- アイスランド2010夏 (5)7h+13h+3h=合計23時間のフライトでレイキャビク到着 -



2008年のアフリカ行きに引き続き、再びシンガポールで夕日を眺めることになりました(笑)。

さてアイスランドといえばグリーンランドにもほど近い極北エリアに位置する国ですから、通常であればヨーロッパ諸国まで直行便で飛んで乗り換えて、というのが一番ノーマルというか無難な行き方であります(なおアイスランドへの直行定期便はありません)。

しかし、何をトチ狂ったかわれわれの最初の経由地はシンガポール。つまりは、

何だか思い切りジェット燃料の無駄で地球にやさしくないような気もしますが、でも自分たちが乗らなくてもそれぞれの便はどうせ運航しているわけですから大した変わりはないのか(笑)。ところでなぜヨーロッパ直行(北回り)便を選ばなかったのかについては、繁忙期ゆえの料金の違いはもちろんですが、もう1つ大きな理由というか目的があったわけです。ま、それについてはこの旅行の最後に明らかになりますのでしばしお待ちを。

そんなわけでいつものように「お寿司で乾杯」のあと、これまたいつものようにシンガポール航空(SQ)のお世話になります。機材はまたも総2階建てのA380で、実は今回、ロンドン往復の4区間のうち3区間の機材はこのA380なのであります。この機材の2階エコノミーは2*3*2の座席配置で、2人での利用の場合窓際席を確保すればトイレなどの場合も他のお客さんに気兼ねする必要がありませんから気楽なんですよね。

さてそんなわけで夕刻のシンガポールに到着(早いな)。ロンドン行きのSQ便は日付が変わる頃の出発なので、荷物はロンドンまでスルーしますがわれわれは入国し、夕ご飯を食べに行くことに。これも2008年の南部アフリカ行きと同じパターンですね。目的地は海沿いのチャンギビレッジというのまで同じです(というかここしか知らないとも言いますが)。空港をぐるっと迂回する形で移動するのでタクシー代もS$16くらいかかります。



というわけで日没の少し前にチャンギビレッジに到着。くつろぐネコも日中の暑さから解放されて一息?



チャンギビーチパーク先端部から眺める夕日はなかなか。おしんこどんは夕日を浴びながら横笛の練習。

それにしても乗り換えの数時間をこうやって空港の外でのんびり過ごすのはホントにいいです。その昔はチャンギ空港内でシャワーを浴びたり=有料、空港従業員向けのホーカーセンターに行ったりもしましたが、やっぱり空港という特別な場所は知らず知らずのうちに気を遣うんですよね。しかも預け荷物が手元にないというのがさらにありがたい(笑)。これだからシンガポール経由はやめられません。以前のバンコクドンムアン空港もすぐ近くに安食堂群があって良かったんだけれどなー。



そんなわけでここでもキンキン冷えのビールをば!しまった、料理はそれぞれSサイズにしとくんだった‥。

夕食後はふたたび空港へと戻るわけですが、ここの場合空港行きの路線バスがないのが痛いところですね。今さっきSBSのサイトで調べたんですが、やはり空港直通の路線バスはないようです(某ホテルの無料送迎バスはあるようですが)。ただし帰路は空港発と違い空港チャージの上乗せがないので安いんですが。

SQ322便は23:30発でロンドンには翌朝5:50到着のスケジュールですが、いかんせんそこには時差というものがありまして、実質的には13時間近くを機上で過ごすことになります。しかもこの区間はネットの事前チェックインでも2人掛けの席が確保できず、あえなく1階席の窓側(座席配列3*4*3)を予約。通路側席に予約が入っていなければいいなぁと願いつつ機内へ進んでみましたが、どうやらほぼ満席のようです。

ちなみにわれわれの列の通路側にはインド系の男性が座りましたが、着座時に「トイレに行かれるときにはいつでも声をかけて下さいね」とお気遣い下さった紳士(ありがとうございます)。しかしそれでもやはりやっぱり3人並びは疲れますね。もっとも中央席のおしんこどんはいつものようにゲーマーになっていましたからあまり関係ないのかな?(右上画像マウスオン)。

さてそんなこんなでイギリス時間で午前6時前にロンドンヒースロー空港へ到着です。ここでいったん入国して預け荷物を受け取り、荷物を載せたトロリーとともにわっせわっせと第1ターミナルまで移動します。しかしまぁ成田もつぎはぎ的なところを感じないでもないですが、ここヒースローは何というか増改築を繰り返した老舗の大規模温泉旅館そのものという感じですね(笑)。しかもトロリー道に平気で登りスロープがあったりするし(右上画像)、ということは下る場合はトロリーがどんどん自然加速しちゃうけれど大丈夫なの?なんてことについては何にも考慮されていないようです(笑)。

