− Page8 ハマナス(Hermanus)の浜でクジラ見物(2)、そしてアグラス岬へ −
うわーお、こんなに陸に近いところでこんな!(以下言葉にならず)。あとでたくさんの画像&動画も出てきます。
明けて翌朝。とりあえず朝食をいただきに食堂へ、うわーものすごくぜいたくな朝ご飯!宿のウエイターさんもきっちり丁寧で驚きました(ただし卵を焼く女性の腕前はイマイチでしたが)。ちなみに宿の宿泊客(朝になって初めてわかるわけですが)の皆さんを拝見するに、お仕事絡みと見受けられる方々が半分以上。窓の外を全く気にしない(旅行者ならこの日の微妙な天気を逐一チェックしようとするはず)ことと、男性グループが圧倒的に多いことからもそれと推察されます。この時期はクジラが来るとはいえやっぱり基本的にはシーズンオフなんですね。
いかにも西洋朝食(ビュッフェ形式)です。ちなみにこの後フルーツを取りに行きましたんでもっとゴーカに(笑)。
さてチェックアウトしたあと再度ホエールウォッチング開始です。この日の天気は曇り時折晴れ、されど雲の動きが早く、黒い雲がやってきたと思ったらきっちり雨といった感じの大変不安定な天気です。だから服装も「雨具を着用して完全防備のおしんこどん」と「なーにすぐにやむっしょと普通の服装のままのTakema」というようにバラバラです。
見ていると、今日のクジラ君たちはNew Harbourエリアでたわむれている様子。ここからだとちょっと遠いので、車で移動します。と、かなり真剣な雨(変な表現だな)が降ってきたのでTakemaもやむなく雨具着用。何だよこんなことなら最初から‥と思っても後の祭り、結構濡れてしまいましたわ。
晴れているように見えても油断しちゃアカンのです。このあとすぐに降り出しました。
と、ここで一人の男性とすれ違いました。服装からしてこの人はたぶん‥というわけで「今日のクジラはどんな案配ですか?」と聞いてみると、「この先の海岸近くを2頭で周回しているよ」とのお返事が。なるほどやはりこの方はいわゆる「Whale Crier」だったんですね。
「Whale Crier」とは聞き慣れない名前であるのは当然です。この人のお仕事は「笛と掲示板、携帯電話を持ち、今クジラがどこで見られるのかを知らせて回る」こと(「地球の歩き方」より抜粋)。おそらく一般向けにこのような情報を流す職業は世界でもここだけだろうというのですから。というわけで宿の前から見たクジラはこのすぐ先にいるのだろうという予測は確信に変わり、いざ行かん海岸へ!
このあたりの海岸は岩場になっていて、海を見下ろす形になりますが、そのほうがウォッチングには好都合。そもそもここハマナス付近にクジラが多く集まるのは、おそらくこの岩場が海岸から一気に落ち込む形状になっていることによりクジラの繁殖場所として都合が良く、また岸近くまでやって来られるのではないかと推察されます(何だか急に堅い内容になりましたが気にしないようにしましょう。精一杯の知識を動員してもこれ以上のことは言えないので)。
また、町の海岸エリアは海洋生物保護区として船の乗り入れが規制(禁止)されており、クジラとしても安心して子育てが出来るような環境整備がなされているということもあるのでしょうね。この辺はなかなか西洋の発想的な徹底がなされており、日本でこのような規制を導入しようとしても「日常的な例外」が補足的かつ恒久的に付いてくるような気がします。なお上記の理由から、ホエールウォッチング船によるツアーなどは一切ありません。ゆっくり岸から見て下さいなという発想から、海岸沿いには遊歩道が設置されています。
さ、前置きが長くなりました。クジラウォッチング第二弾に行ってみまショー!
探していると‥いたっ!ちなみにクジラくんまでの距離は100m以下です。近いときには80mくらいだったと思います(目測)。
2頭がぐるぐると遊んでいるようですね。ちなみに手前に見えるのは海草の類。ホントに岸近くなんですよ。
白いお腹を見せてぐるりん。ここでも潮吹きをやってくれたんですが撮れませんでした(タイミング逃した)。
岩みたいなヒレは胸ビレなんでしょうね。身体の模様はシャチみたいですが、大きさは全然違います(笑)。
お腹を見せてぐるりっと。黒と白のコントラストがすごい。日本人の肌って何で1色なんだろうと突然不思議に思ったりします。あ、黒人の皆さんの手のひらは肌色だっけ。
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というわけで陸上からのクジラ大観察大会を終え、カメラも含めてかなりしっとりと濡れましたが(笑)十分満足のTakema&おしんこどんでありました。さて本日の行程を考えてみると‥今日はいろいろと盛りだくさんの日なんだぞ!というわけでまずは海岸沿いを走ってアグラス岬を目指します!
