− カナダユーコン準州でオーロラ観賞(5) まずはホワイトホース市内観光から −



ほーら爽やかな40代後半夫婦の画像でしょ(笑)。

そんなわけでこの日の午前中は11:00のチェックアウトまで思いきりまったり。いつもカナダに来ると数日間時差ボケに悩まされるのですが、バンクーバー到着後に市内お出かけで寝るどころじゃなかったこと、そしてそのまま強制的に3AMまで起き続けることを余儀なくされそのあと一気呵成に寝たことで、もう時差ボケどころの騒ぎじゃなく体内時計が強制的にリセットされましたわ(笑)。

ちなみにオーロラ観察の場合、当然のことですが「夜が勝負」なんです。ということは昼に寝て夜に起きていることが必須となるわけで、そうなると日本との時差-16時間のバンクーバーやホワイトホースの場合、日本時間感覚のまま夜更かしモードに入ればちょうどいいのかも知れませんね。



前夜泊まったホテル全景。空港直近なのでヘリ着陸も間近に眺められます。ちなみにホテル名の発音は普通に「スカイホテル」。+1Kはなぜ?

11:00ちょい過ぎにこの日から4泊するB&Bからの送迎車が到着。オーナー兼ドライバーのフランクさんに「よろしくです」とご挨拶。宿はホテルから30分くらい離れた場所にあるので(一軒家=これ重要)、この日は時間調整も兼ねて「市内観光&滞在中の必要品買い出し」となりました。滞在中に飲むお酒もこの日に買っておかないといけませんので大変重要なミッションです(笑)。

で、まずはインフォメーションへ。普段の旅行なら情報収集の拠点とすべきところですが、今回は完璧な「オーロラ観賞&昼間のアクティビティ」フルセットパック+αですので新たな滞在企画を立案する必要もなく、単純なる見学となりました。こりゃ楽だわ(笑)。

東北の田畑界隈にはどこにでもいそうなファーストネーション(先住民=北方民族は顔が東洋系)の男性の写真とともにカメラに収まるおしんこどんと、あまり熊とは似ていないけれどまぁいいかということで(いろんな意味で体毛が少ないし=自虐)グリズリー画像を背景に記念撮影をしてみたわれわれでありました(笑)。

そうそう、ここでここホワイトホースが州都であるユーコン準州についてちょいとご説明申し上げましょう。最新情報を探すのが面倒なのでWikipediaほかからデータを引用します。
   面 積 人口   首都(州都)人口  人口密度
 日   本  37万7914平方km  128,056,026人  13,178,458人  約338人
 ユーコン準州  48万2443平方km  31,229人  22,898人 約0.06人 
 千葉県市川市 56.4平方km  469,603人 ****  約8,326人
うわー!とてつもない違いがおわかりでしょう!「土地が広くて人は少ない」、しかもわれわれが滞在する州都ホワイトホース市にはそれでも約2万9000人が居住していますが、それとてTakema&おしんこどんが居住する千葉県市川市の約20分の1!というか、1平方kmあたり338人が住む国とユーコン準州を比較すること自体が間違ってますが(笑)。

そんなわけで(何が?)フランクさんの車でまずはユーコン川方面へ。3月も下旬のこの時期ゆえ、アラスカハイウェイの路上には一切雪氷はありませんでした。ただしこの時期でも雪は降ってもおかしくありませんし(そもそも滞在時には最高気温こそ+3度くらいありましたが最低気温は-25度でしたっけ)、あとで聞いた話ですが「4月は雪解けで道路もドロドロになるし、その雪解け水が夜のうちに凍ると一面がアイスバーンになるので大変なんです」とのことでした)。このお言葉を「わかるわかる!」と同感なさる日本の北国在住の方々も多いでしょうね。



画像の撮影順が前後してますがまぁわかる人以外にはイメージとしてね。ユーコン川、いまだ凍結モードです。



しかし、ご覧の通り氷の下ではとうとうたる流れが復活しているのであります。周辺には動物たちの足跡。でも人間が行ったら大変なことに(苦笑)。

と、ここで河原にポツンといる動物発見!目立つ場所ゆえ自分も早くから見つけていたのですが、フランクさんが説明してくださいました。




(マウスオンすると少し拡大画像に変わります)。

なるほど確かに赤っぽい毛ですね。でも調べてみたところによると同じ種類でも結構いろいろな毛色の個体がいるようです。でも町から遠くないこの場所でうろうろしているとはちょいとビックリ。キミキミもしかして、町中のゴミをあさったりしてないでしょうね(変なところが気に掛かる)。

