台湾温泉巡り2009

- 2009/12 台湾湯めぐり編その9 てくてく歩いて瑞穂温泉立ち寄り入浴 -

そんなわけで、来た道の途中にある瑞穂(ルイスイ)温泉へと、タオルをひっさげて歩いていきます。紅葉温泉周辺の園地はきれいに整備されていて、温泉の歴史その他についての説明書きもありました。ちょうど山裾に位置する立地ゆえちょっと日本的で「ここはどこ?」何て気分にもさせられます。

そうそう、出発する前に宿の方とおぼしき男性がわれわれの部屋の前までやってきて、Takemaにこうおっしゃいました。

完璧な流暢系日本語を操る方でビックリしました。もっともわれわれはすでに明日のタクシーも予約していますのでその旨を申し上げると、この方は宿に隣接した「自宅」とおぼしき家に入って行かれました。もしかして今の方がオーナーだったりするのかな?(未確認)。

少し下っていくと、何軒かの民家が建ち並ぶ界隈となりました。このあたりは台湾の先住民(ただし台湾では「原住民」が正式語で、差別用語でも何でもありません)の集落のようです。ん?衛星放送用のアンテナにも「行政院 原住民族委員会」と書かれていますね。

道路はたには‥うーん、日本人なら誰でもわかる漢字表記を施された車が止まっていました。農(作業)用車両ってことですね。ナンバープレートが付けられていないのもそれゆえということなんでしょう。日本でも梨などの果樹園に行ったりするとこのような「一般車両を農作業車に転用」している車を見たりしますから、いずこも事情は同じということなんでしょう(こんな感じですね)。

やがて紅葉渓を横断する橋まで降りてきました。これ、結構長いぞ。というか「1.8km」と書いてあった瑞穂温泉までの距離はどう見てももっとあるんじゃないの?右上画像は橋の瑞穂側にあった宿の案内標識ですが、ここから1公里(km)ってのは本当かいな。だって下り道と平らな道(橋の上)なのにここ(まだ全然途中)まで20分近くかかってるんですよ!われわれの歩行スピード、決して時速3kmちょいなんてゆっくりペースではなかったはずなんだけれどなぁ。
ちなみに瑞穂駅周辺にあったこの界隈の距離表示は表示板によってまちまちでした(笑)。駅舎内の案内地図によると「紅葉温泉6.1km、瑞穂温泉4.3km」と書かれていましたが、外にあった案内表示板には「紅葉4.5km、瑞穂3.2km」でしたからね。紅葉と瑞穂の区間距離さえ違ってるしどうなっているんでしょ?(笑)。
ところで瑞穂側の橋のたもとに「謎の足」を発見しました!(右上画像マウスオン)。おそらくコンクリート製の像が立っていたんだと思いますが、今となってはこれが何なのかを知る術はありませんね(笑)。

ここからは紅葉地区のメインストリートを行くこととなりますが、ほらほらお嬢ちゃん路上に座り込んでいるとアブナイよ(笑)。ま、それだけ長閑だということで‥。

ちなみにこの道路沿いの全てのポストは右上画像のように緑ベースの塗装、その正面にその名の通りの「紅葉」を浮き彫りにしたものとなっています。ただし家々によって多少葉っぱのデザインが違っていたり、また出来そのものもそこそこ違っていたりしますから、もしかしてこれは‥

などと勝手に想像してしまったりするわけですが、真相はどうなのか、調べるのを忘れました(紅葉温泉の先ほどの方に聞けばヨカッタのに)。なお、この界隈は先住民の居住比率が高いということで、集落内には民族伝統のものらしき彫り物などが見受けられました(右上画像マウスオン)。



というわけで目的地到着?いやいや、ここからが結構な急坂道なんですよ(右上画像マウスオン)。



えっちらおっちら登っていくと、廃湯とおぼしき湯の流れ。これは期待できそう!というわけでお宿正面に到着です!

さてこの瑞穂温泉山荘ですが、1912年(ただし看板には「Since 1919」と書かれていました)の日本統治時代に警察関係の招待所(保養所)である「滴翠閣」として開設されたのが最初だそうで、何で警察関係の施設なのかはよくわかりませんが、民国移管後に民営化されたということです。ちなみに台湾の古い温泉にはこのような警察関係の施設が多いようで、「警光山荘」と名前が付いている施設はみなその関係です。ただし今では一般客(外国人も含めて)も普通に泊まることができます。いわゆる「かんぽの宿」みたいなもの?

