− 2009 タイ北部湯めぐり(5) タム・プラーで聖なるお魚さんに餌やり −



とりあえず刺激の少ない画像をトップにもってきましたが‥このあと、おどろおどろ系の動画も出てきますのでお楽しみに?

さて続いてはメーホンソンの北側に位置する「タム・プラー(別名:Fish Cave)」なる場所に移動します。ここには「神聖なる魚たち」がいるということなのですが、ネットで検索してみるとおおっぴらに餌付けが出来るみたいなので行くことにしたというわけです。ちなみにおしんこどんは餌付け大好き人でして、これまでの旅行先でも許可されている限りほぼ全ての場所でトライしています。「こういうのをやらせると私はしつこいよーっ!」と豪語していたくらいですから(笑)。

ところで先ほどの村はメーホンソンの南に位置していたわけですが、今度は北(中心部から約17km北に位置します)。でもこんな町にも(失礼)立派なバイパス路が作られていてびっくりです。タイの道路事情は15-20年前に比べて驚くほど整備が進みましたね。

そんなわけでタム・プラーへ到着です。なおドライバーさんはガイドではないので(ガイドをするにはガイドの許可証がいるのかもしれませんが)、現地に到着すると「あっちですよ」と指示してくれた上でそのまま車で待機というパターンになるわけですが、これはわれわれにとってかなり好都合でして、全てガイド(同一行動)になってしまうとこっちとしても気を遣ってしまいかえって窮屈なんですね。これはこれでありがたかったです。ちなみにドライバーの「アッさん(40才、12才と7才の娘さんがおられるとか)」、上記のようにガイドはしませんがとっても親切(英語OK)。その親切さはこの翌日にあらためて実感することとなりました。

さてそんなわけでタム・プラー。どうやら肝心な場所には歩いて行かなければならないようです。受付で訪問者名簿に記入すると‥あれ、ここは入場料はいらないのね?(ただしカウンターの脇にDonation Boxあり=ちょこっと入れました)。

そんなわけでいざ歩いて行こうと思ったら、すぐ近くのあずまや小屋から女性が近づいてきます。最初は土産物の売り子さんかなと思ったのですが、手に持っているものが何だか違う?

そう、ここでは「神聖なる魚に差し上げる供物=撒き餌」を売っていたわけですね。ちなみに奥の池でも売っていましたが、お値段と量との比較はしていません。でも、右上画像にある通り、マンゴーもパンも、そして野菜もパックされたかなりのボリュームで20Bは安い?いや、餌付けするかしないかは個人の気持ち次第ですが(もちろんタイ人の皆さんにとっては「功徳」という意味合いが加わりますので同列には考えられません)。そんなわけで右上画像の女性から餌を購入し、トコトコと遊歩道を歩いて行きます。すると?

吊り橋の下、何やら皆さんが川に浸かって大作業中。何をやっているのかと思ったら、何と「川底の砂をすくって土のう作成中」だったんですね(右上画像マウスオンで別画像に変わります)。すでにかなりの土のうが作られているようですが、いったい何のために?それにしても土のうってホントに万国共通なんですね(ほんとうにそうなのかどうなのか?)。

さてそこからさらに進んでいくと、何だか「ここは日本なのかい?」と思わせられる2つの構造物が出てきました。

この両画像がそれなんですが、左上画像の鹿(しし)おどし‥1.2.3...全部で12個もあるじゃないですか!こ、これでは日本文化の底流に連綿と流れる侘びだか寂び(さび)だかワサビだかの風情がは表現できないでしょ!‥ってここはタイなんだからそんなもんを表現する必要自体がもともとないんだっけ(笑)。

でも右上画像の水車には驚きました。ちゃんと粉挽きの臼まで設置‥されていたんですが、こちらは稼働していなかったところを見ると、たぶんこれは日本からの指導のもと作ってはみたけれど「使う必然性」を管理者が感じていないので放置されているとみました!

ちなみに鹿おどしのほうですが、これはFern Resortにもありましたのであらためて驚くということはありませんでしたが、いくら水量が多いからといっても12個は多すぎじゃないの?(笑)。で、それぞれがすぐにコンコンと音を立てる状況を見ているうちに、TVのとあるコマーシャルを思い出したわけです(ちなみにこのページは2009/4に制作していますが、たぶん5年10年にわたり更新しないと思うので「今だけ系」のネタかも知れません)。それは‥



「これって、ハルンケアCMスペシャル版?」

いや、これだけのものを製作し、しかもその全て(1つとして壊れずに)ちゃんと機能しているということ自体はすごいんです。でも「侘び寂び」はどう考えてもないですねー(笑)。

Wmv形式、678KB、16秒


そんなこんなでタム・プラーです。洞窟というよりは小さな岩屋と言った方がいい感じの場所に仏様だか精霊信仰の神様だかがおられますので、まずはご挨拶申し上げました。ちなみにすぐ脇の岩の上には、一羽の鳥が全然立ち去ることなくずーっと鳴き続けておりました。もしかして生き神様か?(右上画像)。だったらもっといろいろとお願いしておくんだった!(現世利益願望)。