遠くベーリング海まで流れゆく大河ユーコン川ですが、19世紀後半のゴールドラッシュにおいてはずっと下流に位置するドーソンシティが採掘の中心地となり、ホワイトホースはこのユーコン川の川運を通じ現地との中継地として大きく発展したそうです。その時代を彷彿とさせる船が河川敷に復元保存されています。

それがこの「SSクロンダイク号(SS. Klondike)」です。1929年に建造されたそうで、1936年に事故か何かで沈没しましたが翌年に修復が完了し復活。ドーソンシティまでは下りで40時間、上りはさすがに時間がかかり96時間もかかったそうです(川の水面の動きを見る限り結構な流れの速さだなと思いましたし)。内部は見学も出来るようですが(有料)われわれが行ったのは営業期間外だったので外観見学のみ。

何とご覧の通り外輪船!この大きな船を、決して効率がいいとは思えないこの推進装置で動かしていたとは驚きです。舵も、あまりにもわかりやすいシンプル系ですね(笑)。ちなみに川を行き来する専用船ゆえ船底は完全に平底構造。この船で海に出たら大変だったろうなぁ(ま、出たことはなかったでしょうが)。それにしても川船とは思えぬ大型船で、おそらく内部(のアッパークラス客室)は豪華だったんだろうなぁ。

と、川っぺりでごく普通に写真に写っていたおしんこどん、ここで突如意味なく雪形マーキング行動に!(笑)。



もう雪が締まってきているので問題なく「綺麗なヒトガタ」を残すことが出来ました(右上画像マウスオン)。



何ごともなかったかのようにユーコン川の畔で神妙にしています。さ、次は博物館へ(いやー観光してるなー)。

そんなわけで続いては歴史博物館へ。このあたりの入館料などは全て宿泊パックに含まれているので気分も現実も完全に観光ツアー!(左上画像中央におられるのが宿主のFrankさん)。

内部はゴールドラッシュ当時から今に至る歴史編(当時の道具とかの展示)と、ユーコンの動物たちを紹介する自然編(剥製ランド)の2つがメインでした。以前にアルバータの州立博物館(エドモントン)に行ったことがあるのですが、あそこと比べて手作り感が濃くてまぁ悪くはありません。



だってたとえば、通路上方からは山猫のヒラキがこっちを見てますし、マスコックスの剥製の足は‥え、木製?(笑)。



テンみたいな小動物に「後出しジャンケン」で勝利し、人のよさそうな巨大ロバとも記念撮影。ガラスがないといいですねー。

でも、ここで一番気に入ったのは「ホワイトホースの名の由来を如実に示した一枚の絵」でありました(左上画像マウスオン)。そこにはユーコン川(の支流?)の荒々しい急流が描かれていますが、よく見ると波頭が白馬頭観音白馬龍神温泉モード!(津軽の人だけわかる形容でごめんなさい)。そう、川の急流の荒瀬が地名の由来となったそうなのです。あとで調べたら由来そのものは紹介されていましたが、絵で見るとあまりにも納得できてなるほど感たっぷりでした(なお、この絵にもなった荒瀬は今はダムに水没し現存しないそうです)。

さてこのあとはフランクさんから「しばし自由時間を取ってからお昼ご飯と買い出しをして宿に向かいますがよろしいですか?」とのご提案。もちろんそのつもりですのでOKです。でも‥

と説明を受けたときには「うーん、ここからあそこ(指呼の間)までの往復で1時間かぁ」とちょっと不安でした(笑)。ま、この日は天気もいいしのんびりうろうろしてみるかぁ!

でも、ちゃんとお土産屋さんもあるし(コーヒー豆を買った=この近隣で挽いているらしいですが、考えてみれば産地は南米やアフリカなんですよね)、

しっかり日本食レストランもあってびっくり(どうやら夜のみ営業のようです)。でもまがりなりにもユーコン準州の州都なのですから、そこそこ日本人の訪問も多いと思われ、お土産屋さんには日本人ツアーとおぼしき若い女の子もいたっけ。「集合時間まであと10分だよ」とかいう言葉を聞いていましたからやっぱりそこそこの日本人は来るようですね(そもそも下調べがいい加減だったので、この時初めて「そうなんだー!」とびっくらこいた次第です)。

で、実は何だかよくわかっていないモニュメントの前で記念撮影をしようとしていたら、たまたま通りかかった女性が「シャッター、押しましょうか?」と声を掛けて下さいました。やっぱカナダはいいよなーこういう時に安心してカメラを渡せます(最近はNZにしろアイスランドにしろ安心OKの国ばかり行ってますが)。

