(あまり意味はありませんが上ロゴマウスオンで英語表記に変わります)
− 2013 カムチャッカ旅行記その5 ペトロパブロフスク・カムチャッキー到着 −
そんなわけでハバロフスクから約3時間‥いやそんなことはない30分近く早着したから2時間半か、この辺はジェット気流って強いのかな?ちなみに機体が動き出したのは定刻より7分早かっただけでした。
さてタラップを降りてバスに乗り、到着ターミナル‥え、あれ、皆さんビルじゃなくて何だかその脇の「通用口」みたいなところから外に出て行っちゃってるんですが?(左上画像がそれです。ここで皆さん荷物を置いて待ってます)。そしてそこに「歓迎 Takema&おしんこどん」という紙を持った方が!(もちろん実際はただわれわれの名前が書いてあっただけですが)。
そこにおられたのはターニャさんといううら若き女性ガイドさん。聞けばカムチャッカの大学の外国語学部をちょっと前に卒業したばかりなのだそうで、でも日本語は十分に「堪能」のレベル。うーん、日本の語学教育はやっぱり方向性を見誤っちゃってるんじゃない?(笑)。
あ、ターニャさん関連のお話はこの旅行中においおい書いていくつもりなのでとりあえず置いといてと。そう、なぜ乗客がこんな広場に集まっているのかというと‥
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ま、この日はご覧のとおりの好天で暑いくらいだったので問題はありませんでしたが、早速ターニャさんに聞いてみると「雨の日でも同じです」。たぶん間違いなく昔からの慣習的運営方法なのでしょうが、これはちょっとひどいなぁ。もしかして厳冬期もそうなのかしらん?(比叡山延暦寺!=無理あるな)。ただこの時はすぐ前に長距離線の大型機が到着していたようなので、もしかしたらこっちはサブ施設なのかも知れません。でもサブだからって客を屋外で待たせていいわけじゃないですよね(笑)。
しばし待つうちに荷物が回り始めたようで扉が開けられました。でもA320という中型機とはいえほぼ満席のお客がいるというのに建物の入口は一列縦隊ゆえ当然渋滞。うーん、このあたりには根本的に「何かが違う感」が濃厚に漂います(苦笑)。しかしロシアの方々は粛々と己の為すべき目的方面に向かっているばかり。すごいなー。
というか、イギリスの近代合理主義だってそもそもは「不合理」ばかりだったからこそちょっとマシになれば堂々と「この方が合理的だ!」と大声を出せたわけで、「便利」になったことと引き合いに「失ったものの大きさ」に気付きつつある現代日本人にとっては、この非効率さから学ぶべきところがあるのかもしれません。ただしこのあとの旅程に余裕があるときに限りますが(笑)。
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ハバロフスク空港と同じく空港施設直近には車がありません。「施設の施設たる威厳を保つ」ためなのか非常時に大空間を保つためなのかはわかりませんが、何とも不思議な空間です。
で、お迎えの車(今回の旅行中は全て四駆の小型&中型のワンボックスでした)に乗り込んで駐車場から出ようとしたときに右上画像の車(というか車列)発見。ガイドのターニャさんいわく、
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へー、金曜日が結婚式ラッシュなんですね。ん?でもそうなると式への参列者は‥仕事を休んでということ?そりゃ大変!‥と一瞬だけ思いましたが、考えてみれば「それがこのカム地域の共通認識であれば何らの問題もない」わけか。逆に土日に結婚式ともなれば「おいおい、それじゃダーチャ(家庭菜園)に行けないじゃないか!」となるわけで‥
そんなわけで州都ペトロパブロフスク・カムチャッキーへと向かいます。ただ、日本人としてはあまりにも長すぎて舌をかむこと必定の州都名、たとえばマレーシアの首都クアラルンプールは地元の方から「KL(ケーエル)」と呼ばれているわけで、ここペトロパブロフスク・カムチャッキーもいわゆる略称があるかと思ってターニャさんに聞いてみると‥
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と‥そっちですか!われわれ日本人にとってはじぇったい発音しにくい前半部をそのまま使っているわけですね(苦笑)。で、「KL」と同じように表記すれば「ペトロパブロフスク・カムチャッキー=PK=イマイチ響きがよろしくないので、このあとの拙サイトでは便宜的に「Pカムチャッキー」と記載させていただきます。確認しますが現地での通用名ではありませんので念のため。タイプが長すぎるのよ(笑)。
