− アイスランド2010夏(41 イギリス編) ロンドン到着、翌朝に目指すは‥「温泉聖地」 −
さて、ヒースローに到着後はもちろんロンドン市内へと向かうわけです。以前は各駅停車の地下鉄か空港バスしかなかった気がするのに、いつの間にか空港と市内パディントン駅とをノンストップで結ぶ「ヒースローエキスプレス」という直通列車が運行されているのですね。うわーこれはものすごく便利!というわけで往復の割引チケットを購入しました。
駅構内は殺風景すぎる気もしますが、無駄なお金をかけていないと考えればこれも合理的?
というわけで圧倒的な早さでパディントン駅に到着です。早い安いうまい、いや違った速い早いハヤイ、出発とともにストップウォッチを回していたのですが見て下さい、14分もかからずに到着しちゃってますよ!
で、駅のチケットカウンターで明日の列車の切符を往復で購入。当日買いよりも安いだろうと思ったからですが、案の定ずいぶん安かったみたいです。
そのあと駅からほど近いところにあるホテルにチェックイン。それにしても空気が生ぬるいと思うのですが、そりゃアイスランドに比べれば気温が高いのはあたりまえですな。お腹が減ったので近くの商店で軽食を買ってきて夜食。ホテル前の道路は夜遅くなっても人通り車通りが絶えないようでしたが、人口750万人の大都市ですからしょうがないですね。このホテルでは正直寝るだけですし設備云々については特に言いますまい。
よく寝た翌朝は、イングリッシュブレックファストをいただきお腹も満足。
さて、予約していた9:30発の列車に乗るべく、9時過ぎに駅へ到着。さーて何番線だろうかなと発車時刻表を確かめるも‥あれれ、どのホームだか書いてないぞ、なぜ?と思い案内所の係員さんに聞いてみると、何とビックリのお返事が返ってきました。
え、え゛え゛ーっ!発車までもう20分くらいしかないのにまだホームが決まっていないってどういうことよ!毎日の運行列車は決まっているんだから、事前に発表することくらいできるんじゃないの?
と、ここでふと気づきました。
飛行機の場合も、事前にわかっているのは出発時間だけで、どの搭乗ゲートから搭乗するのかはチェックインしてからでないとわかりませんよね。飛行機の場合はそれがあたりまえだと思っていましたが、それを鉄道のシステムにも取り入れると「こんなにも違和感」を感じるものかと驚いた次第です。というか、もともとはこの鉄道システムを飛行機に応用させたんでしょうけれど。
と、出発時刻の約10分と少し前に、ディスプレイに表示されていた当該列車の横に発車番線「8」が表示されました。すると、インフォのあたりで所在なげにしていた人たちがいきなり民族大移動のごとくどやどやと動き出したではありませんか!なーるほど、みんな番線が確定するのを待っていたのね!
そんなわけでファースト・グレート・ウェスタンの列車に乗り込みます。おっと行き先についてまだ明確には書いていませんでしたね。もっともこのページのタイトルにも書きましたからもうおわかりかと思いますが‥
実は一連のアイスランド旅行計画を立案時、このイギリス滞在時の旅程は当然一番最後に考えることになったわけですが、さーてどこ行くかと考えたとき(イギリスは3泊、ただし1泊目は寝るだけなので実質2泊)、2人ともまだ行ったことがないエリアとしてこのBathやストーンヘンジのあたりが浮上したわけですね。そんなわけで最初から「Bath行くぞ!」ではなく、「Bathのあたりがちょうどよさそうだから行ってみっか」という感じで何となく決めたわけなのです。まぁ結果的には「温泉好きの温泉聖地巡礼」みたいなことになったわけですが(笑)。
さて、車内に入ってみると‥
車内は中央で向かい合わせになる固定席、出発時の着席率は約50%くらいですね。
ちなみに各席には液晶テレビが設置されており、無料の「おためしログイン(Try me)」をしてみると、これまた飛行機同様現在地やら何やらの地理情報が出てきます。日本のように「次は○○駅です」などとアナウンスしてくれるわけでもないので、これは結構助かります。ただし無料ログインは制限時間が5分で、そのあとはしばらく再ログインできなくなりますのでご注意を。ちなみに復路の列車はディスプレイ未設置車両でしたので、現段階では設置途中ということのようです。
また座席なのですが、最近の鉄道車両や航空機の座席によく見られる「薄手系のクッション」でありました(右上画像マウスオン)。このタイプの椅子ってこの時のような短時間ならともかく(ロンドン − バース間は1時間30分)、ロンドン − シンガポールのような長時間の着座にはあまり向かないような気がするんですがいかがなものでしょう?
