− Page22 いざインド洋側へ、あったかい!そしてタナボタサファリにしゅっぱーつ! −



思いもかけず大樹林帯を走り抜けることも♪

さーて翌朝でございます。そこそこ冷えたとはいえAliwal NorthやMalealea Lodgeの比ではなかったところをみると、標高もさることながらこれまでとは違った気候区分帯に入りつつあるのかなという感じです(ここDundeeの標高はAliwal Northより100m低いだけ)。ちなみに宿の朝食もかなり充実していてきわめて満足。



朝日を浴びて、今日もいい日でありますように!

出発前、せっかく市内ほぼ中心部に滞在しているのだしということでメインストリート界隈をしばしうろうろすることに。本当はボトルショップで白ワインでも買い込もうという算段があったのですが、なぜだかショップにワインはほとんどなし。いや確かにワインはスーパーでも売っているんですが、品揃えも質もイマイチなのでショップで買おうと思ったんですが‥そこそこのレベルのワインはどこに買いに行けばいいんだろう?

また手持ちの南アフリカランド現金が少々心細くなってきたので銀行で両替することにしたんですが(実はこっちがメイン目的)、8:30から開いている銀行と9:00オープンの銀行があるのは何だか不思議。それで商売が成り立つところがやっぱり日本とは違いますよね。

で、外貨両替の窓口に案内されたわけですが、この案内係のお兄ちゃんはどこかで日本語(単語だけ?)を習ったことがあるようです。しかし彼の口から放たれた日本語の単語といえば、

う、「上履き」?(大笑)な、何で彼はよりによってこんな単語(こっちの国の生活概念にはない単語でしょうが!)をご存じだったんでしょうね(笑)。というわけでたかが両替ながら何だか楽しく出来ちゃいました。

続いてはちょっとしたものを買いにスーパーへ。街中のスーパーですから少々古めかしい外観&内装でしたがまぁそれはいいとして、店内に入ってみると、あれまここは中国系南ア人経営のお店だったらしく、店員さんはみんな中国人。店員さん側としても「滅多に来ない見知らぬ東洋人」が入店してきたからか皆さんわれわれ二人に視線集中(笑)。でも同じような顔つきということからくる親近感からなのか、以前どこかで感じたことのある「微妙にピリピリした緊張感」は全くなしね。

さてそんなわけで出発進行!この日はR68-R34へと進んでN2のエムパンゲニ(Empangeni)方面へと向かうわけです。ここDundeeも南アフリカの都市デフォルトの「市内のある地点から先は一気に人家がなくなる」というパターンで、いきなり変わる風景にはやはり多少なりとも違和感があります。

というわけでNZなどでお馴染みの1レーンブリッジなどを通り抜け、さらに小さな町であるNqutu(右上画像)を通っていくわけですが、この町の規模にしてはあまりに大量の人々がメインストリートを行き来しているのにチョットびっくり。何で平日の午前中なのにこれほどの人々が行き交っていたんでしょ?謎です。

さらに進んでいくと、Babanangoにかけては丘陵地帯を緩やかに貫くさわやかロードが続くのであります(左上画像参照)。路面状態もきわめて良好なので、もしわが二輪愛車である1100ccブラックバードであれば(&もしこの道に制限速度がないとするならば)「これまでの最高速度記録更新に挑戦!」といきたいところですが(なお、これまでの最高速度については書きません諸般の事情により書けませんが)現実問題としてそうは問屋が卸さないのであります。

左上画像をよく見て下さい。路側帯を二人の人が歩いています。そして左右の草原に目を凝らすとフェンスの柱が点々と直立しているのがわかると思います。そう、これだけ広く見える大草原であっても、この広大な草原を自由に歩き回ることは出来ないというのがここ南アフリカの現状なので、路肩を人々が行き交う中「限界に挑戦」するというのはあまりに身勝手な走行態度だといえるでしょう。もっとも、道行く人のすぐそばを法定速度120kmで走るというだけでも十分に迷惑な話ですけれどね(苦笑)。

さてBabanangoからは道の状況が一変します。これまでのさわやかロードの世界はどこへやら、路面の状態は一気に悪化し(舗装はしてあるが各所に穴が空いているので結構アブナイ)、また道そのものもかなりの高低差をくねくねワインディングでクリアしていくという、いわば「日本の山里を結ぶ再整備前の県道」という趣に変わってきました。