さて州都Pカムチャッキーへと向かう道は当然完全舗装、車のマナーは結構イマイチとも思いましたが数日間滞在しているうちに「これもまたやむなしなのか?」的思いをいたすこともありました(どこかで後述)。で、たぶんPカムチャッカ入りした観光客が最初に全員立ち寄るであろうWelcomeポイントへ。
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「鮭をくわえたクマ」というのは万国共通の意匠なのでしょうか?(笑)。
道路脇にあるので見逃すことはまずあり得ないです。逆に観光客や結婚式などイベント時の記念撮影で結構いつも誰かいて、こんなふうに貸し切りになるのはラッキーなタイミングだったかも。
ちなみにここでターニャさんが面白い逸話を教えてくれました。いわく「実は、クマがくわえている鮭、時々なくなっちゃうんですよ」。どうやら鮭部分は一体成形ではなく後付けで、もちろん何らかの固定はされているはずですがそれでも無理矢理はぎ取っていく輩がいるようなのです。
鮭を取っても何かの使い道があるとは思えませんから愉快犯の仕業なのでしょうが、日本でも波平さんの毛が抜かれる等同じような馬鹿がいますから人ごとではありません。まったくもうしょうもない‥。
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さて徐々にPカムチャッキー市内に近づいてきて、車の通行量も増えてきました。ちなみにここカムチャッカでは日本の中古車が思い切り幅をきかせております。普通車ではほぼ90%弱が日本の中古車かと?(定点観測カウントしました)。もちろん中にはしっかり日本語ロゴ入りの車両も。そういえば1990頃のNZでも日本の中古車はたくさん走ってたなぁ。
で、何年も前に「増大する日本の中古車、右側通行のロシアにおいて事故頻発」云々というニュースで、「ロシア政府は右ハンドル車の輸入を規制する意向」というところまで聞いてはいたのですが、現状についてターニャさんに聞いてみると‥
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ということでした。その実際についてはこの数日後に目の当たりにすることになりますが、右ハンドル車の事故、それはつまり‥
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もちろん(本来の)ロシアデフォルトの左ハンドル車ならセンターラインをまたがなくても前方の確認は容易なのですが、確かに右ハンドル車の場合危険度は高く、しかもそれが台数的に圧倒的多数なのですから、郊外などスピードを出せる道の場合はなかなかどうして危なっかしい場面をしばしば目にすることとなります。
何とかならないものでしょうかね。いっそのこと、カムチャッカ州全体を「左側通行」に変えちゃうとか?(カムチャッカ州から本土には道路がつながっていないので)。まぁそうもいきませんけれどね。
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そんなわけで市内に入ってきました。ここ数年で市内には新しい建物及びオフィスや商店がずいぶん増えたということで、ターニャさんいわく「わたしは子どもの頃は車も少なく、お店もほとんどなく、ただ5階建ての集合住宅団地があるばかりでした」とのこと。一気に変貌しつつあるPカムチャッキーなのですね。
そうそう市内には右上画像のようなバス乗り場があるんですが、壁はあるけれど待合室スタイルにはなっておらず、夏はいいけれど厳冬期は試練のバス待ちとなりそうな感じです。ただターニャさんによれば「カムチャッカは冬でもせいぜい-20度くらいまでしか下がりませんし、雪も大荒天のあとに1-2m積もるくらいです」。うーん、そりゃシベリア内陸部に比べれば「温暖」ですけれど。で、ここまで読んできて「こっちと同じようなもんだ」とお感じになったあなたは北海道民ですね(笑)。
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やがてロシア正教会の「特徴あるたまねぎ頭」が見えてきました。新しく建てられたそうですがまだ工事中とのことで、確かに一部に足場が見えています。
その近くにはひときわ高い団地が一棟だけ。カムチャッカでは住宅団地は5階建てまでに限るという法律?があるそうなのですが、この建物は日本の耐震構造技術を取り入れて建設されたということでこのような高層構造になっているのだとか。しかし一棟しかないということは、やはりコストの面で折り合わなかったということなのでしょうか?