で、いわゆる最新式の車両であっても相変わらず変わらないのがこれですね。
(それと「横スライドの開き戸」ではなく「引き戸」であることもそうです=右上画像マウスオン)。
まぁわたしも所謂「鉄ちゃん」ですからこういうのは決して嫌いではありませんが(笑)、それにしても「イギリスの技術の粋を結集してもドアの自動化は不可能」というわけでもあるまいに、やはりここにはある種のこだわりというか執着というか頑固さを感じてしまいます。「車両のドアはかくあるべし!」という感じで。合理主義哲学を生みだした国とはいえ、合理一辺倒とは思えない部分を各所に見いだせてしまうところにイギリスの奥深さがあるのかも知れません(笑)。
列車は順調に走っていきます。こらこら走行中に窓を開けての撮影はアブナイよ(自戒)。
そんなわけでほぼ定刻、列車は「Bath Spa」駅に到着しました。まずは上画像の「駅名板とともに撮影」をしたわけでしたが、数m先にもっと大きな駅名表示がありましたのでちょっとそこでも写真をと移動しかけたところ、近くにおられた女性(たぶん上画像の白い上着を着た方?)から呼び止められました。
不意をつかれてびっくりしましたが、そのご親切に感謝しお礼を申し上げました。世界でも有数の治安の良い国からの旅行者であるわれわれが、これまた治安の良さでは引けを取らないアイスランドを長く旅行し、だいぶ油断していたのかなぁと。と同時に「治安の問題など一見なさそうに思えるここBathも、実はそこそこ問題を抱えているんだなぁ」と感じずにはいられませんでした。ま、駅などの人混みエリアは古今東西犯罪が絶えない場所でもあるんですけれどね。
この日の宿は徒歩圏内とはいえ郊外にあるのと、まだ11:00という早い時間ということもあり、まずは荷物を預けて市内観光といきたいわけであります。でもなぜか駅に「手荷物預かり所」が見あたらないんですが?ホームにあった案内所で聞いてみると、駅前通りをほんの少し行ったところにあるネットカフェで荷物預かりもやっているのだとか。でも駅にあったほうが絶対便利だと思うぞ(笑)。
無事荷物を預けたあとは、バース中心部の観光です。この時間は比較的天気もよかったので、やや暑くも感じる気候の中のんびり。
ん?「Iceland」?最初はアイスクリーム屋かと思いましたが要はコンビニでした。果物を売る屋台も。
自由に座れる椅子もあって、さすがイギリスを代表する観光地です。ちなみに市街中心部は近年町並み保全というか、徹底的に統一された建物造りがなされていて、日本のように「所有者の自由で好きな建物を造る」ことは出来ないようです。というか新築なんだけれど造りは昔ながら(のように見える)建物ばかりで、何だかこうなると「作り物」のニオイを感じちゃうんですが。
ところで、大道芸人が集まるエリアで何だか中華鍋の底のような楽器を叩いて演奏している人を発見。すぐ近くで大物系の芸をやっていることもありこの人の周りにはほとんど誰もいませんでしたが、何だかその音色はとっても魅惑的でありました。
「とっても地味だけれど、でも何だか妙に惹かれる音色」 |
そんなわけでさっそく前にあったCD(5ポンド)を購入。もっとも帰国後はほとんど聴いていないんですが‥(ただしこれをタイプしている今は聴きながらやってます)。ちなみにこの楽器の正式名称は「ハングドラム」というそうで、歴史的に古い楽器ではないらしく2000年にスイスで生まれたものらしいです。ふーん。
さてしかし、ここバースにやってきたからにはもちろんローマ帝国時代からの温泉に行かないわけがありませんね(笑)。ちなみにここ「Bath」の地名が英単語のBathの語源になったというのがある種の「定説」になっているようですが、実際はそうではないようです。「Bath」の語源は古くは「あたためること」という意味の古代言語だったらしく、この地に温泉が湧いているので「じゃ、ここをBathと呼ぼう」ということだったようです。何だか「ニワトリとたまごはどっちが先か」の世界ですが(笑)。
次ページでは、往時の面影を留める「Roman Baths Museum」へと足を進めます。
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