− アイスランド2010夏 (17) 再びリングロードへ戻る −



チャリダーさん、とりあえず雨なしでヨカッタですね。なお軟弱Takema夫婦は四輪車で失礼しております。

この日は再びリングロードのR1まで南下して、ところどころ寄り道しながらアイスランド本土最南端のVik(ヴィーク)あたりまで向かう予定です。で、Vikまでは直線距離にすれば70kmほどしかないのですが、その直線ど真ん中にはMyrdalsjokull(ミーダルスヨークトル)という大氷原が鎮座し、そしてその氷河底にはかの火薬庫たる「Katla火山」が不気味に鎮座しているのですから間違っても直進できるはずがありません。というわけで迂回路を行くしかありません。

ちなみにランドマンナロイガルから南部リングロードに出るには2つのルートが考えられます。ランド‥から5kmほど戻ったところにある分岐を右折して東南方向に向かうF208を利用するルートと、もう1つはその分岐を左折し西方向に走り抜けてR26に抜けるルート(F225)です。

レイキャビクからのツアーバスは間違いなくF225を利用するはずですが、自分としてはF208をそのまま進んでみたいという気持ちもありました。でもネット上ではこの区間に関する情報が極度に少ないんですよね。一番知りたい川渡り情報がほとんど出てこないというのはかなりコワイというか、まず滅多に車が通らないでしょうから万が一の場合も途方に暮れるしかない‥というわけで残念ながら「メジャールートのF225を行くしかないなぁ」という結論に達した次第です。



左上画像の奥に行くのがF208。今思えば「もしかして?」とも思いますが、チャレンジと無謀とは違うのでしょうがない。

別の場所ではありますが過去には日本人が運転する四駆が川渡りで流されて死者も出ていますし、この旅行中でもこれまた別の場所で四駆が川渡りに失敗して動けなくなっていたという証言もあります(ずっと後ろのページで紹介しますが)。この国では4WDであっても決して走行万能ではありません。



普通のランクル(左上画像)じゃ状況に対応しきれません。こういう特殊なアシを履いた車(右上画像)じゃないと。

右上画像のような四駆は日本でもごくたまに見かけますが、その場合見ていて「全く無意味でしょこれって」と感じる場合も多いです。日本ではここまでの足回りを求められる道がほとんどないし(そもそもそういう林道はほとんどゲートで閉鎖されています)「あー、ただのカッコツケですなご苦労様」というのが関の山なのですが、アイスランドではまさに「適材適所」としてこんな足回りの車がいるわけですね。もちろん首都レイキャビクでは1台も見ませんでしたが。



ほとんど植物がないと思えるエリアでも、よーく見ると僅かに植生が。こうやって日本も徐々に肥沃な地になってきたんだろうな。



そんなわけで昨日通った分岐まで5km戻ってきました。ここで左折してF225に入ります(実は上画像と順序が逆ですがご容赦下さい)。

ちなみに上画像の緑を見ると「そこそこ緑の草が生えてるじゃないか」と思われるかも知れませんが、この緑はほとんどが地衣類の緑をベースにしています。場所によっては確かに草も生えていますがそれとてほんの僅かなもの、火山エリアのこの地域では植生が非常に貧困で、しかも一度踏み荒らされれば回復がきわめて困難というわけで、

右上画像の平原に並べられた小石の列が「入っちゃダメよ」というお上の意志を表しているんでしょうかね(これはどう見ても手作業のはずだし大変だよなー)。もちろんこんな地道な「路肩」が設置されている場所は稀で、時には「ゴーカイに脇を通った轍」もあるのですが‥もう草は生えないな。



平原ですらうっすら緑、でも緑の濃い草地では羊の放牧が。動植物それぞれがギリギリのところで頑張っているわけです。

さてそんなわけでさらに進んでいくと、はれほれ何だかだんだん空が明るくなってきた‥おごわーっ、アイスランド滞在4日目にして一番強い太陽の日射し&青空が一気に登場したのでありました!



