台湾温泉巡り2009

- 2009/12 台湾湯めぐり編その6 礁渓からはしばしの鉄ちゃん旅行+おまぬけエピソード -

さて翌朝は早めに起きました(日の出直前)。おしんこどんには寝ていてもらって(理由有り=後述)、Takema1人、まだ人通りもほとんどない温泉街をタオルとカメラを手にして、とある場所へと向かいます。



上の2枚の画像は目的地近くとはいえ「目的地そのもの」ではありません。

目指したのは「焼水溝共同浴場」。温泉が流れる川の上に「半ば強引に」作られている共同湯なのです。この川沿いの周辺は近年整備されて足湯などもあったりしますが(右上画像のあずまやがそれです)、焼水溝共同浴場そのものは以前のままのスタイルを堅持しているということだったので、ではではということで訪問してみたわけです。

温泉川は護岸工事がしっかりなされていますが、でも「川の上の立地」はそのままのようですね。ちなみにこの共同湯は男性専用となっています(だからおしんこどんには待機=そのまま寝ていてもらっていたわけです)。左上画像にマウスオンすると建物中央部の拡大画像に変わります(「女‥禁止‥」あたりは読み取れるかと)。

しかしなぜか?この共同湯には入りませんでした。実はここまで行きながら内部を除いてみることすらしませんでした。それはなぜか‥当時のTakema日記を引用すると、

とあります。「ここまで来たんだから意地でも入る!」というような「湯に対する執念」は微塵も感じられません(苦笑)。実際のところは‥まぁそんなもんでした。でもせめて浴室をのぞくくらいはしてもよかったかなとちょっと後悔していますが。まぁいいや、部屋ヒノキ風呂をタンノーすれば。



というわけで宿に戻ってお湯溜め開始!



ほぼ溜まりましたので‥



にょほほーっと入浴して憂さを晴らしたわけであります。

さてそんなわけで朝食。さすが熱海の観光ホテルゆえ?朝食はビュッフェスタイルで食べられます(上層階のレストランでいただきました)。種類はそこそこありましたんでまぁよろしいかと(量は食べませんけれどね。なのになぜ太るのさ?)。

食べ終わったらチェックアウト。ここの宿に限らず、基本的には追加料金そのものが存在しないので(宿の中の付随施設がある場合もその場で支払うことになるので)チェックアウトは簡単です。そういえばこの宿のレセプションは今回の旅行唯一の「日本語不可・英語可」でしたっけ(担当係員のめぐり合わせによって違いがあると思うので状況はその日によって違うと思います)。

さ、それでは礁渓駅まで歩いていきましょうか。40歳台半ばの外国人カップルが熱海とか鬼怒川の温泉通りをバックパックを背負って歩いて行く絵を想像してもらえれば、たぶん当たらずとも遠からずのイメージであります。

道の途中には「温室有機温泉蕃茄(トマト)」の陳列があったりしました。画像ではわかりませんがこの脇には「桃太郎」の文字が。でもよく見てみると「日本では『規格外』としてはじかれそうなもの」もそこそこ入ってました。ただし日本の「規格」というものが決して全面的に肯定されるべきものでないことはわかっています。日本における「規格外品」をもう少し消費地で日常的に購入する手段はないものでしょうかね?ネット経由はどうしても送料がかかるし‥。あ、右上画像マウスオンでトマトアイスのケース内画像に変わりますが‥買わなかった(残念)。

というわけで礁渓駅までやってきました。まず最初におこなったのは蘇澳(すーあお)へのチケット購入です。ただ台鉄全線に言えることかどうかはわかりませんが、東海岸の多くの都市中心駅は「路線変更=郊外に新駅を設ける」という施策により廃駅となったり、または「新駅-旧駅」区間がローカル線化したりしています。蘇澳は後者でして、蘇澳の中心部に行くには「本数の少ない連絡列車」に乗り換えなければいけないというわけです。本数が少ないという噂なので、今回はタクシーで行っちゃおうかと考えていました(うふふ)。

窓口にて目的地や出発時刻を書いたメモを見せ、予定していた自強号のチケットを買いました。その際、何だか窓口係員の人が「すーあお(蘇澳)云々云々云々!」とおっしゃってくれていたのですが、Takemaとしては、

しかしそれが「大いなる呑気な間違い」であることに気づいたのは、これから1.5時間ほどあとのことだったのです(ま、これも旅の経験ということで)。

自分たちとほぼ同じ時間に礁渓駅に到着したのは日本人の小団体さん(10人ちょい)。われわれの脇で日本語ガイドさんがこのあとの列車乗車について説明を始めたのでしばし傾聴(ラッキー!)。ガイドさんいわく、

そう言われればついついわたしらもそっとチケットを見ますわな(笑)。ガイドさんの説明によると、座席割は隣り合った奇数と奇数(1と3とか25と27とか)または偶数と偶数の番号席がセットになっているということなんです。といってもよくわからないだろうと思うので表にしてみました。
1 3 通路 4 2
5 7 8 6
9 11 12 10
13 15 16 14
17 19 20 18
21 23 24 22
25 27 28 26
以下略

でもわれわれのチケットをよく見ていると確かに番号が1つ飛んでるんですよね。ということは駅員さん、ちゃんと「並び席」を取ってくれたわけですね。というわけでそろそろホームに行ってみましょ。

