- 2015/8 キューバ旅行記(20) 夕刻のトリニダ散策はなかなかよし、夕食もプチ贅沢に -



ここトリニダの街並みもこれまた世界遺産だったりします。今は街として「第二の興隆期」なのかも。



さてそんなわけでトリニダの市内に入ってきました。人口7万人半ばの中規模都市ですので交通量もそれほど多く‥いや、旧市街エリアに進むにつれてどんどん混んできたんですがっ!(笑)。

写真は撮っていませんがその理由は「長距離バス」。もともと大型車両の通行を想定していない石畳の細道に大型バスとあらばすれ違いや切り返しでなかなかキビシイこともあるわけで‥。ちなみにここトリニダまではハバナ発着のツアーバスも運行されているようで、「いよいよ観光地にやってきたぞよ」という気分にさせられます。



GPSナビさまのおかげで「へ、ここだって言ってるけど?あ、確かにここみたいだ」と、何の苦労もなく到着できたわれわれですが(右上画像、オレンジの家がこの日宿泊のカサ・パルティクラル)、荷物を下ろしていたらいきなり日本語で声をかけられました!



とおっしゃる若い日本人女性がお2人。というわけで客引き(複数)に、「あなたたちは、予約もしていない彼女たちの名前をなぜ知っているんですか?彼女たちはそのことを気持ち悪がっていると同時に不快に感じていますよ。彼女たちにこれ以上つきまとっても、彼女たちがあなたたちの紹介するカサ・パルティクラルに宿泊することはないでしょう。彼女たちにつきまとうのはもうやめなさい」という旨の話を(決して流暢とはいえるはずもない英語で)伝えました。

それでも客引きは彼女らから離れようとはしません。さすがに彼らとて「流暢な日本語までは理解できまい」というわけで彼女らといろいろ話していると、どうやらどこかで見た「人気のカサ・パルティクラル」に泊まりたいのだとか。「なるほど。でも今はハイシーズンだからこの時間の飛び込みだと難しいかもしれませんよ」とTakema。とはいえ別に意地悪を言ったわけではありません。

自分は人気とかは全然調べず、こちらのサイトで目的地別に表示されるカサの画像を一軒ずつ見ていき、「ここ、よさそう」と思ったところを絞って事前予約していったわけですが、それでも予約照会段階で「満室です!」とかなり突っ返されました。一番突っ返されたのはキューバ最大の国際観光地であるバラデロでしたが、その次に予約に苦労したのがここトリニダでしたからね。

ここトリニダはハバナ発の観光ツアーコースにもそこそこ組み入れられているらしく、かなり観光化が進んでいます。そもそもさほど広い街でもないところに見どころが集中、しかも世界遺産の街となればそれは当然の成り行きです。でもねぇ‥



かつての「微笑みの国タイランド」を標榜して多くの観光客を集めたタイなどが似たような感じでした。バンコクのトゥクトゥクが、結託したおみやげ屋に立ち寄ることを半ば強引に勧めるとかもありましたよね(しかもそれが妙に高額な自称希少品屋だったりする=自分も一度ひっかかった)。

さすがにトリニダではそこまでドロドロした詐欺まがい商法はないでしょうが、カマグエイのお宿案内自転車青年といい、キューバの観光が野放図な方向に進まないことを祈るばかりです。

ちなみにネット上のキューバ旅行記には「自分が選んだ客引きに車の移動を頼んでおいたらとんでもないことになっていた」という話もあったので、「客引きは宿からバックマージンをもらう目的だけで宿を勧めているのであり、宿泊料はあくまで宿の経営者に直接確認すること、また客引きと宿との間にはバックマージン以外の何らの直接的関係がないこと」をしっかり理解しておくべきでしょう。逆にその理解さえあれば客引きは何とも便利な仲介者であるともいえます。



さてエラソなことを書きましたが、われわれもこの時点ではまだ「チェックイン」までには至っていなかったのでありました(笑)。左上画像のオレンジ色の建物が本日のお宿なのであります。ドアを開けるとそこは広い広いロビー。あ、誤解のないようにいえば右上画像のTakemaの足はただ前方に伸ばしているだけでテーブルにサンダルを載せてはいません。左上画像にマウスオンしてもらえればソファーとの距離がおわかりかと思います。そんなに足長くないって(笑)。それにしても天井高いなぁ。



