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- 2019夏、Georgiaほか(21) 、出入国にドタバタしつつアルメニアへ(1) -



アルメニアの首都エレバンに到着!でも夜の国境越えではちょっとしたドタバタが。



さて国際夜行列車(列車番号201)でアルメニアの首都エレバン(イェレバンのほうが発音的に近いのかも知れませんが)へと向かいます。寝台(1等と2等)、それに座席車の3等があるようで、われわれは2等(2段ベッド*2の4人コンパートメント)、いっぽう渡辺さんは経費節減ゆえに3等を利用とのこと。請求金額に上乗せしていただいても構わなかったのに、すみませんねぇ。

改札はないと前に書きましたが、そのかわり各車両の入口にはその車両担当の係員が立っておりチケットをチェック。今回は渡辺さんにチケット取得をお願いしており、渡辺さんがスマホの画面を見せて即チェック終了(パスポートの提示も必要なしでした)。しかし一方で‥



渡辺さんは自分の3等車の予約ファイルを見つけられず格闘中。かなり焦っておられたのではと?

何とか無事ファイルを見つけられたようで一安心。ここでしばらく渡辺さんとはお別れとなります(車両間の移動に物理的制限があるため)。

車両側壁に掲示されたサボからすると、この客車はアルメニア鉄道の所有車両のようです。われわれは11号車でしたが、何だか欠番の車両もあったようで、順番に並んでいるわけではありません。



もっとも、左上画像のように号車番号は明示されていますので問題なし。



さて車内へ。ところで今回、この列車の寝台予約をするにあたっては渡辺さんにパスポート情報をお送りして代行予約をお願いしていたわけですが、その時点(予約開始直後)でも1等車はすべてフル予約になっていました。聞けば、「リッチ系の人々が仮押さえとして予約を入れてしまう」からだということでしたが、利用人数もわからないので(というかその日に利用するかどうかもわかっていないので)「とりあえず全部押さえておき、あとでキャンセルする」というやり方が横行しているようなのです。何だかなー。

ただしその傾向は1等寝台車限定のようで、2等は問題なし。そんなに混んでるわけでもなかったかな。というわけで2段寝台の上に荷物を上げ、さて出発を待ちます。



開けるのに何となくコツがいるコンパートメントのドアでしたがまぁ何とかね。毛布はかなり薄いものでしたが夏なので問題なし。冬場はヒーターを使うのか、それとも厚手の毛布に切り替わるのでしょうか?



と、寒ければ上部のアレを使えということなのでしょう。なお、われわれの車両担当係員氏は(ちょっと横柄な感じで)「朝のエレバン到着前にこれらの毛布等を係員室まで持ってくるように」と言っていました。ちょっと社会主義のニオイが(苦笑)。ついでにいえば自分たちの部屋のすぐ隣がその係員室だったわけですが、夜中も音楽をかけっ放しにするわ、係員同士の会話はうるさいわ、さらにはタバコは吸うわ(車内は禁煙)でそこそこイライラしましたよ。車両中央あたりの部屋だったら気づかなかったんでしょうけれど、いかんせん薄い壁越しのすぐ隣ですからね。

まぁしょうがない、ワインでも飲んで寛ぎますか(ちゃんとワイン持参、コルク抜きもスーパーで買っておきました)。で、いよいよ発車です。





さてしかし、いざ出発してしまうと全然停車しません。ようやく停車した駅でいざ降りよう(休憩&喫煙タイム)としても、乗務係員は下りているのに乗降ドアはしっかり閉められています。こ、これは「(国際列車ゆえ)車内のお客が勝手に出入りすることはまかりならん」ということなのか?バンコク~バタワースの国際列車などは国境付近を除けば乗り降りし放題だったのになぁ(もっとも30年前の記憶ですがまた乗りたいなと)。

ここからは少し長いテキストですがご勘弁を。やがて国境近くにやってきたからか、かの車両係員が「パスポート出して」と言ってきました。国境越えですからもちろんお渡ししてと。やがてジョージア側の最終駅に列車は到着。



日本はジョージアとのビザ免除協定が締結されています。よって係員氏にパスポートを渡したわれわれとすれば(イミグレーションでスタンプが押されて)「自動的に出国手続きがなされるはずだ」と考えておりました。先人の記録を見ていてもほぼそんな感じだったようですし。

車内からは出られないので、車内からイミグレと思われる建物を撮りました。ビザ確認が必要な国からの方々が列をなしています。自分の人徳とかじゃないのにこうやっていられるって、日本人って有り難いなぁと思いつつ。

やがてかの係員氏からパスポートが返却されました。どれどれ出国のスタンプは‥ん?ない?スタンプなしなの?

