− 2009 タイ北部湯めぐり(12) ひたすら続くワインディングを越えポーンドゥアット温泉へ(1)−
こいつが本日の「足」であります。タンデムで、峠の向こうの温泉まで行ってきます!
明けて翌朝。本日はバイク遠乗りの大一番、1400mを越える峠の反対側にあるポーンドゥアット(Pong Deud)大噴泉への往復なのであります。往復距離は130kmくらいのものですが、いかんせんそのほぼ全行程が山道のワインディングみたいなものですから、タンデムということもあり決して甘くは考えられません。またこの峠越えをしたかったために大排気量バイクを借りたようなものなのです。もちろん「かつて乗っていて慣れているから」というのもありますけれどね。
さてその前にまずは朝食です。昨日は利用できなかったレストランでしたが、今朝は大丈夫みたいで一安心。どうやら団体さんの朝食はまだみたいでほとんど貸し切り状態です。
テラス席はパイ川沿いに面していて、この時間はまだ暑さもさほどではないので気持ち良くいただきました。ちなみに毎朝8:00前後には目の前の川原をゾウ使いの一行が歩いてくるのである種必見かもしれません。いわゆる「出勤風景」ですね。
この日はこの宿に連泊なので荷物は必要最低限のものだけ。駐車場に行く際、そういやレセプションの周りをまだよく見ていなかったなと思いあらためて見てみると‥
何と、レセプションロビーを取り囲むように「足湯」の設備がありました(右上画像マウスオン)。
一見よどんだ溜まり湯のようにも見える湯の色ですが、これは藻の付着なのでしょうか?実際のところあまり気になるものではありませんでした。また投入されている源泉はかなり熱く、「足湯とはいえこの湯温でタイ人は大丈夫なんだろうか?」と心配になってしまうほど。ま、これから温泉を目指すわれわれはわざわざ浸かるでもありませんでしたが。
さてちなみに昨日のうちに35kmほど走っておいたこのバイクのコンディションですが、気になったのはクラッチのミートポイントがえらく近い(浅い)ので、ちょっとつなぐとすぐスタートしてしまう点。半クラに出来ないほどではありませんが、まだ乗り慣れていないからかちょっと気になります(このあとすぐ慣れました)。クラッチワイヤーのアジャスターを見るとすでに目一杯アジャストさせられていたので、「ま、こりゃしゃーない」とあきらめました。
その一方でタイヤは前後輪とも溝がバッチリ。特に前輪はまだ新品に近い状態で(もちろん「皮むき」は終わった状態)、グリップについては問題なさそうです。またブレーキも前後輪ともちゃんと効きますので問題なし。ま、とりあえず今日の遠乗りに問題はなさそうです(この翌日「別の重大な問題点」に気づきましたが、そのことについてはあとのページにて)。
というわけで10:00に宿を出発、一路チェンマイ方面に向けてR1095を東に向かいます!
最初の数kmこそ緩やかに登っていく快走路でしたが、それもつかの間、徐々にカーブの角度が急になっていきます。
とはいえ、ご覧の通り道路はよく整備されていて、日本の道路を走るのと感覚的には変わりません。
と、しばらく走っているうちに気づいたことが2点。1つは、まぁ当然といえば当然のことなのですが
昨日は平地走行だったのであまり気になりませんでしたが、今日のように坂また坂の道ではてきめんに感じるパワー不足。最初の峠越えでは(峠らしき場所をいくつか越えていくという感じのルートです)時に碓氷峠の旧道を思わせる結構きつい坂&カーブもあったりして、400ccタンデムでは時折ギアをローにまで落とすこともありました。
また、カーブのインコーナーあたりには時折大型車のわだちが作り上げたと思われる少々の凸凹があるんですが、このバイクのリアサスはかなりへたっているらしく結構底付きするんですね。リアシートのおしんこどんの日記には「ぼこぼこの所もありお尻が痛くなった」とありました。もっともタンデム荷重がかかっているからということもあるのでしょうが。
でもね、道路の舗装状況はご覧の通りばっちりで、かつ通行量もかなり少ないので走り屋さんには堪えられない道かも?
しばし上っていくと、おお、出ました検問所!(Paiの町から約30kmくらい)タイの地方道路を走っていると時折見受けられるこの検問所、このあたりはミャンマーとの国境に近いから違法入国者の取り締まりが目当てなんでしょうか?
