−2014/3 ボルネオ編 その13 ラワスでお昼ご飯&長い休憩のあといざテノム(Tenom)へ −



そんなわけでラワスに到着後は中華ランチとなりました。車はすぐ向かいの駐車帯に止められたので安心です(笑)。ただし車はドロドロだし(右上画像マウスオン)洗車しに行かなくていいのかなと思っていたわけですが、アンドリューさんは別の席で地元ならではのお友達とコーヒーを飲みながら談笑中。まぁいいのかな?(とこの時は思っていました)。


こちらの食堂では選んだ料理を皿に盛ってもらうわけですが最大でも1プレートRM6(180円)と格安です。そんなわけでビールを注文してカンパーイ!(右上画像マウスオン)。それにしてもビールは熱帯で飲むとなぜこんなにおいしいんだろう、たぶんこのねっとり系空気が味付けしているからなんだろうな、ごくごくパクパクエコエコアザラク(意味不明)。

ふぅ、食べた食べたというところでアンドリューさんがこちらにやってきました。そして言うことには‥


え、ええーっ!?これから1時間待機ってこと?(以下心の中の声)だったら、われわれがこの食堂でオーダーするときにでもそう言ってくれた上でそのままCar Washに行ってくれれば、少なくとも30分は待ち時間が減らせたでしょうに、どうして??(以上心の声終了)。

まぁ、これもわれわれが「サラワクの方々の中に流れる時間の観念」を理解していないということなのでしょうが‥(以下心の中の声)ここからテノムまでは2時間くらいだっていうことだけれど、おそらく2時きっかりに出発ということはないだろうし(遅れることはあっても早まることはないだろうという意味で)、テノムでは地元産のコーヒーが飲めるショップがあるというので明るいうちに着いておきたいんだけれどなぁ、地方の町だし、午後4時過ぎとかの到着だとお店が閉まっていそうで微妙だなぁ(以上心の声終了)。

まぁしょうがないそれでも午後5時には着くだろうし。そんなわけでたった1時間ながら「放置プレイ」モードに陥ったわれわれ。それじゃあい町中をぶらぶらしてみましょうかね(そもそも嫌いじゃないし)。

しかし、歩き始めて数十秒もしないうちに、われわれは熱帯の午後の現実を身を以て実感することとなりました!


いやもちろん上画像だけからその強烈さをピエール、いや違ったアピールしようとしても詮無いことは覚悟の上ですが、それにしても日射しが痛いっ!まぁ考えてみれば1日の中でもいちばん暑い13:00-14:00の間に日なたを歩くなんて人はほとんどおらず、いたとしても特に女性の場合はかなりの確率で日傘を開いておりました。おーい大丈夫かぁおしんこどん?(笑)。

そんな中、このトウモロコシのオブジェはなんだろかと思って近づいていくと‥(右上画像マウスオン)、



しかし午後1時をとうに回った市場はすでに閑散、そりゃそうですよね。せめて午前中でなくちゃ‥。まぁ、海に近い町なので魚市場をちょこっとだけ見られただけよかったかな。そうそう、待ち時間があるということを先に知らせてもらっていれば、散歩がてらここの2Fにあるフードコートで食べればよかったわけで、さっきの食堂で食べるという必然性はなかったというか時間のロスだったわけですよねぇ(ぶつぶつ)。したがって唯一時間をつぶせそうだったフードコート(小さいけど)にも立ち寄らずに再び灼熱世界へ。


結局、アンドリューさんが「あの向こうにハンドクラフトショップがありますよ」と言っていたお店も見つからず、まさにただ歩くだけのお散歩となってしまいました。と、中心部の道路沿いにあずまやがあったので時間つぶしのStray Sheep状態。もっとも日陰でまぁまぁ快適だったからか(雨が降っていないからか湿度は高くなかったので)、おしんこどんは横になって寝てしまいましたとさ(Takemaは身辺警備という名の長め喫煙タイム)。

さて時間になったので食堂前に移動しましたが予想通りアンドリューさんの姿はなく、また頼みの食堂も昼の部の営業を終えて閉店してしまっていました。再度ビールを飲みながら待つという最後の手段も封印され、立ちんぼで待つこと約15分ちょい、ようやくやってきましたよ(想像通りともいう)。

しかしここで「サブドライバーをピックアップしに行くんで」ということでまたも寄り道。あーアンドリューさん、「安藤流」というか「安堵龍」というべきなのか、いや今の2つの当て字に全然意味はないんですがお願い早く出発してーっ(笑)。

結局ラワスの町を出発したのは14:50ころ。うーんもういいや、なるようにしかなりません(諦観モード)。


ただしここからは順調に走ります(当然)。ちなみにサバ側からラワスにくる場合、市街地手前にある並木道はなかなかいい雰囲気です。エアコン車で来る限り、涼しい車内からみるその景色は「ここはNZのクイーンズタウン周辺か?」と錯覚することもできます(笑)。ラワスの町って規模といい雰囲気といいなかなかの風情だな(同じことをサバ州側最寄りの町であるシピタンにも感じました)。