ちなみに台湾の在来線(台鐵)には4種類の列車が走っておりまして、特急が「自強」号、急行が「キョ光」号(「キョ」は「」、草かんむりに呂。「 」内の字がその通りに表示されていれば問題ありませんが、そうではない場合もあり得ますのでここからは暫定的に「(キョ)光」といった感じで記載します)。さらに準急としての「復興」号(運行本数は少ない)、普通列車としての「区間車」および「区間快速」があります。ちなみにグリーン車にあたる特別車両は連結されていません。これから乗るのは自強号ですから特急ですが、最初の目的地である蘇澳新駅までの乗車時間は30分ほどですからちょっとリッチな気分(笑)。

というわけでほぼ定時に列車が到着しました。車内に乗り込んでみると‥

さっそくダブルブッキングかいな?と思いつつチケットを見せると、あれ、何も言わずに席を立っていったぞ?一体どうして?

実は台鐵の優等列車は全席指定でありまして(高鐵の新幹線は平日に自由席もあるようですが)、満席になると「無座券(いわゆる立席特急券)」が発行されるのです(振子列車の太魯閣(タロコ)号を除く)。乗り込んだ車両には空席が目立ちましたが、台北~基隆あたりの区間では満席だったのかも知れませんね。ちなみに日本の立席特急券とは違い、台湾では無座券であっても席が空いていれば座って構わないということになっているようです。



ご覧のようにかなりの角度までリクライニングしますし、足乗せ台もあってなかなか快適。

そんなわけでこの日は鉄道旅行メインなのであります。このあと(呂)光号にも乗りますしね。快適な旅であります。

さて蘇澳新駅に到着。しかし駅の回りにはほとんど何もありません。前にも書いたように東部幹線ではここ蘇澳や花蓮などで線路の付け替えが行われた結果、駅は市内から遠く離れた場所に追いやられてしまっているのです(旧花蓮駅などは廃止されてしまいました)。蘇澳駅は廃止を免れましたが、今や普通列車が往復するだけのローカル線終着駅になってしまっているのです(1日1本だけ自強号が走っているようです=2010/1現在)。

しかしネット上にはこの路線の時刻表が出ていませんでしたし(実はありました=後述)、本数も少ないということで、新駅から市内へはタクシーで移動しようと決めていたわけです。と、ここでちょっとしたドタバタが(笑)。

新駅到着後まずわれわれがしようと思ったのは「荷物の一時預け」。大荷物を持ったままうろうろするのは大変だし、どうせこの駅に戻ってくるのだから持ち歩く意味もない、ならば預けちゃえというわけなのです。が、しかし、けれども、But、

というわけで改札口で集札していた駅員さんに切符を渡した上で(実はこれがおまぬけだった)ジェスチャーで「この荷物云々」と申し出たら、どうやら理解してくれたようで案内されたのは「関係者以外立入禁止」とか何とか書かれた扉の向こう側の事務室でした。確かに事務室の入口には手書きで「行李房」と書かれていましたが、これじゃわかるはずがないですね(笑)。

ちなみに途中の通路には「推定数百羽」と思われるヒヨコの入った段ボール箱が何段も積まれていました。あれも預け荷物だったんでしょうか?早く運ばないと死んじゃうよ、嗚呼ヒヨコたちの運命やいかに(笑)。



ピヨピヨぴよぴよと元気よく鳴いているようでしたが‥

料金はNT$17/each。NT$50をお支払いした段階で、われわれがタクシーで蘇澳駅に行こうとしていることを理解した駅員さん、筆談で「タクシーだと市内までNT$100かかるが列車なら1人NT$15/人だよ、しかも何と次の列車はあと数分で発車だから急ぎなさい!」と、急いで窓口で切符を発行してくれ、さあ行きなさいとジェスチャー。ん?あれれ?

お金を払う仕草を見せると、「OKOK、いいから行きなさい」のポーズ。ほ、本当にいいんですか?(驚笑)。

というわけで台鐵公認でNT$14ぶんタダ乗りしちゃいました!(支払ったNT$50-荷物代34-運賃30=マイナス14ドル)。何てやさしく太っ腹なんでしょうか台鐵!

しかしこの話にはおまけがあります。このページの上方に、礁渓駅で買った切符の画像があるのでよーく見てください。切符の右下側に「蘇澳新 → 蘇澳 區間車(「區=区」)と書かれています。つまりはもともとの切符で蘇澳駅まで行かれたわけですね。しかしその切符は先ほど駅員さんに渡してしまったわけで、

でも、あのままタクシーで行っていれば往復でNT$200かかったであろうことを考えればはるかに格安であったわけです。と同時に、礁渓駅の駅員さんがわれわれに何か言っていたのも、「列車は蘇澳新駅にしか停まらないから、新駅で蘇澳行きの普通列車に乗り換えてね」というようなことだったのではないかと納得。

ということでくだんの切符と普通列車の画像です。右上画像にマウスオンすると車内画像に変わりますが、完全な通勤型車両です。それと、時刻表はこちらのページに載っていました。宜蘭線(上下線)へのページをクリックするとExcel形式のファイルが開かれます。かなり頻繁に運行されていることがわかります。蘇澳駅へは是非電車でGo!ですね。

蘇澳駅までの所要時間はたったの5分(この距離でタクシーNT$100ってちょっと高すぎじゃないかい?)。というわけで本日最初の目的地に到着。さーてここには何があるのでしょーか!次ページに続きます。
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