おっとその前にハマナス市内でPetrol(=Gasoline:ガソリン)を給油。レギュラーがリッター10.5R(約150円)、同時期の日本よりは安いけれどこちらの物価の方が安いはずなので、日本だけじゃないのだなやっぱり世界的に原油高なのだなとあたりまえのことを改めて実感した次第です。ちなみにわがレンタカーJazzの燃費は14.4km/L、やっぱりいいけれど、2000ccで4WDのTakemaフォレスターでも今日のような行程なら12km弱/Lは出るはずなので、排気量と駆動を考えればせめて15は出てほしかったとゼータクに悩んだ次第であります(いや実は今日のお出かけにおける実測は11kmちょいでしたが)。
「アグラス岬」。この地名をご存じの方はそれなりの地理好きの方だと存じます。というのも、日本からはなかなか(地理的にも感覚的にも)遠いアフリカ大陸について日本人はまだまだ知らないことが多いからです。
「アフリカの最南端は?」。この問いに皆さんは何と答えるでしょうか?高校時代の世界史で「バスコダガマ」とか「バーソロミューディアス」とかの人名を覚えた人であれば、まず迷わず「喜望峰」と答えるはずです。いや実は自分も30才くらいまではそうだと思いこんでいましたし、旅行が趣味でなければたぶんその認識のまま世田谷区代田にある菩提寺のお墓の中に入りこむことになったと思います(何のこっちゃ)。
でもね違うんですよ、アフリカ最南端は喜望峰じゃなくてアグラス岬なんです!
前のページに載せた地図を再掲しましたが、一部に間違いはありながらも(上記地図ではまるで国道沿いに「Cape Agulhas」なる町があるような矢印がありますが、そんな名前の町はありません。矢印の場所にあるのは「Riviersonderend」という町なのですから)、でも上の地図を見るだけでもアグラス岬の方が明らかに南ですよね(上の地図にマウスオンすると画像の一部が変わります)。で、せっかく自由な移動手段=レンタカーを有しているのであれば、
「真の最南端を無視するわけにはいかんでしょ、行くよ!」という意味です。
そんなわけでずんずんずずんと走り出します。さすがローカル道ゆえ道幅は多少狭いが交通量もぐっと少なくなり、「あーアフリカに来たんだなぁ」とのほほん気分を味わいつつ走ってました。で、途中のDie Damでスーパーに寄ったのが少し上の方にある「OK Store」だっけ(もちろんかの「巨泉のOKショップ」とは何の関連もなさそうです(笑))。
さてこのスーパーで飲み物を購入し、「まー一気に岬まで行ってみましょうか!」と安直に考えたのが大失敗の出発でありました。
後方からすごいスピードで走ってきた車に道を譲ってみたら「POLICE」じゃないのさ!この先事件はなさそうだったんだけれど(苦笑)。
その先はじぇーんじぇん先行車も対向車も来ない立派そのものの道が続きます。何かおかしい?と思っていたら?
あっちゃまー想定外のT字路。しかもアグラス岬方面への表示がないゾー!
となれば、とりあえず海沿いの道を行くしかありませんよね。し、しかしこの先は!
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「いきなりT字路の先はどちらもダート」。これにはかなりぶったまげました。
ちょっと話はそれますが、Takemaの場合いつもはネットや書籍、そして今回のレソトのように自分の思い入れなどをねっとり考慮に入れてまず旅程のラフスケッチを作り上げます。そして今回もそうでしたが、まずは現地の旅行社にそのラフスケッチを投げて「このプランってどうでしょ?」とプロの見方を聞くというパターンです。現地旅行社に参考プランを提示してもらったことは一度もありません。この辺は意地ですね(笑)。
この場合、相手側の旅行会社との折衝が進むにつれてこちら側の資料も増えていくのが常なのです。でも「最初にインプットされたルート」はなかなか修正されないわけで‥というわけで今回は大ボケをかましてしまいました!
