− カナダユーコン準州でオーロラ観賞(7) 犬を走らせ犬に走らされのドッグスレッディング(犬ぞり) −



さてここは何の施設?ドッグランですかね?そう、ここはまさに犬たちが走るよ走るランド!なのであります!

朝になりました。朝食は8:00からなのでゆったり‥なんてことはあり得ません!深夜にオーロラが出れば出るほど宿泊者は夜更かしくんになるがゆえ、ここでは「よい子は早寝で早起きだよ!」などという常識は通用しないのであります!

そんなわけで大人の朝ごはんタイムは何と10:30前後(笑)。ちなみにこちらの宿はB&Bと謳っているものの冬期の宿泊は基本的に「宿泊パック(滞在中の全食事とアクティビティ料金込み)」を利用することになります。でももちろん長期滞在のSさんご夫妻の場合アクティビティは利用しなかったはずですが、それでも全食事付きなのは変わりません。ただ‥

われわれにとっては全く問題ない頻度でのごはん間隔でしたが、お腹が減ると力が出なくなるアンパンマン体質の方などは間食用の食料やお菓子などを持っていくのがいいかもしれません(お湯くらいは沸かせますし)。あ、アンパンマンは「顔が濡れると」だったっけ(思い違いのフリをする確信犯)。

右上画像の朝ごはんは、昨日の夕ご飯で残ったステーキとポテトを揚げたものをちょいと煮てから味付けしたしたものだそうで、宿に住み込み中(臨時の居候?)のドイツ人カップル、クリストフくん&クラウディアさんが頑張って作ったもの。ポテトを担当したクラウディアさんは「ちょっと失敗」と謙遜していましたが、いやそんなことないって美味しかったって(ホント)。

これにトーストとイチゴとコーヒーまたは紅茶というシンプルな朝ごはんでしたがかなり満足しました(少食人種ゆえ量はそんなに食べられませんでしたが)。種類はたくさんの中から選べても何だかそっけない雰囲気をぬぐえないバイキングよりもこういうほうがいいなぁ。

さてFrankさんからは「12:45にドッグスレッドの車が迎えに来る」と聞いていたので、朝食後にも時間的な余裕はたっぷり。ということで六角レンチのセットを借りて三脚の修理を始めました。とりあえず雲台は水平になりましたが、締めすぎたのかなぜかカバーのプラスチックが割れました(笑)。そのためある新たな問題も生じたのですがまぁ何とかなりました(帰国後カバーを瞬間接着剤で再固定したので今は問題なしです)。

なお前夜の夕食後、「明日は市内に買い出しに行ってくる」と言っていたクラウディアさんに「これ(シャッターリモコン操作用)と同じ電池が売っていたら買ってきて下さい」とお願いしていたのですが、特殊なサイズだし在庫があるかどうかこの時点では謎です。でもあってほしいぞ夜のために!

おしんこどんは朝食後お昼寝というかお朝寝というべきか、出発までおやすみ攻撃となりましたがまぁいつものことです(笑)。で、迎えの車に乗り込んで約15分で現地到着。

まずはわれわれの服装というか装備チェック。手袋は即座に却下で「ハイこの専用のものを使って下さいね」。靴もダメで専用品にチェンジ(Takemaは皮の登山靴でしたが)。さらには上着も替えて下さいねとのことで、見た目はほぼ別の完全特別装備着用となりました。そんなわけで管理棟の前でおしんこどんが写ってます(説明が遅くなりましたが右上画像です)。さて視線を別の方向に移してみると‥



そりゃあ犬ぞりのアクティビティ施設なのですから犬がいるのはあたりまえですが、そもそも犬嫌い犬コワイのTakemaなのでありますからちょいとビビっていたのはここだけの話(笑)。小学校低学年の時に「閉鎖空間で犬に襲われた(というか噛まれた)」時の記憶は今でも忘れません。そして大人になってからも、カンボジアでもパプアニューギニアでも噛まれてしまったことを忘れてはなりません(笑)。

