− 2009/12 台湾湯めぐり編その15 関子嶺温泉を堪能&「水火同源」訪問 −
「関子嶺大旅社」は少々時代を感じさせる雰囲気の宿ですが、それもそのはず、この宿もまた日本統治時代にオープンした「龍田屋」を祖として今に至る宿なのであります。ただしわれわれが泊まった部屋は鉄筋コンクリの新館ではありましたが。
フロントにいた40歳くらいの女性は日本語が堪能。チェックインも全て日本語でOKでしたが、このあと翌朝まで彼女の姿を見かけることはありませんでし た。この女性よりも多少日本語会話レベルが下の男性はこちらのオーナー一家かも知れませんし違うかも知れません。おばあちゃんは日本語を話せませんでした。 「日本語OK(の宿)」とガイドブックやネットに明記されていても、その(話せる)人が現場にいるかいないかは運みたいなものなので多大な期待は寄せない方がよろしいかと。勿論そんな場合は筆談でやり取りすればいいので問題なしです。
案内された部屋は浴室(兼トイレ)には、部屋風呂としてはあまりに重厚な石造りの浴槽がお出迎え。よしよし、あとで湯っくりタンノーしてあげるから待ってなさいよ。
そんなわけで、まずは館内をうろうろしてみることといたしました。写りの都合で朝になってから撮った画像もごちゃ混ぜですが、まぁ問題ないですよね。
小さな中庭を中心にしてぐるりんと迷路のようにつながる複雑な構造をしています。
赤いトタン屋根が歴史を感じさせ‥あ、新館は本当はもっと増築する予定だったのか?
増築するはずだった?側には昔の旅館玄関があります(お客の出入りはOKですが、レセプションはここにはありません)。
古い入口側には昔ながらのミニ温泉街の風情が残されていました。屋根付きの橋もあったりします。下を見ると‥おお、源泉色の水が(笑)。
続いては家族風呂に入ってみることにしましょう。この宿には大浴場(情報によれば貸し切りの大きめ家族風呂)があるそうなのですが、閉鎖されていたのはやはり配湯量の関係なのでしょうか?(後述)。でもまぁ階下に別の家族風呂が3つ並んでいますからまずは問題なしです。
最初に偵察したタイミングでは3部屋全て空いていましたが、おしんこどんに声を掛けて一緒に降りていくと、一番奥の広い浴室はすでに利用中でしたので、一番手前の「次に広い浴室」に入ることにしました。浴室の床が乾いていたところをみるとしばらく誰も使っていなかった様子、しめしめこれはいい湯を楽しめそ う?
浴室(兼脱衣場)の扉を開けると、一種独特のタマラナイ湯臭がわれわれを迎えてくれました。こ、この臭いは‥
ネット上では「ベンジンの臭い」とか「コールタールの臭い」とか、はたまたマニアックなところでは「新潟のあの西方の湯の臭いだ!」とおっしゃる方もおられるようで、確かに独特の湯臭であることだけは間違いありません!そしてお湯そのものはといえば‥
というわけで湯ったり入浴。お湯の色的には野湯みたいな感じですが,もちろん立派な温泉です!
もちろん元気になったおしんこどんも湯浴みをタンノーしました。
ただ‥予想していたよりは「お湯が薄くて」ちょっと残念という気持ちもありました。というのは、「昔はもっとドロドロで、底には湯花ならぬ湯泥がたまっていた」というのです。1999年の台湾大地震(九二一大地震)以後ここ関子嶺温泉では源泉の湧出量が減ったのみならず、ここ数年の新規開発に伴う宿の増加 およびそれに伴う源泉利用量の増加により「源泉供給が追いつかなくなっている」という話を聞いたことがあります。
ただ、ものの本によると「源泉の供給は宿の規模にかかわらず一定量」と書かれていたこともありまして、それなら「変にSPAとかを併設している宿よりも古くからの宿のほうが源泉湯をタンノーしやすいはずだ」と考えてこの宿(関子嶺大旅社)を選んだわけなのです。
ただ結論から言えば、「濁りはともかくかつての関子嶺のようなトロトロ湯ではないんだろうな」という気がします。2年前に同じ宿に泊まった方のレポートとは違い、この家族湯でも部屋風呂でも湯底の沈殿物はほとんど感じられませんでした。加水しているんでしょうか?気のせいかボイラーのような音も聞こえた気がしますがこれは自分が勝手に思いこんでいただけかも知れません。
でもこれとて「事前に情報を読み込みすぎて」いたからであって、ここのお湯自体がかなり濃厚であることに間違いはありません!温泉街を流れる川が「セメント色」をしていたのももちろんこの温泉ならではのことですし、さーてそうなってくると、帰国後は機会を見つけて「西方の湯」に行ってみなければ!(前から訪問機会をうかがっていたんですがまだ未湯なんです)。
なお、これは関子嶺大旅社などの「歴史ある宿」および安宿に限った話だと思いますが‥
ということは、身体を源泉まみれにして洗うことが必然的に要求されるわけですが‥このアブラコールタールベンジン西方臭の湯で?でも覚悟して髪の毛もこの湯で洗いまーす!(笑)。しかし‥かなり意外でしたが湯臭はほとんど残りませんでした。Takemaとしては、この夜に頭を洗って朝になっても湯臭モウモ ウであったりしたら「明日のバスも列車もヒコーキも、全ての車内で関子嶺臭をまき散らすことになるのか?」と覚悟していましたが、これについてはかなりラッキーというか残念というか(笑)。あ、だから翌朝もしっかり洗髪しました。
