− 2009 タイ北部湯めぐり(11) パイへ移動後、レンタルバイク&源泉かけ流し貸し切り湯! −
明けて翌日。考えてみればここフェーンリゾートには2泊したのにもかかわらず敷地内を探検したことがなかったということに気付き、朝食後これまで立ち入ったことのなかったエリアを歩き回ってみることにしました。うわー、プールがあるのは知っていたけれど結構大きかったのね。今回の旅行では水着を持ってきているので入ろうと思えば入れたはずなんですが、全然眼中になかったわれわれ(というかTakema)って‥(笑)。
そんなわけで送迎車は10:00ジャストに出発。バスターミナルへ直行です。
昨夜も訪れたバスターミナルはピカピカなんですがお客さんの姿がほとんどなく閑散としています。朝一番や夜行などの長距離バスが発着する時間はそこそこ賑わうんでしょうけれど。
子ども銀行券のようなバスチケットを取り出し、11:00発のミニバスと一緒に記念写真(右上画像)。そうこうしているうちに「はーい荷物載せるよー」とドライバーさんが手招きしてくれたので、よっこらせと荷物を屋根上に預けます。
それにしても、バスの車体がピッカピカの新品(トヨタハイエース)だったのにびっくりしました。車内の座席もゆったりしていて、各席にはミネラルウオーターがセットされていましたからこれはサービスということなのでしょうね。よしよし。
座席表(右上画像)を見ると、われわれの座席は7番と9番。この配置図では分かり難いんですが、最後部には12番から15番の横並び座席があります。3.6.9番は1人席なのでおしんこどんよりも幅広のTakemaが座ることに。ちなみに8番席には女性が座ったので、彼女にとっても隣(7番)がおしんこどんというのは良かったかも知れません。
やがてミニバスの隣にノンエアコンの普通バスが入ってきました。時刻表を見ると、どうやらこのバスは10:30発のパイ経由チェンマイ行きのようです。混んでいたらキツキツだろうからということで普通バスを避けたわけですが、出発した時には5人くらいしか乗っていませんでした。こりゃ失敗したか?と一瞬思いましたが、ミニバスの方が速くて快適でしょうからまぁいいか。
時間前に乗客が全員集合したので、定時より20分も早く出発しました。このバスの走るメーホンソン〜チェンマイ区間の道(R1095)は、第二次大戦中に日本軍の兵隊と現地徴用のタイ人とで作った山岳道路で、この日移動するメーホンソンの標高は約270m、パイの標高が約450mなのに対し、途中の峠では1300mを余裕で超えるほどの激しいアップダウンを繰り返す道なのであります。
わたしが初めてこのメーホンソン界隈に興味を持ったのは1990年代半ばでしたが、確かその頃のガイドブックには「この道は超悪路で、特に雨季になると道路は泥の道と化し、トラックバスでもしばしば立ち往生してしまうほどである」というようなことが書かれていたような気がします。そのためこれまでなかなか来る機会がなかったわけですが、近年になって全面的に整備の手が入り、今や全線が完全舗装の快適二車線路に生まれ変わったというわけですね。
実際にミニバスの中から道路状況を観察していると、確かにほとんどと言っていいほど直線がありません。どこかで聞いた話では、メーホンソン〜チェンマイ間のカーブの数は1864に及ぶのだとか。もっとも途中のメーマライ〜チェンマイ間(国道107号線区間)はほとんどが平野なので、実質的にはメーホンソン〜メーマライ間の数なんでしょう。ちなみに、日光にあるいろは坂は登りの第二いろは坂のカーブ数が20(下から明智平まで)ということなので、
ということがわかります(わかっても全然意味ないけれど)。とにかく、この道をバイクで全線踏破しようと思ったらかなりの覚悟が必要になるのは必定です。でもやってもいいかなという気もします。道路自体の整備が行き届いていますから、途中1泊するのならかなり楽しめるんじゃないかな?