原木積載車を大型トラックが追い抜いていきます(当然われわれの車も追尾行動中)。この先の左側に加工工場があるはずなんですよね。


途中に架かる橋はOne Lane Bridgeでしたが、ご覧のように現在新橋の建設真っ最中。開発途上国だとこういうプロジェクトに日本のODAが絡んでいたりするのですが、もはやそんな発展レベルではないマレーシアですからもちろんそんな気配などは感じられませんでした。参考までに日本とマレーシアにおける最近のODA関係ですとこういうのとかこういうのとか。うーん、次のステップに進んでいるようではありますが、一方で本当にそれを「指導」できるほど日本のシステムや技術は進んでるのかなと?(あ、しがらみ既得権系の日本ではもはやできない方策をマレーシアで提案し実行していくという実験的意味もあるのかも)。

往路で景色を見ていたときに「ここだ!」と思っていた場所で車を止めてもらいました。右上の画像では手前の斜面から地平線の先まで一面にアブラヤシのプランテーションが広がっています。このような光景は別にここに限らずマレーシアではある意味デフォルトの風景というべきか、たとえばKK−ラハダトゥを結ぶ飛行機の車窓から見えるのはずっとこんな景色だったりするわけです。

これが「マレーシアの選択」なのですから部外者であるわたしがとやかく口を挟むべきではないのですが、ひと言だけ思うことを書くならば‥「これは果たして持続可能な営農形態なのか?」。

アブラヤシは葉を広く茂らせるために地面にはあまり太陽の光が届かず、植生はどんどん貧困になります。またその成長&結実の過程で土の養分を吸い上げるため、貧栄養の土壌に。しかも木としての平均寿命は約15年。

森を伐採した最初の段階ではもちろんそこそこの栄養があった土ですが(ただし、確か熱帯雨林の土は分解が早く進みすぎるために表土のみが富栄養でありその下部はすぐに礫層及び岩盤である、そのため大木も深く根を張れないため「板根」により倒壊を防いでいる、という話を聞いたことがあります)‥


というようなところが気にかかるのです。もっともすでに世代交代は進んでいるようですし、現段階としては特に大きな問題ではないのかも知れません。しかし‥


アブラヤシに頼りすぎる農業経済は実は非常に不安定だということなのです。かつて「スズ鉱石の産出」というモノカルチャー系植民地経営をやられて痛い目をみたマレーシアならそのあたりのバランスはわかっていることと信じますが‥(そもそもマレー半島側の首都KLも、もともとはスズの鉱山開鉱で出来た町から始まったのですから)。

はい話を戻しましょう、このペースでいくと気がつけば「デビルマンとデスラー総統が偶然同じ海鮮居酒屋のカウンターで隣り合わせで飲んでいるうち芋焼酎談義をきっかけに宇宙征服で意気投合♪」なんて話にも進みかねません(そんなバナナ)。


州境のイミグレを通り抜けた上でシピタン(Sipitang)手前を右折して山の方に向かいますがご覧のように片側一車線の舗装道路なので何の問題も‥うーん結構大穴どどんとか大ギャップがあったりするので気をつけましょう(笑)。

ちなみにこちらのエリアでも原木の搬出トレーラーが行き来しておりましたが‥圧倒的に木が細いですね(右上画像マウスオンでメララップ方面からのトレーラー画像に変わります)。


さてテノム方面への道なのですが実はそこそこの山を越える山岳道路なのです。それゆえに右上画像のように1車線が崩落している場所もありました。これって一番早急に修繕すべき箇所だと思うのですが、危険防止表示板をコンクリで固定した以外には何もやっていないように見えるのがコワイです。この状態になったらアスファルトの下は強度もないままどんどん崩落していくだろうに‥。

と、峠を越えてあとはテノムに下るばかり!と思ったところで、運転していたサブドライバーのお兄ちゃんがしばらく前から妙に徐行運転になったなと思っていたら、何か発言した上で駐車帯にピットイン。彼は英語が不得手ということで話しかけないでいたのですが‥アンドリューさんによると「タイヤの空気圧が高すぎるようです。調整した方がいいと思います」ということだったようです。


そんなわけでタイヤのエアを抜くアンドリューさんでありましたが‥わたしも日々車を運転している立場から言わせてもらえば「全然バンビーになったようには感じなかったよ」。この舗装路でそんなに圧が上がるかなぁ?ついでにいえば山道なのでスピードは出してないし、そもそも前日のオイル交換等(したらしい)のメンテ時に「このあとダートに入るのに」普通よりも圧を上げているはずもないし?

何だか不思議でしたがあえて質問はせず。というのも、すでにこの時点で16:20を回っており宿に着くころには17:00近いだろうということが容易に想像できたからです。コーヒーショップの訪問はどうやら断念せざるを得ず、もうどうでもいいやという諦観モード(苦笑)。


いよいよテノムの町が目前に迫ってきましたが、左上画像を見ればわかるとおり表示ではあと1kmで市街地なのにまだご覧のとおり長閑な風景、右上画像の橋を渡るとようやくテノムの町に入るというわけです。

さてしかし、町に入ってからアンドリューさんとサブドライバーくんがマレー語でいろいろ会話しています。これはもしかしてと思い「あのぉ、宿を探してるんですか?」と聞くとやはりそうだということ。確か画像で見たら大きく高い建物だったと思うのですが‥。そんなわけで町の人に聞いてみてびっくり!