第1ターミナルに移動してきましたが、ここで次のヒコーキに乗るまでにはまだ約6時間の待機時間があります。そんなわけでチェックインカウンターのすぐ上にあるレストランブースへ移動‥って階段しか見あたりませんが?仕方ない、まぁバックパックですから背負って上がりましたが、スーツケースや複数の大荷物がある人は大変だよなこりゃ。
と思っていたら、反対側の上がり口には明らかに後付けと思われるリフト(エレベーター)がありました。しかしリフトへの案内表示さえないところがやはりヒースローなのだと実感。かゆいところに手が届く造りのチャンギから来てしまうとその差は歴然ですね。合理主義の国で生きていくのも大変そうです(笑)。



そんなわけで軽い朝食で長居しながら、時には屋外のこんな場所にも行ったりして‥ん?よーへいさんお得意の構図?(笑)。

乗り換えのアイスランド航空の事務所はフライトの2(3?)時間前に開くということでしたが、10時に見に行ってみたら何とチェックインが始まっていたのでさっさと荷物を預け、もう出発ロビーに用はないのでさっさと出国して免税ゾーンへ。とはいえ買ったのはチョコレート(行動食用)と昼飯のパンだけでしたが。

しかしここで軽食を食べておいて正解でした。知らなかったのですが、アイスランド航空は機内サービスの有料化が進んでおり(金融危機以降?)アルコール飲料どころか軽食も有料だったのです。もちろんオーダーしなかったわけですし、到着後はさっそく運転しなきゃいけないのでアルコールもパス。トマトジュースで喉を潤しました。



要はちゃんと時間通りに飛んでくれればいいのです。機内サービスはSQで楽しむから、フライトパス(航跡表示)さえ見られれば十分。

ちなみに飛行ルートはまさにイギリスを縦断するような形なのですが、懐かしのルイス島が真下にちらりと見えたときは「あー、あそこで『ひとりセルフタイマー撮影』で思いきり捻挫したんだよなー」とか、何だか妙に懐かしいことを思い出したりしましたっけ。まだおしんこどんと知り合う前でもちろん独身ピチピチフレッシュボーイの頃でありました(うそつけ)。

さてそんなわけでアイスランドに到着!通り過ぎる風は涼しく、成田やシンガポールの熱気がうそのようです。到着ロビーに出ると「歓迎光臨 Takemaご一行様マンセー!」と染め抜かれた横断幕、いや違った単純にわたしの名前の書かれた紙を持った方が待ち受けておりました。レンタカー会社の係員さんでありまして、実は到着ロビー内にも有名レンタカー会社(AvisとかHertzとか)の事務所はあるのですが、地場系の会社は空港近くに共同の事務所兼ガレージを構えていて、そこまでは車で移動というわけなのです。

さてアイスランド最大の観光シーズンといえばもちろんこの時期(6-8月)です。当然宿の宿泊料金も強気の設定となっていますし、また国内の高等教育機関などは全寮制になっている関係上6-8月は夏休みで学生がいないわけで、その寮の空き設備を利用したホテルなどもあり、「Hotel Edda」などはその最たるグループだったりするのですが‥おっと宿の話じゃなくてレンタカーの話でしたっけ。

で、この時期はレンタカーもかなり予約希望が多く、特に内陸部に行くのであればいろんな意味で必須ともいえる最低地上高の高い4WD車は事前に予約が一杯になってしまうことも多いようです。かといってVitz(現地名Yaris)ではダート路でちょいと不安ですし、リングロードの国道1号線ですら東部には一部ダートも残ります(未舗装路の制限速度は80km/hですが)。

というわけでここは奮発して!右上画像のようなゴツイ車(Ford Escape=「脱出」かい!)を借りたわけですね。と、その前にこの国で車を運転するにあたって参考となりそうなアドバイスを以下に。
レンタカー
料金は?

