- アイスランド2010夏 (4)アイスランド行きを決めた経緯及び現地情報ほか -
もしMyrdalsjokull氷床の下に潜む「大姉」カトラ火山が目覚めたりしたらと不安だったのでした。
今夏はいろんな事情から「海外に行こう」ということをかなり前から決めていました。実は最初に考えたのは東アフリカで、タンザニアをメインにしてじっくり回ろうかと考え、それこそラフプランまで書き出して(ここまでやるのは本気になって行こうと考える時だけなのが普通です)、「うーんウガンダに行くのもいいなぁ、でもいっそのことタンザン鉄道に乗ってザンビアまで行っちゃえば南アフリカまで抜けられるゾ」などと妄想をかき立てていたわけです。
しかし、次のステップに入ったところで随分と気が重くなってきました。そのステップとは‥予算。Takemaの海外旅行は基本的に現地旅行社とやり取り(英語)をしながら決めていくことが多いのですが(ただし東南アジアは行き当たりばったりが多い)、各旅行社のサンプルプランを見るとこれが妙に高額なようなのですね。Takema知り合いの日系旅行社に勤務する某氏に聞いてみると「あー確かに東アフリカは滞在費が高いですよ、何でこんなにと思うほどです」とのたまっておられたので、多分これは本当なのでしょう。たとえば2泊3日のサファリツアー(宿、車、運転手込みではありますが)で日本円で50000円/人近いってどういうこと?
これはキリマンジャロ登山にも言えることでして、諸費込みで考えてみると1人10万どころでは全然足りないのです。基本的に公定料金のようなので、こりゃ現地は潤うよなーと思いつつも何だか納得がいかず、やがてタンザニア方面への思いはしゅわしゅわと消えていったのでありました。
しかしだからといって「夏の旅行欲」までもが雲散霧消したわけではありません。次に思いついたのは「極東ロシアカムチャッカ半島」!ソビエト時代はもちろん現体制になってからも最近まで外国人の入域が制限(というか禁止)されていたフロンティア、しかもこのエリアは火山帯だけあって温泉もそこかしこにあるようで
という、湯欲満々巨人大鵬卵焼きモード炸裂の荒走りパフパフ的な気持ちになっていたのであります。ちょうどこの頃「くまTakemaオフキャンプ」なるものを開催した関係で、Takemaは数十人もの目の前で「えーっと、今夏はカムチャッカに行こうと思ってます」と声高らかに宣言したのでありましたっけ(ただし「まだわかりませんけれど」と小声で付け加えてましたが気づいた人はいたかな?)。
しかしこのカムチャッカがまたちょこちょこと南天のど飴ノーベルさん何とかしてよという感じでありまして、チャーター便ゆえ期間が自由に組めないことは当然なのですが、それ以外にもいろいろな懸案がありました。それは、
うーん、何だかあまり快適な旅にはなりそうにもありませんね(笑)。というかネット上の旅行記を見ると(ツアー旅行のレポートは参考にならないので個人旅行者のサイト)、それこそかなりフロンティア系の忍耐苦難艱難辛苦叱咤激励の旅をした人もいるようです。自分らはそこまで根を詰めるつもりはないとしても、何となく面倒になってしまったのも事実です。ここまでが5月末のお話。
さてしかし、6月になって何がきっかけだったのか思い出せませんがこのアイスランドという存在を思い出したわけです。温泉はあるはずだし何だかスゴイ辺境にあるし(ただしこれはメルカトル図法のいたずらであって、実際のアイスランドは欧州と米国の中間に位置する交通の要衝だそうです)、しかも‥
というわけで、旅行目的地としてのアイスランドはどんどんそのステータスというか期待感というかを増していきました。この時点である程度安めのチケットが入手可能であったことも大きかったです。ただし南回り便ですがじぇんじぇん問題なしですもんねー(謎笑)。そんなわけでレンタカーや一部の宿の予約にも手を付け始めた頃のことです。ネットをまさぐっていたらふといやぁな記事が目に留まりました(以下、AFPサイトから引用:記事トップのバナーをクリックすると該当ページにジャンプします)。
げげげーっ!今回噴火した火山のすぐ近くにその10倍のパワーを秘めた火山があるなんて聞いてませーん!しかも「過去、エイヤフィヤトラヨークトル氷河のEyjafjoell火山が噴火するたびに、カトラ火山も続いて噴火している」とは何ですとーっ!
