− アイスランド2010夏(20) 曇りのち晴れ、上天気の中Skaftafell(スカフタフェットル)へ −

ご覧のように曇りベースの天気ではありますが、雲の切れ間から青空が見えるときもありお天気としてはまぁまぁ。このあたりまで来ると車の通行量もぐんと減り快適に走ることができます。ただし案外に車線幅が狭いのと、路面にそこそこ凸凹があったり、路肩には小石も多いので油断は大敵です。

と、前方に滝が見えてきました。全く観光化されていない無名の滝のようですが、アイスランドにはとにかく滝が多いので宜なるかなというところで、長く回っていると食傷気味になってくるかも知れません。でもまぁここは車を止めて近くまで行ってみましょ。



一応踏み分け道は付いていましたが訪問者は少なそう‥。



すぐ脇の牧場ではアイスランド馬がのんびりと。長閑だなぁ。

ここからさらに車を進めていくにつれ、何だかまた雲が厚くなってきたぞぉ(残念)。道路は広い平原のど真ん中を突っ切るように続いています。実はこの平原は火山噴火による大洪水で押し出された土砂からなっていまして、ひとたび氷河の氷が溶け出せばこのあたりは大変なことになってしまうこと請け合いというわけです。



もちろんこの日は平穏無事。チャリダー氏も黙々とペダルを漕いでます。風がなくてヨカッタね。

ずんずん進むにつれて長い長いワンレーンブリッジへ。さすがに長すぎて「どっちが優先」という世界でもないので、途中にすれ違い場所がいくつも用意されています。そしてこのあたりまで来ると「今日の目的地」周辺が見えてきます。そのランドマークといえば‥

なのであります。そんなわけでここまでの道中動画をご覧下さいな。氷河に向けて一直線!
「Skaftafellへの道中ムービー」

あの氷河のすぐ下に今宵テントを張る予定のSkaftafell(スカフタフェットル)があります!しかもかの方面は晴れているではありませんか!何だか内心トキメキながらも、まずはかつての橋がぶっ壊されたモニュメントへ。



かつての橋が土石流に流された残骸です。ひとたび噴火による土石流が起きれば‥ある種恐ろしい場所です。



しかし、目の前に広がる氷河を見ると思いきりワクワクするのであります(右上画像マウスオンで拡大)。

そんなわけでスカフタフェットルに到着したのはちょうどお昼ごろ。この日は近場にミニトレッキング*2をする予定でもあるのでほぼよろしい時間かと。

レセプションでキャンプ利用料金を支払い(確か1200kr/人)、最初こそ歩いて適地を探しましたが、あれまキャンパーは車で入れることがわかりました。かなーり奥行きがあって適地を選べます!で‥



この場所にしました。それぞれテント設営にいそしんでます。日射しが強くて暑いです!緯度64度にして暑いとは驚き。



奥の谷底に見えているのはもちろん氷河、おしんこどんはエアマットに空気プープーの真っ最中。



最後に移動可能なベンチを持ってきて設営完了!いやぁ最高の立地です!

しかしこれで「あとはビールや焼酎やらを飲んだくれてオシマイ」というわけではありません。せっかく氷河の近くにいるのですからいろいろとお散歩してみましょう。しかもこの上天気、これを生かさぬわけにはまいりません!でも、この上天気は「この設営タイムがベスト」だったのですが(苦笑)。さすがアイスランド、変わり身が早いなー。

そうとも知らず、まずはミニトレッキングの一つ目として氷河末端へと行ってみることにしました。ちなみにここSkaftafell(スカフタフェットル)からはいくつも日帰りトレッキングルートが延びていていろいろと楽しめます。中には「崩れ落ちる氷河のサウンドが楽しめる」ルートもあるようですが、まぁそれはかつてNZで楽しんだからいいかなというか、今からじゃ時間的に無理だなと(丸一日コースなので)。



一番のお手軽ルートだけあって前半戦は舗装されてます。イワギキョウみたいな花もあちこちに。

ルートの後半部分は落石で歩道上に大石が落ちていたりもしましたがまぁ普通に歩けます。その後さしもの舗装も終わって山道になりますが、平坦なので息が切れることもありません。しかし何だかどんどん雲が出てきたゾー!この暑さは全て「太陽さま」からの恩恵であり、陽が陰ると一気に本来の温度に下がる‥いや違った、ここの場合は氷河から流れ下る冷気も加わってとてつもなく寒いのですから!