はっきりいって(ハイシーズンは)高いです。ましてや4WD車となればさらに。わたしは日本からネットで予約していったのですが、中間業者のサイト経由だったのでさらに手数料を取られていると思います。

しかし実はバスの運賃もネット情報では「高い!」ということのようですし(笑)、何といっても自由に好きなところに行かれるという利便性を考えれば、必要経費=ここではこういうもんなんだ、と開き直る方が得策です。ただし変な所なんか行かない舗装路しか行かないGullfossとかGeysirとかがせいぜい!という場合は車種をYaris(日本でいうVitz)とかにするとぐっと安くなるはずです。その場合内陸の未舗装エリアに入らないこと(無難な道では進入可能ですが、いざというときにっちもサッチー的可能性有り)。

レンタカー会社

上でも触れたように大手から個人営業系の中小まで様々あるようです。車両のメンテナンスについてはもちろんレンタル料金の違いとして現れてくることでしょうが、気になるのがタイヤの溝。直接確かめたわけではないのですが、ネット情報ではアイスランドでは車検の際の残り溝の深さが「1mm」あれば車検に通るとかいうことで、そりゃないだろと考えたアイスランドA○isでは「よりキビシイ独自基準=3mm」を設定しているだとか何だとか(苦笑)。ちなみに「Cold Nature」のりゅさんによると、ご友人が○AS Car Rentalで痛い思いをしたとか?

というわけで、以前NZでもNamibiaでも「安いレンタカーで痛い思いをした」方々のことを思い出し(自分らの車は万全でしたが)、そこそこのお値段表示のレンタカー会社を選んだわけです。中には「ドアがちゃんと閉まらないレンタカーを借りた」という情報もありましたので。で、実車を目の前にしてまず見たのはやはりタイヤ。おお、深い深い溝が!さすがだ!‥ん?それ以外にも何だかちょっと見慣れた溝が?
「あれま、このタイヤ、スタッドレスだ」。

ちょっと複雑な気持ちではありましたが、「まぁ季節外れの雪が降っても少しは対応できるはず」と思うことにしました(笑)。タイヤ以外は車体の状態も良く運転してみれば変なクセもなく(これ重要ですよね)、気持ちよく
2300km走り続けることが出来ましたとさ。

走行上の注意
(舗装路編)

市街地の舗装路であればとにかく「右側通行」に徹することです。わたしは右側通行の運転に慣れていなかったので、空港で車を借りてそのまま首都レイキャビクに突入するのを回避する移動計画を立てました。案の定、油断した頃にローカルな交差点で右左折する時に進入車線を数回間違え、市街地なら何度もクラクションを鳴らされただろうなという感じでした(笑)。

地方に行けばガクンと交通量が減るので、車線走行中の問題はあまり多くはありません。ただしあえて舗装路進行中気をつけることといえば‥

その1: レイキャビク首都圏は特に問題ないのですが地方路の場合場所によっては舗装のレベルが低いところがあり、R1(国道1号線=リングロード)の直線路であってもかなり上下にバウンド or 無意味にどちらかにバンクしていてハンドルを取られるところがあります。イメージとしては、北海道の3桁道道でもうしばらく路盤の手入れがなされていない古い舗装路に似た感じかな(一部の人にしかわからないたとえですね)。

舗装路の制限速度は90km/hですが、地方に行けば行くほど守られているのはこのような路面状況に鑑みた運転なのだと考えてください。なおウェブサイトによっては「制限速度を守っている車などいない」というコメントを見たりしましたが、実際は(首都のモーターウェイであっても)
ちゃんと制限速度を守っている車の方がずっと多かったように感じました。もちろんTakemaも郷に入りては郷に従えでそこそこ抜かれました(笑)。

道路状況を考えると、特に通行量の少ないエリアでは普通乗用車であまり吹っ飛ばしていくと、路面の段差による上下動で腹擦りもあり得ます。実際地方では道路上のところどころで腹擦りの跡を見ましたし、そもそもこの国で車を走らせていると
「120とか140とか160とか180とかのスピードで走る意味ないな」という気になってくるから不思議です。

あ、
スピードカメラ監視中の看板はあちこちに見ますよ。聞けば帰国後だろうが何だろうが「レンタカー会社の予約情報をもとにしてクレジットカードから引き落とすぞコラ!」というような連絡がくるそうです。あなおっとろし(笑)。

走行上の注意
(未舗装路編)

未舗装路といってもひとくくりには語れないのがここアイスランドの道です。未舗装路の法定制限速度は80km/hですが、これを全未舗装路にあてはめて考えると死を招きます。アイスランドは自己責任(最近の日本では何とも鼻につく言葉になっていますが)による行動の自由が日本よりはるかに認められていますので(たとえば拙サイトでこれから紹介するほとんどの大滝に柵はない=何かあってもあなたたちの判断ミスでしょというスタンス)、法定制限速度が80km/hだって、車種やドライバーの力量及び判断力それぞれで出しているスピードは様々です。

