- アイスランド2010夏 (9) 教会でしみじみしたあとは、いよいよHveragerdi(クヴェーラゲルジ)へ。



周辺には人家も全くない場所にポツンと佇む海沿いの教会。風の強さは国旗を見ればわかります。

海沿いの未舗装路を進んでいくと道路の終点には上のような教会がありました。天気がイマイチ(雨は降ってませんが)ということもあり何だかもの寂しさを感じずにはいられませんが、その一方で「こんな場所にある教会がきちんと整備された状態にある」ということにも驚かされます。草刈りもきちんとなされていますし、荒れた雰囲気は微塵もありません。前にも書きましたが全国民が30万ちょいの国で、様々なインフラはもちろんのことこのような施設などを維持し続けるというのは大変な苦労なのだろうと思うのです。



館内も見学できるようになっていました。異教徒ですが敬意を表し一礼&静粛。



しかし建物の外ではいつものように浮かれるわれわれでありました(苦笑)。

ちなみにこの教会は海辺に位置していまして(上画像でもよく見ると水平線が見えています)、それではちょっくら北の海を見てみようと思って堤防の上に上がってみると‥



ハクチョウといえばついつい内陸の湖沼や湿原などにいるものというイメージがありますが、海岸にも来るものなのですね(よく調べてみたら、日本でも海岸で越冬する例は多いようです)。全部で15-20羽くらいいたでしょうか。彼らは冬になるともっと南に移動するのか、それとも海が凍結するわけもないこの界隈で1年を過ごす留鳥なのでしょうかね?

さてここからはGPSナビに出ていない新しい道路(もちろん全線舗装)を通って、一路Hveragerdi(クヴェーラゲルジ)を目指すこととなります。とはいえこの日は到着後に「大物」にチャレンジする予定があるので、残りの距離はもうあと数十kmあまり、時間的には全く余裕です。

左上画像のように、道なき道を気持ち良く(安全速度で=ナビには74km/hと表示されています)進んでいきます。途中から既存の道路に合流したわけですが、あたりの草原にはところどころに「モウモウと立ちのぼる湯気」が見られ、このあたりが地熱地帯であることは一目瞭然といえるでしょう。しかし、何にもない草原にいきなり高熱地帯があるとはさすがアイスランド‥。

そんなわけでHveragerdi(クヴェーラゲルジ)に到着したのは13:00前。GSが目に付いたので、ガソリン残量はまだまだありますが「給油のやり方マスター」も兼ねてここで寄ってみることに。



この日の気温は12度、やっぱり涼しいですね。右上画像は給油方法の表示です。

前にも書きましたが、アイスランドでは地方に行けば行くほどGSの数が少なくなり、また都市部の一部スタンドを除いては係員もいない「完全セルフ方式」であることが普通です。よってクレジットカードが必須となるわけですが、実は日本でもほとんどセルフのスタンドで給油したことのないTakemaですので(たぶんこれまで数回のみ)、ちょこっとキンチョーしながらの作業となりました(そのキンチョーの度合いを示すかのように、この時の給油にまつわる画像は上の1枚だけだったりします)。

「ふむふむ、カードを入れて番号を入力‥ん?機械がフリーズしたぞ?え、キャンセルの赤ボタンを押しても何の反応もないぞ!The Machine have eaten my credit card!」

と、しばらくして「Time outでーす!」というメッセージとともにカードが戻ってきてまずは一安心(笑)。しかしなぜ?暗証番号を入れているはずなのに?と、ここで地元のお客さんが給油にやってきたので早速聞いてみると親切に教えてくれました。が‥やっぱり暗証番号を入力するんだよなぁ‥ん?暗証番号?

ここでハタと気づきました。わたしは暗証番号入力のところで、何気なくカード裏面に書かれている3桁のセキュリティコードを入力していたわけですね(苦笑)。えーっとそれではこのクレジットカードの暗証番号っていくつだっけ?カードでキャッシング等をしたことがないので記憶がありません。でも「この番号かなぁ‥」と不安になりながら入力してみると‥おお、次のステップに進めたぞ!(安堵)。

というわけで、アイスランドで一番数が多く、また地方にもまんべんなく存在する「N1」というスタンド(というか地方には「N1」のスタンドしかない)の給油方法その他について以下に説明いたしましょう。

給油のタイミング

基本的には「その日走り始める前(または前日のうちに)にまず満タンに」というパターンでいきましょう。特に地方ではスタンドの数が極端に少なくなるので要注意。なお、無人スタンドであっても給油は24時間OKのはずです。
セルフサービス

アイスランドのスタンドはセルフが基本です(都市部の一部ではフルサービスのレーンもあるようですが利用したことなし)。以下にN1スタンドでの使い方を説明します。
カードを挿入

