− アイスランド2010夏(45 最後のシンガポール編その1) 熱帯ど真ん中の自噴温泉「センバワン温泉」にて〆湯 −

そんなわけでヒースローを飛び立ったシンガポール航空A380はもちろん一路シンガポールを目指して飛んでいくのであります。前ページにも書きましたが、往路に比べてかなり安らかにゆっくり眠れました。もちろん時差はあるはずですが、どうせ「眠い」と自覚する前にまた夜行便に乗り込むので何とかなるでしょう(笑)。

ということでシンガポールには14:10頃に到着。成田行き出発の23:45までにはたっぷり時間があるので、「シンガポールの湯」をタンノーしゆっくりした上で帰国しようという目論見なのであります。と、イミグレに行く前に念のためトランジットカウンターに行き成田行きの発着時刻を問い合わせてみると、時刻は変更ないながらもヒースローで席番確定の上で発券されたSIN -NRTのボーディングパスにしっかりハンコを押されました。要は「チャンギでも乗り継ぎ確認済み」のハンコなのでしょうが、このハンコがあるのとないのとではどのような違いがあるのでしょうか?もし「同じ時間をずっと空港内ホテルで過ごす」というような計画であれば、すでに座席確定のボーディングパスゆえ絶対に乗り継ぎカウンターには行かなかったと思うのですが‥。

で、イミグレを通過して入国したところで右上画像のようなプラカードを持ったお兄ちゃんに「こんにちは、ユース五輪関係者の方ですか?」と声を掛けられました。でもその関係者各氏であればデイパック1つで入国してくるはずはないですね(笑)。そんなわけでお兄ちゃんに御願いして写真を撮らせてもらいました(全然脈絡ナシ)。それにしてもシンガポールは小国とはいえ十分に夏期のオリンピックを開催する国力もインフラもあると思うのですが、やはり「赤道直下」が大ネックなんでしょうね。そう考えるとこの近隣では‥政情が安定したらタイはどうなのか、12月あたりは気温的にもちょうどいいと思うぞ。暑くていい種目はインフラの整ったバンコクで、マラソンなんかは午前中のチェンマイでどうだろう!‥でも、今のところは夢のまた夢なのかも(苦笑)。

さて話をシンガポールに戻します。これから行くセンバワン(Sembawang)温泉は1908年に掘り当てられたそうですが、その詳細についてはのちほどゆっくりと説明することとして、まずは目的地付近までタクシーで向かうことにします。空港のタクシー乗り場で、地図上の位置と周辺の画像(ネット上の情報)をコピーしてきた紙を見せて「ここ知ってますか?」と聞いてみると、最初のタクシードライバー氏は英語がそれほど堪能でないのかどうも意味不明です。

その次のタクシードライバーに聞いてみると、「知っているよ」とのことでこの方に御願いすることに。何でもこの方の自宅はこの温泉に行く途中にあるのだとかでこれなら安心。で、移動中にドライバー氏と話していたら「さっきのタクシー(グリーン塗装)ではクレジットカードによる支払いが出来ない」のだとか。そういえばさっきのドライバー氏はそんなことも言ってたなぁと思い出しました。

というわけで温泉入口のすぐ前に到着。空港チャージも入れてS$24.58でした。が、今調べていてこんな情報を見つけました。

あれれそうだったの?えーっとレシートは捨てずに残しているはず‥うーん見つからないぞ(残念)。まぁ過ぎた話だしあまり気にしないことにしましょう。

で、到着地点で数枚パチリ。と、その瞬間、たまたま?自転車で通り過ぎていったはずの男性がすぐ先で止まり、Takemaの所に戻ってきて次のようにおっしゃいました。

ええ?と思った瞬間、自分の迂闊さに反省しました。それもそのはず、Takemaが撮影していた画像は実はシンガポール軍の基地入口だったのです。軍施設となれば当然色々な制約があってしかるべきですからね。国が国であればそのまま拘束されて大変なことにもなりかねないところでした。シンガポールでよかった‥。

ちなみにこの方に「温泉に来たのですが、温泉エリアの撮影は?」と聞いてみると、「あそこは軍の敷地ではないのでエリア内での撮影は問題ありません」とのことでした。それはよかった(笑)。

ちなみにこの温泉、軍用地に隣接しているというより、軍用地の中に飛び地のように存在していると言った方が正しいです。右上画像の奥の小道を行くのですがその両サイドは厳重にガードされており、そのところどころにはシンガポールの公用語である4ヶ国語での警告表示があったりします。



左上画像の鉄条網は右側の奥にも設置されています。それにしてもわれわれがこんなところに来ていいのでしょうか?(笑)。

その細道(ただししっかり整備されています)をたどり、直角に曲がって少し行った先にあったのは!



おお、源泉施設?を中心とした広場でありました!

中央の建物内には入れません(内部はかなりむわっとしていて、また浴槽状の設備があるようでしたが、源泉温度が高いので入浴可能なはずもありません)。そのかわりというか、園内の3箇所に源泉蛇口が(それぞれに複数)設置されています。そのうちの1箇所には先客さんがいなかったようなのでそこに陣取ることに。

源泉蛇口のエリアにはプラスチック製のバケツがいくつも置かれており、そのうちのいくつかにはしばらく前に汲まれたものかぬるくなった湯が溜められています。しかしこれがここセンバワンの温泉を楽しむ上での「必須アイテム」なのであります。

ここの源泉は誰でも自由に汲んだり足湯を楽しんだりすることが出来るわけですが唯一(そして最大の)難点があるのです。それについて説明するために、まずは次の画像をご覧下さい。



源泉蛇口から流れ出る湯は無色透明、そしてその湯温たるや驚きの55.5度!

