- 2011年末NZその9 悲しきグレイマウス周辺を通過、野湯ロストのあと慌ててフォックスグレイシャーへ -



そんなわけで出発です。この界隈は森の伐採もされておらず森の中をスイスイっと。

さてこの日の目的地は長駆フォックスグレイシャー(Fox Glacier)まで移動距離320km!しかも14:50にこの日のメインアクティビティ予約を入れていることもありそうそうのんびりもしていられません。下手をすると先日のホエールウォッチングと同様に駆け込みエントリーとなってしまうので時間には余裕を持っていかなきゃ‥(しかし予想通り「思いと現実は反作用」したのでありました)。

スプリングジャンクションに到着して最初の給油。ん?あれれボタンを押してもポンプが動かない?幸いこちらのスタンド(Petrol Station)は有人なので「すみませーん」というわけで教えていただきました。件の男性、「こうやるんだよ」と丁寧に教えて下さいましたが、それって隣のポンプだったんですよね。結局自分の操作の何が間違っていたのかはわからずじまい(笑)。

そんなわけでまずは西海岸最大の町であるグレイマウス(Greymouth)目指して進みます。交通量は以前の記憶通り極少で全く問題ありません。最初はガスっていたのですが、左上画像のようにみるみるうちに雲が取れ始めるとあとは快晴の悦楽天気に。懸念していた西海岸の天気なのですが、おーいこんなにいい天気ってあまりに嬉しすぎるんですがっ!これならこの日Foxでのアクティビティも大丈夫かな、もうお金払ってあるんですから(笑)。

沿道には結構な頻度で右上画像の花(ジキタリス)が咲いておりました。でも道を離れた場所にはほとんど見かけなかったしこの花ももしかしたら外来種なのかな。ちなみに南へ向かえば向かうほど少なくなりましたっけ。

Ahauraという町で休憩。グレイマウス周辺の西海岸はかつてゴールドラッシュで栄えたエリアですが、今は「強者どもが夢のあと」という静かなというか何となくもの淋しい地域なんですよね。ところで忘れている人も多いと思いますが、かのチリの落盤事故救出のあと、2010年11月19日にこの地域のパイク・リバー炭坑で爆発事故が起き29名が犠牲になりました。炭鉱の場所はグレイマウスの北西46kmということですから‥うわ、まさにこのあたりなんだぁ。
今調べてみてわかったことですが、技術的困難からかの爆発事故後今に至るまで犠牲者の搬出は行われておらず、いまだ地底に閉じ込められたままということです。ご冥福をお祈りいたします。ただしこのまま封鎖というわけではなく、2013年末の救出作業再開を目指した準備作業が行われているようですが‥難しい気がしないでもありません。



ちなみに鉱山関係の遺物がこのエリアのところどころに保存展示されていました。

さてグレイマウスでお手洗い‥と思ったんですが、街が大きすぎてすぐにはトイレが見つからないっ!そんなわけで郊外にあったホームセンターへピットイン、お手洗いお借りしまーす(笑)。ついでにNZのDIY事情を視察いたしました。うーむ相変わらずBBQ関係は充実してますねー。その他にも買って帰りたくなるものがいくつかありましたが、電圧とか検疫とかいろんなことで引っかかりそうなのでパスしました。

途中鉄道との併用橋のワンレーンブリッジを通過。覆いをかぶせての工事中でしたが、ここ、1999のバイクツーリング時に濡れたレールにタイヤを乗せてしまいツルッときて冷や汗かいた所なんだよなぁ。橋上からの景色が見えなくて残念。
「この日ここまでの道中ダイジェスト」

とはいえあんまり意味のない動画かも。最後は目隠しされた共用橋です。
さらに進んでいきますが、そういやお昼ご飯食べてないぞ、そしてここから先には集落そのものが極端に少なくなってしまうのでどうしよう‥おっと、Rossの町の入口付近にカフェバー発見!(よかった)。ミートパイと飲み物を買って‥地図を見ると海に続く道路があるみたいなので、よーし海岸でランチといたしましょ。