さて話を戻しましょう。受付におられた女性の方はほとんど日本語を解しませんでしたが、それでも「お風呂」は理解してくださったようで(というか、ここまで来てお風呂に入らない人はいないでしょ)、NT$150/人を支払うと、まずは家族湯池へと案内されました。



しっかり茶色の湯がかけ流されております!こういう個人&家族湯池の場合、お湯は「1回こっきり使い捨て(自分で湯を溜め、溜まったら入り、出たら湯を抜く)」というのが普通なのですが、ここはすでに湯が溜められておりました。というか、これだけの容積ですから湯を抜いてしまったら注ぎに溜まるまでにどれだけの時間がかかることやら(笑)。ちなみに1人用の個人湯池はサイズもこの半分で部屋も狭く、ちょっと閉鎖的な感じがありましたからね)。うーん2人で来てよかった!

しかし、この浴室の湯に入るのは後回しにして、まずは水着着用の上で外の露天風呂に行ってみましょー!だって家族湯池はいつでも貸し切りで入れるけれど、この時は露天大浴池にも誰もおらず「今だけ貸し切りOK!」という感じだったものですから「善にしろ不善にしろ急げや急げ」ということだったのです。というわけで屋根付き露天湯へ!



メイン湯船には何と天井から打たせ湯的に源泉が投入されています!ちなみに源泉温度は48度だそうで(看板にある)、上の画像だと「熱水」と書かれていますが(肝心な温度の部分は文字が色落ちしたのか判読不能でした)、時期柄か何とか打たせ湯が出来るくらいの湯温でありました(下の方でおしんこどんの打たせ湯画像が出てきます)。

泉質は日本ふうにいうと「含鉄性塩化物炭酸温泉」ということで、うーんTakemaでも「鉄泉だろう」ということはわかるぞ(笑)。また少々の塩味もあるので塩化物泉であることもOK。ただ、あまり気に留めていなかったからか炭酸は感知できませんでした。ネット上の先人さんは、この温度ゆえほとんど飛んでしまっているはずの炭酸成分をよく感知できたなぁ(皮肉じゃなく感嘆です)。

左上画像が源泉投入池なので当然一番熱めなのですが、それでも源泉温度を考えれば十分に快適な43度くらい?でも加水はしていないらしいですから、源泉井からの距離が遠いためこの時期は途中で湯温が下がっているのでしょうか?(なお日本時代の源泉井は湯温が下がったため新たに掘りなおしたそうです=このあたり全て受け売りの情報ですので念のため)。

左上画像から流れ出た湯は、一段下のプール(右上画像)へと流し込まれます。さすがにこちらはぐっとぬるくて40度半ばくらい?(12月で外気温も低いですし)。ここはまぁ、ちょっと入ればいいかなというわけで別の湯船に移動です。

ここは「観景池」というのですからいわゆる「展望露天風呂」ということでしょう。しかし‥ぬるい!(推定37-38度)。しかも浴槽底の方がぐっとぬるいし‥ん?この浴槽にはどこから湯が流し込まれているの?たぶん浴槽縁の内部から直接投入かな?ただし源泉直入ということはなさそうで、第一湯船のこぼれ湯を配管で流し込んでいるとみました。ま、展望メインで楽しむにはいいかな。夏はかえってこっちのほうが長湯出来そうだし。

成分はかなり濃そうなこの温泉、浴槽縁や床には日本のどこかで時々見たことのあるような「温泉成分によるミニ千枚田」が見られました。なかなかすごい実力の温泉であることは間違いありません。ちなみに浴後は汗が引かないので特に暑い時期などはご注意を(笑)。
「瑞穂温泉山荘露天湯池」
かなり楽しい湯。泳いでいる子供などがいなければ(笑)。

露天湯池の脇に看板が出ています。ここの湯に関する一般的な説明が書かれていますが、その途中に「奇妙な四字熟語?」が記載されているのもおわかりになることでしょう。え、ええ?

