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- 2019夏、Georgiaほか(22) 、アルメニア(2) まずはハンカヴァン温泉へ -



いやはや、ご覧のとおりの個室浴場ですし、鉄サビ濁りの湯が大量投入中!



エレバン市内のパン屋さんで焼きたてパンをほおぼりつつ(前夜のうちにパンは買っていて駅でも食べていたのですが)、実に快適な片側3車線路を進みます。アルメニアの人口はおよそ300万人、そのうち首都エレバンの人口は110万人ということですが‥首都高も1964オリンピックの頃に整備された区間はともかくとしても、たとえば湾岸線などは本来片側4車線くらいでの整備が必要だったのにねぇ。中央環状線だって3車線は必要だった。というわけでここからブツクサ系開始!

なぜか日本では「高速道路は片側2車線を基本前提に計画」という硬直的な発想が長年はびこっていたような気がします。それによって行われた道路予定地の買収も所詮は「片側2車線前提」だったもんで今さら拡張できず、東名阪などでは今も無理矢理「車線幅を狭くしての片側3車線」をやっていますよね(新東名浜松-豊田区間開通前の東名高速無理矢理区間は交通量が多いだけに走りたくなかったなぁ、今は元に戻したんでしょうか?)。

その新東名だって、トンネルを含めて片側3車線の路線幅があるのになぜかいまだに2車線での運用をしている区間があちこちにあります。あのね、「おバカとしか言いようがありません」。

そもそも新東名はそもそもの設計速度が「120km/h」なんでしょ、なのになぜ「静岡の一部だけ試験的に120km/h」なの?これは高速隊、いや警察の変なこだわりというか難癖のせいなんですけれど、せっかく整備した設備を活かそうとせず前例からはみ出る事柄にはあくまで「まず反対」するって‥今の日本は平安王朝なのですか?(摂関政治時代の政治は基本的に「前例踏襲」だったと聞いています。自分で判断せずに前例を調べさせて同じ措置を行うことにより、いわゆる「政治的才能」は必要がなかったというわけです)。でも今の日本はそんなことをやっている場合じゃないし!

いっぽうで「いわゆる知識人」の中には「われわれは豊かさを求めすぎた」「これからは身の丈に合った生活を求めるべきではないか」等々、人口減少による経済規模の縮小があるんだから云々っていう「言論人を標榜するご立派な方々」がおられます。しかしそんな「言論人」諸氏はすでに自分のこれまでの生活を維持できるだけの財を溜めこんでいるようにしか思えず、自分としてはまったく信用がおけないと思うのはわたしだけでしょうか?(やっかみじゃないですよ)。

そんな方々には「じゃ、あなたも日々ご飯のおかずを質素にしているのですよね?」と伺いたい。残念ながら加速度的に人口を減らしている今の日本だからこそ、今を生きるわれわれは「どんどん国内外の経済活動を活発にして『お金を回して』いかなければならんのではないか」と思うのです。



ええっと、いつもの通り話が思いきりそれました(予定路線)。ただしハイウェイを元気よく走りすぎてしまう車を取り締まるため、道路脇には左上画像のようなくるくるパンダ車が。やってますねぇ取り締まり。キルギスでは実に多く見ましたが(われわれが乗った車も運転手氏のシートベルト不着用で捕まったし)、ここアルメニアにもやっぱりいますよねぇ。あ、ジョージアでも「餌食」になっている車を見ましたっけ。ただしキルギスのように「やたらにスピード計測カメラを構えている」雰囲気は見られませんでした。

そして右上画像には鷹のモニュメントが。旧ソビエト連邦諸国の訪問はこの時点で5ヵ国目ですが(ロシア、キルギス、カザフスタン、ジョージア、アルメニア。このあとウクライナにも入国しましたが)、共通しているのが「モニュメント好き」ってことですね。きっとステータスとしてのプロパガンダ的な意味合いもあったのでしょう。



エレバンとセヴァン湖を結ぶM4号線沿いには右上画像のように浮き輪などを売る露店があちこちに。もちろんバカンスをセヴァン湖で過ごす家族連れがターゲットでしょう。しかし、見ていた限り止まっている車はなかったなぁ。というか自分は「基本的に出発前に全部準備しておく」性格なので、こうやって途中で買い出しするという感覚はないなぁ。民族性の違いでしょうか(単なる性格の違いかも)。

途中で左折し、山側へと進んでいきます。と、右手に冷却塔が見えてきました。



Hrazdan(ラズダン)発電所だそうで、英名だと「Thermal Power Plant」とあったのでてっきり地熱発電所かと思ったのですが、今調べたところによると天然ガス発電なのだとか。地下からガスを取り出しての発電ということなのでしょう。

と思ったらそれも違いまして(汗)、燃料となる天然ガスは、国境を接するアゼルバイジャンやイランからパイプラインで運ばれてきているのだそうです。アルメニア自体の地下資源は期待できないのでしょうかねぇ(地下の最深度には石油や天然ガスもある可能性が高いということですが‥)。



