− Page19 マレアレアロッジへ戻りましょ −



われらが宿の勇姿(右側のHut)、でももうこの村に来ることはないだろうなぁ‥。

朝方は一番冷え込む時間なのでなかなか寝袋から出られないのが古今東西の常道?なのですが、勇気を出して6:45に起床。というのも少し前からHutの前でフランス語が飛び交っており、さては皆さんが滝に向かって出発してしまうか?ならばその前にご挨拶しなければ!と思ったからなのでありました。

で、顔を出して「Bonjour!」。と、5人のうち滝に向かうのは3人だけみたいで、あとのお2人はこれから朝食の準備なのだとか。もちろんわれわれも朝食の準備はしますが、それは「お湯を沸かすだけ」。朝のお茶(ルイボスティー)さえ準備してしまえば、あとはヨーグルトとベーコンサンドをパクつくだけなので簡単なものです。そういえば昨日の昼食にした「前々日のステーキサンド」、あれはお肉が全然硬くなってもいなくて美味しかったなぁ。一種の驚きでしたわ。



小屋の前にはお犬さまも黒豚さまもゆったり過ごしておりました。



子供たちのお母さんとおぼしき女性は薪を集めたりと忙しそう。右上画像はトイレですが、実は扉が閉まらなかったりします(笑)。



さーてそうこうしているうちにラーさんがどんどん出発準備を始めてくれています。まもなく復路スタートです!

山の尾根からようやく太陽があたりを照らし始め、何ともいい感じの山の朝の始まりとともに出発です。例のフランス人リーダーさんに挨拶をしましたが、彼らも今日はマレアレアロッジ泊ということで‥そうか、出発前日の夜にキッチンで(ちょっと)遅くまで話していたグループは彼らだったのか!と今さらながらに判明。ということはまず間違いなく同じ場所で会えることになるので、あの時はともかく今夜は楽しくなりそうです(笑)。



そんなわけで出発です。このあとシンロさんにも偶然出会えて「ありがとう!」。

さて帰り道なんですが、途中から別ルート=滝から続く本流ルートに進んでいきました。さすがに下れば下るほど川幅も広がり、また谷も開けてくるのでどんどん平らになっていくのはいいんですが、「この下った分をどこで取り戻すのか?いやそれとも完全に別ルートで帰るのか?それにしてもマレアレアにはどこかで登りかえさにゃいけないはずだよなぁ」と、いろいろと考えながら進んでいきます。いや何を考えようとも「目の前に出没するタスク」をクリアしていくしかないんですけれどね。さーてどんなタスクがやってくるんでしょう?



こーんな平らな道を進んでいきます。しかし、馬が小走り(ギャロップ)することが多いのでその時はかなり気を遣います(笑)。



小広い場所で最初の休憩。「ラーさんとセブンスタータイム」のTakema、お酒もそうですがタバコもやはりコミュニケーションツール。



と、ここで少年が歩いてきたので写真を撮らせてもらいました(「Sweets?」はなかった)。うわー将来は女泣かせのいい男?(笑)。

さーてこのあとはラーさんが「すきあらば走らせよう」との思いを満開にしたらしく(笑)、「ハイハイ!」とか「プシュッ(ムチで空気を切る音の擬音)」などを背後からどんどんかけ始めました。そうするとアレックスにしろテネスにしろ本当に小走りになるんですね。いやぁ急がなくていいんだけれど、これはもしかしたら「早く家に帰りたい娘に会いたい」と考えたラーさんの企みから?(笑)。ちなみにわれわれが同じ擬音を出してみても反応は全然なし、やはり馬も「正しいソト語発音」でしか理解してくれないみたいですね(笑)。

川沿いに下っていくと村&立派な橋が見えてきました。あれ、もしかしてこれって往路でも通ったあの車道なのか?という想像は大当たりで、その橋を渡って車道をどんどん登っていくと見覚えのある風景が広がってきましたっけ。なるほどここからは往路@平原を戻るわけなのね。



さっきまで眼下の川沿いにいたのにね(林道が見えてます)。上部平原に上がると遊牧の羊の群れに遭遇(マウスオンで別画像に)。

ところでちょうど峠の頂上に上がったところでラーさんから「明日のわれわれの行動に大きな影響を及ぼすことになる」ちょっとしたひと言を聞いたのでありました。すぐ近くに白い旗を掲げた(いや正確には旗ではなく白い袋なんですけれどね)家があるのを指さして‥

この「地ビール」とはどうやらトウモロコシからBrewしていて、もちろん自家醸造であるのは間違いないところでしょう。うーん、何でその時その場で止まってもらおうと思わなかったのか!この日の後悔は、この翌日に車を運転しながらきょろきょろと試行錯誤するTakemaとなって顕現したのでありました。あー情けないやら嬉しいやら(後述)。