何だそりゃー!も、もしかしてここはアチラの世界に関して甚だ造詣の深い御方々がシーズンともなれば大挙して押し寄せ、もうその時はこの露天湯池に「生男」がそれこそ雨後のタケノコ(意味深ですな)を誇るというような阿鼻叫喚の意気軒昂、威風堂々の中で徹頭徹尾粉骨砕身し、時には主客転倒もありながらの地獄絵図の末に虚心坦懐明鏡止水の境地に落ち着くというアレですか?‥いや、そんなわけはないですな(どんなわけなんだ?)。

ハイここで健全サイトである拙サイト管理人であるTakemaが種明かしね(笑)。「生男之泉」の下の文章をイメージ訳してみると(正訳ではありません=Takemaは素人)、

という感じでしょうか?原文そのものは画像からも読み取れるはずですが嘘っぱちだったらごめんなさい(笑)。



唐突な「かけ流し証明」画像と閉鎖的な1人用湯池の画像とでいきなり瑞穂温泉ネタを終了することをお許し下さい。

いや、瑞穂に関する手持ちのネタが尽きちゃったものですから(苦笑)。そういえば宿を出る直前にトイレをお借りしようと思ってうろうろしていたら、それまで見たことのなかった宿の男性が「あなた、どこに行きたいんですか?トイレですかそうですか。トイレはこっちじゃなくて個室のお風呂の手前にありますよ」とこれまた流暢な日本語で教えて下さいました。いやーすごいなぁ、肝心なときに日本語OKの人が出てきてくれたぞ(ちなみにこの時最初に声をかけてきたのは相手の男性でした。よく日本人だとわかったなー)。

しかしこのような日本語ヘルプパターンは、翌日以降さらに続いたのでありました(笑)。



そろそろ夕方ですが(12月末)、紅葉温泉へ戻るわれわれはいろんな意味でホカホカでした。

そんなこんなで紅葉温泉まで戻り、少し部屋でのんびりしていたら一気に暗くなりはじめました(アブナカッタ)。ふと見ると宿全体にイルミネーションが飾られており、特に本館は戦前に建てられた建物とは思えないくらいに可愛らしく光り輝いておりました。

ところでここ紅葉温泉旅社は瑞穂温泉同様日本統治時代に開発された温泉です(源泉の発見はその前だったようですが、施設を作ったのは日本人)。詳しくはここ紅葉温泉のトップページに載っています。日本語のページはまだ制作されていないようですが(2010/1現在)。それにしても約80年前の木造建築物がいまだに維持管理されながら現役というのはすごいです(紅葉温泉のトップページを見ると、戦前における現在と寸分違わぬ造りの写真を見ることができます)。

なお、ここ紅葉温泉は道のどん詰まりの一軒宿です。しかも台湾の宿の場合は素泊まりが基本。となると夕ごはん朝ごはんが心配になってきます。しかし先ほど瑞穂温泉に行く直前に日本語で話した方の情報により、次のような食事情報 in 紅葉温泉を得ていたわけです。それは‥

日本の温泉旅館の場合、それこそ「接客も食事も毎日の掃除も全て1つの宿という一体」の中でやってきたわけですよね。だからそれはコスト高になるのは仕方がないわけです。

その一方でこちらの宿では「宿泊はOKだけれども食事については直接関知していない」というスタンスです。日本だったらどうなんだろう?(いろんなお店が揃った温泉街であれば成り立つかな)と思うようなシステムですが、気がつけば「タナボタ系ラッキー夕食」をいただいたのでありました。この日は何と観光バスが到着しておりまして、で、その皆様の夕食のために「別棟の中華食堂棟」が特別にオープンしていたというわけです!(つまり「お客が少ない日は店も開かない」ようなのであります)。



この時はまだ気づいていませんでしたが(おしんこどんはTVチャンネル操作に夢中?)



これらの料理を食べましたが(それぞれそこそこ美味しかった)、湯麺はTakemaとしてはイマイチ味薄(健康的にはそれがいい?)

もっとも「この夕ごはんがラッキーだった」と気づいたのはこの翌朝でした(いや、この翌朝ごはんも結構面白かったんですが)。

そんなわけでこのあとおしんこどんはいきなり怒濤の睡眠。でも時期が時期だけに(12/23の21:00ころ)、宿の方がわざわざ手作りケーキを持ってきてくれて嬉しいの何のって。おしんこどんは「わたしは朝食べるわ(‥眠い)」と、いつもの睡眠貴公子にナンパされてあちらの世界に行っちゃいました。しかしこの切り分けケーキの写真を撮らなかったのは大失敗でありました。

さ、明日は再び大移動なんですが‥ちょっと待て、ここ紅葉の「温泉」を攻めなければと!いうことで朝一番から活動を開始します。
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