さてパイの中心部に位置するバスターミナルには13:00過ぎに到着。快速を誇るミニバスでも約2時間半かかったことになります。
到着後最初にしたことは「3日後のバスの予約」。机があるだけの小さなオフィスですが、そこにいる係員さんが予約関係全てを仕切っていますから安心です。3/24 10:30発のバス座席表を見ると、まだ誰も予約を入れていません。よしよしということで乗り降りのしやすい場所の2人席を確保、チケットも発券してもらったのでこれで安心。
さ、次にすることといえば‥
おしんこどんにバックパック×2の荷物番をお願いして、バスターミナルから程近い場所にあるレンタルバイク屋「aYa Service」へと向かいます。そう、Pai滞在中は自分たちの移動の足としてバイクで走り回るつもりなのであります。
とはいえ、カブタイプのリターン式ギアバイクでは何だか雰囲気が出ません。それにタンデムするということもあり、出来るだけ大排気量のバイクに越したことはないわけです。しかし、タイでは200ccを超えるバイクは生産されておらず(そういう法律があるとか何だとか)、したがってTakemaが望むような中大型のバイクは全て輸入車ということになり、また未確認ですが車両登録料とか税金も高額になっているそうです。なおタイでは二輪車は高速道路走行不可ということですが、これも排気量の制限と関係があるのでしょう。
それでも北部第一の観光都市であるチェンマイなどには400ccを貸し出しているバイク屋がいくつかあるそうですが、実はここパイは小さな町であるにもかかわらずそんなお店があるんですね。というのも、パイは特に西洋人には絶大な人気を博している町でして、その人気がバンコクっ子にも飛び火し、週末などは「タイの軽井沢」とでも言うべきすごいことになっているのです。その詳細については話がそれるので書きませんが、どうやらその西洋人のニーズを当て込み、ここパイでも中型バイクを扱うようになったということなのでしょう。
ま、そんな前置きはどうでもいいです。実はaYa Serviceのウェブサイトにあった問い合わせ用メールフォームから2回ほど予約希望の連絡を送ったんですが、結局はなしのつぶて(機能していないのかチェックしていないだけなのかは不明ですが、たぶん人材的な問題=後者でしょう)。よって、「ここまで来ていざ借りようと思ったら実車なしだったりしたら悲しいんだけれど‥」と思いながらオフィスへ。
来てみたらかなり大きなオフィスで、「BIG BIKE」の看板も出ていて頼もしい限りです。予想通り西洋人観光客が出たり入ったりしています(笑)完全英語OKの受付嬢に「スーパーフォア、今日から3日間借りられます?」と聞いてみるとOKだとのこと。よしよしいいぞいいぞ!考えてみれば西洋人観光客とて大排気量バイクの免許を持っている人はごく一部ですからね。
ところで、タイでバイクをレンタルする場合の常として問題視されるのが「パスポートをデポジットとして預けなければならない」ということですが、これについては今まで4-5回タイのレンタルバイクを利用したことのあるTakemaの経験としては何の問題もありません。ただ長距離移動の場合は検問もあると思うので、国際免許証とパスポート顔写真ページのコピー(わたしゃ家のFax複合機でカラーコピーして持っていきます)があれば万全だと思います。タイ人は身分証明書の携帯が義務づけられているそうですが、幹線道路の検問係員(タイ軍兵士)は外国人のパスポートデポジット制度を知っていますからね。
手続きと支払いを終えると(ちょっとだけ値切れた)、担当の受付嬢が「スーパーフォア!」と大声で配車担当者に伝達。そして出てきたのがこちら。
すでにTakemaの荷物が載っていますが、この日の宿に着いてから撮った写真なのでご理解下さい。
「HONDA CB400 Super Four」。大型バイクの免許が教習所で取得できるようになるまではこの400ccがツーリングバイクのメインストリームでしたよね。かく言うTakemaも今のバイク(CBR1100XX)に乗り換える前はこれに乗っていたわけで、実はおしんこどんと結婚する前にはこいつで北海道を一緒に走ったこともあります(ただし自分のは「バージョンR」という不人気の亜種でしたが)。そんなわけで、スーパーフォア400が借りられるというのは何ともとっても嬉しい現実だったわけですね。
ちなみにタイのレンタルバイクはコンディションがあまり良くないというのが通例です。ではこのバイクの場合はどうだったのか?その件については後ほど詳細画像とともにご説明いたしましょう(笑)。ちなみにヘルメットは日本から持参しました。レンタルもあるはずですが何だかねー(汗もたっぷりかく季節だし)。
さてしかし、上のバイク画像を見てもらえればお気づきになる方もいると思いますが、市内中心部から10kmくらい離れた今日の宿に向かうのには大きな障害がありました。それは‥
Takemaとおしんこどんのバックパックはほぼ同じくらいの大きさで(いや実はいつもの通りおしんこどんの方が大きい)、これを積んで走るのは無理です。しかも、パイ市内にタクシーの姿は全く見られないし、これはどうしようかと思いつつバスターミナルへ。おしんこどんはターミナルの方々に親切にしてもらっていたようですが、「あーやっと戻ってきたか」という感じです。しかしどうすればいいのか?
