- 2009/12 台湾湯めぐり編その14 いろいろ乗り継いで関子嶺温泉へ -
ん?おしんこどん何やってんの?んでもって手前の炎はナニ?
この日は台湾南部から一気に北上し、中南部に位置する関子嶺温泉まで移動するのであります。あとから考えれば東部での滞在をもう1日延ばし(もういくつか野渓温泉を回れたと思う)、関子嶺詣では次回のお楽しみに回した方がよかったかもしれません。いや、関子嶺がイマイチとかそういう意味じゃないんですけれど(笑)。ちょっと駆け足の移動が多かったかなという反省なのであります。
さて恒春まで戻る車の車中にて、黄さんにメモ書きを見せます。そこにTakemaが書いた漢字二字はといえば‥
日本語で「ここ、行かれる?大丈夫?」と言うと、黄さんは「わかったOK」というような反応を見せましたので多分大丈夫でしょう。やがて車は車城方面とは違った田舎道を走り始めました。たぶんメインロードよりも何本か内陸側を並行して走るローカルロードだと思われます。確かに信号もほとんどなくて早い早い。
そう、「出火」というのは地名なんですね。しかし「特別景観区」とは?
実はこの付近には天然ガスが地表に自然噴出している場所があるそうで、だからその場所の名前も「出火」というわけですね。一番上の画像でもう炎が見えちゃってますからネタはすでにバレバレですが、(見なかったことにして)さーて、どんな所なのでしょうか!(苦しいなー)。
グーグルマップなどで見る限り恒北路と東門路の交差点(恒春古城東門付近)を曲がってしばらく進んだ先(700-800m?)にあるようで、市街からもさして遠い距離ではなさそうです。ただ、「わざわざ見に来る価値があるものかどうか」まではわかりませんでしたが、考えてみれば今回の旅行では「観光らしい観光」もしていませんし(美食もなければ観光見学もなかったなー)、まぁもし寄ってもらえればラッキーくらいのつもりでありました。
おしんこどんが「シバ神になってみた」ところで、階段を下りていざ「出火奇観」へ。あれか!(予想通りそんなに盛大なものではありません)
ちなみにこの時は朝だったのでわれわれ以外に誰もおらず。やはりこの場所は夕方から夜にかけて賑わうのでしょう。
そんな時間になると、芋やポップコーン売りが登場するのだとか。もちろんお客は柵を乗り越えて「自分で調理」するそうです(笑)。
というわけでお約束のポーズ。Takemaジャンプは足が開かなくなってきているような?ヨガをやっているおしんこどんは逆に(笑)。?
「出火奇観にて」 特にすることもないのでおしんこどんが何やらポーズ。 |
さてさてそんなわけで昨日バスを降りた恒春のバス停へ(古城南門の真ん前)。黄さんは「高雄までならこの車でどうだい?」というようなことを筆談で勧誘してきますが、うーんさすがにその値段はバスに比べて高須クリニックなので(一字足らないような気がしますがお気になさらず)丁重にお断りしました。
到着後残金のNT$1000をお支払いすると、黄さんはバスの事務所係員さんに何かを話していました。おそらくは「そこに日本人が2人いるから、高雄行きのバスが来たら誘導してやってね」というようなことを言ってくれたのでしょう。今回の台湾行ではこちらの人々の優しさにいろいろ助けられましたからね。
事務所(左上画像のように小さな建物)の受付で「ガオション(高雄)」と言いピースサイン(「2枚ね」)を示すと無事チケットが発券されました。これで安心。で、この高雄行きの通称「墾丁列車(Ken Ting Express)」ですが(もちろん鉄道ではありません)、どうやらどの会社も高雄周辺で高速路利用の「88快速便」と、最後まで下道を行く一般便との2系統を運行しているようです。もちろん高速利用のほうが30分ほど早いので、右上画像を見ると偶然ながら「88」ですね。ラッキーでした(というか乗るときは全然そんなことも知らず、「高雄って書いてあったら乗り込めばいいや」と思ってました)。
そんなわけで高雄に向けて2時間のバス旅行です。とはいえそのうち半分は昨日通った道ですが。バスは幸いなことにかなりガラガラで、Takemaは出入口からいちばん近い「博愛座(シルバーシートにあたる)」に座りましたが、博愛すべき方は途中からも乗ってこなかったので‥(この博愛座ネタについてはあとの方のページで詳しく説明します)。
先頭座席から前方風景を堪能。信号停車中に道路設備機器の入った箱に目が行きました。なぜに「南無阿弥陀仏」?(右上画像マウスオン)。
途中から乗った高速路はまだかなり新しく(2006年供用開始?)、かなり快適です。もちろん市内中心部に近づくにつれて車両数は増加しましたが、それでも渋滞が起きるほどではありません。料金所にはその名も「ETC」ゲートがあったりしますが、普及率は少ないようです。というのも、