しかも、あたりの風景は一気に焼き畑モード満開?勢い余って道路標識の柱まで焼いちゃったみたいですね(大笑=右上画像マウスオン)。

しかし、そもそも右上画像を見るにここがこれまで畑として利用されてきたとは思いにくい気がします。こんな丘の上まで畑にしたって、そもそも灌漑設備がない以上ここに作物を植えて育てるというのは不可能なはずです。しかしここでは、どうやらもっと壮大な計画が実践されているようなのです。

左上画像、特にその左側の森をよく見ると、人工林特有のメッシュ模様がはっきりと浮き出ているのがわかると思います。そう、このエリアからいきなり道の両側に広がり始めた森は全て植林によるものなのです。たぶん成長が著しく早いユーカリでしょうか。

おしんこどんはどこかで「この地域はパルプ材料としていち早く植林を進め、その結果他地域に先んじて経済状況を好転させることが出来た」という記事を読んだ記憶があるといいます。おそらくはそういう関係もあって植林が推奨されているのでしょうか?しかし物事はそう簡単でもないようなのです。

「南アフリカでは植林は水を奪う。にわかには信じられない話ですが。南アフリカ政府は、植林事業に制限をかけており、植林を推奨する立場ではありません。1984年の森林法の中で、植林規制が明記されており、水資源保護を目的とした内容です。」

 「木こりのホームページ」(上記内容の記載ページはこちら


ふーん、「森林は天然のダム」ということばを聞き続けてきたわれわれ日本人からすると何だか不思議な話ではありますが、降水量の少ない地域では「ダムに水を取られて他に水が回らないのでは困る」ということなのでしょう。なるほどねぇ。

さて植林地帯が終わったと思ったら、今度は次のような緑の絨毯のような畑が延々と続くようになりました。さてこれは何の畑かというと‥



ずーっと車を走らせながらエアコンを掛けっぱなしにしていたので全く気づきませんでしたが、車の外に出てみてびっくり、半袖で十分の暖かさ(というか暑さ)ではあーりませんか!確かに標高をどんどん下げてきたのは事実ですが、こんなに一気に気温が上がるなんてびっくりです。

ただこれは、太陽のおかげで暖かく(暑く)なったのではなくて、この地域の気候そのものが温暖なのだということに気付くまであまり時間はかかりませんでした。だって、オレンジなどの果樹園もたくさん出てくるようになりましたもんね。



果実やサトウキビを運ぶトラクターやトラックもたくさん。あ、右上画像にマウスオンすると火炎樹の花画像に変わります。



たまたま道路脇に踏切があったのでポーズを取ってみただけですが、しっかり半袖ですね。

さてN2との合流まであと一息のEmpangeni市内に入ると、スーパーの前にすんごい人だかりが。平日の真っ昼間で開店直後でもないのになぜこれほどまでに人が集まっていたのか理解不能であります。それにしても確かこのスーパーの名前ってって「SPAR」だけですよね。それが少し大規模になると「SUPERSPAR」という名前になるのはまだよいとして、ここのお店はさらにその前に「POWER」がついているのね。うーん、そうなるとこれよりも大きな店舗となるとまた新たな「冠」が付くことになるのかな。「MEGAPOWERSUPERSPAR」とか(笑)。

そういや話は変わりますが一昔前には「太陽神戸三井銀行」とかの長い名前の銀行があったりして「もういいから改名しなさいよ」と思っていた所が「さくら銀行」に変わったりしてやれやれと思っていたら、また最近になって今度は保険会社あたりに似たような傾向が出てきましたね。「三井住友海上きらめき生命」とか「東京海上日動あんしん生命」とか。これもまた何とかしてほしいものですね。うーんホントに関係ない話になっちゃったな。

さーてここからは快適ロードN2を北上します。やがてN2を離れ走ることしばしで到着したのは「Bushland Game Lodge」。

うわー、何だかこれまでの宿とは違って本格的なリゾートスタイルの宿なのにびっくり。各部屋は独立したコテージになっており、各コテージとレストラン・プールとは地上2mくらいの高さの空中通路で結ばれています。なぜこうなっているのかといえば、野生動物の通行を妨げないためなのだとか。ということはこのあたりにも動物が現れるってこと?(というか実は入口ゲートから車で駐車場に来る途中でもシカ系の動物を見かけたんだっけ)。うーん、この宿での連泊は正解かも知れない!(嬉)。