だってこの広さと高さですからね。でも朝食はここじゃなかったのですが。

なおこちらのお宿も絶賛改装中だったのではありますが、宿としてイマイチかなと思うのは宿の関係者各氏とのコミュニケーションが希薄だったこと、セキュリティの面で不安が残ること(外出前に右上画像のテーブルを見たら、この日の宿泊者のパスポートが置きっぱなしになっていた)でしょうか。別に直接的にいやな思いをしたわけではありませんでしたが‥。



部屋はダブルルーム(あれれツインルームOKということだったはずですが、まぁこういうことはしばしばあります)。エアコンは壁上部取り付けの静穏型でしたがTVは液晶ながらも写らず(前夜のカマグエイでもそうでしたが操作が悪いのかな?いや、でもそもそもアンテナ線が接続されていないしそれはないかと)。

同じ階(3階)にあるテラスも工事中でコンクリに混ぜる砂が大量に積まれています。それにしても、「上へ上へ」というのが既存施設をリフォームしている各観光施設の共通項だったりするわけですが、耐震基準はともかくとしても(たぶん期待はできない)、建物にかかる荷重計算もしているとは思えないんですよね(これまで見てきたどの工事中の建物も「下部補強の気配」はありませんでした)。大丈夫なのかなぁ。

なお、テラスからは革命博物館の塔が見えています(右上画像マウスオン)。もう16:00を回っているので閉まったとは思いますが、日没までにはまだまだ時間があるのでちょっとお散歩してきましょう!(というか、それこそがここトリニダの「観光」なのですから)。



地図を見ながら石畳の道を歩いていきます。道の中央が低く造られており、雨水などはそこを通って坂の下部へと排水されるようになっていますが、左上画像では雨が降ったわけでもないのにたまっています。この水の由来が何なのかはあまり知りたくないので、サンダルを濡らさないように歩いていきます(笑)。一方で、脇道では子どもたちがサッカーにいそしむほのぼの感。

そうそう、道沿いにはローストした豚肉を挟むホットドッグ屋さんが出店しておりました(右上画像マウスオン)。しまったペソクバーノ(CAP)持ってたんだし食べてみればよかった(後悔)。



サンティシマ広場に近づくにつれて人も増え、坂も急になってきました。と、道ばたで3人麻雀ならぬ3人ドミノ(倒すやつじゃなくてゲームの名前)をやっておりました。ルールはよくわかりませんが何だか楽しそうです。別に観光用に「見せている」わけではなく、自分たちの楽しみでしょう(他の場所でも見た)。ちなみにゲーム盤を支えているのがテーブルの脚ではなく皆さんの「6本の足」であるところが面白い。撤収は速攻でできそうですね。





そんなわけで広場まで上がってきました。このあたり、昼は昼で日帰りツアーの観光客、夜は夜で音楽演奏などでそれぞれ大騒ぎになるそうですが、この夕方前のひとときは人も少なく静かでいい感じでした。と、しかし、この日の日記には次のような記載が。そういえばそうだった!

教会の前までくると、、流し系ギター弾きのおいちゃんがラテン系というよりはアンデス系の香り漂う曲を弾き語りながらこちらにも声をかけてきた(このときの観客ゼロ)。チーノ?台湾?と聞くのでハポネだと答えてそのまま進んでいくと、後ろからおそらくは即興で歌詞を付けて歌っている声が聞こえてきた(歌詞の中にハポネというタンゴも聞こえた)。そしてすぐに彼が「サケサケサケ、サケサケサケのサーケサケ!」みたいに歌い始めたので、そうなりゃあれでしょ、ハイ思わずふたりともしっかりその場でダンスしましたよ。やっぱりあの時に戻ってあのおじさんとあーだこうだと話しておくんだったなぁ。最近そういう積極性が薄れつつある。



さらに進んでいくと革命博物館です。もう時間的に閉館‥ん?開いてるんだけど?係員のお兄さんに聞いてみるとこの時期は延長開館しているとか何だとか。1CUC/人の入場料で博物館の見学も塔にも登れちゃうんだからお安いですね。ちなみに係員さんからは、



と言われました(英語)。もちろんその注意は入館者全員に伝えられているはずなのですが、われわれの入館中‥しっかり鳴ってましたね。誰だぁ?(笑)。



館内には中学校の社会科見学か何かで使われそうなホールがありました(結構学校単位の見学が多いらしい。ちなみに床のこのデザインはいったい何のために?=左上画像マウスオン)。で、資料室側には「撃墜された米軍機の残骸(の一部)」などが展示されていましたが、ご丁寧に展示スペースを巡っていたのはどうやらわれわれだけだったようで、ほかの人たちは「1CUC=塔への入場料」と割り切っていたみたいでした(笑)。