しかしそんな忌まわしい過去とはいい加減決別すべきであると覚悟を決めたTakemaは「自らの意志により」この犬ぞりツアーへの参加を決めたわけであります!(エライでしょ、パスすることもも出来たのに)。というのも、

という欲求の方が強かったというわけなのですよ(笑)。でもまぁ初めてだしお試し系なんだろうしちょっと楽しむくらいだろうなと考えていたTakemaはまだまだ甘っちょろかったのでありました。とりあえず近くにいた係員さんに「こちらには何頭くらいの犬を飼育しているのですか?」と聞いてみると「今のところ成犬で46頭ですね。もうすぐ4頭増える予定です」と嬉しそうに答えて下さいました。ここまでは普通。

しかしわれわれのツアーを務めるガイドさんに「どのくらいの距離、時間で乗るのですか」と聞くと、いきなり驚愕のお返事が返ってきたのです!

そんなわけで急激にビビリ&後悔モードの度合いが増すTakema(焦)。15kmって、もしかして15000mですよね、そしてもしかしなくても1500000cmですよね!ましてや150000000mmなんですよね!(意味なく単位変換)。

飼育エリアからは「俺を連れて行ってくれ!」「いやオレだ!知ってるだろうオレの引きの強さを!」「何言ってるのあたしよアタシ!」等々、それぞれの言葉で参加表明を力強く訴える大きな声々が聞こえています。しかしTakemaのリスニング能力レベルのが低いのか、どの犬も「ワンワン!」とか「ばうばう!」と吠えているようにしか聞こえませんでしたが(笑)。

いずれにせよTakemaとしてはお犬さま天国ランド、しかもそのお犬さま自身が「自分に対する相手の意識を(本能的に)読み取れる」ということであれば、わたしとしては完全に分が悪いわけでありますよ(笑)。うーむ困った‥でも!




(ちなみに別に背中が痒いわけではないようでこの姿勢での静止多し、でもキミはTakema犬ぞり担当じゃなかったんだよねー)。

さてそんなわけで犬ぞりの操作講習を受け始めます。左上画像を見ると「橇(ソリ)に座りながら犬たちを制御」という感じに見えると思いますが、そこは移動時の荷物置き場であり「ドライバー」は座ってのんびりという悦楽運転など出来ません。わかりやすく言えばソリの後部にある掴み手を持ちながらずっと立ち乗り姿勢で「運転」します。

その「運転台」には進行方向を制御する何らの機能もありません。車でいうエンジンにあたる「先行する動力部分」がすでにインテリジェンス機能を備えているわけですから、何というか「ヤバイ方向にはいかない」機能をバイオロジカル的に備えているのが犬ぞりというわけです。また犬たちは2頭が1組となり並んで結ばれてもいますから(基本的には1組*2で4頭構成です)、木のそばを通るときなども各自が好き勝手に走ることもなく、それこそ「チームワークで走っていく」わけです。

ただし、基本的にお犬さまご一行はわれわれからすると「走りすぎ」ます。上記の通り進行方向及びルートはお犬さまに任せていても何とかなりますが、ブレーキだけは何ともなりません。そこで、上記の犬ぞりにはダブルブレーキが装備されているのであります(笑)。

その一つが「シートブレーキ」。左上画像の後方、スキーとスキーの間に黒い布が見えていると思いますがそれがまさにブレーキ。走行中に運転者がこのマットの上に片足を乗せて体重を掛ければそこそこのブレーキ機能となるわけです。

でも、馬力ならぬ犬力も決してなめられませんというか犬の引き力はとてつもなく(予想以上に)強いんです。ゆえに上記「雪を踏む」ソフトブレーキのみならず「雪を噛む」ハードなフットブレーキも必要というわけで、刃の付いた金属バーも付いてます。バーを踏むと犬力の推進力は一気にパワーダウン!こりゃいいや(画像がなくてごめんなさい)。



そうこうしているうちにエンジンくんたちもスタンバイ完了のようです。よぉっし行きますか!