部屋も専用テラスも、広くて快適そのもの!気温が高いのでエアコンもありがたやであります。

さらにはチェックイン時に、宿の方から思いもかけない「サービス」について案内を受けたわれわれだったのであります。それは‥

というわけで時間を見ると14:45。こ、これは参加しない手はありませんがな!というわけで急いで荷物を部屋に置き、カメラと上着だけ持って再び駐車場に舞い戻ると‥



しかも、出発時間の15:00になっても他のお客さんは現れません。コ、コレハモシカシテ‥というわけでドライバー兼ガイドのアントニーさんに尋ねてみると、予想通り今回のツアー参加者はわれわれだけなんですと。


(いや、夢に見たことはありませんけれどね(苦笑))。

ちなみにこのサファリカー、当然後部座席部分は座面を高くしかも大人数が乗れるように改造してあるわけなんですが(定員12人?)、もとの車はといえば日産の、その名も「SAFARI」なんですね。なかなかこだわってるじゃないですか(笑)。この手の車のベース車はほとんどがランドクルーザーであることが多いのでこれまた稀少車というわけです。

さて、サファリとはいってもこの近くに動物がたくさんいる所があるのかな?でもまぁキリンとシマウマだけでもみっけもんだし(何たって無料ツアーだもん)と思っていたら、何と車はN2に合流して一路北上を始めるではないですか!まさかサファリカーに乗ってN2を爆走するとは思っても見なかったぞ(笑)。というわけで30分ほど車に揺られて到着したのは「HluHluwe Umfolozi Game Reserve」。



門番付きの宿のゲート(左)を抜け、火炎樹(Common Coral Tree)の花咲くゲームリザーブ入口へ。ここでトイレは済ませておきましょ。

Game Reserveとは私営の公園という意味で、国立公園などに比べて規制が緩いのが普通です。もちろん入園料などもその分高いのが普通ですが(私営だもんねしょうがない)、実はわれわれはここの入園料さえも支払うことなく「真に無料」のツアーをタンノーできたというわけです。すごいぞ太っ腹だぞBushlands Game Lodge!
【備考その1】

われわれは現地旅行社に各宿の手配を代行してもらったのですが、今ネットで調べてみたら1泊2食とサファリ付きでR955(P.P.)とありました。われわれが旅行した時は1R=12.5円くらいでしたから2人でR1910=JPY23,875(1泊あたり)だったということになりますね。現地の物価からしたらかなり高いのですが(しかも2泊したし)、夕食もサファリも込みのお値段としてはかなり格安に感じてしまう私はイケナイのでしょうか(笑)。日本の宿でいえば1人12000円ってことだし‥。ちなみに本日ただ今のランド/円はこちらでチェック可能。
【備考その2】

ちなみにこのGame Reserveの名前にある「HluHluwe」という地名ですが、最初いったい何と発音していいものやら悩みました。とはいえ自分たちだけで「どう読むんだろう?」と考えていても埒があかないので、宿の人に「これってどう発音するんですか?」と聞いてみるとゆっくり、そしてはっきりと発音してくれたんですが‥



あえてカタカナで表記するなら「ヒ
(+シ)ューヒ(+シ)ューウェ」といった感じでしょうか?私より耳のいいおしんこどんのメモによると、「ヒュにシっぽく入れる」とありました(笑)。しかしHの音にS形の音が混じるっていうのは何だか初めての経験かも知れません。
【備考その3】

ちなみにTakemaは計画時にこの宿を「そろそろ疲れがたまってくる頃だから連泊して身体を休めよう」くらいの軽い気持ちで選択&予約したわけです。この地で動物サファリをしようなんて気は微塵もなかったのでしたからこれはとにかく驚きでした。しかし後で気づいたことですが実は宿のすぐ隣の敷地(フェンスあり)ではスプリングボックもイニャラも、そしてキリンもしっかり「野生動物として生息」しておりました。わざわざ遠くまで行かなくても、隣の敷地でフェンス越しのサファリはできちゃうというわけですね。ちなみに宿のテラスからだって‥いや、これはまた後でのお楽しみということで。

そうそう、宿から出発する際に宿の敷地内にて縦じま模様のシカ系動物を見つけたんですが、ドライバー兼ガイドのアントニーさんに聞いてみると、「イ☆ニャ■△♪」とのお答えが。彼も運転中ゆえ真正面を向いているのでよく聞き取れなかったわれわれは「うーん、インパラとは言っていなかったけれど『イ』で始まったのはたぶん確かだし‥」というわけで「あれは『インパニャ』というんだと思いこんでしまいました。なまじ「インパラ」を知っているから間違えちゃったわけですね。正解は「イニャラ」でありました。縦じまの無いのがインパラだそうです。
さーてそれでは「タナボタ本格サファリ」にいよいよしゅっぱーつ!ゲートを越えて保護区内へと入っていきます!
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