そんなわけで氷河末端までやってきました。ここからは踏み分け道を下っていくと氷河から流れ出す沢まで行くことが出来ます。ここまで来たならこの湖を見るだけで終わらせずに是非沢まで行きましょう(何かあっても責任は持ちませんが)。

沢まで下りてくると一気に寒いです。流れる沢は「さっきまで氷河だった」水であり、しかもすぐ上にはその氷河=大冷凍庫が見えているわけで、そこからの冷気が一気に押し寄せているわけですから当然の話です。

で、流れる沢水は‥所謂「グレイシャーミルク」というやつで、氷河が削り取った岩のカケラが混じった流れなのでかなり濁っています。ただここの濁りは結構茶色でしたね(右上画像マウスオン)。以前NZで見たグレイシャーミルクの沢はその名の通り白濁していて、すくってみたら雲母片なんかも混じっていたんですが、やはり火山起源の若い岩だからなのかな?



とはいえ時々氷も流れてくる超冷水なのは間違いないので、車内でぬるまったビールを冷やすには絶好です。



おしんこどんはいつもの通り無謀にも足を浸けてます。Takemaは落ち着いてジャンプ!(下を向きすぎ)。

と、ここでおしんこどんが「Y字バランス」をしていたら、フランス人だかイタリア人だかの女性3人組(左上画像に写ってますね)が「すごーい、もう一度やってみて!」のリクエスト。もちろんおしんこどんが再度ご披露したことはいうまでもありません(左上画像マウスオン)。そういえば彼女らはここでシャンパンを抜いていたなぁ。

しかしまぁ陽が陰ってどんどん寒くなってきたので、しばらく戻って「冷気の直撃」を受けないあたりでランチといたしましょう。正直、風も強くて「ハナタレTakema」になりつつあったんで‥(薄着で失敗)。



いやービールは冷え冷えで最高!パンもこの国では結構いけるんですよ(ビジターセンター内の売店で購入)。

そんなこんなでのんびりしていたら、何とまた氷河末端付近が晴れてきたではありませんか!何だよわれわれがあそこにいたときだけ曇っていたのかいっと無意味に憤慨しながらも、もう一度斜面の上まで戻ってみました。



うーむ、あんまり変わらないといえば変わらない‥でも氷河の上方がきれいに見えるぞ!(左上画像マウスオン)。

このあとはまたすぐに曇ったので、今度こそ心落ち着いてビジターセンターへ戻ります。この途中は晴れていて暑かった!



僅かな土壌に根を生やす健気な花々。キミたちがこの大地を肥沃にしていくんだね。



左上はシシウドか?やっぱり北海道と同じ感じ。右上にはなぜか綿状の花だか実を付けている低灌木が。



すぐ脇の崖はまさに火山地形の博物館といった趣です。柱状節理がたーっぷり拝めます。ただし落石注意ね(笑)。

そんなこんなでビジターセンターまで戻ってきてみると、夏の日射しに飢えた?白人の皆様が思いきりひなたぼっこの真っ最中でありました。いやーこちらに来る前からクソ暑い日本の夏に耐えてきたTakema&おしんこどんでしたが、いつの間にかこちらの気温に慣れちゃったのかこの日射しの暑さはタマラナイ!というわけで、

懐かしい感じの棒アイス(チョコレート風味)と、氷河見物時に持っていったけれど飲まなかったヨーグルト飲料「Skyr(スキール)」とでしばし休憩。ところでこのSkyr(右上画像マウスオン)ですが、クリームチーズとヨーグルトの中間のような感じで美味です。ただし右上画像マウスオンで手にしているのは「ドリンクバージョン」なので念のため。酸味が少なくちょっとまったりねっとりしています。アイスランドでは非常にポピュラーな食べ物(飲み物)ですので是非!

さて、しばしの休憩後には次のトレッキングへと出かけましょう。
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