− アイスランド2010夏(29) Myvatn(ミーヴァトン)周辺探索その1 「Grjotagia(グリョゥタギャゥ)」−

朝になってテントから顔を出してみると、雲は多めながらそこそこ青空も見えていてまぁまぁの日和で一安心。お隣テントのWさんは早朝出発のツアーに参加すると言っていたのですでに気配なし。今日はどこに出かけたんでしょうね(あとで聞いたらすんごいところに行かれたそうです。うーんうらやましいぞ)。

われわれも連泊なので撤収のないぶん朝はのんびり。おしんこどんは上陸カモに聞かせようとばかりに軽く篠笛を吹き始めました(笑)。そのあとビジターセンターで周辺の地図をもらい準備完了です。ついでに言えばキャンプ場のトイレが混んでいたのでこちらで用足ししたんですけれどね。

まず目指したのはGrjotagia(グリョゥタギャゥ)。ちなみにここがどんな場所なのかを理解していただくには、全地球的なレベルでの説明が必要になるので困ってしまいます(笑)。

皆さんはプレートテクトニクス(プレート理論)という言葉をご存じでしょう。日本の周辺でもフィリピン海プレートとユーラシアプレートとのせめぎ合いにより東海地震ほかのプレート地震が起きるということはよく知られていると思います。通常、そのようなプレートの境界は海底にあるのですが、ここアイスランドでは何とその境界部分が国のど真ん中を突っ切っているのです。
これがそのあらまし地図ですが、2010年4月に爆発したエイヤフィヤットラヨークトル火山もまさにプレート上にあることがわかります。アイスランドには多くの地熱地帯があり、また日本同様地震が多い国でもありますが、それはすなわちこの国が‥

このそれぞれのプレートは1年に1-1.5cmのスピードで反対の方向に動いており、それゆえその境目には溝ができ、その溝が何千年何万年もの時間をかけながら徐々に広がり続けているというのが現在のアイスランドなのであります。

そして今われわれが滞在しているMyvatn(ミーヴァトン)はこの地溝帯のほぼ真上にあります。というわけで、その「地球の裂け目」であるGrjotagia(gia=ギャウとは「裂け目」という意味)を見に行こうというのが本日最初の社会科(地学かも?)見学というわけなのです。しかしこの教育的行動に「大いなる下心」が隠れていることを忘れてはなりません(笑)。

国道から離れて未舗装路を進むと、道の脇のそこかしこから噴気が上がっているのが見えてきます。そして岩が盛り上がったあたりに駐車場とおぼしき広場がありました。どうやらここがGrjotagia(グリョゥタギャゥ)のようです。

さて普通であれば当然の助動詞的にその裂け目を見るために盛り上がり部分に登っていくところです。しかしTakemaは全く違う行動に出るのでありました(笑)。



岩の裂け目部分に洞窟状の場所があるようです。では入ってみましょう。

そう、実はここがわれわれ(というかTakema)の目指してきたパラダイスなのであります。この洞窟の中にあるもの‥それは!もうおわかりでしょう!(笑)。







すごいスゴイとTakema感動の嵐というか渦というかルツボというか、存在は知ってはいたもののイヤハヤ南友これほどまでに感動ものの温泉とは思いもよりませんでした!

しかしここでどうにもこうにもブルドッグ系の大問題がTakema&おしんこどんの前に立ちはだかるのでありました。洞窟内に入ってすぐに気づいていたことなのですが、かなり蒸し暑い‥それはイコール「湯温が相当に高い」ことを意味するわけであります。

というわけで検温してみましょ。ちなみに1984年、近隣のクラプラ火山が噴火した際この湯の湯温も「人類の入浴は不可能」というところまで上昇したそうですが(何度くらいだったのかは不明)、それから四半世紀を経て徐々に湯温も下がって来たそうです。それでは2010年夏はどのような感じなのでしょうか?

うーん、46.1度ですね。結構熱めですがこれなら何とか?いやまだもう一つ大問題があるのでありますよ。湯だまりは岸から足が着かないくらいの深さまで一気に落ち込んでいて、手がかり足がかりとも不足しています。つまり‥



考えてみればこれだけ湯が青く見えるというのはそれだけ深さがあることを意味するわけですよね(笑)。

そんなわけで上画像のように何とか足湯だけはクリアしたわけですが‥やっぱりこれじゃ何だか悔しい(笑)。

と、この洞窟にはもう1つ出入りできる穴が開いていることに気づきました。もしかしてあちら側からならより安全なアプローチがあるのでは?というわけでえっちらおっちらと移動してみました。

うーむこっちも急峻ですなー。しかし、さらに奥側の岩がゴロゴロしているあたりからならどうだろう?さらにどっこいしょと行ってみると‥おお!ここからなら何とかなりそう!というわけでささっと服を脱ぎ(水着はすでに着用済みであるところが「下心満々」であったことを如実に物語ります)、そりゃまだ身体が熱さになれていないのでじわじわゆっくりと‥



ちなみにこちら側の方が多少湯温が低くて45.7度(それでも十分に高めですが)。右上画像をよく見ると湯船の一番奥の側に他の観光客の姿が見えています。この遠近感からもこの湯船がかなり大きい(細長い)ことがわかると思います。長さは15m近くあったんじゃないかな?

続いておしんこどんも同じポイントから入浴行為に及びます(笑)。



湯面に揺らぎがないので何だかアヤシイ絵になっておりますな(笑)。



最初はTakemaと同じ場所で「入浴」だけでしたが、何とそのうちに「湯泳」を敢行!約46度の湯で!



そんなわけでGrjotagia(グリョゥタギャゥ)の地下温泉をタンノーしたわれわれでありました。

さてそれでは本来の社会科(or 地学)見学へと戻ることにいたしましょう。大地の割れ目見学です!
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