- アイスランド2010夏 (11) アイスランドの野湯=Reykjadalur(レイキャザルール)温泉へ(1) -
うひょひょ、先人のご苦労の賜物で即入浴可能でした!
明けて翌朝。この日は「チェックアウト後の午前中に上記Reykjadalur(レイキャザルール)温泉を訪問し、その上で午後はGeysir(ゲイシール)の間歇泉見学、続いてGullfoss(グトルフォス)を見学後、F26号線経由で内陸に向かい、最後はF208号線のダートをひた走った先にあるLandmannalaugar(ランドマンナロイガル)でテントを張ると」いう計画です。とはいえ、もともとの予定ではReykjadalur(レイキャザルール)温泉は昨日のうちに行っておくつもりでしたからこの予定はちょっと強行軍ともいえます。ま、移動可能時間(昼間)が長いこの時期ですから何とかなるでしょう。
こんな感じの朝食を食べ、ペットボトルに水を汲んでスタンバイOK、よーし出発です。
アイスランドの水道水は美味しいという評判もあり、今回われわれは到着後すぐに買った500mlの水ボトル*2を出国時まで毎日「朝の出発前に水道水を汲み入れて」その日1日の飲料水としていたわけですが、基本的にアイスランドの水道水は飲めます、いや違った、飲んでおいしい水です!ここHveragerdi(クヴェーラゲルジ)の水はアイスランドの中では味がイマイチという話も聞きましたが(温泉成分が混じっているのでしょうか?)、それはあくまで相対的な比較の話であり、わが千葉県の水道水に比べれば結論はいうまでもなく「おいしい」のであります。もちろんこの地以外のアイスランドの水は‥ハイ、そのままお土産にしてもいいくらい。
これから目指すReykjadalur(レイキャザルール)の野湯は、ここHveragerdiから山の中に数km入った道路終点から約3kmのところにあるといいます。宿の方に尋ねてみると、「歩道はしっかり踏まれているので迷うことはないが、現地滞在時間を除いた往復だけで3hみてほしい」とのこと。うは、結構かかるのね(もう少し短時間で往復できると考えてました)。しかし実際どれくらいで行って帰ってこられるのかは歩いてみなくちゃわかりません。ま、「Maxで3hだろう」と見当を付けてまずは道路終点の駐車場まで。
この日のお天気は曇りベースながら青空もところどころに見えていて、ハイキングをする上での条件は昨日よりはるかに上です(やっぱり今日にしてヨカッタ)。しかもこの歩き出し地点あたりの景色もなかなかで、さーてまだ見えぬ源泉地帯目指して行く‥ん?右上画像をよく見ると、何だかすぐ先に噴気が上がっているのが見えるんですが?(笑)。そんなわけで出発は9:30でありました。
橋を渡り家畜用ゲート(開いてましたが)を過ぎてすぐ先にあったのが地図の載せられた看板と指導標。Reykjadalur(レイキャザルール)はここから3kmとありますが、正面の山に続く登山道はどう見ても上ってますし、これは確かに1h以上はかかりそうです。
なお、他のサイト(英語サイトを含む)ではこれから向かう野湯のことをいろいろな名称で紹介しています。自分が持っている資料によれば(とはいっても市内に掲示されていた詳細地図の肝心な部分をデジカメで撮影したものですが)、「Reykjadalur」と示されたエリアは実際の入浴ポイントよりもかなり下流なんですね。もっともこの地名がピンポイント的に源泉地帯の下流をさすものなのか、またはこの谷あい全体を指す広域的な地名なのかは不明です。もし後者だとしたらこの野湯はReykjadalur(レイキャザルール)温泉と呼ぶべきなのかも知れません。
ただ、この谷の上流域にはKlambragil(クラムブラジール)という地名表記があり、こちらのほうが本家のメイン源泉地帯に近いんです。しかもこれら2つ以外の名前で読んでいるサイトもあるのですが出自がわかりません‥(もしかしたら地元の方から聞いた「そのものズバリの温泉名」なのかもしれませんが、自分自身が未確認なのですみません)。
ちなみにHveragerdi市発行のパンフレットにはこの温泉を「Amazing Reykjadalur or "Steamy Valley"」として紹介していることから、拙サイトでは便宜的にこの温泉を「Reykjadalur(レイキャザリール)温泉」という名前で紹介しています。なお中には「Hveragerdi温泉」という名前で紹介しているところもありますが、いくら何でもそれは違うと思うぞ(笑)。
【おことわり】 1. 拙アイスランド旅行記における現地名のカタカナ表記は原則として「アイスランド観光文化研究所」の表記に従っています。ただし、当該サイトに紹介されていない地名についてはTakemaの一存で「たぶんこう読むんじゃないか系手探り表記」で記載しています。もとより外国語をカタカナに直すこと自体に無理はあるのですが、ご理解下さい。 2. なお、上記「Reykjadalur」という地名表記は、「Reykjadalir」(後ろから2字目、「u」が「i」に変わる別表記もあるようです。Takemaの資料では「i」なのですが、ここもやはり市当局のパンフレットに従います。 3. アイスランド語については全くわからないのですが、とりあえず特殊な読みをする字を経験的にいくつか挙げておきます。あくまでカタカナ表記を目的としていますから現地の人には通じません(汗)。なお、英語にはないアルファベットが10字ありますが、ネットで調べるときなどは「英語にあるアルファベットを代用字として検索」すれば問題ないようです。