まぁ最近はそういう国も増えてきましたから(日本の出入国もそんな感じだし)、「そういうことなんだろうな」と疑問にも思いませんでした、ええ、この時はね(笑)。

やがて列車は国境を越え、アルメニア側の最初の駅に到着しました。もちろんアルメニアの入国イミグレ係官がコンパーメントまでやってきました。「Passport, please」。

もちろん2人とも堂々とパスポートを提出したことはいうまでもありません。まったくやましいことなどないのですから当然です。しかし、何度も何度もわれわれ2人のパスポートをめくりまくった上でこの係官氏が発した言葉は予想外のものでした。



どうやらあのちょっと横柄系係員、パスポートを回収したはいいものの、それをジョージアの出国イミグレに通すことを怠り、そのままわれわれに返却しやがったようなのです!横柄系なのはまぁどうでもいいけれど、最低限の仕事くらいしやがれ!のんびり煙草吸ってる場合じゃなだろ!(=車内待機を余儀なくされたことによるやっかみを多分に含みます)。

幸いわれわれの場合はアルメニア出国の航空搭乗券コピーを持っていたこと、国内での訪問予定地を言えたことなどにより、30分くらいしてかの入国管理係官氏からパスポートを返却されましたが(もちろんアルメニア入国印が押されていました)、まったく何やってんだよもう!(いや彼は「何もやっていなかった」わけですが)。ちなみにパスポート返却前に途中駅に停車していました。かの係官氏は本来その駅で下車する予定ではなかったのかな?となれば「かの係官氏にとっても迷惑な話」ですからね。

事前に読んでいた旅行記サイトではごく一部に「日本パスポートなのにジョージア出国時にイミグレを通れと言われた」等の記載もありましたっけ。でもまさか、「パスポートを預けたにもかかわらず何もなされなかった」とは思いも寄らぬことでした。



もちろんこのあとかの係員からの謝罪はありませんでした(もっとも期待もしていませんでしたが=そもそも日本じゃないし)。まぁ深夜の国境越えトラブルも何とか無事に終えましたんでこのあとは寝ましたよー。

なおネット環境ですが、トビリシ出発時にも車内WiFiの電波は飛んでいたものの接続はできなかったわけですが、アルメニアに入ってしばらくしたらフツーに接続していました。PWD設定もなく、接続も途切れることなく安定して使えた次第。で、そこそこ寝て、朝になりました。



途中駅で停車しても下りてよさそうな雰囲気はなし、眺めるのみです。しかし‥





頂上部には氷河も見えています。そういえば先日見たニュースで、ニューギニア島の最高峰であるプンチャックジャヤ山(4884m)の頂上部に存在する氷河が「あと10年ほどで消滅するだろう」というのがありましたが(なおインドネシア領内です)、ここアララト山の氷河もどんどん溶けているようです。キリマンジャロもそうですが、あちこちでどんどん氷河がなくなっていく‥。



さぁって、シーツやら何やらを畳みましょうかね。

そして前夜言われたとおり、畳んだモノを車両係員控え室に持っていき(隣ですが)係員氏に恭しくお渡しすると、ありがとう的な言葉も何もなく無言で受け取るばかりでした。アルメニア鉄道、そろそろ乗務員の意識改革が必要だぞ(そもそもこの係員氏のせいで入国にトラブったのに!)。

というわけでトビリシ~エレバンの国際列車はちょっとビミョーな評価の乗車体験でしたが、まぁそれも乗ってみて初めてわかるものですし、係員氏にもよるだろうし(これ重要)、たまたま車両の洗車直後だったら綺麗に見えただろうし‥。いい経験でした。




(ちなみにくだんの係員氏が白シャツで写ってますね(笑))。



窓ガラスが汚れているのが一目瞭然。国際列車なんだからもうちょっと手入れしてよぉ。




(もっとも、椅子の数が少ないのはなぜなんだろう?)

ホームで渡辺さんと合流しましたが、車が渋滞のため遅れているということでしばし待機。駅構内には弱いながらもWiFi電波が飛んでいましたが、スピードも遅いし特にすることもないのでしばし駅の外に出てみることに。



立派な駅舎ですが、駅前広場はなぜか野菜市場みたいになっていました。なぜ?

なお写真にはありませんが、自分が写真を撮っていたら(このページトップの画像)、同じ場所に東洋系の若い女性がやって来て同じくカメラ(スマホ)で駅舎をパチリ。特に会話をしたわけでもなく自分は野菜市場の方へ。そのあと駅舎内に戻ってみたら、広い通路の反対側ベンチに彼女が一人で座っており、手を振ったら元気に振り返してくれました。台中韓日どこかの国の人だとは思いましたが、せめて声くらい掛ければよかったなと(ナンパじゃないですよ(笑))。



そうこうしているうちに「お車親方」が到着。ドライバー(カーオーナー)は笑顔が似合い饒舌なサロさん。もちろん渡辺さんとはこれまで相当のお付き合いがあるようなので安心です。

そして車は「シャーシや足回りはトヨタのカローラ、上物のハコはロシアのラムダだけどね」ということでしたが(往年の三菱車ではありません)、トリップメーターが正しく動作しているのであればすでに430,000km以上走行しているという猛者&超高年式車なのでありました。エンジンは載せ換えているんでしょうけれどね。

運転席側のパワーウィンドウは故障しており開閉不能でしたが、むき出しの配線を何やらコネクトすると‥おお、開いた!なお翌日にはむき出し配線もなくなり普通に開閉可能になっていましたから、さてはDIYで直しちゃったんだな。

実はアルメニアについては温泉以外自分の下調べがほぼゼロでした。渡辺さんには「温泉が2つあるようなので行きたい、あとセヴァン湖に行くのもいいかな」というリクエストしかしていなかったと思います。さてそんな無責任丸投げ旅行に渡辺さんが立てたプランとは?

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