いやー今回の旅行はずっと天気がイマイチでしたが、ようやく高気圧のエリアに入ってきたのねと嬉しくなりました。また車内温度の急激上昇にともない、着ていたフリースをすぐさま脱ぎ捨てたことは言うまでもありません。よーし短い北の大地の夏をタンノーしちゃうぞー!とはいってもどうタンノーするって、車外でひなたぼっこしながらボケーっとするくらいしか思いつきませんが(発想貧困)まぁいいじゃありませんか!
「F225、ここまでの道中(川渡り&天候回復)」


そんなわけで再びスタート、うーん相も変わらぬガタゴト道なのに、太陽が出ているだけでこんなに気分が違うのはどうしてなんでしょうね。と、26号線との分岐近くまで来たところで向こうから大型バスが10分おきぐらいに何台か上がって来ました。おそらくは首都レイキャビクから来たんだと思われますが、それほど道も広くないのに躊躇なく突進してきます。向こうのドライバーがわれわれの存在に気づいているのは明らかですから、こちらの国では「図体の大きい方が通行優先権がある」ということなのでしょうか。ええ、しっかりこちらが停止して道を譲りましたよ。



この人たちはどこから来て、そしてどこへ行くのでしょう?謎でした。



ダートでもこれくらい道が広ければ楽勝(F26号線)。そして‥おお、ここから舗装路ですっ!

というわけで、F26号線のダート部分を含めれば約60kmもの未舗装路終了!ここからは一気に南下してR1沿いの町Hella(ヘットラ)を目指します。というわけでここまでの道路状況をビデオでご覧下さいな。だいぶ場違いなBGMも流れていますが、Takemaの性格を如実に表したものだと思って受け流してくださいませ。
「F225からR(F)26号線へ」

さて、しばらく走っていくと周辺は一面の牧草地帯に変わります。「あー、何だか北海道みたいだぞ」と気分も高揚してきますが、やがて「あれれのレ?」と目を疑うモノまでがでてきてこれまたビックラこきました。



真っ直ぐな道、緑の牧草地‥ん?あの白い点々はいったい何?もしかして?



何と牧草ロールのパッケージングまでそっくりとは恐れ入谷でありました。

この画像だけ見たらどう見ても北海道ですよね(笑)。このあとは予定通りR1(リングロード)に出てHella(ヘットラ)の町へ。町の入口にさっそくGS(Hveragerdiで給油方法を覚えた「N1」ではなかった)があったので補給しようと思ったのですが、会社が違うと操作法も違うのかなぜかクレジットカードが入れられない?近くの人に聞くと「このスタンドは先にお金を払って云々、でも僕もよくわからないんだけれど」という微妙なお返事が(この人も旅行者でした)。で、レジに行ってみると何だか大混雑モード(ガソリンと店内売店と車両整備ガレージの受付が1つになっているため)。

「ええっと、No.1のポンプを使いたいのですが」と申し出てカードを渡すと、混乱の中別の従業員が「5003krです、Thank you!」とカードを返してくるので「ええ?」と思っていたら、「スミマセン、間違えました」。どうやら別の人の代金をTakemaのカードで引き落としちゃったみたい(大苦笑)。日本だと機械を通してさっきの手続きをキャンセルしたり、同額をTakemaカードに入金して+-0にしたりするのでしょうが、ここでは同額の現金をもらってオシマイ。店員さんはもう次のお客の応対に向かっちゃいました。

そんなこんなで混乱してます。でもですね、あのぉ‥

給油方法は結局わからずじまい。というわけで諦めてしばし車を走らせると、なんだー慣れ親しんだ(1回しか利用してないけれど)N1スタンドがすぐ先にあったじゃないですか!



うんうん、このマシンならTakemaにも使い方がわかるのですよ。これ以降、「給油は全てN1スタンド」で行いました。

スタンド併設のレストランがあったので、おしんこどんは「スパイシーチキンセット(飲み物付き)」、Takemaは「本日のスープセット(パン付き)」を注文。しかしタイミング悪くスープセットは寸胴鍋の底にちょびっと残ったスープをかき集めて出されたもので具も量も少なくしかも火が止められていたのかぬるいという最悪モード。このあと新たな寸胴鍋がセットされたらしく、後から同じものを注文した人のスープを見ると‥同じ料理とは思えないほどのてんこ盛りでありました。勘弁してよー。悔しかったので写真は撮らずじまいで、おしんこどんのセットだけパチリ(右上画像マウスオン)。

まぁそれでも食いっぱぐれなかっただけでも良しとしましょう。さすがに晴れた夏の午後ともなると気温も上がっており、暑さには強くないアイスランドの人たちにとってはかなり厳しいのか、ふと目にした回送バスの運転手さんなどは上半身裸で運転しておりました。日射しも強いし確かに暑いよなーと思いつつ車に乗り込み、走り始めてしばしで車の車外温度計に目をやると‥

うーむ太陽の威力恐るべしであります(ちなみに現地時間で13:40頃の気温です)。

この日はアイスランド最南端部にあるVik(ヴィーク)に泊まることになっているので、ここからはあと90km程度を残すのみ。バンバンの舗装路であるR1ですから1時間もあれば到着してしまうわけですが、ちょこっとだけ寄り道してみましょ。
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