この時点で記事内に出てくるVikの町の近くに泊まることは確定していましたし、その前日は同じ氷河の北側でキャンプをする予定でしたので、この記事を読んだときはまさに、
しかも、いろんなサイトを見ていると、中には火山学の専門家なのかトーシロの評論家なのかはわかりませんが、まことしやかに
などと記載しているページ(もちろん個人サイトじゃない報道系のサイト)もありまして、何だか一気に「アイスランドにかける熱い思い」がへたれ込んでしまうような感じでした。しかし1-2週間ほどいろいろと情報を検索しているうちに、何となくわかってきたことが2つ。
1つは、この手の「やばいぞ来るぞ大噴火するぞ」系の記事は個人サイトも含め4月下旬から5月中旬頃までに集中していて、その後はほとんど追加更新がなされていないということです。日本のマスコミ同様、もうニュース価値がないと判断されたものについては報道しないという姿勢なのかも知れませんが(苦笑)、少なくとも現段階では新たな徴候が見られていないということでもあるのでしょう。
参考までに、この付近の火山性微動等のデータはアイスランド当局を通じてリアルタイムで発信されています。このページトップにあった画像を下に再掲しますが、2010年4月に爆発した火山は左側のEyjafjallajokull氷河の底にあり、Katla火山は右側のMyrdalsjokull氷河底にあるというわけです。なお、下の画像をクリックすると最新の火山性地震のデータページに移動します。わたしも出発前には毎日見てました。そのほか、探せばカトラ火山のライブカメラサイトなんてのもあります。
2つめとしては、「言葉のあや」の問題です。最初一番ビビッタのは「エイヤフィヤトラヨークトルは有史以来3回噴火し、そのいずれの場合もカトラが続いて噴火している」という記載でした。となればビビらずにはいられないのですが、カトラ火山についてあらためて調べてみると、こちらは「40-80年おきに噴火」しているようなのです。となればエイヤ何とかとは関係なしに噴火していることの方が圧倒的に多いわけで、エイヤの過去3回だけの噴火とカトラの噴火との関連を結びつけるにはちょっと根拠が希薄なのでは?
そんなこんなで少し安心し、「まー結局は火山がいつどうなるかなんて誰にもわからないんだから行ってみてナンボの世界だよな」と、何とも非科学的な納得の仕方とともに旅立ったTakema&おしんこどんなのでありました。ちなみに帰国後(2010年8月中下旬)も彼の地の地震データに特別な変化はありません。まぁこのまま永遠に噴火が起きないわけではないのですが‥。
ヨーロッパ圏に位置し、小国とはいえ先進国ですから旅行をするにあたっての不自由は特に感じません。ただアイスランドの旅行情報本が少ないのも事実です。幸いなことに?ダイヤモンド・ビッグ社から2009年11月に「地球の歩き方 GEM STONE 039」としてアイスランド版が発行されており、最初の情報収集はここから始めました。アイスランド語の地名はぱっと見ただけでは読みにくく覚えにくいので、この本のアイスランド地図をカラーコピーして、そこに調べた情報をどんどん書き込んでいくという作業開始というわけです。
さて、この本以上に情報収集の役に立ったのはいくつかのウェブサイトでした。まずは「アイスランド観光文化研究所」。こちらのサイト内の「スポット徹底ガイド」各ページは、「地球の歩き方」とは比べものにならない情報の宝庫でありまして非常にありがたかったです。なお冊子版も販売されているのですが、こちらはWEB版より少々情報が絞られているような感じでしたので、わたしはWEB版の必要なページをコピーしていきました。現地でも結構役に立ちましたよ。
また「Cold Nature」のりゅさんにもお世話になりました。アイスランド在住者の立場からいろいろな情報を発信してくださっているこちらのサイトも必見でしょう。ガソリンの入れ方など、へーへーほーほーという感じで事前の勉強になりました(その割に最初はうまくいきませんでしたが=予習の意味なし)。
で、上記2サイトを見れば大体の情報は手に入ってしまうので、あえてわたしが知ったか仏陀になる必要もありません。そこで以下にはTakemaの思いつき&気が付いた点などをランダムに載せていこうと思います。
さーてそんなわけでいよいよ成田から出発です!しかしまずは赤道直下のシンガポールからのスタートになるのは2008年アフリカ南部と同じなのです(笑)。
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