さて、身も心もキレイになったところで(心についてはあくまで自覚の範囲で)ふと思い出したことが1つ。それは、
そんなわけでレセプションに行って聞いてみますと(先ほどの女性はおらず何とか日本語の通じる男性がおられました)、「歩いて行かれる距離ではないのでタクシーですね」とのこと。しかもここからだと往復でNT$400かかるのだとか。うわー結構かかるな、確か片道6kmとかおっしゃっていたような?(でもこの距離については瑞穂&紅葉温泉で懲りているのであまり信じないことにします)。ただしやっぱり観光地料金だと思われます。
でもこれまた「ここまで来たのに」系の貧乏性が頭をもたげ「じゃ、そのタクシーを呼んでください」と御願いしました。おしんこどん事後承諾ですまんねと思いつつ部屋に戻って「行くよ!」。予備知識もなくいきなり出動命令を出されたおしんこどんスマンです。
というわけで照明が点きだした頃出発&到着です。
タクシー(今回はイエローキャブ)の運ちゃんは特に話しかけてくるでもなく黙々と車を走らせます。まるでその昔、Takemaが終電で寝過ごして津田沼駅まで行ってしまい(たまに千葉まで寝過ごしたときは経済&精神衛生的にショックが大きかった)、長蛇の列に並んだ末ようやく乗り込んだタクシーの運ちゃんが「市川?はいよ」とだけ発言して車を走らせた時の車内の雰囲気に似ていないでもないですが、まぁ言葉が通じないんですから仕方ないですよね。そういえば学生時代には「乗り過ごした際にタクシーでいかに安く帰るか」の極意を身に付けたんだっけ。でももうやりたくないなぁ(苦難と忍耐と運がモノをいう勝負でした)。
ここ関子嶺の野火は通称「水火同源」なのだと「地球の歩き方」には書かれていましたが、「水と火が一緒に湧き出る穴」ということで「水火洞源」が正しい表記のようです。出口のあたりにもそう書かれていましたから。
ただし全然台湾語中国語の出来ないTakemaですのでこれ以上突っ込まないでね。
さてそんなことはどうでもいいので、道路から階段を下って水火洞を目指します。あたりはだいぶ暗くなってしまい、火は目立ちそうですが周りがほとんど写らないかも‥という感じです。もう30分くらい前にここの存在を思い出していればよかったんですが、まぁいいやしょうがない。
小さな岩の裂け目からガス(火)と水がそれぞれ湧き出ています。恒春の「出火」より火の勢いは強いですが、場所はここ一箇所だけ。
岩場の手前には人工的に作られた池があるので、池の縁より先に近づくことはできません。というわけで、池の岸でそれぞれ火之神に舞いを奉納することに(いや、この場所に神聖性があるのかどうかは存じませんけれど)。
おしんこどんはマイブームとおぼしきシバ神のポーズで華麗に舞い、
Takemaは鳥だった時の気持ちを忘れず?いつものように舞うのであります。
ただしいつもこんなポーズが一発で撮れるとは限りません。特にこの時は周りが暗いためシャッターボタンを押すタイミングを何度も誤り失敗の連続でありました。
おしんこどんジャンプの着地瞬間と‥ああ、カメラのいたずらで「燃える男Takema」になってます(笑)。
「水火洞源のまっくら動画」 もっと明るくないと周囲の様子がわかりませんね。残念。 |
すっかり真っ暗になった中を関子嶺大旅社へと帰ります。そうそう、この旅社の中庭通路にはどどんと灯籠が鎮座しているのでありました。これも日本時代からの置きみやげなんでしょうね。さ、そんなわけで本日の全行程が終了。お腹も減ったので夕食を食べに出かけましょうか。
台湾料理については事前の研修というか学習がほとんど為されていないので、何を頼んだらいいのか全然わかりません。ん?何だかセットメニューがあるじゃないのさ。NT$399と699の2セットとも「白飯2碗」とありますから2人前でその値段ということなのでしょう。だったらこれでいいかということでNT$399のセットとビールを注文することに。
呼び込みがかなりしつこい店はあえて避け、宿の裏手にあるお店に入店。結局朝食もここで食べたんだっけ。
お味は‥何だか全体的に薄味だったような記憶がありますがまぁ許容範囲。海老の唐揚げはビールのおつまみに絶好なので最初に出してほしかったな(笑)。
ちなみにあとから入店してきた家族連れですが、円形卓(中央が回転するやつ)に座ろうとしたところでその中の女の子、よっぽどこのテーブルに座るのが嬉しかったのか思わず回転する部分をぐるるん!
あーあ(噛殺笑)。怒るお母さん、泣きべそをかく女の子、そして「いいんですよ」となだめるお店の女性。うーん、どこでも見られるおなじみの風景です。
さて食事後は、事前に宿の方から聞いていた「川沿い広場でのイベント」を見に行ってみることに。
この日はバンドの生演奏でございました。それでも20分近くいたかな?
では部屋に戻って「本日のラストイベント」といたしましょうか!ときたらそう、アレです!
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