− アイスランド2010夏(42 イギリス編) ローマンバスは素晴らしい、でもイギリスの温泉文化はイマイチ −



古代ローマ帝国時代から流れいづる温泉は今でも120万リットル/日!しかしですね‥(苦笑)。

というわけでBathの温泉総本山へ突入です。とはいえこちらについて詳しい知識をお持ちでない方が圧倒的多数だと思われますので(自分もそうでした)ここでちょいと説明をば。実はヨーロッパの歴史については全然詳しくないのですが‥。

ちょうど今から約2000年前、古代ローマ帝国がイギリスに侵攻し、スコットランドを除くイギリス全土を自らの版図としたわけです。古今東西の歴史を見ればわかる通り征服者は自らの文化を現地に移植しようとし、それが時と場合によってはその地域の文化に根を下ろすというのは、フランスの旧植民地におけるフランスパン食文化をみればおわかりでしょう(カンボジアのプノンペンなどはその好例です=朝、焼きたてのフランスパンはものすごく美味しい!)。

で、古代ローマ人は「入浴」を好んだようです。ちなみにこの場合の「入浴」ですが、たとえば日本でも江戸時代初期には今でいうサウナ、すなわち蒸し風呂がメインだったものが、中後期になると「湯浴」が基本形となったようです。しかし古代ローマ人は何と蒸し風呂と湯浴それぞれを楽しんでいたようなのですよ。しかも紀元前の時代から!

その古代ローマ人がここバースに作った温浴施設、言ってみれば「2000年前のスーパー銭湯」が現在の「The Roman Baths」というわけです。あ、スーパー銭湯は温泉由来じゃないから、うーん、スパリゾートハワイアンズみたいなもんか!しかもしつこいですが2000年も前に!

文章ばかりになってきたのでそろそろ先に進みましょう。チケット売り場で「Fashion Museum」とのペアチケット(ローマンバスのみ=£12.50、ペアチケット=£15.00)を何だか勢いで購入し(笑)、そのあといきなり目の前に現れたのは‥温泉プール!



大きいのは石像の影、手を上げているのはおしんこどん、その間の小さな頭がTakema(笑)。実態世界を表す1枚?

あ、一応仲はいいのでご安心を。ただし「とある理由で」突然不機嫌になったりするTakemaなんですが、この時点ではまだ大丈夫でした(笑)。右上画像マウスオンで仲むつまじい2人画像に変わります。

ところでこの巨大露天湯にはその昔屋根があったそうですが今はご覧の通りのオープン露天です。でも‥それこそ1500-2000年前、この広さの温浴エリアに「大屋根」を支柱なしで架ける技術があったとは‥古代ローマ帝国恐るべしです。



こちらは往時の復元模型ですが‥おお、泳いでますね(笑)。薪をくべている奴隷氏も(おそらく=右上画像マウスオン)。

しかし、このあたりでTakemaの堪忍袋の緒が好き勝手に切れました(笑)。Takema46才、年を追うごとに「人混みが大嫌い」になりつつあるわたしは、あまりの混雑にどんどん不機嫌になっていったのであります。

一方おしんこどんは興味津々で「日本語対応イヤホン」に聞き入っています。そんなわけで「自分は先に行くけれど、ゆっくり来ていいからね」と声をかけた上でずんずんずんっと。で、唯一足をとめてじっくり見たのが源泉の流れ出し口だったのであります。でもそのあとすぐに「源泉のプール」へ。開放的なここがやっぱり一番落ち着けます。目の前は温泉だし!と、ここで思いがけない&現代イギリスの温泉文化の浅さをまのあたりにする表示を目にしたのでありました!



