- 2015/8 キューバ旅行記(28) 牽引されて戻ったり、支線に入ったり、放置プレイだったりの末ハバナへ -



そんなわけで無事中間点のHershey駅に到着です!

旧製糖工場群を通り抜け、列車はその名もHershey駅に到着。町の名前はカミーロ・シエンフエゴス(Camilo Cienfuegos)に改名されましたが、駅名はそのままなんですね。

この駅は途中駅の中でも最大の規模を誇り、電車の車庫や修理工場なども全てここに集結しているようです。乗客がわらわらとホームに降り、車掌さんなども含めてジュースなどの飲み物売りのところに押しかけたところをみるにしばらく停車時間があるのでしょう。というわけでTakemaも様子を見ながら周辺を歩いてみることに。



駅前?にはかつて使われていた電気機関車が飾られていました。見た感じまだまだ使えそうにも見えましたが、この機関車もさぞかし年代物なのだと思われます。



台車のサスペンションはかなり懐かしい形状のものです(詳しくはわかりませんが)。そうそう、もう動画等でお気づきかと思いますが、このハーシー鉄道の場合、駅ホームは電車ドアよりもかなり低い位置にあり、電車のドア部分だけにコンクリートのかさ上げがあります。途中駅などはそもそもドア1つ分の長さの「ホーム」があるだけでしたっけ。この列車の終着駅であるカサブランカ駅ホームもやはりここハーシー駅と同じ造りで、唯一例外的に全面かさ上げホームだったのが始発のマタンサス駅でした。





約10分の停車時間ののち、再びガタンゴトンと進み始めた電車です。が、そのわずか約2分後‥





運転士や車掌、その他整備士(またはたまたま乗り合わせていたメカに強い人かも)らが車外に降りていろいろと始めましたが、工具はといえばドライバーとペンチくらいしかないようで、こりゃ困ったなーと。

これは一筋縄ではいきそうにもありません。自分らとしては今日中にハバナまで戻っておく必要があるわけですが(明日早朝のフライトなので)、この時点で14:10過ぎ(右上画像マウスオン)、はたしてどうなるのやら?



と思っていたら、何と来し方のハーシー駅方面からディーゼルカーが迎えに来てくれました。ハーシー駅まで電車を牽引して戻るということに!いやぁ駅から近くてよかった、これがとんでもない場所での故障だったりしたら大変でしたよ。それに、仮にここで運転打ち切りになるとしても、ハーシーはそこそこ大きな町なのでハバナまでの足もバス便がありそうですから‥。というわけでここまでの流れを動画にて。



この列車にはわれわれ以外にもソロの女性バックパッカーが2人乗っているということは前にも書きましたが、こういう時には当然のように助け合わねばなりません。聞けばお2人ともハバナを目指しているのね、よかったヨカッタ。なお、そのうち1人はスペイン語もできるということで心強い限りです。その彼女によると、「代わりの車両で運行を継続するようです。反対側のホームに入線するみたいですよ」とのこと。



なるほど、反対側ホームは多くの人でごった返しています。しばらく経って、確かに電車が入線してきましたよ、し、しかし!





まぁ立っていこうが座っていこうが、終点カサブランカ駅まで走ってくれれば言うことはありません。しかも、皆さんハバナまで行くのかなと思いきや結構順調に?途中駅で下車していきます。途中からは立ち客はいるとはいえかなりゆったりとした感じに。あ、「立ち客」の中には‥





さてしかし、事態はここで風雲急を告げることに。とある駅に着いたと思ったら、一斉に乗客が荷物を持って電車を下り始めたではありませんか?ここが終点のカサブランカでないことは明らかなのですが、いったいどういうこと?

とりあえずはわれわれも荷物を持っていったん下車することに。



見ると、この駅の先には車止めがありレールはここで途切れています。どうやらこの駅は支線の終点だったらしく、ハバナを目指すお客はここから歩いてすぐの国道まで歩き、そこから公共バスを使ってくれという指示が出たようです。

しかし、スペイン語を話せる彼女が乗務員と何かを話していますよ?(右上画像マウスオン)。さて話が終わるとわれわれ3人に説明してくれました。





そんなわけで名もなき駅(うそ。近くの看板には「Playas del este」と書かれておりました=右上画像マウスオン)で下車し、後続のカサブランカ行き電車を待ちます。

心強い?のは、われわれと同じ行動を選択した地元の方が「3人と1匹」おられたことです。ん?1匹ということは‥





ちなみに長旅ゆえご主人さまが配慮してくれたようで「道草を食べに」線路脇へと。しかしずっと道草食いに付き合っているのも大変だからということで‥



小枝ごと伐ってきてこちらで食べさせる戦法に変更したようです(笑)。まさか電車を使っての定例ロングお散歩じゃあるまいし、今日どこかで買われて自宅に連れられていく途中なのでしょうが、優しいご主人でよかったねぇ。

とまぁ、呑気な話はこのくらいにしておいて現実に戻りましょう。この駅で電車を降りたのはおおよそ15:45ころ。駅周辺には近くに一軒の家があるだけで基本的に何もありません。しかし‥



左上画像の「15:52」はこの駅到着後すぐの画像ですからおしんこどんも呑気そうですが(笑)、それから40分経っても状況には全く変化なし。いや変化はありました、南西の方角から発達した雷雲が徐々に迫ってきているような感じで、遠くからは雷鳴も聞こえてくるようになりました。こちらに来る可能性がゼロではないので、大きなビニール袋を手荷物(右上画像マウスオン)とするお2人は、かろうじて屋根のある(でも結構荒れている)建物方面に荷物を移動しておりました。中身はチーズだそうです。

さてしかし、右上画像撮影直後、何だか遠くのほうから小さな鉄橋を渡るような音が。もしかしてもしかするのか?