というわけで「もうちょっと待ってて」とおしんこどんに告げ、再びaYaへ。相談してみましたがやはり四輪のタクシーはチャーターの大型車しかなく、あとはバイタクしかないみたいなんですね(トゥクトゥクは言わずもがな)。
しかしここではたと記憶を呼び起こしたTakemaだったのであります。それは‥
という記憶でありました。そんなわけでバイタクのスタンド?に行って話をしてみると‥おお、OKが出ました!でも、おしんこどん荷物の大きさを見てからの方がいいんじゃないの?(笑)。
でもさすがにプロドライバーというかライダー、大荷物をうまくハンドルと自分の身体との間に挟み込み、さらに後部におしんこどんを乗せて発進!自分はといえば、偶然バックパックに入れていた張り綱で荷物をくくりつけたわけです。あーこれって90年代半ばに北海道を走り回っていたときと同じ荷物スタイルだ!と懐かしくなりました。そんなこんなで、途中荷物をくくっているヒモが緩んで締め直したりしながらも今宵の宿、その名も「Pai Hotsprings Spa Resort」に到着。
この宿についてはもともとネット予約していたのです。その理由についてはこのあとすぐに説明するとして、まずは案内されたChalet Roomへ。そうそう、ここでは部屋の指定もしていたんでしたっけ。その理由もすぐ下で出てきます。というわけで、まずは下の画像をご覧下さいませ!
広い部屋と広いテラス、ちなみに右上画像だとちょっと見えていませんが真正面にはパイ川が流れておりロケーションは抜群です。しかーし!この戸建てコテージにはまだまだすんごいヒミツがあるんですね。それについてはもうちょっと待ってね(笑)。
さて、早い時間に着いたので他のお客さんの姿はほとんどなし。ならばちょっと敷地内をぐるりと回ってみましょうか。
左上画像はわれわれの戸建てコテージ。レストラン棟(右上画像)もなかなかいい感じ。
これはかなりトキメキました。ここが源泉??でも聞いてみたらただの揚水ポンプ施設だってさ(笑)。
でも温泉リゾートを標榜するだけあって、場内には4つの屋外温浴施設=露天風呂があるんですね。じゃ、そんなお風呂をざざっとご紹介いたしましょ。ちなみに全ての湯が「源泉かけ流し」であります!
この湯が一番熱くて厳しくて気持ちよかったかな?って‥いいのか悪いのか?(イイです!)。
続いては大小それぞれプールみたいな湯船。大のほうは湯の投入量が少なくてぬるめでした(タイ人向き)。
両側を宿泊ルームに囲まれたこの温泉浴槽、雰囲気もいいし湯温もそこそこ熱いんですが、たぶん入浴客の声がうるさいと思います。
もちろんわれわれもこれら全ての露天浴槽に浸かったわけなのですが、まぁそれはいつもの雰囲気を見せるだけなのでいいでしょう(どうせTakemaの足画像ばかりなのでね)。でもそれよりももっとすごい設備があるのです。それはわがコテージ内に。
ほーら、あまりに素晴らしき設備ではないですか!(マウスオンでTakema入浴シーン画像に変わります)
そう、われわれ専用の露天風呂!しかもバルブをひねればいつでも新鮮湯を投入できるというのが嬉しいじゃありませんか!ちなみに源泉(石膏臭あり)はかなり熱いので源泉バルブのみで湯を投入すると如何ともし難いというか熱くて入れません。そんなわけでやむを得ず加水しなければならないのが残念ですが、まーしょうがないですね(ちなみに2回目からは「前回の湯の一部を流さずに残しておく」という作戦が可能です。これならまさに源泉100%をタンノーできます)。
源泉投入開始っ!結構大きめの浴槽(2人で余裕)ですが、投入量が多いため思ったより早くたまりました。
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というようにお湯をタンノーしていた時のことです。ご覧のようにこのコテージはパイ川に面して建てられているのですが、ふと河原を見てびっくり!
湯船から見えちゃうというところがオソロシイスンバラシイです!