な、なんたる安さ!(というか日本におけるその高さぶり、そしてそれを許容してきた過去の政権がオカシイわけですが。日本の政府は自民だろうが民主だろうが「国民に気を遣いすぎ」だと思うんですよ。気の遣いすぎでいろんな国家事業外交事業の腰が引けてどうするのさ、国あっての民主主義でしょ、国が滅びたら山河は残るかも知れませんが民主主義は保証されませんからね=久々に政治ネタ)。
話を台湾ETCに戻せば、日本の場合ETC車載器の爆発的な普及に貢献したのが「大幅割引」であり、台湾の場合はもともとの料金が安いこと、また回数券割引もあること(その昔はTakemaも首都高回数券でよくバイクに乗ってたよな)、そして何と「混雑する時間帯には無料開放している」(ちょっと目からウロコ的発想だと思いませんか?)ということで、車載器を付けるメリットはほとんどないようなのです。
日本でも現鳩山政権が「ETC機器なしでも云々」という検討を始めているようですが、これは前政権下でETCが爆発的に普及したからこそ言える話ですよね。あれがなかったら日本のETCも「道路交通の八ッ場ダム」みたいになっていたことでしょうから。
さてそんなわけで全然旅行記とは違う話を引っ張ったところで高雄に到着です。バスターミナルがどこなのか、駅はどっちなのか全然下調べしていませんでしたが、皆さんが歩いて行った方向に駅があるのだろうと思って追随していったら‥やっぱりありました。
最初に出てきたのが左上画像の高雄駅。あれー随分古風な駅なんだなと思っていたら、どうやらこちらは旧駅を歴史的建造物として保存しているようでした。屋根瓦のあたりに日本統治時代を感じますし(多分そうなのでしょう)、当時にすればかなり立派な中央駅としての面目を保っていたのではないかと思われます。「威風堂々」という印象を受けました。
で、右上画像が新駅舎ですが、「あー、どこにでもありそうな」感がイケマセン。しかも駅前に立ち並ぶビルに完全に気合い負け。日本の旧都の駅ビルがバカみたいな駅舎になって久しいものがありますが、高さが高ければいいってもんではありませんし、もう少し台湾らしさを感じさせる「第三の駅舎」を期待したいところです。というのも駅構内に「未来の高雄駅予定立体図」のようなものがありましたんでね。
まだお昼前なのですが、ここからは台鐵在来線で嘉義まで移動するので、駅構内でお昼ご飯とすることに。しかしその選択が大失敗でした!
駅構内のとある店で、とあるセット料理を頼みました。多分この人には罪はありません。この人の味付け云々以前の問題です。とにかく‥
あえて画像は出しませんが、これだったら2Fにあったマクドナルドのほうがはるかにグルメ!(ただし「ただ今原因不明の停電中につき臨時休業しています」と手書きの掲示がありましたが)。どうしちゃったのさ美食であるはずの台湾の南の玄関のお店なのに?‥いや、駅構内で手軽に済ませようと思ったTakemaの発想が大失敗だったんですけれどね。いやー、でもショックはでかかったわ。でも残さず食べた苦難飯。まぁ気を取り直してそろそろホームにいきましょ。
早めにホームに降りましたが、出発時刻が近づくにつれてどんどん人が増えてきました。何だかかつての上野駅地平ホームの賑わいを思い出すくらいです(多分ほとんどの人は知らないと思いますがここはあえて無視)。なお左上画像はホームに降りた直後の画像です。昔の上野はもう何時間も前から‥(笑)。
ところでわれわれは昨日のうちに指定券を買っていましたから問題はありませんでしたが、屏東始発の自強号が入線し、車内がガラガラなのを確認した上で乗り込んでみると‥
そう、それらの方々は無座券にて乗車していた方々であり、屏東-高雄ではガラガラだった時は座っていたものの、「高雄でどさっと乗ってくること必定!」というわけでデッキに避難なさっていた方々なのであります。そして予想通り車内は一気に満席に。あー、昨日のうちに予約発券しておいてよかった(笑)。
というわけで嘉義に定時到着です。今回の旅行では全ての台鐵路線がほぼ定時運行していた気がします。先人のサイトを拝見すると「全然来ない‥やっぱり台鐵」とか「ぐるっと回って来る長距離列車は遅れることが多い」とか、皆様苦難の経験を味わっているようですけれどね(笑)。でもTakemaの行程では、明日の高鐵(新幹線)が遅れたら日本に帰れないのでちょっとキンチョーします。だって高鐵の信号システムはフランス製だっていうし(笑)。
ちなみに翌日の夜食はTakemaの自宅(日本国千葉県市川市)で食べるつもりでありまして、そのためには飛行機はもちろんですが、空港に至るまでの全ての交通機関が順調に動いてもらわねばなりません。明日の台湾内における移動予定は「関子嶺-嘉義まで路線バス、嘉義-高鐵嘉義までBRT(専用バス)、高鐵嘉義-高鐵桃園まで新幹線、高鐵桃園-空港まで路線バス」という流れなのですが、まぁ明日は土曜日だし大丈夫だろうと思いつつも、一番気にかかるのは最近整備されたというBRTの運行頻度です。高鐵嘉義は台湾新幹線の中でも「各駅停車しか止まらない」駅ですからそれほど停車本数も多くありませんし、万が一予定している新幹線に間に合わないと飛行機に乗れずおうちまでたどり着けません。