いやー、来ないとは思っていませんでしたがいつ来るかについては全くわかりませんでしたので、これくらいの待ち時間で済んでラッキーでした(いつもながらの結果オーライ)。これで、何とか明るいうちにカサブランカ駅に到着できそうです。



列車は2両編成ですがガラガラです。そりゃそうだ、本来であればハーシーからハバナまで乗るつもりだったお客さんはさっきの電車+公共バスで行っちゃったわけですから。そこにわれわれが乗り込みます!やっほー何だかこれはこれでイイゾ!

ところでおしんこどんがここであることに気づきます。「この席、マタンサスから乗ったときと同じ場所だけれど、おんなじように壊れてるし‥たぶん同じ車両だよ」。そ、そんなことが‥というわけで外側と内側から検証してみましょう。



両上画像にマウスオンすると、それぞれマタンサス駅出発前の画像に変わります。ベニヤ板の剥がれ具合、そして何よりも車両番号、どちらも全く同じですよね。ということは‥


(というかこの際ありがたすぎるし)。

そんなわけで電車はぐんぐんとカサブランカ駅を目指して進行します!と、ここで車掌さん?(制服は着ていませんでしたがドア扱いをしていた方)から「これどうぞ」とおすそ分けをいただきました!



何だろうこの葡萄サイズの実は?と思いつつ皮をむいてみるとこんな感じ。プルプルの果肉には甘みと酸味(と渋み)があり、これなかなか美味しい!もちろん種があるのでペッペと捨てていたら、おしんこどん「誰が種を捨てていいといった?」。いや、植物の種とかは基本的に日本への持ち込み禁止なんですよ!(以下略)。

このあと「もっとあげるよ」ということでさらにこの倍くらい‥この実、何という実だったんでしょうか、ご存じの方、お教え下さいませ。ちなみにかのスペイン語のできる彼女は完熟マンゴーをもらってパクついていましたが、手や口まわりがベトベトのご様子。こういう時便利ねぇ日本製品、ウエットティッシュをお渡しして事なきを得ました(よしよし)。



ええっと、途中の駅で停車するやいなや、運転士さんも車掌さんもあわせて駅舎の方へ。そしてその手に携えていたのは‥



それにしても政府の施策である「10歳になるまで誕生日のケーキを国が提供する」という決まりはなかなかですね。どういうシステムでの運用なのかはわかりませんが、単純にお金を補助するとか収入から控除するとかのこしゃく系ではなく現物支給というのはなかなかいいと思いますよ。日本でも「ケーキ購入にしか使えない金券」とかを導入したら面白いのになぁ。



そしてヤギくんもまた新たな人生ヤギ生のスタート地点へと進んでいったのでありました。元気でねー。



そんなわけで車内はガラガラになり、結局終点のカサブランカ駅まで乗っていたのはわれわれ旅行者4名のほか5人だけでした。あの電気系統のトラブルがなければもっと多かったと思いますが。



戻ってきたぞーハバナ、あ、このあたりは軍港ですね(右上画像マウスオン)。







子どもたちが邪魔っていえば邪魔ですが、まぁとにかく到着っと(笑)。

ちなみに到着は17:30でした。ええっと、ダイヤ通りでくれば15:31着だったはずですので2時間遅れです。でも結果オーライ的にここまでいろいろと体験できたのでこれはこれで面白かったかなと。



カサブランカ駅では直前まで映画か何かのロケをやっていたようで、いろいろな撮影車両が停まっていました。ただロケも終わっていたみたいですのでここからは渡し船で旧市街側へと渡ります。いくら払ったかは覚えていませんが間違いなくCUPのコインだった記憶があります。ということでとてつもなく安いってことだけは間違いなし!



荷物検査のあとわれわれが乗り込んだところで出航です。荷物検査があるのは、かつてこの船がハイジャックされ船ごとフロリダに亡命しようとした輩がいたからということですが、「自分と意を同じくしない人を巻き込むような行動」は取っちゃいかんよなぁと思います。



船の中はまぁこんな感じで、左上画像の彼は自転車ごと乗り込んでいましたが、さっきまでヤギくんと電車に乗っていましたから全然違和感なし(笑)。地元の方々の移動手段としていい感じで利用されていますね。



船を何とか後部から撮影しましたがやっぱり小さいものです。で、乗船通路にはすでに多くの方々が並んでおりました。これぞ地元の足という感じです。

さてここで、ハーシー駅再発車からカサブランカ駅到着+渡し船までをダイジェストでまとめた動画をご覧いただきましょう。5分43秒と長めなのでお暇なときにどうぞ。ヤギくんも無事下りていきます。




ここで彼女ら(オランダ&カナダからのバックパッカー)とも別れ、何の気なしに「ちょっと飲み物でも」と目の前のお店に入ったところで一気にどしゃ降りの雨。彼女らは大丈夫だったんだろうか?(たぶんどしゃ降り攻撃を受けたんじゃないかな?)。



アイスクリームも久しぶり!ちなみにバカネロのノンアルコールはダメダメでした。

長くなりましたんでこの続きは次ページにて。次はいよいよキューバ出国です。でもまだまだ終わらないんですよこの旅は(笑)。

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