ちなみに住宅用以外のビルについては階数に関する建築制限がないということなのか、中心部には団地を見下ろすショッピングセンターやオフィスビルを目にしました。
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さてそんなわけで本日の宿「アバチャホテル」に到着です。いや「本日の」じゃないです間違えました、この宿にはこれから9連泊するのでありました。こんなに長く一ヶ所に逗留するのはTakemaの旅行でも初めてだと思われます(普段の旅行ではあちこち盛りだくさんに訪問する計画を立てるものだから‥)。
こちらも5階建ての建物で、何だかオフィスビルのように無機質な外観です。なお、棟続きでカジノもあるようでしたが、営業は週末だけのようでしたし、そもそも賭け事はほとんどやらないクチなのでのぞきに行くこともしませんでした。
このアバチャホテルについては長逗留したこともあり語るネタがたくさんあるのですが、まぁここでは到着時のことだけを書いておきましょう。部屋は5階なので年代物のエレベーターを‥おっとその手前に「ほとんど売れているのを見なかった」売店がありまして‥
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ちなみにこのあと訪問していたスーパーマーケットでも販売していましたから正規輸出品なのでしょう。ただまぁ、とりあえずタバコに困っているわけでもなかったし、わたしは「ななつ星」派なので‥
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部屋に上がってみると、うーんちょっと狭くて、通路に無理矢理置かれているテーブルが邪魔で室内の移動に支障をきたします。このあとテーブルをベッドの間に押し込んでからはだいぶマシになりました(笑)。
で、部屋の窓からはPカムチャッキーのメインストリートが一望のもと。それはそれで悪くはないのですが、1つ重大な問題があることに気付くまでにさほど時間はかかりませんでした。それは‥
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この日は全日程の中でもかなり暑い日で、室内気温もかなり高く(しかも湿気もあり)、うーむこりゃ困ったなぁという感じ。まぁ1晩様子をみて、夜までもがナニなら明日部屋を変えてもらおうということにしました。
テーブル上には水のペットボトルとお菓子が置かれています(両上画像マウスオン)。なおちなみに「カムチャッカの水道水は飲用可能」です。広いロシアの中でも水道水が飲めるのはここカムチャッカ州だけなのだそうで、なるほど「いい水」がたっぷりなのですね。ただし実際のところ、ホテルのレストランで1日1本ずつ(時には朝夕合わせて2本/人)水ボトルをもらえたので水道水を飲むことはありませんでしたが。
さてこのあとは特に予定もないし時間もまだ早いし(15:30過ぎ)ということで宿の周辺を散歩することにしました。もちろんターニャさんにスーパーの場所も聞いていたので、ビール等「夜の嗜好品」を買い出しするという「重要なミッション」が含まれていたことはいうまでもありません。
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なおホテル前の道路は交通の要衝となっていてバスもひっきりなしに行き来しており、そのためたぶんPカムチャッキー唯一の?歩道橋が設置されています。それを渡って反対側へ。小さな戸建てのキオスクが立ち並ぶエリアもあり、ウィンドウショッピングも楽しめますが、注文は小さな小窓越しにしか行えないのでロシア語が話せないと注文はしにくそう‥。
で、交差点の角にはなぜか戦車のモニュメントが(右上画像マウスオン)。ソビエト崩壊と同時に各地でレーニン像が倒されたという話はよく聞きましたが、ここカムチャッカではレーニン像も、そしてこのようなモニュメントも「健在」です。
ちなみにここPカムチャッキーの治安は他のロシア地域に比べてかなり良いらしく、町の裏通りを歩いていても危険な感じはしませんでした(もちろん運が良かっただけかも知れませんが)。