ただしやはり悪路で安心できるのは4WDであることは日本もアイスランドも同じです。腹擦りの可能性もそうですし、ホイールベースの長さなど運転上の安定感はいうまでもありません。しかし内陸路となると話はそれだけですまない話になってきます。

たとえばアスキャ山への道はTakemaが借りた
普通の4WD車では(ノーマルのランドクルーザーでさえも)行かれないと思った方がいいです。深い川渡りも多く道路もひどい(らしい)。事前に情報を見て行くのを断念したのですが、ツアーバスで行った人の話によるとやはり途中で動けなくなっていた四駆がいたのだとか。しかもここ数日雨はほとんど降っていなかったのに。

こちらのサイトを見てもらうと(常時更新)、内陸部の多くの道に「4*4」の表示がなされているのがわかると思います。ガイドブックに載っているランドマンナロイガルに至る道も「4*4」ロードです(ただしほぼ全線ダートのF35号線はこの表示なし)。これは現地の道路を知りつくしたアイスランド当局による情報であり(しかもリアルタイムで更新されており、リングロードにおいては通行車両数まで把握されていますね)、もしこの道路のうち1区間でも通る予定があるのなら、迷うことなく「四駆」(ただの4WDではなく地上高が高い車両という意味で)をレンタルすべきです。
なお、緑線の「Easily passable」という言葉を文字通りにとらえて行ってみたらひどい目に遭わされる可能性があります(笑)。

今回の訪問時、ランドマンナロイガル手前の川を渡ってキャンプ場にいた車は全てが四駆でした。ネット上(日本語)には「普通車で行かれたよ」というコメントもありますが、天候が悪化したら増水した川を渡れません。否、その瞬間は四駆だって同じことですが、その後天候が回復して何とか四駆で渡れるようになっても、普通乗用車が渡れるようになるにはどうしても時間がかかります。それは「来たときとは川床のえぐられ方が変わっている」からです。

ちなみにこれは四駆の場合もそうですが、川渡り中にエアインテークやマフラーに水が入って走行不能になった場合には保険が下りません(特約を結べばその限りではありませんが高額)。ベーシックな任意保険の場合は「飛び石によるフロントガラス破損」までの保障がせいぜいのはずです。川渡りは日本では滅多に出来ない(というかそんな場所がない)ぶん楽しいのですが、ひとたび天候が悪化したら車も人もひとたまりもないことを自覚すべきです。ちなみにかなり以前の話ですが日本の調査隊も川渡りで亡くなっています。4*4と表示された道路の状況は、いざ悪天候になれば今も変わりないのです。

レンタカーで
目的地へ

無料の地図もありますがやはりちゃんとした有料地図にはかないませんので購入をお勧めします。それはともかくとして、人口32万のアイスランドゆえ地方に行くと極端に人が少ないです。「へ?これが町?スタンドとあと数軒の家があるだけみたいだけれど?」というのはいい方で、「もうしばらく行くと地図に地名が出ているからGSくらいあるだろう」と期待して進んでいくと、地名表記とともに「ここには1950年頃まで開拓農家が住んでいました」というような看板があってオシマイ」というようなことも何度かありました。

われわれは事前に「そんなこったろうな」と思っていたのでイタイ思いをすることなくすみましたが、特にガソリンについては冗談ですまされない話です。基本は
「朝一番で満タンに」、これに尽きます。たとえまだ3/4残っていても、その時に失われている「1/4」がもしかしたら時にはものすごく大切だったりするのですから。

それと、これは声を大にして言うべきことなのですが
「アイスランドでは観光地への分岐案内看板がないに等しい」のです!いや、ないわけじゃないです。ちゃんと看板はあります‥普通の集落分岐と同じ色と大きさで。だからフツーに漫然と走っていたら全然わからないですよ(ホント)。

今回オプションでナビをつけた関係で基本的には迷うことなく現着できたわけですが、ナビの効用はなかなかに大きく「自分たちが今どこにいるのか&あとどれくらい行くべきなのか」をリアルタイムで把握出来たのは大きいですね。そのぶん結構高いですが(笑)。

あと思いついたこと

アイスランドはヒッチハイカーが多い!乗せるか乗せないかは自分次第ですが、治安の悪い国ではありませんから話し相手が欲しければ乗せてもいいかも?そしてチャリダーがとっても多いです!内陸のダート路でも平気でペダルを漕いでいるそのパワーには脱帽します。
さてそれではいよいよレンタカーで出発しましょう。でもこの日の最終目的地はとてつもなく近い場所なんですが(笑)。
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