そんなわけで昨日のルートに戻ったわれわれ一行ですが、さーて平原の果てには何がある?そう、あの急角度の上下&川渡りなのであります!しかーししかしのウフフのフ、

そうなんですよ、結局ずっとカメラを手に持ったまま下ることが出来ちゃったんです。ま、こちら側からの下りの方が道がよかった(ジグザグの下りがほとんどない)ということもあるんでしょうが、何だか気分よかったぞー。

というわけで、川を渡った先の小高い広場にて最後の休憩をとりました。ここで軽食というかランチタイム、本日のランチは‥



そう、出発前日に唯一購入しておいた食料であるリンゴとオレンジなのであります。

さすがにわれわれもこれだけでは物足りないんですが、あとは前Pで紹介したおこわしか残っていませんからね。今から水を注ぐとなると出来上がるまでに1時間かかってしまうということで最初から断念したというわけです。でも、青空のもと清冽な流れを眺めながら食べるフルーツはなかなかのお味でありました。

さて前述したとおりこの付近には歩行者用の橋が架かっています。休憩場所のすぐ近くにあったので遊びに行ってみました。



たぶん増水時には怒濤の流れと化すこの川ゆえ、確かにこの橋は重要ですね。こらこらおしんこどん(左右画像マウスオン)。

さてさて、ここからは一気に坂を登り返して一気にロッジへと向かうことになります。これでおしまいなのかと思うと何だか「もう少し乗っていたい、2泊3日の行程でもよかったかも」という気持ちになってくるから不思議です。確か昨日の出発時には「1泊2日なんて、何と大変な予約をしてしまったのだろう‥」と思っていたのが嘘のようです(笑)。



一気に登っていきます。ふり返ってみると、あれまさっきの橋がもうあんなに下になっちゃった‥。




「谷への下りとのぼり」

さすがに往路よりも余裕綽々です。

Wmv形式、5.28MB、2分22秒

というわけで無事ロッジに到着、到着は13:15でしたから帰路は休憩込みで5時間と少しで着いたということになります。

と、ロッジの庭に何やら子どもたちが集まり並んでいます。その先には何やら箱が積まれている様子。そういえばロッジの近くでも、こんな箱を抱えて家に帰ろうとする子どもがちらほら見受けられましたっけ?これは一体何?

ラーさんに聞いてみたら、「新年度(新学期)を控え、通学用の靴を配布」しているのだそうです。なるほど、町まで買いに行くのも大変だからここで出張販売というわけ‥でもなさそう。ここでの現金のやりとりは一切なさそうでしたし、それにどうして学校ではなくこのロッジの敷地内で配布しているのでしょう‥も、もしかして。

その真相については聞きませんでしたが、前々日Dくんが「パパ・マイケルが学校に行かせてくれる云々」と言っていたことから考えてもその可能性はあるかも知れませんね。だとしたら、ここマレアレアにロッジが建てられたというのは土地に住む人々の生活を大きく変えた(向上させた)といえるでしょう。と同時に他の一般の村ではどうしているのかが気になるところでもあります。

さて、Hutの前まで荷物を運んできてくれたラーさんと最後に記念写真を撮り、いくばくかのチップもお支払いしてお別れです。控えめでいいガイドさんだったな。生後10ヶ月の娘さんが元気に大きくなりますように。

ということでHutのドアを開けてみるとベッドにはマットレスしか敷かれていません。これでは夜凍えてしまうので、そういえばこの前もすぐ近くの小屋から女性が布団を持ってきてくれたんだよなということを思い出し、お願いしますというわけで訪ねていきました。そのあとすぐに女性が布団を持ってきてくれたわけですが、その時にわれわれにとってとっても有難い発言が。

そ、そういえばソウイエバ!日本を出発して今日で8日目、これまで「ノー洗濯」で通してきたわれわれですが、実はこの時点で二人とも「着替え用の服」が尽きかけていたわけですね。というわけで渡りに船、今着ている物もどうせ昨日から着続けなので出しちゃえということでさっさと着替え、2人分でR40をお支払いしてお願いしました。そしてこの直後、お互いにシャワー(もちろん温水よ)を浴びて、身も心も内も外もすっかりキレイになっちゃいました!うはー気持ちよかったぁ。