ちなみにタイ国民には「身分証明書の常時携帯」が義務づけられており、われわれの場合はパスポートがそれにあたります。しかしTakemaのパスポートはaYa Service(レンタルバイク屋)に預けたままです。で、おしんこどんがリアシートにまたがったまま自分のパスポートを提示すると‥まだ若いポリス氏はわれわれが日本人と知るや「コンニチハ」と声を掛けてくれた上で、おしんこどんに「同乗者(Takema)とのRelationship」を聞いてきました。
おしんこどんが「My Husband」と答えるとこれで無事ご赦免。このあたりのボーダーポリスは「レンタルバイクに乗っている外国人はパスポートをバイク屋に預けている」ことを知っているはずですからね。ちなみにTakemaはパスポートの顔写真ページ(カラーコピー)と国際免許を準備していましたが、これらについては提示すら求められませんでした。
パラソルが何だかとってもカラフルな検問所。。道路脇には素焼きの壷に入った飲用水無人販売所がありました(5B/1杯)。
検問所脇で最初の休憩です。が‥日射しが強くて汗が噴き出ます。早く走り出さなくちゃ。
というわけで再び延々と続く山道を走り続けます。あまり変化のない道なので多少飽きたりもしますが、でも「ここはタイなんだぞ、滅多に走れない道なんだぞ」と言い聞かせながら、でも安全第一でゆっくりと走っていきます。いや本当、往路はスピードもMax60km/hくらいしか出しませんでしたし(復路は?)。
峠を反対側に下りたところで何だか「タイ版道の駅」のような施設がありましたのでそこで小休止し、再び進んでいくと‥
「Pong Dued Hot Spring」と書かれた看板発見。あと6.5km、ここからは細道を牛と競争です(うそ)。
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さてそうこうして進んでいくうちに、いよいよ国立公園のゲートのある建物に到着。タイでは国立公園内に入るのに入場料が必要なのです。が、しかしそこにはまるで昔の社会主義国のように「タイ人料金」と「外国人料金」との二重価格が存在します。しかし事前に調べたところによるとその価格差がスゴイ!つまり、
タイ人の20倍もの料金を徴収するというのだからぶったまげます。かといってタイ人になりすますにしても、このTakemaのアーバンエグゼクティブ的気品は隠しようがないし‥「タイ語の話せない在住タイ人」なんているはずもないのでダメです(現地在住でタイ語に堪能な日本人の中には「自分はタイ在住者なのだから」とタイ政府発行のIDカードや免許証を見せてタイ人価格で入場する人もいるそうです。すべてはゲートの係員さんの判断にかかっているといえそうです)。
というわけで英語でこんにちはのご挨拶をすると、係員さんは思いもかけない言葉を発したのでありました。
は?はぁ?ひゃ、ひゃくばーつ?400Bじゃないの?ちなみに400Bっていう料金もどうやら最近値上げされたもののようだけれど、その前の料金だって200Bって聞いていたのに、なしてその半額でいいんだべや?
いや安いに越したことはありませんが、ここはTakemaの知的疑問に対して納得のいく説明が欲しかったんです(それって「知的」というのかどうかはさておき)。というか、ネットや活字にも「外国人は400B」という文字があったのに?
しかしおしんこどんに「ここに何だか書いてあるよ」と言われ、見てみると確かにタイ語ながら料金表らしき紙が掲示されています(右下画像)。何だか納得はいきませんが(笑)、当局の指示するままに1人100Bを支払い入場を果たしたというわけです。
公園入口のオフィスにて。確かに一番高い料金でも100Bのようですね(10.50はそれぞれ子供料金)。
ちなみにこの不思議な料金体系の謎は翌日になって解き明かされることとなるのですが、この時点ではわからないままでありました(笑)。
というわけで公園事務所のある駐車場へ。この日は日曜日であるにもかかわらず駐車場は閑散としていました。タイの皆さんはわざわざお金を払ってまで入場しようとしないのか?それとも「暑い時期にわざわざ熱い湯の噴出を見に来る気が起きない」のか?さらには「もうすぐソンクラーン(水かけ祭り)の連休なので、日本のGW同様、その前後は遠出を控える傾向にあるのか?これについては謎です。ま、とんでもない山の中にありますから、ここまで来るのが大変というのは厳然たる事実でありますが。
公園事務所(左上画像)には常設の展示があると思われたので、入口で靴を脱いで中に入ってみました。ま、初めて訪問する人は見てみるといいと思います。再訪の人は‥まぁいいかも。内部の説明によると、これから行こうとしている噴泉は地下部分において176-203℃の湯温を有しており(圧力がかかってますからね)、地表に噴出する時の温度も90-99℃、すなわち「思いっきり熱湯」で吹き出しているということのようです。そしてここの噴泉はタイ最大の規模を有しているのだとか。うわー、こりゃ期待がかかります!
ところでそんな超高温泉に、はたして「入浴」は可能なのだろうか?すでに入浴不能源泉をいくつか訪れてきたTakemaとしてはまたもや「いやーな予感」がしたのでありました(笑)。そんな「トキメキ半分不安半分」の中、いざ「Geyser=間歇泉・噴泉」目指して歩き出すわれわれなのでありました。
遊歩道はしっかり整備されていますが、強い日差しに加えてやや登り坂であることもあり汗が噴き出てきます。「こりゃーやっぱり暑い時期に来る所じゃないかも」と思いつつ(基本的には11月〜年末年始あたりが一番いい季節です。混むけれど)歩いて行くと、いきなりあたりが開けた園地になり、そしてその先には!
周辺のあちこちから、大小の源泉が力強く、また一方でしとやかに?湧き上がっているではありませんか!この時の気温はおそらく30℃くらいだったと思われますが、それでもこの湯煙ということは源泉温度がいかに高いかを物語っています。
BIG2源泉をバックに記念写真。ちなみに周囲にはまだいくつものミニ源泉があり、右上画像もその一つです。
いやーたまげました。主要火山帯からは完全に離れたところにあるタイのこんな場所に、熱湯に近い湯がどどどんと自噴しているとは思いもしませんでした。ちなみに硫黄臭はほとんど感じられず、おそらく単純泉に間違いないでしょう。しかしそんな泉質云々はもはや問題になりません。この「大地の息吹」に圧倒されてしまったわれわれでありました!
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さてこんな源泉を見てしまったら??そう、この高温湯がどこに流れていくかを探索せずにはおれないTakemaなのであります(ちなみにおしんこどんはそこまで湯に興味はありません(笑))。というわけでこの続きは次ページにて。
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