で、お土産屋でも確かに時間を取りましたが、一番たっぷり滞在したのがアウトドアショップ。登山用品キャンプ用品スキー用品が広い店内にたっぷり。人口2万人半ばの規模とは思えなかったのですが、これは当然「夏のユーコンからアラスカに抜けようという人々向けの最終調達店」ということなのでしょうね。たしかに「ここに来れば何でも揃うよ」という感じでした。

さて、ここホワイトホースには国際空港もあり(本数が少ないのはご愛敬)、またかつてはユーコン川経由の川運も盛んだったとは前述しましたが、つい数十年前までは鉄道もあったのであります。そんなわけで旧駅舎まで行ってみた‥というか集合場所が駅前だったわけですが。

駅前には大きな雪像がありましたが、何をしている姿なんでしょうね。まさか「小学生同士が電気あんまをかけ合っている」とか?(そんなわけないか)。

さて、あとは軽く昼食&スーパーと酒屋で買い出しをして宿へと向かうことになります。まずは昼食なんですが、カナダではどこでも見かけるファストフード店のTim Hortonsへ(たしかカナダ資本のチェーン店なんですよね)。しかしお昼時でもないのに何だかやたらに混んでるぞ。ドライブスルーは長蛇の列だし店内も注文の列ができていました。「なんでこんなに混んでるんでしょう?」とフランクさんに尋ねてみたら、「今ちょうどキャンペーン期間中だからじゃないかな?」ということでした。



ということで紙コップの飲み口折り返し部分をめくってみると‥ご丁寧に2カ国語で「ハズレ」と書かれておりました(笑)。

とにかく3人でランチを食べ始め、フランクさんとしばし談笑。ま、談笑といってもTakemaの英語力なんてたかが知れてますから浅い話でしたが(苦笑)。ちなみにフランクさんと奥さんのシリク(シルク?)さんはドイツの出身なので、英語の発音も比較的聞き取りやすかった気がします。
 Takema 「ドイツからやって来て今こちらで生活&お仕事をなさっているわけですが、どうしてここユーコンに住もうと決めたのですか?」
 Frankさん 「大自然に囲まれたこの環境に惹かれたからです。また以前バンクーバーに住んだこともありますがあそこは人が多すぎてせせこましいばかりです。ここに住む人々は大自然に囲まれているからか人柄も大らかですし、。」
 Takema 「そうですか。わたしは東京エリアに住んでいるのですが、となるともっとせせこましいかも‥。」
 Frankさん 「わたしは東京にも行ったことがあります。確かに東京は人が多いです。でも人々がみな同じように規律的に行動しているのでそこにはある種の整然さがあります。でもバンクーバーはみんな思い思いの好き勝手に行動していますから、そんな中で暮らしているとやっぱり気疲れしちゃうんですよ。
 Takema 「ははぁなるほど‥」。(電車の乗り降りとか歩行者の信号遵守とかを指しているのかなと類推)
 Frankさん 「でもここホワイトホースに限らず、やはりカナダ人やアメリカ人の感覚に違和感を感じることもあります。先ほどドライブスルーに並ぶ車の大行列を見たでしょう?」
 Takema 「は、はい」。(何だか最小限の単語しか発していないTakemaです)
 Frankさん 「概して北米人は自分で動こうとせず楽をしようとします。あの車の列だって、実際のところは「すぐ近く」に住んでいる人が多いと思いますよ。ドイツ人も、そして日本人もそうだと思いますが、たとえば近くのATMに行くくらいなら当然歩いていくでしょう?でもこっちの人はそれでも車、近かろうが何だろうがとにかく車なんですよ。」
なるほど「外から来た」フランクさんだからこそ、別視点から「カナダ人文化」についての思いを感じるわけですね。それはとってもわかる気がするぞ。

さてそのあとはスーパーで多少の買い出しを行い、さらには酒屋で赤白ワインを一本ずつとビールを1ダースほど購入しました。持参の芋焼酎と合わせてこれだけあれば、これから始まる「オーロラ合宿」にも対応できるでしょう。これからの数日間は街から離れた宿およびその周辺エリアにしか行かないのと宿では酒類の提供をしていないので、とにかく「この買い出しは必須」というわけです。

ちなみに酒屋で、カナダ全土のどこでも(たぶん)売っている「Canadian」の缶ビール1ダースをかごに入れたわれわれに、フランクさんが次のようにダメ出しパンチを繰り出しました(笑)。