ちなみに計画段階ではこの2日後に連泊する場所で一気に洗おうかと思っていたんですが、やっぱり無理がありましたね(笑)。

なお、このあとはまったりビールなどを飲みながらひなたぼっこをして過ごしたわけですが、その時おしんこどんとTakemaとの間でこんなやり取りが。
おしんこどん 「でも今(14:00過ぎ)から洗って干して、本当に乾くのかなぁ?」
Takema 「確かに。これからはどんどん気温も下がってくるしね。でもこれだけ大きな宿なんだから、いざとなればガスを使った乾燥機くらいあるんじゃないの?」
おしんこどん 「そうかなー。案外そのまま外に干したままにするような気がするんだけれど‥。」
Takema 「となると、これだけ乾いた気候といっても最悪半乾きのまま返ってくるってこと?」
おしんこどん 「うーん‥‥‥。」
で、この件に関してはおしんこどんの推察が正解。しばらくして先ほどの小屋のあたりを見てみたら、「どう考えてもわれわれの服である」とおぼしき洗濯物が、満艦飾のごとくそよ吹く風に揺られていたのでありました(笑)。

ただやはり乾いた空気をなめちゃいかんよというべきか、夕刻になって引き取った洗濯物はそれこそ「綿パンの核心部」を含めしっかり乾いていたのであります。この点ではその辺でかっこつけてる兄ちゃん姉ちゃんの、「俺たちあたしたちだって、やるときゃビシッとやるんだからね!」と言いながら、「一体その時がいつなのか全く不明でいつまでも有言不実行、やってみせろよ今すぐカッコ付けて見せろよ!」とリクエストを出さざるを得ない流れよりはるかに立派なレソト王国天空の大気なのでありました(何のこっちゃ)。ま、最近はそういうお兄お姉すらも希少種になりつつあるんですがね。このごろの渋谷センター街23:00などはどんな雰囲気になっているんだろう?

ま、繁華街には興味ないTakemaですので(むかーしむかしはキャバレーの上にある「屋根裏」なるライブハウスに通い詰めたこともありましたが‥遠い目)、この日の話を続けましょう。

ひなたぼっこは気持ちよかったんですが、いかんせん太陽の光が木々にさえぎられるようになってくると一気に涼しく、いや寒くなってきます。そこでくつろぎ場所をバーに移動してまったりすることに。赤ワインのフルボトル(R50とは安い!)を購入し、最初こそ外で飲んでいましたがやっぱり寒いので室内のソファーに腰を下ろして日記を書いているうちに、あのフランス人グループが戻ってきました!たぶん帰ってきてすぐバーへ来たと思えるところが(日本人ならば「やっぱり最初にシャワーでも浴びてさっぱりしたい」というタイプの人が多いと思うんですが)異文化的価値観なんでしょうかね。

彼らが外の席に座ったからか、またそろそろ外が冷えてきたからか(たぶん両方でしょう)、外の席の中央にあるファイヤースペースに火が点けられました。それとほぼ同じタイミングでリーダーさんから「外で一緒に飲みませんか?」と誘われたのではいはいハイ(笑)。

リーダーさんともうお一人が日本の経験を話してくれて大笑い。いわく「帝国ホテルが狭いならニューオータニはどうよ、あそこはガーデンもあっていいぞ」「でも京都はいいよねー、舞妓さんも見られたししゃぶしゃぶも美味しかったよ」。

返す刀がないのがくっそー。「実はわたし、大学の第2外国語でフランス語を履修したんですよ」。「おー!(賞賛の声)」。「で、1年履修すれば単位をもらえるのに、わたしは結局3年フランス語を学んだんです」(ここでの反応はなし)。「3年かけて今に至るまで身に付いたフランス語の「全て」を今皆さんにご披露いたしましょう!‥(いくつかのセンテンス)」「(大笑)」。結局自虐ネタにしか振れませんでした(大悲)。

ちなみにおつまみとして「Biltong(ビルトン)があるよ」と教えてくれたのも彼らでしたっけ。旨いもののニオイにはやっぱり敏感なフランス人ってすごい!(笑)。



左上画像は自虐に走る直前のTakemaです。右上の黄色掲示はトレッキング上の注意なんですが、如何せん長過ぎます。ポイントを押さえましょうよ。

さてそうこうしているうちに例のコーラス&バンド演奏が始まりましたが、今夜は見に行かずともいいやというわけで(実はこの日、何と大型バスも到着しておりましたんで)そのまま宴会を続け、そしてまだ演奏が続いているうちに食堂へ。フランス人グループはまだ宴会を続けておりましたがそれはそれということで。

夕食の配給を受けて「あーよかった!」と思ったのはこの日のメインディッシュ。チキンソテー1塊というのは、もしこれがトレッキング出発前夜のメニューだったら量的に物足りなくて全部食べちゃったかも知れません。よかったなーと、おしんこどんとうなずいた食事タイムでありました。



利用しなかったTVルーム、そして団体さん用に設けられたぐるり椅子には火が燃えているばかり(ちょっともったいない)。

さーて、そんなわけで明日はレソト出国の日なのであります。しかしただでは出ていきませんよ!(笑)。
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