このあとはスーパーへ行きましたが(画像なしで済みません)、どうやらここ数年以内に建てられたらしくかなりピカピカ。しかもその品揃えもロシア極東にいるとは思えないほど充実しまくっていてびっくり。だってビール一つとってみてもスーパードライも黒ラベルも一番搾りもあるんですから!あと、AGFのインスタントコーヒー詰め合わせなんてのもあったなー。帰る前にはここでおみやげを買えばいいなと。
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ところで、ちょうどこの時期はポプラの種が舞う時期だったらしく、木の下には綿付きの種子が転がっていました(左上画像マウスオン)。ただ、これが風で舞いあげられるので、市内を歩いていると結構綿だらけなんですよね。部屋に戻ってみたら、窓から入り込んだ種子がいくつもいくつも。まぁしょうがないか。
そんなわけで買い出し系お散歩を終えて部屋に戻り、さてそれでは充電でもと思って機器を接続した上でのんびりしていたら、しばらくして「ピシッ」という小さな音が。何かと思って見てみたら、右上画像のUSB給電プラグが焦げた臭いを発していたので原因はこれかと。100-240V対応と書かれているのに(ちなみにカムチャッカは220V)、やっぱりチャイナクオリティなのね。幸い接続先の携帯電話には影響がなかったみたいですが、これでガラケーを使って現地からつぶやくことができなくなりました(笑)。
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さて夕食です。オレンジ・チョコレート・水がすでにセットされており、これらはありがたく部屋に持ち帰ることとしてさて肝心な料理はといえば‥
まず真ん中のやつは何と「ワラビのライトガーリック系炒め物」。これは日本人客を意識してサーブされていると思われ、他のロシア系お客さんが食べている姿は見ませんでした。
続いて左上は‥サラダですよね間違いなく?で、少し皿の中をかき回してみると‥(右上画像マウスオン)
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ハイここで早合点したあなたはTakemaと完全に同類です(笑)。ここはロシア極東ですよ、何でウドンが出てくるわけがありましょうか!(謎笑)。ではこのウドン状の物体はナニか?海産物ですよ、ほら日本でもよく食べられている‥
そう、正解はイカリングでありました!
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そんなわけでビールを注文!しかし何と置いているのはアサヒスーパードライ(日本)とミラー(アメリカ)とホルステン(ドイツ)の3種のみ!ええっと、何でロシアの、それも出来ればカムチャッカメイドのビールを置いていないんでしょうか??(大謎)。しょうがない、ミラーとホルステンを注文。
しかし、多少冷やしてはあるようですがいかんせんぬるい!こんな暑い日にはカキーンと冷えたヤツをグビグビ+ごくごく=プハー!といきたいモノなんですが‥噂では「ウォッカは冷やすがビールやジュースはあまり冷やさない」のだとか?こりゃ、さっき買ってきて部屋の冷蔵庫に入れてある缶ビールの方がはるかにましだなと確信。
そうこうしているうちに夕食のメインディッシュが登場!ハバロフスクでも食べたペリメニ(ロシア風水餃子)ですね。しかし、うーむバターを塗りたくって食べるってこと?あー、ここは是非醤油がほしいところでありました。
この3品に共通していたのが「味付けがマイルドでパンチがない」*「意味なく量が多め」=「食べているうちに飽きる」というところでした。やっぱり醤油パックを持ってくるべきだったなー。ちなみにこの数日後スーパーでキッコーマン醤油を買ったにもかかわらず諸般の事情で使うチャンスに恵まれず、結局未開封のままターニャさんに差し上げることになるとは思ってもみませんでした(笑)。
さてこのあとは部屋に戻って明日の準備ね。大した距離ではありませんがトレッキングもあるので登山用装備をパッキングです。もっともいきなり「へ?ええ?そうなの?」ということになるのですが(苦笑)。
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