Takemaは「S」のステーキパイ、おしんこどんはビーフシチューのパイ。味はおしんこどんの勝ちですな。よって意味なくジャンプ&‥

Rossの町を過ぎるといよいよ民家が少なくなり、そのかわりに森の中の道を行くようになります。西海岸は降水量が多いこともあり(この日はご覧の通りの上天気でしたが)下草はシダやらコケやらが満載。木の高さが高いこともあって、温帯というよりは亜熱帯のどこかを走っているような錯覚に陥ります。

と、ここで何やらドクロマークの物騒な看板発見。え、なになに?「酢酸ナトリウムだかなんだかの薬品が過去50年にわたってこのエリアの野生動物を駆除してきた」というのはわかりますが、これは「そのような駆除行為に対する批判看板」なのか、それとも単に「危険エリアだから入るなという警告的意味」なのかがよくわかりません。と思ったら、草に隠れるような低い位置に「DOC(環境保全局)」の文字が見えていました。どうやら単なる警告のようですね。
ちなみに「酢酸ナトリウム」についてちょっと調べてみたら、「カイロにも使われている物質で人体には無害」とありました。でも「Fluoroacetate」が(紙の)辞書にも出ていないんですが‥そんなわけでもうちょっと(ネットで)調べてみたら、正しくは「モノフルオロ酢酸ナトリウム(CH2FCOONa)」という物質で、殺鼠剤等に使われているようです。wikiには「NZではポッサムの駆除に使用」と書かれていました。なるほどね。
さて、「14:50にフォックス氷河でのアクティビティ予約をしているので急がなきゃ」というのにもかかわらず、なぜかHarihariの町の手前で細道へと進入するTakema&おしんこどんでありました。

細道はやがて舗装も切れてダート路へ、そしてさらに進むと道も荒れ気味の様相を呈してきましたがこういうこともあろうかと四駆&地上高の高いRav4を借りているんです(笑)。でもちょっと意外というかいやーな予感を抱きつつ車道終点へ。

ここからは歩くしかないようです。と、こんな場所でありながら何とすぐあとに車が到着。降りてきたカップルはすでに長靴を着用し手にはスコップ‥。

「目指すはアメジスト野湯ですか?」と聞いてみるとやはりそうだとのこと。しかしこのお2人もここから先の細かな情報についてはあまり詳しくないようで「現地で探索第一主義」という感じです。さーてそれではわれわれが持参した秋場さん情報が役立つのか、それとも彼らの行動力が功を奏すのか、ま、お互い協力しながらと思っていたら‥あのぉ、2人してずんずん踏み分け道を上流方面に歩いて行っちゃったんですが(笑)。

しかし、後追いでしばし進んだところで歩みを止めたTakemaです。

秋場さんサイトの情報では「車を止めた場所から徒歩2分」とありますが(だから行こうと思ったわけですね)、草原を歩いていく彼らはすでにもう5分以上歩いているはずです(間もなく樹林帯に入って見えなくなる感じでした)。そしてその道ですが‥

一応草原の中を踏み分けた道はあるんです(左上画像はその道を進むカップルの女性=男性はさらに先に行ったので見えません)。でも右上画像を見て下さい。「本来の歩道」がスパッとなくなっているのがわかりますよね。浸食で立派な歩道が完全になくなっているのです。その先は3m弱くらいの崖になっていました。

マルイア温泉でも「しばらく前の豪雨で川の流れが大きく変わってしまった」という話は耳にしていました。そしてこのアメジスト野湯も河原にあったということでした。この日の川の流れは穏やかでしたが、もしかして豪雨により流れが大きく変わってしまっているとすれば‥

という疑念を抱かずを得ないのでありますよ。そんなわけでとりあえずは車まで戻ることにしたわけです。
「アメジスト野湯断念の瞬間」

なぜか全然サンドフライはいないし、気持ちいい場所だったんですが。

で、駐車エリアまで戻ってみてみると‥。右上画像の右側にはゲートがありますよね!ゲートがあるということはその先に有益な何かがあるんじゃないですか?ほとんど今シーズンは誰も進入していないようでしたが入ってみると‥

源泉が湧き出ていると思われる河原からは数m高い位置にあるのでさすがに湯の供給はありませんでしたが(笑)、「この界隈にコレがあるということは何かがあるということだ!」ということで意気揚々と河原に降りていくと(右上画像マウスオン)。