ゾウも本日の疲れを川で癒しております。温泉というわけにはいかないけれどね。
この宿の周辺には観光客がゾウに乗れる、いわゆるエレファントキャンプがいくつかあり、このゾウは「本日の営業を終えておうちに帰る」ということなのでしょう。ちなみに何泊かしているうちにわかったことですが、ゾウの出退勤時間(というかゾウ使いさんの出退勤ですが)は毎日ほぼ決まっており、以後われわれは「待ち伏せ的に」このゾウ一家を毎朝毎夕見ることになるのでありました。
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そうこうしているうちに夕暮れとなり、川向こうの小山に夕日が沈む時刻となりました。幹線道路からぐっと離れた場所にあるこの宿、部屋から聞こえてくるのはパイ川のせせらぎの音だけ。夕日を眺めながらとーってもいい雰囲気をタンノーしたわけでございました。
あー、今日も充実していたなぁとしみじみしていたのでありました。
しかしこのまま1日が終わるわけではなく、このあと思いがけない現実が待っていたのでありました!
さて太陽も山陰に隠れこれからは暗くなるばかりだし、この日は土曜日ゆえ結構到着のお客さんの声もしてきたみたいなので、早めに夕食を食べてしまおうということにして宿のレストランに向かったわけです。
先客は1組だけ、しめしめ時間差攻撃の勝利!と思いつつ席に着き、メニューをお願いしたところで思いがけない大どどんのどんでん返し発言が!それは‥。
宿としてわかっていたのならどうしてチェックインの時に言ってくれないのさ!実はこの類の話がこの宿の宿泊中にいくつかありまして、温泉以外の面では「お気に入り」とは言えませんでした。え、他にどんなことがあったのかって?それはいやでもこのあとのページで出てきますんで(笑)。
しょうがないなー、でもまぁバイクがあるんだしパイの町まで出ていけばいいかということで駐車場まで出て行ったところでビックリ。
ちょっと前の時間、やたらにお客の声がたくさん聞こえるようになったと思ったのですが、そのトランポはこれだったのか!ちなみにわれわれが到着した時にはこの駐車場には宿のバンともう1台しか止まっていなかったような記憶が‥。
ま、そんなわけで本格的に暗くなる前に町に出ようというわけでスーパーフォア400タンデムをかっ飛ばします。いやしかし、400ccってこんなにパワーなかったんだなと実感(かつて自分も乗っていたバイクなんですが)。エンジンだけブイブイいってもパワーがついてこないんです。もっとも、ここ9年ほどフルパワー164馬力のバイクに乗っているんですからそれと比較しちゃ可哀想ですよね(笑)。
というわけで真っ暗になった頃パイの町に到着です。中心街に何軒かある食堂のうち、バイクが止めやすい場所にある店にピットイン。
ま、まずはこれですよね!(ん???)
やがて、注文したチャーハンとカオソーイが出てきました。チャーハンはともかくとして、カオソーイはこの地域ならではのローカルフードですから食べないわけにはいきません。で、どんな味かというと‥
どうやらビルマに根源を持つらしいこの料理、無茶苦茶辛いわけでもなくまさに「カレーテイスト+ローカル系の味付け」でかなりいい感じです。おまけに添え物として出てくるお漬け物がまた涙もの系に「これ、高菜の漬け物でしょ!」という感じで好感が持てました。ちなみにチャーハン(カオパット)は特徴なしでしたが、テーブル上のニョクマム他調味料を加えると味が変化していいですね。
このあとは街灯もない真っ暗な道を10km走って宿まで戻りました。お隣のコテージにはタイ人の若い男の子達(お金持ちの子弟なんでしょうな)が何人も集まって、テラスで合唱開始。ギター伴奏付きでタイ語の曲を聴く機会ってそうはないんですが(実際、「この曲はいいな」というのもたくさんありました)、でもねー、予想通りエンドレスになりそうなんで、22:30になるまで待った上で、ベランダ越しに
というようなことをソフトに叫んだような気がします。上の英語が文法&表現上変だったらごめんなさい。でもTakemaはこのレベルであっちこっちを旅しております(笑)。で、さすがにお金持ちの子弟だからかTakemaの英語もしっかり理解してくれ、すぐに解散となったようでした。いや、最後にベストソングをリクエストすべきだったかな?(おバカ)。
さ、そんなわけで本日の行程終了です。明日は‥スーパーフォアがとことん山道を駆け抜けます!(きつかったー)。
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