当然です(笑)。裏表については挿入口に絵で表示してあります。すると暗証番号を聞いてきますので、4桁の番号を入力後「Lagi」と書かれた緑色のボタンを押します。なお、アイスランド国外で発行されたカードの場合、アイスランド語の下に英語も表示されますので安心です。
「amount」?」

次に聞かれるのが「amount=給油希望金額」の入力です。わかりやすくいえば「何クローナ分給油しますか?」ということですが、これは瞬時に「いくら分入れれば満タンだな」と判断できませんよね。わたしも最初は勝手がわからず「えーい、5000krだ!」と入力したら、中途半端な分しか入らず、そのままもう1回給油した記憶があります(笑)。

で、ここでのポイントは「多めの額を入力しても、実際には給油した分の代金しか請求されない」という至極当然な現実です。たとえば50リットルタンクの場合、仮にガソリン1リットル=200krだとすると「最大給油量が10000krを超えることはあり得ない」わけですよね。だとしたら、それを目安に支払料金を入力すればいいわけで、それこそ「いつも10000krと入力」するのもアリというわけです。

金額を入力したら再び「Lagi」を入力です。なお、1台の支払機が複数の給油機の支払いを兼務している場合は、この前後のタイミングのどこかで「ポンプナンバーを入力して下さい」というメッセージが表示されます。給油機の番号を良く確認して入力、「Lagi」です。
ホース取り出し
焦らずに!

ここまでがうまくいくと「さぁっていよいよ給油だっ!」と思ってしまいますが、この時点で機械をよく見ると、「カードをお返しします」の表示とともにカードが戻ってきているはずです。こういう時にいつまでもカードを取らないと、それこそ本当に「飲み込まれてしまう」可能性もありますので、このタイミングでのカード取り出しも忘れずに。

なお、カードを取り出すと数秒のタイムラグのあとポンプが作動していることを示す「ブーン」という音が聞こえてきます。この音が聞こえてからノズルを取り外すようにしましょう。どこかで読んだ話では(確か「Cold Nature」サイトだったと思いますが)、この音が聞こえる前にノズルを機械から離すと機械が作動しないということです。安全上の理由からでしょうがお気をつけ下さい。
給油後は‥

給油中はノズルレバーをロックしてしまえば特にすることもないのは日本と同じ(笑)。満タンになると自動で止まりますから、あとは日本のGSのようにちまちま手作業で追加給油するかどうかは自由です。でもあれは「少しでもスタンドの売り上げを増やす」ための涙ぐましい努力ですから、特にする必要もないのでは?

で、ノズルを給油機に戻すとポンプの音も止まります。ここで最後に‥またカードを取り出して挿入口に差し込みます!すると今回の給油情報(量・金額)について記載されたレシートが出てきます。これを受け取れば全て終了というわけです!

ただし、中には「支払いは建物内の有人レジで」という場合もあります。が、そのシステムはスタンドによって異なるようで、あるスタンドでは結局使い方がわからず、別のお客さんに聞いてみると「いやー、わたしはデンマークから来てるんですが、わたしもこのスタンドのシステムは全然わからないんですよ」とかいうことをおっしゃってました(笑)。
そんなわけで少しでもご参考になれば‥。

さてそういえば、「GSではキャンプ用のガスカートリッジも売られている」ということで、建物内のショップをのぞいてみると‥おお、売ってます売ってます!プリムスとキャンピングガスの2種類がありました。自分の持参しているコンロヘッドはEPIなのでプリムスのカートリッジで大丈夫なはずなのですが、念のため店員さんにことわって「接続試験」(笑)。無事接続可能ということで2つ購入しました。

さてこれで数日後のキャンプも大丈夫だぞと気をよくしたところで店内の奥にふと目をやると‥そこには!

アイスランドではライトビール等以外の「本格酒」は数少ない酒屋でしか手に入らないということを聞いていましたので、これはもう、速攻で「買い」に走るしかありませんね(笑)。というわけで当面は酒に困らない程の量を購入して一件落着。そういえば日本から持ってきた焼酎もあるんだっけ(微笑)。

GSのすぐ向かいにはショッピングセンターがあったので、ここで今日の夕食を買い出しすることに。で、野菜コーナーを見てみると‥

おお、アイスランド産の野菜が!実はアイスランドの冷涼な気候は小麦や野菜などの生育に適さず、よってこの国では多くの生鮮食料品を輸入に頼っているわけですが、実は少量ではありながら、「地熱を利用したビニールハウス栽培による野菜」が出回っているのです。そしてここHveragerdi(クヴェーラゲルジ)はその一大産地!市内のあちこちから湯煙が上がる、まるで日本の有名温泉地のようなところなのですから!

そんな市内についてはまたのちほど紹介するとして、食料購入後はベーカリーにてパンとオレンジジュースで昼食(右上画像マウスオン)。よしこれでお腹の具合もバッチリというわけで、まずは今宵の宿へと向かいましょう!
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