* 単語の最初のHは「ク」と発音&「Ð(ð)」(「D(d)」とは別字)は「ザ行の子音」で発音(例:Hveragerði がクヴェーラゲルジ)
* 「LL」は「ットル」と発音(例:Gullfossがグトルフォス)
* 「Æ(æ)は「アイ」と発音(例:Bærはバイル)
アイスランドの旅行計画を立て始めた際、地名が読めないことから「どこがどの場所なのか頭に入らず」一向に計画が立てられない時期がありました。こういう時に英語力の低落傾向著しいTakemaはついつい「英語に置き換えずにカタカナに置き換えて」しまうんですね(苦笑)。そこで、アイスランドの地図にカタカナで地名を書き込むことから作業を始めたというわけです。笑ってやって下さい。
さて話を戻しましょう。というかこのページのここまでの流れからして「このページでは温泉入浴の画像までは出て来ないんじゃないか?」とお感じになっているあなた、大正解っ!(大笑)。このページは現地到着までのつもりで制作していますので念のため。
というわけで出発してすぐ、いきなり小さな源泉帯が道の真横にあったりするのですから恐るべしアイスランド。
「Reykjadalur歩道入口近くの源泉」 |
しかしここはアイスランド、この界隈の源泉地帯から湧き出した湯は利用されることもなく先ほどの川の本流に流れていくのでありました。おっと、その途中でどうやら適温になっている「ミニ川湯」がありそうでした。山上の湯まで登る時間がない方はこのあたりで無理矢理ミニ野湯体験も可能?ただし足湯くらいにしておいた方が賢明かも知れませんが(笑)。
さてこの地点からしばらくは「そこそこの登り」が続きます。ただし極端な急登はコース全体を通して存在せず、また定期的に赤と黄色にペイントされた木杭が立っていますので安心です。というか、登山道そのものがきっちり踏まれていますので、相当濃いガスが出ていても、足もとさえちゃんと見ていれば迷うことはないと思われます。
目印の杭。なおスニーカーでも大丈夫ですが、降雨後はそこそこぐちゃぐちゃになりそうな土質なのでご覚悟下さい(笑)。
登っていく道が尾根を巻くように右にぐぐっと回るようになると、ここで小沢が出てきます(渡ることはない)。この付近からは日本でいう高山植物にあたる植物がたくさん生えていて、運動不足で汗ダラダラのTakemaの眼を和ませてくれました(笑)。
すぐ下の小沢沿いにはワタスゲの仲間が?あ、羊はどうやら好まない草のようです。
ん?これはどう見てもチングルマの花が散ったあとのホワホワですよね(苦しい説明)。
左上画像のムラサキの花はヨツバシオガマの矮小化版?右上の草はわが家の裏庭で頑張っている草と同じ?
そんなこんなで登っていくと途中の最高地点まで登り詰めたようで、ここからは緩やかに下っていくことになるのですが(ちなみにここまでの標高差は駐車場から200mちょい)、眼下には深く浸食した谷があり、対岸からは「いかにも温泉成分を含んでいるであろう沢」が滝状に合流しているのが見えています。というか、その支沢の上流にも噴気が見えていましたし、あちらも温泉沢なのは間違いないところです。
しかしアイスランド初心者のわれわれは無理をせず所期の目的地を目指すのであります(あたりまえ)。すると‥
(まぁ時間的にも間違いないでしょうね)
このあたりから歩道は温泉の流れる川に近づいていきます。周囲の湿地帯にはワタスゲとおぼしき草があちこちに群落を作っています。場所的には明らかに日本の高層湿原と同じような環境ですし、そもそもこのあたり自体が日本の高山植物群落帯のような気候ですから‥。
もっとも、綿毛ももう終わりの時期ですね。周りの緑に白が映えて綺麗。
しばらく行くと川を渡る場所に出ました。ここでしばし考えたのですが、川を渡らずに川沿いの踏みあとを進むことに。しかし結果として申し上げればイマイチ。あまり道が良くないだけでなく下流部分はやはり湯温が低く、仕方なくどんどん遡っていくうちにメインの道とほぼ合流してしまいました。歩きやすいメインロードを行く方が全てにおいてよろしいかと(笑)。
あえて言えば川沿いゆえ景色が綺麗ということくらいでしょうか。でもぬかるみも多いです。
人工的っぽい堰のあたりで湯温を計測。うーん、これはちょっと触手が伸びないゾ(苦笑)。
そうして進んでいくと、先に見えている丘の上に何張りかテントが見えてきました。あれまぁここって幕営していいんでしょうか?いやでも何となく下の駐車場に止まっていたツアーバスの一行か?もしかしたらわれわれよりも早く来て、ここで日がな1日をのんびりと過ごす計画なのかも知れません。彼ら先客ご一行がワイワイやっているエリアは確かに深さも結構ありそうなのですが、さすがにちょっと落ち着かないかなというわけでさらに進んで行きます。
その先に先客さんはおらず、存分に「野湯定め」というか「入浴適地」を探すことができます。と、50mほど進んだあたりで!
ページトップに載せた画像、「われらが入浴適地」を見つけたわけですね。
ではでは次のページでは実際に「野湯をタンノー」してみたいと思います!何たってアイスランド最初の野湯なんですから心浮かれてピーヒャララ♪
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