それと察した瞬間、日本で予約を入れたとある旅行会社を恨みました(苦笑)。だってさ、「夕食は市街地の食堂で食べます。また翌朝は7:30発の列車に乗りますので駅に近い宿を」ということでお願いしていたのに、何でよりによって市街地から離れた宿なのさ!

まぁでもしょうがないのでチェックインしたのがほぼ17:00。しかしここでまた衝撃の事実を伝えられることに(笑)。




テノムコーヒーショップはとうの昔に諦めていましたが、山の中腹にこんなホテルをおっ建てたということはたぶんこの町では高級系のホテルですよね?なのにタクシーはまだともかくとして(地域事情による営業なので)、それならば有料でもいいから市街地とのシャトルサービスくらい出してもいいんじゃないの?何でにべもなく「ありません」ってあっけらかんと言えちゃうわけ?(この時は相当ショックが大きかった)。

ああ大失敗、だって自分でもネットで市内の宿は見つけていたんです。でも上の方で書いた条件により合う宿だと信じてそのまま宿の手配を頼んだわけですからね。ま、日本の旅行社経由で予約できる宿は大規模系が基本なんだってことを再確認した次第です(苦笑)。ただし結局は頼んだ方に責任があるんだよ(自戒)。

ついでにいえば「部屋で無線有線系のネット接続が出来るところ」を条件にしていたのにこれも全然クリアしておらずロビーだけだったっけ。自分が見つけていた宿では全室ネット接続OKを標榜しておりましたぞ。

しかしぶつぶつ愚痴ばかりを言っていてもしょうがない、目下の問題は「テノムのコーヒー購入、この日の夕飯、そして明朝の食事ならびにテノム駅までの足」なのであります!

まず夕食がらみなのですが、実はこの時まだアンドリューさんが別件で電話をしていたため「この車で市内まで」乗せてもらうことにしてもらい問題解決(よしよし)。テノムコーヒーが買えるかどうかは不明ですが夕食は何とかなるでしょう。そして帰りは‥登り坂を歩くしかないなぁ(くっそー)。そして明朝の話ですが、朝食は6:30に準備してもらえることに(よしよし)、そして7:00にテノム駅まで車を出してもらえることに!(それが出来るんだったら今日の夕食終了後も迎えに来てよぉ‥)。


そんなわけで、まぁいろんな人情味を見せてくれたアンドリューさんともここで(市内まで乗せてもらったあとで)お別れなのでパシャッとね。何だかいろいろな意見を書いちゃった気もしますが、基本的に細やかな気遣いをして下さる方ですし、時間については予めその旨を伝えておけばそれを優先してくれる人だと思いますので(たぶん)、またお願いしてもいいかなと。ただし繁忙期は避けた方がいい気もしたりして(笑)。

さて坂の下の町中まで乗せてもらった上でお別れをして‥。


すでに18:00近かったこともあり、テノムコーヒーの直売店までも閉まっていました(無念)。ついでにいえば市内のコーヒーショップもいくつか見つけましたがすべて営業終了シャッター完了。右上画像は24時間営業?の消防署、ちゃんと消防車が待機しておりました(右上画像マウスオン)。

最初市内に入ってきたとき「ここに食堂街があるな」と目星を付けていたところは全面マレー系だったので「夕食にはちょっと(ビールがね)」ということで、何だか懐かしい感じの商店街の奥にあった中華系食堂へ。でもテノムはさすがに田舎町というか、すでに一般商店はほぼ全て閉店しておりました。


そんなわけで安平食堂にチェックインしてタイガービールにて乾杯(笑)。しっかりとことん冷えていて美味しかった!ちなみに近隣にはTakemaと同類系のネーミング食堂もありましたが(左上画像マウスオン)、どうも流行っていない感じでした(苦笑)。


いやぁやっぱり中華はハズレがありません!最初頼んだ酢豚が美味しかったので同系味の豚肉を頼んだのですが全然飽きることなく食べちゃったし!そんなわけでビールもタンノーしてお会計のあとは‥




市内中心部にあるセブンイレブン交差点(左上画像マウスオン、ただし生鮮品やお弁当などの品揃えはなし)から宿まで、右上画像のような暗い道をずんずん上がっていくこと20分でようやく宿に戻ってきました。部屋からはしっかりテノム市街の夜景が拝める高さですからね(右上画像マウスオン)。エアコンを付けっぱなしにしていたので室内は快適でしたが、やっぱり市内の宿に泊まりたかったなぁ。

ちなみにロビーでは確かにネットに接続できたのですが、何とロビーの窓を満開モードにしているため蒸し暑いだけでなく虫が大挙して集合中!このホテルの経営は絶対に収益重視経費節約の中華資本に違いない!「目の前の経費節減によりさらに多くの利益を失う」構造になっていることに気付かないのかなぁ?もう泊まりに行かないからどうでもいいけど。

さて、翌日は「鉄路でKK(コタキナバル)」に戻ります!

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