左上画像が「足湯はダメ」という意味であるのはすぐわかりましたが、緑丸の絵はよくわかりません。男性が持っている黒い棒って?電話?(いや、どうやら無料で貸し出されるオーディオガイド機器でしょう)。要は見るだけ限定ということのようです。しかし足湯くらいどうしていけないんでしょ?さすがに全身浴はともかくとして(笑)、と思ったら、かつて有害なバクテリアが繁殖したことがあったためなのだとか。

この「お湯タッチ禁止」はよく守られているようで、しばらく見ていましたが誰1人として足湯はおろか手湯すらしていません。くぅー、せっかくの湯を目の前にしてせめて「へー、あったかいねー」くらいは誰だってやりたくなるはずなのにそれを禁止するとは!かの孔子も「見義不為無湯也(義を見てせざるは湯なきなり)」と言っているというのに(うそです。正しくは「湯」ではなく「勇」ですね)、何という残念なことでしょう。ちなみに係員が結構な頻度でうろうろしているのは不法行為抑止のため?(笑)。

ちなみに近年のイギリスではバスタブを使った入浴がどんどんすたれているらしく、「シャワーで身体を洗ってオシマイ」という方面へとどんどん流れているそうです。ああ英国紳士&淑女の皆様、そんなことでいいんでしょうか!



左上画像の階段の脇にもご丁寧に「湯に触るな」の注意書きが。

建物の奥からは湧出したばかりの源泉がとうとうと流れ込んできています。温度を測ってみると‥おお、42.9度とまさに適温バリバリなのに!あ、ところで湯に触れたのはあくまで温度計の計測部分だけで、手や指は触れていませんよ(強く主張)。それにしても赤さび色の析出物からするに鉄泉系の湯なのでしょうか?

ついでにいえば、温泉プールの湯の色が薄緑色なのは元々の湯の色ではなく、内部で繁殖している藻の色なのだそうです。そうと聞けば興ざめな気になってしまいますが、絵的にはいい感じの色合いですよね。ちなみにプール表面の湯温は34.5度でした。

さてしかし!ここバースには近年(2006)、「サーメ バース スパ(Thermae Bath Spa)」なる入浴施設ができたというのであります!3つの源泉から日量100万リットル以上の湧出を誇るというここバース温泉、まさか怒涛のかけ流し個室設備があったりしたら感動しちゃうのですがソンナモノハナイっ!(笑)。

さて、2時間利用で£24(3200円くらい。高い!)という料金を支払い、水着に着替え、エレベーターでまずは屋内のプールのドアを開けてみると‥

やっぱりイギリスの温泉施設といえばこんなものなのかと落胆した次第です。しかも、まぁとりあえずということで右上の写真を撮った直後係員氏が来てTakemaに「注意」。

もちろん理由までは聞きませんでしたがとにかく撮影禁止だったのは事実(そんな掲示、どこかにあったのかなぁ。全然気づかなかったんですが)。しかしそれにしてもアホくさ!どう見ても地元住民向けではない観光施設なのに、観光客にさえ旅行中の楽しき記念写真を撮らせないというバカ方針に唖然とし、まぁそれでも屋上露天プールとか蒸し風呂とかの利用施設に一通りは行きましたが(だって料金が料金ですから‥=貧乏クサっ!)、正直言って不満の残る施設でしたー。ある種塩素臭は覚悟していた面もありますが‥。そんなわけで、

「二度と行くまいサーメ・バース・スパ」 「二度と行くまいサーメ・バース・スパ」 「二度と行くまいサーメ・バース・スパ」

それにしても、豊富な湧出量&湯温の温泉であるならば、それこそタイの温泉地のように「個室風呂」を作り、お客ごとに湯を入れ替える方式を採ればいいのに。「みんなでワイワイ裸のお付き合い」という入浴文化を持たないイギリスであればこそと思うんですけれどね。とにかく残念きわまりなし、ついでに言えば屋上プールには結構長く浸かっていたにもかかわらずポカポカ感はあまり持続しませんでした。

さてこのあとは純粋にバース市内の観光とまいりましょう。拙サイトとしては非常に珍しい「メジャー観光地での観光」となります。でも実はこういうのが一番苦手なんだよなぁ(苦笑)。



だって、こういう絵ってどう考えても皆さんTakemaに期待していないでしょ?(笑)。



しかし結婚前のおしんこどんはこういう世界が大好きだったそうです(右上画像)。あ、今でもそうなのか?