そんなわけでTakemaも発進態勢に入りフットブレーキをそぉっと解除。そ、その瞬間!

解き放たれたパブロフの犬のごときぶっ飛びスタート怒涛の加圧G!(何のこっちゃ)。実は最初、「直線路だし犬に任せておけばいいじゃん」と思い込んでいて全くブレーキをかけなかったのであります(あとでガイドさんから「あのスピードは危険だったよ、もっとゆっくり走らせなきゃ」とアドバイスされました)。

しかし直線路が終わると樹林帯を進むようになり、当然くねくねコースですからスピードダウン。たまに前がつかえたりすると停止します。

ちなみに走行中に動画や静止画を撮ったりするような余裕は全くありません。暴走したがる犬たちを制御することにやたら神経を使いますんで。上画像は、ガイドさんを含めて6-7台のソリの列が偶然止まった時に急いでカメラを取り出して撮ったものです。なお2頭立てのように見えますが、前の2頭はTakemaの真下あたりにいるので写しきれなかったわけです(笑)。

さて再び出発進行です。でもまがりなりにも多少は慣れてきたかなというところで、犬を走らせるペースをやや速くしたのが失敗でした。

ソリの異常を察知したわが4頭の犬たちは即座に足を止め‥ることなく、それどころか「負荷が軽くなったぞぉ、それいけぇーっ」とばかりに空のソリを引っ張ってどんどん先に走って行ってしまいました(笑)。そのソリを追いかけようと雪道を走るTakema、あーあ主客転倒とはこのことか(大笑)。

ちなみに転倒の主原因がスピード超過にあるのはもちろんですが、実はそれ以外にも原因があったということをここに告白します。ソリにはもとよりハンドル等の方向転換装置は付いていませんが、カーブをスムーズに回るにはコツがあります。それは‥

つまりはアレですよ、スキーのターンと同じ要領です。しかしここ22年ほどスキーから遠ざかっているTakema、そして普段乗っているバイクでは「カーブでは内側に重心移動」というわけで全く逆。しかしこの時、Takemaはついつい「いつもの習慣」でナニしてしまったような記憶があります。そもそも重心移動によるソリの方向転換はあくまで補助的なものではありますが、でも逆方向への重心移動がソリをより不安定な状態に導いたというのはまず間違いないところでしょう。お恥ずかしい(苦笑)。なお、転けた場所には樹木などがなかったため怪我は一切しませんでした(雪まみれになっただけ)。

さてそのあとは広場まで来たところで休憩です。この時期のホワイトホースは晴れる日が多いということでしたが、この日はまさに雲一つない上天気で、この時はたぶん気温も0度以上だったと思われるほどポッカポカでありました。



休憩中も犬たちは元気です。あれ?キミは先ほどもコロコロしていた‥いやハーネスの色が違うから別か。



む?左上画像のキミこそコロコロくんじゃないか?今度は雪の中に頭を突っ込んで何やってるの?(笑)。

ちなみにガイドさんによると「雪の下にエルクの糞でもあるんじゃないかな」とのことでした。そういえば故植村直己氏も著書の中で「人間の(=自分の)排泄物は犬たちにとってごちそう以外の何物でもない」とかいうことを書いていた気がするぞ。エルクのナニでもいいってことなのね(笑)。



おしんこどんもくつろぎ中。針葉樹の森は1本1本が何だかウニのとげのように尖ってます。



犬コワイ系のTakemaですが、ここの犬ならTakemaでも大丈夫かも(笑)。



さあって、それではそろそろ後半戦と参りましょうか。

そんなわけで帰路につくことになります。さすがにだいぶ慣れてきて、カーブでの操作も二度と間違えてたまるかモードで快調です。しかしそこにはまたまた落とし穴が待ち構えていたのでありました(笑)。