関子嶺-嘉義間のバスは本数はそれほど多いものではありませんが、すでに発車時刻情報を得ているのでこれは何とかなりそうです。でも、そのあとのBRTバスについては事前の情報がありません。ということは明日の移動の勝負どころは、
という点にかかっているわけです。BRTバスは嘉義駅のいわゆる裏口(後站)から発着しているということでまずは後站の改札口へ。でもBRTに関しての詳しい案内表示(発車時刻等記載の)が改札付近に全然なかったので、「明朝のこの区間はタクシーの方が確実かな」と考えたわけです。
さて、ここ嘉義は「阿里山森林鉄道」の出発点でもあるのですが、この時は災害復旧中とかで運休中。「シンリンテツロー」のカタカナが泣かせますね。と、ここでタクシー運ちゃんとおぼしき男女が近づいてきました。男性が言うには「関子嶺温泉、700元でどうですか?」とのこと。いやーそれはやっぱり高すぎるし(ちなみにバスだとNT$78/人)、でも明日の高鐵嘉義まではちょっと御願いしたい気もするし‥と考えていたところ、
というわけで今回もまた折衝は順調円滑に進み、「明朝9:30-9:45ころにバスでここに戻ってくるから」という約束を取り付けました。タクシーナンバーは「111EP」、高鐵嘉義までNT$350という内容です。ちなみに「明日あなたたちを迎えに来るのは私の妹です」とのことで、となるとこのタクシーナンバーは唯一の目印になるんだな、メモしておかなきゃ。
【実はこのタクシーこそが翌日われわれの窮地を救ってくれる救世主になろうとは、この時点では全く考えてもいませんでした(当然)。】
というわけで中山路沿いにあるという嘉義客運のバスターミナルへと向かいます。ちなみにここ嘉義は、予想していたよりもはるかに大きく活気のある都市で、中山路沿いにはお洒落なブティックなども点在していて、バックパックを背負って歩くのには少々違和感というか気恥ずかしささえ感じます(笑)。
でもバスターミナルは昔ながらの雰囲気で、あーヨカッタ。
バスは別の場所からこの建物の裏側に入ってきて発車順に整列し「トコロテン方式で順番に発車」していくという方式を採っています。非常に省スペースのバスターミナルですが、これは「元々スペースが小さかったのでこうせざるを得なかった」ということなのでしょう。発車時刻が近づくと待合広場内に設けられた行き先表示板が点灯し改札がオープンするというわけです。
関子嶺行きのバス時刻表。赤い「関」マーク付きが温泉行き。右上画像では「ただ今改札中」を示すランプが点いてますね。
さてこの日は12/25のクリスマス。ということで待合所にもX'mas系の飾り付けが見られます。と、改札係の女性はサンタ帽をかぶっているではありませんか!何だかノリがいい会社なんだなぁと思いつつ、先に発車していくバスを見ていると‥(右下画像マウスオン)、
本日のお宿は「関子嶺大旅社」。ここ関子嶺温泉は近年になって元々の温泉街よりも奥に新温泉の開発が進み、それにしたがってバスの終点もずっと山の上の方に移動したということなので、われわれとしては降りる場所をよくチェックしていかなければなりません。でもまぁ平地を走っているぶんには「まだまだ先」ということでもあり、しばしのんびりバスの旅を楽しみます。
いやー薫製屋さんですな、ソーセージはわかるけれど、その右側の大物はなんでしょ?もしかして豚の顔?
そうこうしているうちに、バスはどんどん山あいに入っていきます。ネット上の旅行記には「旧関子嶺温泉では多くの人が降りるのですぐわかる」というような記載がありましたが、他力本願だけでは恐いので、地図を見ながら現在地を特定していきます。「警光山荘が右に見えたらもうすぐだよな‥あ、あった!」「その先右側にセブンイレブンが‥見えた!」というわけで下車ボタンを押すと、バスはそのすぐ先にあるバス停で止まってくれました。「セブンが見えたらすかさずボタン」というタイミングで大丈夫です。ちなみにこの時ここで下車したのはわれわれ2人のみ。やっぱり他力本願じゃなくてヨカッタ(笑)。
「さて、すぐ横を流れる川の向こう岸なんだよな?」と思って地図を見ていたら、たまたま通りかかった女性の方(われわれより年下でしょう)が「どこの宿ですか?」といきなり日本語で話しかけてきました。「あ、関子嶺大旅社ですか、すぐそこの橋を渡ればもう目の前ですよ」。こう言い残して去って行かれました。こういうさりげない応対がとってもありがたく感じるわけで、今回の旅行において嫌な気持ちになったことは一度もなかったなぁ(ま、ほとんどの旅行において嫌な気持ちにさせられることはないんですが)。
というわけで関子嶺温泉に到着です。長くなったのでこの続きは次ページにて。
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