小さなダムを回り込んで進んでいくと、立派なリゾートホテルもありました。

しかし事前に調べた情報では、目指す温泉施設はもっとプリミティブというか素朴な感じ(&かけ流し濁り湯)であるはずなので、こんな大規模施設には見向きも憧れもせず先に進みます。そして‥





とはいえ道路に面した側には施設を示す看板など一切なし、さらによせばいいのに施設への取り付け道路入り口部はロープで進入禁止措置がとられていました。お客さんに来てほしいのかそうではないのか?普通に営業はしているのになぜ?とりあえずロープをまたいで受付(右上画像)へ。



左上画像の受付で料金を支払って場内へ入ると、そこは「作業現場」でした。ご覧のように石畳の敷設作業中。このあと各浴室等にもリニューアルの手が入るそうです。

そういえばカムチャッカのスーニェシュナーダリナ温泉でも同じような工事を目にしましたが、そのあと出会ったツアーガイドにその話をしたら「去年もやってましたよ、まだやってるんですか?」とのお返事で、「さすがにロシアには独特の時間が流れているんだな」と妙に納得した記憶があります(その時の様子はこちら)。ここアルメニアも旧ソビエト連邦の一共和国だったわけですが、アルメニアの時の流れ方はどんなものなのでしょうか。

さてこちらの温泉は料金に従っていくつかの個室があるようですが、われわれが通されたのはいわゆるVIP個室でありました。







ご覧のように湯温はややぬるめですが夏なので実に適温。ちなみに湯色からもわかるように鉄系の湯で、その味わいは奥会津の大塩温泉のそれによく似ていた気がします。

ちなみに浴室は天井部が開放されていますが、冬場はどうなるんでしょう。カバーでも掛けるのかな?(どうやら掛けない説あり=寒いぞぉ!)





深さはプールですが、貸し切り利用なので水着は不要。



湯尻から流れ出た湯はトンネルを抜けて湯小屋の外へ。いい色です。



駐車場に戻ってくると馬にまたがった男性がやってきたので一緒にパチリ。



車に戻ってくると、あれれドライバーのサロさんがいない‥と思ったら、山の斜面を駆け下ってきました。その手には‥スグリの実が。ジョージアでのドライバーだったシャルワさんも、隙あらば自生の果実を採っていたものなぁ、コーカサスの人たちにとって果実狩りは特別なイベントではなく「ごく日常の行動」なのでしょうね。



このあとはアルメニア最大の湖であるセヴァン湖へ。琵琶湖の約1.5倍の面積ですが、ソビエト時代に灌漑用水として大量に取水された結果水位が低下し、面積も2/3に縮小してしまったのだとか。今や消滅したも同然のアラル海もここ同様ソビエト時代の灌漑が主因だったわけで、当時の農業政策がそのまま続けられていたらここセヴァン湖も大変なことになっていたのかと。大丈夫かなぁ中国のあの巨大ダム湖周辺や下部地域は‥。

さてそれはともかくとして、実は「せっかくだから来てみたかった」だけのセヴァン湖なので、「到着と同時に目的達成」であり、ここで特に何がしたいということもないのでありました。



船に乗るという手もありましたが、ご覧のようにあまり景色に変化がなさそう=ワクワク感に欠けるので気が乗らず。だったら右上画像の教会(セヴァナヴァンク教会)にでも行けばよかったんですが、暑くてやる気が出ない‥いま考えればもったいないことをしましたが、まぁ現実としてそうだったんだから仕方ないことです。



というわけで別の場所でランチということにして移動です。おお、1両でぽこぽこ走るローカル列車発見!見た感じは普通のディーゼル車両よりも小さいように思えるし、足回りが見られなかったのは残念でしたが(すれ違ったので)もしかしてレールバスだったのかな?キューバでも見たしなぁ(その時のページはこちら)。

移動したのは湖沿いのホテル、湖岸沿いに並ぶのは個室ふうにしつらえられたテント群でありました。ブースの1つを利用してのランチです。まだ正午過ぎなので空いていました。

ん?「正午過ぎなので空いている」という表現がおかしいって?実は渡辺さんから直前にこんなことをうかがっていたのです。



そう、コーカサス地方のお昼ごはんタイムは日本より遅めなので、正午過ぎだとまだ空いているというわけです。もっともここはホテル付属のレストランなので、地元在住の方々が多く利用しているわけではないでしょうが。

 

こんな感じの食事スペースがずらり。水鳥はお客のおこぼれ待ちでしょうか?



うん、淡水魚の焼き物とケバブに野菜、美味しゅうございました。



そういえば焼き物は左上画像の釜で焼いていましたね。冷えたビールを飲み比べしつつ、ゆっくりお昼ごはんを満喫した上で次の温泉に向けて出発しましょう!

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