さて、でも観光客的にこの地がこの地が有名なのはもっともっと「おどろ面白い」場所があるからなのです。それがそう、「神聖なる魚」なのであることは論を待つまでもないのですが、これがまた不思議なんですねー。この岩屋の直下からは結構な量の地下水が湧き出ているわけなんですが‥その出口部分たるやご覧の通り。



この狭い場所から湧き出た水は、そのまますぐ下にある広い池に流れ込みます。そっちの方がはるかに生活しやすいだろうに?と思いながら見ていたところで、ふとこの「密集の不思議」の理由を考えつきました。

この場所は地下水の湧出場所ですから本来なら有機物の少ない貧栄養水しか流れてこないことになります。が、その一方でこの場所は天から有機物(例の餌ですね)が降ってくる捕食場でもあるわけです。従ってこの場にうごめいている魚たちの群れは、いわば「生存競争上の勝者」ばかりなのではないかということです。だって、こっちの方が餌を手に入れる可能性が高い=かなりの参詣客 or 観光客がまずこっちの穴に餌を放り投げていますから‥。

また、この場所からすぐ下にある池までの区間はトンネル状になっており、また段差もあります。したがって、もしかするとこの場は「生存競争上の勝ち組」を先祖に持つ一族が代々住み続けている場所であって、下部の池に住んでいる他の魚たちとはそもそも生息域が違うのではないかということが考えられるような気もします。

ま、これらの仮説が正しいのかどうかはわかりませんが、とにかく彼らに餌をやると「ガルルル!」的に食いつきます。右上画像はその瞬間を捉えた貴重な画像です(全然貴重じゃないですがね。餌も写っていないし)。さて続いては池の方に移動して餌やり続行です。

かなり広い池ですが、こちらでも魚たちは基本的に上流部=水の流れ込み口側に集まっています。なぜなら上流側には「餌やり用のデッキ」が作られているからですね。この池で生を受けた彼らは、生まれてすぐに生きるための術を身に付けているというわけです。



「タム・プラー、神聖なお魚様に餌やり中」

「生存競争の勝者」が住む場所が以下に狭い場所なのかは見ていただければおわかりでしょう。わたしがこちらの魚だったら‥池の方で生きていきたいような(笑)。

Wmv形式、1.69MB、44秒


さてそんなわけで再び駐車場へと戻っていくわけですが、ここでおしんこどんが「バナナの花」に注目。Takemaは知っていたんですが、このページをご覧の皆さんは「バナナがどうやって房状に実るのか」ご存じですか?存じない方のためにちょこっとここでご説明をね。はーい小学生のみなさーん、夏休みの自由研究に役立つからメモしておいてねー。(って、このページをアップしているのは4月なんですが)。

さてまずは左上画像にご注目。これがバナナの花でございます。ちなみに品種によってはもっと花弁が赤黒くて固そうだったりすることもありますが、咲き方は同じですのでご安心を。

で、バナナの花は一斉に開花するわけではなく、左上画像のように花びらが一枚ずつめくれていき、そこにそれぞれメシベが出てきます。このメシベが受粉するとめでたく実となるわけですね。

ちなみに八百屋さんやスーパーでバナナが売られている状態は、通常何房かが横並びで並んでいると思いますが、これはこの横並びメシベが大きくなったものなんですね。ちなみに左上画像では4つしか並んでいませんが、ここのバナナは輸出用の多量収穫品種ではないので少ないというわけです。

で、このメシベが受粉の時期を終えると次の花びらが1枚めくれ、そして底には新しいメシベが‥こうやって重層的に受粉&結実を繰り返していくというわけなので、バナナの花の開花時期は他の花に比べて長くなっているというわけです。勉強になるねー。

ちなみに右上画像を見るとその一連の流れがよく理解できると思います。下の方の花びらを見ると受粉したメシベがそれぞれ1個ずつ付いてますね。一番最新のグループはめでたく3つ受粉したこともよくわかります。そして次なる花びらもめくれ始めているというわけです。でも花そのものは右上画像に比べてずいぶん細身になっていますから、この花はもう「残りが少ない」というわけです。

やがて花期を終えると、実の部分がどんどん大きくなっていき、その重みで枝そのものが垂れ下がり、そのまま成熟に進むということになります。ただしここでひと言付け加えておくならば、われわれが日本で買うバナナの全量は、すっかり太ったとはいえまだ完熟する前の青い実です。その状態で輸入したものをエチレンガス云々で熟成させ、やや黄色みを帯びてきたところで流通経路に流すというのが日本で売られているバナナの基本的な流れだというわけです。

でもこれはタイなどでも同じようなものでして、例えばマーケット(スーパーじゃないよ市場だよ)で売られているバナナの多くはまだ青いか、またはやや黄色いがまだ完熟とはいえないものがほとんどです。裏を返せば、マーケットで完熟に見えるバナナは、「なかなか売れないうちにすっかり熟れてしまった」ものだと言うことができるでしょう。あー、木に付いたまま完熟したバナナ、食べてみたいなぁ。

さてさて、気がつけばそこそこ長くなってしまったので、この日最後のイベントは次のページでご紹介いたします。それは‥このあとの旅程のかなりの部分を占める温泉行脚第1弾、「マッドスパ温泉=モークチャムペー温泉(別名プーコーロン温泉)」です!いよいよタイの湯に浸かるぞーっ!!
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