(言われてみればごもっともです)。

というわけで地元Brewの小瓶ビール4種類*3本=12本パックを購入したというわけです(ちなみにスコッチ「ホワイトホース」をネタ的に買うことはしませんでした。それ系の洋酒は全く飲まないTakemaなので‥「エロマンガ島でエロマンガを読む」のとは訳が違います(何のこっちゃ)。

さーてそんなわけでやってきたのが‥



ホワイトホース市内からアラスカハイウェイ&クロンダイクハイウェイを経由して南に約30分、森の中の一軒家のB&Bです(近くに民家がないわけではないですが、200mくらい離れているしその間には森があるので全く気になりません)。ウェブサイトはこちら。日本語ページは以前のお客さんに作ってもらったそうですが情報は一部古くなっています。「作り直さなきゃいけないと思ってます」とはFrankさんの弁。



しかしこの車何ccあるんだろう?なお薪倉庫の壁には各国のナンバープレートが。日本のがないのは返納義務があるからでしょう。

そんなわけでお宿についてのレクチャーをアバウトに受けた上で部屋へ(でもアバウトだった。冬期のオーロラ観賞パックでは夕食もセットなんですが夕食時間についての説明は‥たぶんされてなかったと思うぞ(笑)。ま、気配を見ていればわかるんで問題なしです)。

B&BですからTVとかのゴージャス系設備があるわけでもありませんが、必要にして十分でした。特に棚として使える場所が多かったのはありがたかった(撮影用のカメラやら充電済みの電池とかを置いておけるので)。たまたまこの部屋の向かいにバス&トイレがありこれも楽。そして‥

でも「ネット動画の閲覧はしないで下さい」と言われましたから、おそらくはNZのピジョンベイ同様「無線アンテナによるインターネット接続&従量制料金」なのかな?そもそも市内からここまで光ファイバーが延々と敷設されているとは想像し難いですし。時々接続が途切れることもありましたが概して通信環境は良好でした(たぶんこの部屋の隣にあるプライベートルームに送受信アンテナがあると思われます。ちなみにリビングでは結構途切れました)。

で、落ち着いたらリビングに出てきてビールケースの梱包を解き、出ましたユーコンビール4種!(右上画像マウスオンでラベルに拡大)。小瓶なのですがこれが3セットあるということはおしんこどんと合わせて1人6本!昼間のアクティビティのあとにぐびっとやるのにちょうどいい本数ですね(笑)。

ちなみにこのボトルの王冠は全てすべてスクリュー式でねじれば開けられます‥が!

コツとしては「王冠部分をしっかり温めてから捻る」ということのようなのですが、しっかり温めたつもりなのに素手では開けられない!(ちなみにTakemaの握力はたぶん45kgくらいはあると思うのです=ただし最近は計ってませんが)。布巾を借りて何とか開けましたが、実はそれでも開かずに栓抜きのお世話になることも何度かありました。

運悪く(笑)その光景をFrankさんに目撃されると「王冠の温め方が甘いんだよ、どうして開けられないのか理解に苦しむよ」とツッコまれます(笑)。と、今この文章をタイプしていて思ったんですがFrankさんって性格的に体育系タイプだな、わたしは文化系山岳部だったので時々おどおどしました(矛盾)。でも居候的に仕事を手伝っていたクリストフくんなどは同じドイツ人でも人あたりが「とっても文化系」だったし(何だかわからない説明になってきたのでスルーして下さい)。

さて建物の北側にはリビングからそのまま出られる広いテラスがあります。要はここが「真夜中の仕事場」となるわけです。でも寒くなれば&待機時間はすぐリビングに入れるわけで、この距離的アドバンテージはすごいです。だってたとえばアラスカのフェアバンクスあたりを拠点とする格安ツアーだと、「市内ホテル宿泊=市街地からのオーロラ観察は出来ないのでバスで光のないエリアに移動=バスの発着時間以外は見られない(せいぜい3-4時間)」のに対し、ここでは「空が暗い限り一晩中」見られる可能性があるわけですよ。実は予約時にはそこまで考えてもいなかった=そういう常識さえ知らなかった」わけですが(苦笑)。

さらには右上画像!これは‥もしかしてのそのものズバリなんですがとりあえずこの日は入浴しませんでした(バレバレだって)。とにかくトータルととしてこの宿は大正解だったと思います。ホテルじゃ感じられないほのぼの感もたっぷりだったし、このあとで登場するSさん夫妻の存在もとてつもなく大きかったし、上に少し書いた居候のドイツ人カップルも秀逸だったし!

そんなわけで秀逸系のお宿滞在、まだ夜になるにはもう少し時間があるので一旦この辺でお開きにいたしましょう。
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