープペンギンで有名なボルダーズビーチの前も通りましたが、あいにくの雨模様なので今回はパス(ま、前回見たしね)、サイモンズタウンも同じく雨だったので休憩することもなく、そのままどんどんと海沿いの道を進んでいきます。徐々にケープタウン市街から離れていくルートですが、前述の通り今日はケープタウン泊というわけではありません。さて、南アフリカ最初の夜はどこに?
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