なお、ここで先ほど「客引きに閉口していた日本人女性」のうちの1人と再会しました。無事逃げおおせたようです(よしよし)。また別の日本人男性ともお会いしました。結局キューバで出会った日本人って3人しかいなかったんですが(空港は除く)、うち2人がこの博物館の階段でというのが何ともいえないなぁ(笑)。



さて、いざ塔へ!実は塔に上るのは今日2回目で、まさに「煙とナントカは高いところに上るもんだ」という先人の教えを実践しまくっている気もしますが気にしないっと。

この建物は革命前は修道院として使われていたのだそうで、だからこうやって鐘が設置されているのですね。キューバの場合、革命云々の施設でも元々の出自を隠さず利用しているところがいいなと思います。右上画像マウスオンでこの鐘に刻まれていた銘の画像に変わります。約160年前に鋳造された鐘かぁ‥。



鐘は大小含め幾つも設置されており、これだけあれば1つくらい鳴らしたくなる大きいものになるとこんな感じです(右上画像マウスオン)。あ、その画像を見てあるウルトラ怪獣を思い出した方はわたしと同世代ですね(笑)。折しも太陽が西に沈むころということもあり、







うん、来てよかったなと思いつつ階段を‥おっとその前におしんこどんが何かに気づきました。





少しずつ動いているので生きてはいるのですが、どうしてこんなところに?このあと夕闇に紛れて元気よく飛んでいってくれたかなぁ‥。そんなわけでいったん宿へと戻ります。



観光地ゆえおみやげマーケット露店エリアもあるのですがすでに本日の営業はほぼ終了しており、宿泊客も夕食前にいったん宿に戻ったということでしょうか(そしてもちろん住民の皆さんは夕餉の準備?)、通りには往来も少なくある意味いい感じです。

と、ここですごいのを見つけました!何とここトリニダにはマクドナルドが?(右上画像マウスオン)。ええっと、ま、結論から言えばかの商標のパクリなんですけれど、何だかこれはこれで気に入りました。ただ国交も回復したことだし、そろそろ店名については考えた方がいいような気がしますが‥。



宿に戻ったところでわれわれもまずは乾杯。いやぁこの日も暑かったぁというわけで一気に飲み干しちゃいました。部屋はエアコンが効いているので涼しいんですが、それだけに部屋から出ると‥この日は夕方になっても全然気温が下がらなかったし!

おしんこどんは工事中の屋上に続く階段に上ってご満悦。確かに屋上からじゃないと日没の風景は見えなかったわけですが(両上画像マウスオン)。



日も暮れたところで「夕食を求めて三千里ならぬ300m」というところでしょうか。宿自体がバスターミナルの近くということもあり、少し移動すればレストランはよりどりみどりという感じです。しかし‥本当にこの夜は暑かった!キューバのレストランは基本的に屋外がベースであり、屋内の場合もエアコンなしが基本。でもねぇこの日はダメでした、周辺で唯一あったエアコン完備のレストランへ(特にTakemaは体温高めなので暑いのはキビシイんですよ)。



しかし南国のエアコンの例に漏れず、「効き過ぎで寒い」というおしんこどんでした。そんなわけで半袖から出た腕部分に‥夫婦揃って持参していた(Takemaは首からかけていた)手ぬぐいを巻き付けることにより防寒対策完了(笑)。ちなみに右上画像の白と青の手ぬぐいは、石巻市十三浜エリアの復興手ぬぐいだったりします(笑)。



この日の夕食は1人前をシェアしました。豚肉料理のセットメニュー+飲み物が基本。



サイドメニューとしてオーダーした「ロブスターのカクテルソース」は、右上画像の通りマヨネーズ系ソースの海にロブスターの身が沈み込んでいるというちょっと残念なものでしたが(苦笑)まぁしょうがない。豚肉料理がおいしかったのでよしとしましょう。ちなみに白人観光客の皆さんにもこの夜の暑さはこたえたらしく、こちらのお店はずっと満席でした(周辺のお店はそうでもなかった)。これからはレストランにもエアコンが設置され始めるんだろうな‥。

さてこの日はこれで終了、翌日はトリニダの街をもう少し歩いた後で「温泉」へと向かいます!

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