そんなわけでアメジスト野湯は残念ながらロストっ!もうなくなっちゃったんだなぁとわが心を慰めて‥。

ちなみにこちらのページには、「アメジスト野湯のひろーい手作り湯船にゆったりと浸かる」画像が掲載されています。画像とも2009年1月のもののようですが、少なくとも2011年5月までは存在していたようです。嗚呼遅かりしTakema‥しかし話はここで終わらないのでありますよ(笑)。

今こうしていろいろな情報ソースを見直してみると‥現地で会ったカップルと合わせ、われわれもまた大きな判断ミスを犯していたことが判明したのであります!それは‥

林道終点から歩き出すんじゃなくて、あるランドマークから200m進んだあたりに踏み分け道?(じぇんじぇん考えもしませんでした)。‥もうこれ以上のコメントは不要でしょう。とにかく「アメジスト野湯」は今でも存在している可能性があるということです。ただし正直言ってNZ南島の主要都市からは相当遠い場所にありますので、日程に余裕がないと行きにくいかもしれません(笑)。

無念の思いを携えつつHarihariの町へ。ここもまた本当に小さな町なんですが、この日はクリスマスイブゆえか、とあるお宅には「あまりにもリアルなサンタクロース人生」が綴られておりました(笑)。
歩道で酔いつぶれたサンタさんがまず目に入ります(笑)。思わず車を止めてよーく観察してみると‥釣りのまっ最中に寝てしまった&本職を忘れて船で沖に出たサンタさんなど、かなり芸の細かい設定に心が和むわけですね(苦笑)。
ご自宅周辺にも平面系サンタ各氏が勢揃い。屋根の上にはしっかり定番サンタ、庭にもトナカイ&サンタ、そしてその奥には浮気心丸出しのサンタまでいたりします。これらを全てこちらの個人宅が演出しているわけで‥うーんやりますなー。
さてところでですね、このあたりでウルトラマンならぬTakemaのカラータイマーはそろそろ点滅を始めていたわけであります。上記Harihariで写真を撮っていたのが13:15、そしてそこからFox Glacierまでは88km。14:50のBooking Timeまではまだ1時間半ちょいあるかと思って油断していたわけであります。しかーししかしすっかり忘れてた!

「この界隈の道が、かつて1999バイクツーリングでBMWで走ったときに『クラッチを握る指がへろへろになる』ほどのワインディングだったことを!」



時には安全速度25km/hの急カーブも。とにかくワインディングが連続する山越えの道なんです。

1つ手前の集落であるフランツジョセフ氷河を通過したのがほぼジャスト14:00。フォックスからの出発時間は14:50、あと25kmを30分で行かれればいいかなと思いきや、この区間はさらに徹底的な山越えでキビシー!(大笑)。まったくもうこの車のナビが残り距離しか表示しないんだよという苦言は前の方でも書きましたが、ホントにこの時は「唸るエンジン減らない残りkm表示」でたまらなく不安になりました(笑)。

でも何とか14:30にフォックス到着。しかし小さな街とはいえいくつもの観光案内所兼アクティビティ主催のハンドラーがあるわけで、「われわれが予約している会社はどこなのよどれなのよ?」と走り回るTakema!あー、数日前のカイコウラもこんな感じだったぞ(笑)。しかも、案内所に行っても誰もいないところが大石内蔵助なのがさすがNZというべきなのか、いやほめてませーん!せめて誰かお茶でも飲んでてよーっ(大汗)。

結局駐車場近くの宿の人にバウチャーを見せたら「あ、それってウチの斜め向かいのあそこです」。はふーっ無駄な労力たっぷりでありましたわ(大苦笑)。

そんなわけでぐったりしつつもチェックイン完了!しかしどうやら出発までにはまだ余裕があったようなので(世の中ってえてしてこんなものです、ハイ)すこし界隈をうろうろ。お、天気図があったので見てみると‥(右上画像マウスオン)、

そんなわけで、次ページでは「晴れれば最高、中途半端は下手すりゃ地獄、雨ならサクっと中止」のとあるアクティビティに「最高のコンディションでイッテキマース」!
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