またも樹林帯を行く中「前のソリ、遅いなぁ」と思ったりしながら、少し間隔を空けて一気にGoGo!という感じで走らせていました。少し広がりのある場所に出たところで周囲を眺めつつ、要はよそ見をしていたところで急に違和感を感じて前方を見たところで‥

全く無防備に直立していたTakemaの身体はその横Gに抗することすら出来ず、G方向へと一直線っ!嗚呼、本日二度目、痛恨の転倒虫のサンバルンバっ!今回のコケは明らかにTakemaの注意不足だったので「本来なら防げた」ものだったはず。日ごろの運転でも注意しなくちゃねという教訓になりました。ちなみに今回もまた雪まみれになっただけでケガはなしね。でも小走りでソリを追いかけたのは前回と同様のていたらく(笑)。

なお、おしんこどんは無転倒の優良ドライバーでした。さすがゴールド免許所持者だけのことはあるな(笑)。

そんなわけで出発点まで戻ってきました。それぞれ「盟友」となった犬たちと記念撮影です(右上画像マウスオンで別画像に変わります)。このあと犬たちは再びハウスへと戻って(戻されて)いきました。

さて一仕事を終えしばし休憩です。コーヒー等を淹れてくれ、ミルクはこれねと渡された容器を見てビックリ。

画像ではその大きさが伝わってこないと思いますが、驚くなかれ4L詰めの牛乳パックでありました。買い物でまとめ買いをする北米人の要求に応えた製品なのでしょうが、日本じゃ絶対に売れないだろうな。そもそも核家族単位だと全部飲み干すまでに随分かかりそうだぞ。

おしんこどんは両手付きのミニ雪だるまを作っていましたが、そもそも水分が少なくサラサラのパウダースノーであるはずのユーコンの雪で雪だるまが作れちゃうところに「春」を感じずにはいられません。犬たちはそれぞれの「マイホーム」の屋根でのんびりしています。地べたに座り込まないのはやっぱり「長く座るには適さない」ということなのでしょう。

ちなみに犬ぞりのシーズンはもう本当に終盤戦。実は冬場にこのような犬ぞりツアーをしているところでも、そろそろ撤収してホームグラウンドに帰る時期なんです(ここの施設が冬期のみの出張施設なのか、ここがもともとホームなのかは聞きませんでしたが)。最終日のホテル駐車場にも犬たちを載せたトラックが止まっていたっけなぁ。

さて、ここからは「いつもの」おしんこどん劇場が始まります(笑)。

最初はいつものY字から。ちなみに外の椅子ではガイドさんや、アメリカはワシントンから来たというご夫婦ものんびりくつろいでおられたのですが、いきなり足を上げちゃったおしんこどんに拍手喝采(笑)。で、「すごいね、でもせっかくなら反対の足も上げて欲しいな」という発言までいただきましたので、それじゃリクエストにお応えしてと張り切ってやっていましたっけ。

このあと「彼女はすごいね」とお言葉をいただいたので「ヨガを習ってますからね」と言ったら得心した感じでした。そういやアイスランドでもフランス人グループから同じようなリクエストをもらっていたっけ。拙サイトにおいては完全に定番のポーズですが、初めて見る人には「かなり衝撃的」な姿勢であることは間違いなさそうです(笑)。



でも、これらのジャンプが賞賛されることはありませんでした(笑)。静止画だからこそすごく見えるだけですもんね。



このあとおしんこどんは犬猫とたわむれ、Takemaはミラーガラスに映る自画像を激写したりしていました。

そんなこんなでかなり楽しかった犬ぞりツアーもおしまい。送迎の車で宿まで戻ってきてみると、そこには‥


(右上画像マウスオンで拡大画像に変わります)

さーてそれではビールでも‥いやちょっと待て、その前に「重要なお宿アクティビティ」をしっかりとこなさなきゃ。
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