そしてこの源泉はブース全ての蛇口(4つ)を捻っても湯の勢いはあまり衰えず、しかも全部で3ブースあるのですからここセンバワン(Sembawang)温泉の源泉は至って豊富なのでしょうね。でもしかし、上でも書いたようにこの温泉を利用する際にはとても気をつけなければいけないことがあるのです。それは‥

そう、ここは源泉給湯のみの施設でありその他一切の付帯設備がないのです。だから‥

そんなわけで手近にあるバケツ全てに湯を汲んで、自分たち&あとから来るお客さんのための準備です。実はこの時の後客さんは思いがけないグループだったわけですが(笑)。

そんなわけで全ての汲み置き準備終了です。左上画像ではおしんこどんがバケツの縁に足を掛けていますが、これは「まだまだ熱い」からなんですね。で、意を決したのか足を浸けて身じろぎもせず。しかしその湯温はといえば‥ご覧の通り47度を超えています。足湯とはいえスゴイ世界です。ちなみにこの時の外気温はといえばさすがシンガポール、夕方にもかかわらず!(右上画像マウスオン)。うーん、夕方の日陰にもかかわらずこの気温でこの湯温の足湯‥おしんこどんはよく頑張ってますな(笑)。

さてここで、この「Sembawang温泉」について現地に書かれていた内容を要約というか意訳してご説明いたしましょう。なお原文には書かれていない内容をも含むことをご了承下さい。



園内にあった説明板。この温泉の歴史について詳しく説明されています。


【 Sembawang Hot Spring 】

この温泉は当局担当者により1908年に発見されました。その当時この地は中国系の人物(以下S氏)の所有地でしたが、S氏はこの温泉の商業利用の道を探るため源泉サンプルをヨーロッパに送り、その結果この温泉が飲用に適する(飲泉による温泉効果が認められる)と判断されたことにより温泉水の輸出会社を設立し、1909年から販売を開始しました。

日本による占領時代(1942-1945)、この場所には温浴施設が作られましたが1944年には連合軍の爆撃により一部破壊を受けました。

戦後1960年代になると、かつてをはるかにしのぐ量の温泉水ボトリングの施設が建設されました。その一方でこの豊富な湯を利用した温浴施設計画も立案されましたが、結局実現することはありませんでした。

1985年、この温泉地を含む一帯がシンガポール空軍の用地として接収されましたが、2002年5月からは現在のようにこの温泉地部分だけが限定的に一般公開されています。なお利用時間は7:00 − 19:00で、それ以外の時間は閉鎖されます。


それでは、そろそろ「入浴の儀」とまいりましょうか。え?「入浴と言ったって足湯しかできないだろ」って?しかし地元の常連さんはなぜか皆さん海パン1枚になっておられるわけですよ。それはなぜかというと‥

左上画像は常連さんからの実地指導を受けているTakemaです。「ほら、このコンクリの凹み部分全体に湯を流してごらん、排水溝のところにビニールをかませば湯はすぐに全部流れちゃうわけではないだろ、湯がたまっている間に十分温まったコンクリに寝転がると気持ちいいんだ。時々身体に湯をかけてな」というようなアドバイスだったと思います。ちなみに左上画像にマウスオンすると「かけ湯中」という名のアビルマンTakema画像に変わります(笑)。

なおもちろん飲泉もしてみたのですが(右上画像マウスオン)、うっすらと金気臭が感じられるものの基本的に無味でした。おしんこどんは「ドブ味系の風味というか味わい」があると言ってました)。ちなみに詳しい泉質はわかりませんが、どうやら塩化物と硫化物の含有率が高いそうです。

この常連さんからの情報によると、この塀の向こう側=軍用地側にも2-3箇所源泉があるそうで、そちらは軍関係者御用達ということなのでしょうか?(笑)。



これ、何だかものすごく懐かしいモノを見た気がします(笑)。子どもの頃にやったなー、捕獲ゼロでしたが。

さて、われわれ(というかTakema。おしんこどんは足湯のみ)がとりあえずここセンバワンの湯をタンノーしてくつろいでいると、中学生らしき3人組がやってきました。彼らも常連?いや、本当の常連さんから入浴指導を受けていたところをみると初めてなのかな?制服の上半身を脱ぎ、さっきまでのTakemaと同じように湯浴みを開始しました(笑)。こっそり熱い湯を掛けて「アチチっ!何すんだよ!」系のいたずらをし合ったりして、いやぁいかにも中学生男子という感じのノリが何だかほほえましいぞ。



しかし気になるんですよ。その制服のズボン、濡れたまま帰るの?おかーさんに怒られないのかしらん?(余計なお世話か)。

「センバワン温泉全景&中学生のまったり湯浴(笑)」
それにしてもこのぐらいの年頃の男子ってまさにこんな感じですね。何だか鳥の鳴き声みたいな少年の擬声も聞こえてきますが、つまりはかなり楽しんでいることがよーくわかります(笑)。

そんなわけでセンバワン温泉をあとに‥いや、まだしません!このあと、ときめく出会いとトキメキ湯が待っていたのであります!しかしアイスランド編、ここまで来てなかなか終わりになりませんね(苦笑)。
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