しかしTakemaはこういう感じの方が好きなんですよね(右上画像)。それにしても巨大な木っ!

続いてはロイヤルクレセントへ。弧状というか三日月型の建物は公共の建物(官庁系)かと思ったのですが、何と集合住宅なのですね。しかもこれで30軒ほど!なるほどそれで建物が多少「まだら模様」になっているのも納得です。この区画が1軒分ということなのでしょう。

と、ここでもいつものようにジャンプしてみたのですが、久々にこれはTakemaの勝ちでしょという好ジャンプをすることが出来ました(上画像マウスオンと左下画像を比較してみてください)。と、ここでグループで来ていた中国系の若者グループが発奮!「われわれもやろうぜ」という流れになったのか「いっせーのせっ!」でジャンプしておりました(笑)。目指せ無意味なジャンプの輪!(笑)。

さてこのあとは普通に市内観光というか、まぁ駅方面に向けてぶらぶらと。市街のあちこちに意匠を凝らした動物のオブジェがあっていい感じです。



おしんこどん、ようやく「あなたが好む旅」に近くなってきましたよ。右のオブジェは一番のお気に入りとか。



大聖堂も見学。時間が遅くなってきたのであまり見学者は多くありませんでした。

さて大聖堂を出たころには17:00近くになっていたのですが、ふと気づけば周辺のお店が見る見るうちに閉店していく!さすが日本とは違い閉店時間が早いです。と、ここで大問題が。今日の宿も夕食は付いていないため市内で食べてから宿に向かう腹づもりだったのですが、見ると「あの店にしようか」と目星を付けていた店も掃除を始めちゃって閉店作業中。これは困った!と、ここでひらめいたっ!

聡明な皆様ならご存じの通り、パブはビールのみならず各種アルコールドリンク、さらにソフトドリンクも置いているだけでなく、時間帯にもよりますが食事を注文できるところがほとんどなのです。それに「17:00で閉まるパブ」なんてないでしょうから、さーて探せ、パブを探せ!

市内のメインストリートはきれいに整備されすぎてパブの気配もなかったのですが、ちょっと外れのあたりにようやく1軒発見!(翌日中心部にもう1軒見つけました)。そういうわけでビールとともに食事も注文。



特に左上画像のミックスグリルは肉の下にまた肉が系の超級ボリュームで、おしんこどんとのシェアだったから何とかなったものの、Takema1人では食べきれなかったことでしょう。で、3パイントのビールに上記2品を頼んで£16ちょい(約2000円)とは!安くて美味しい庶民の味方!十分にタンノーし大満足で店をあとにした次第です。

さて荷物を受け取り、中心街とは反対側にある今日の宿「Cheriton House B&B」を目指します。しかし駅の反対側って丘なんですよね。というわけで坂道をへーこらへーこらと登っていく道のりは長かった‥(笑)。

へばるおしんこどんとともに何とか到着。チェックインを済ませて通された部屋は屋根付きベッドのあるなかなかの部屋。そりゃちょいと高めの部屋を予約していましたからね。建物の裏には小さいけれどよく手入れされたガーデンもあり、うん、いい感じ。

この宿には連泊するのですが、明日はツアーに乗っかる関係上朝食の時間に間に合わないか?ということを申し上げたら、「では7:30に軽食をお届けします」とのこと。翌朝それより少し早く部屋のドアを開けたら、もうすでにシリアルやフルーツなどの載せられたプレートが部屋の前に置かれておりました(右上画像マウスオン)。

というわけで、翌日は安直かつ一番効率的な「ツアーバス」で観光しちゃいます。
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