(「地球の歩き方」画像を引用)
このルート、すなわち「ハマナスから海岸沿いにずーっと行けばアグラス岬に通じるはずだ!」というのは「幻想の道」に過ぎなかったわけなのであります(笑)。しかしちゃんとした地図を見ればこのような一直線ルートが存在しないことはすぐにわかったはずなのですから一方的に「地球の歩き方編集部」を批難するのはおかしいですし、そもそも上の地図でも最後まで海岸沿いを行くルート取りはしていないんですね。でも決して一本道ではないんですが(笑)。
とにかく、上の動画を見てもらった方ならおわかりでしょう、いきなりたどり着いたはインド洋というか大西洋というか、とにかく無人の大砂浜だったのであります!
ぬはー、ここはここですんごい綺麗なビーチじゃないのさ!
だーれもいないビーチ、打ち寄せられたゴミも全くない浜にただひたすら打ち寄せる波、いやぁ素晴らしい!ちなみにすぐ近くにはホリデーパークがありましたが、ざっと見たところ人の気配はありませんでした(無人というわけじゃないんだろうけれどさ)。
というわけで、ビーチを貸し切りとなると‥いや、やることといえば上の画像のように「自分を大きく見せる」くらいしか思いつかなかったりするのであります(笑)。いかんせんこっちは冬だから海に入るわけにも行かないし。ちなみにこの「大きく見せる」、カラスには有効ですが対人的には全く意味がないように思えますが‥。ちなみに先年亡くなった伯父からは「何で通せんぼの写真ばっかりなんだ?」とツッコまれました。あらためて考えるにもしかしてこのポーズは「自分を自信たっぷりに見せたい、本能に基づいた虚飾のポーズ」なのかも知れませんね(笑)。
おっとちょっと待て話がそれてます、今のところすっかり道に迷っちゃってるのでありました。海沿いにアグラス岬に向かう道は無しとなれば内陸から行くしかないのか、しかしさっきのT字路に「アグラス岬」を示す地名表示はなかったよなー。もしかしてこの未舗装路の反対も行き止まりだとすれば、さっき快調に走って来た道をはるかに戻らねばならないという可能性も‥うわーもしそうだったらどうしよう、今日の宿まで明るいうちにたどり着けるんだろうか?それと、「本日最大のイベント」にも参加できるかどうか??(謎)。
しかし考えているだけでは事態が好転するわけもありません。とにかく一縷の望みを託して「反対方向のダート」を進んでいくことにしました。
未舗装路とはいえ路面状況は大変よろしく、「これなら100km/h出してもママには怒られないな♪」という感じですが(「これならママもOKさ」をもじろうと思ったのに全然別物になっちゃいました)、やがて道は工事中で路面も柔らかな感じに変わってきました。路肩にはブルでよけたとおぼしき土の山が。うーんこの先突然に「Road End」の看板が出たりしたら万事休すだなというところですが‥
おお、「L'Agulhas(アグラス)こちら」の矢印が!
しかしその後も延々と続くダート、分岐に看板がない所も多く、「たぶんこっちだろ」と方向感覚だけを頼りに突き進みます。たまーにすれ違う車両もあまり観光車両という雰囲気が見られずいやーな予感がないでもないなと思っていたところで、
観光マイクロがやってくるということはこの先に「何か観光するに値する場所」があるからに他なりません。そしてこの周辺にある観光地といえばアグラス岬をおいて他にはありません。というわけでルート選択が間違っていなかったことに大きく安堵したTakemaだったのでありました。
途中一瞬だけ舗装になりましたがそれもすぐ終わり、周囲になーんもないダートを辛抱して進むと、おお、アグラス岬へのメインルートであるR319(もちろん舗装路)にぶつかりました。よーしやったぁ、たぶん岬まではあと一投足です!
ちなみにアグラス岬まで行く場合、ケープタウンからならN2-R316-R319が「王道」です。ハマナスからの場合も、海沿いからアプローチするのではなく(どうせ行き止まりなので)R43-R326とつないでR316に出る(ケープタウンからの道と合流)のがどう考えても正解ですね。とにかく、
市内地図ならともかくとして、ガイドブックにおける広域地図はいわば「おまけ」に過ぎません。やっぱり面倒がらずにきちんとロードマップを確認しましょう!(これ教訓)。というわけでこのあとは「アフリカ大陸真の最南端、アグラス岬」なのであります!
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