- 2017夏 キルギス旅行編 その9 ソンクル湖の朝。出発しようとしたらまさかのアレが!-



ソンクル湖の朝。寝坊したので朝焼けは見られずかろうじて日の出に間に合いました(苦笑)。

おっはよぅございまぁーす!そんなわけで目覚めの朝は雲やや多しとはいえお天気よしです。気温は夜より0.1度下がって6.6度。さすが3000mの高原における放射冷却がしっかりと気温を下げております。



少し離れたユルタからは朝餉準備の煙が立ち上っています。そういえば日本ではその昔、「市井の家々から朝餉の煙が上がらないのを見て生活困窮を察した帝が租税を免除した」なんて話があったような記憶が(全然関係ないですがふと思い出しました)。それでいけばこの光景を見る帝は「うむ、民の暮らしは安泰のようだ」とご安心下さることでしょうね(何のこっちゃ)。

で、われわれも朝ごはんにありつけるはずなので(笑)、その前に湖畔までお散歩に行ってみることに。なぜか湖畔近くの一角にはエーデルワイスがほとんど食べられていないまま残っていました(右上画像)。ここだけどうして?



湖岸近くのこのあたりには、周辺とは違った凹凸地形が広がる場所がありました。これはいったい?ちなみに湖岸全体にではなくこの場所だけです。以前アイスランドでもこんな地形を見たような気がしますがそれとは違うかな?思うにこの場所は岸辺との標高差があまりないので、冬の凍結と関わっているのかなとも思うのですがよくわかりません。聞けばヨカッタ。



その先の砂州上の地形上には2頭の馬。ただし両前足などを紐で結ばれており遠くへは行かれないようになっていました。そしてわれわれもここから先へは行かれません(右上画像マウスオン)。どうやら鳥獣保護区となっているようです。入域料は決して高いものではありませんが(日本円で320円ほど)、たぶんその料金は現地ではなく手前のコチュコルのインフォメーションで支払わねばならぬのではないでしょうか?(推測ですが)。もちろんここで引き返しました。

おっとその前にこの時間の水温測定(左上画像マウスオン)。うーん、16.7度ですか、やはり湖岸近くの水は夜のうちにかなり冷やされるようです。さてお宿ユルタまで戻りましょう。



朝日を浴びるユルタと牛の親子たち。宿の方々が面倒を見ていました。

それでも朝ごはんまではまだ少し時間があるのでユルタ前の広場(というか「どこでも広場」なんですが)にてのんびりします。しかしですね‥









何だかこの放牧の様子を見るだけでも「ソンクルに来てよかった」と思えてしまいます。ゆっくり、ゆっくり、牛の歩みのペースで時間が流れていくんですよ。

そして目を湖側に向けてみると、今度はどこからかやってきた水鳥たちが(さっきまでは皆無でした)乱舞しています!



これだけの水鳥がいるということは魚も豊富なのでしょう(実際、ソンクル湖の魚を食べた旅行者もおられるようです。その画像を見る限りマスではないように思いますが)。で、その水鳥を狙う猛禽類(鷹)もいるわけですが‥



群れに近づこうとする鷹に対して2羽の水鳥が果敢に立ち向かい攻撃を仕掛けます。1対1では勝ち目はないでしょうが、2羽がそれぞれに動いて鷹を眩惑させることにより鷹もなかなか(というか全然)手出しができません。結局鷹は群れからどんどん引き離されてしまいました。うーむ野生の王国だ(笑)。

しかしなぜだかこの時おしんこどんは「朝ごはん前の二度寝行動」に入っていたのでありましたよ。うーむもったいない‥。



放牧の誘導から帰ってきた牧夫と牧羊犬(この場合は「牛」かな)。お疲れ様でした。



残ったのは馬たち。奥の馬たちは朝日を浴びて気持ちよさそうに寝転んでます。



あ、七面鳥?の家族もいましたね。そして昨日はいなかったロバくんも2頭。いつの間に?



せっかくなので?ユルタの入り口に東鳴子阿部旅館のマフラータオルを飾ってみました(右上画像マウスオン)。

さてそうこうしているうちに「ごはんができたよ」というので食堂テントへと向かいます。



ふと湖側に目をやると、井戸から水を汲んで戻る人の姿も。毎日のことでしょうから大変です。



朝ごはんはポリッジと揚げパン、それにキュウリとトマトもあったかな。チャイは当然ながら飲み放題。例のお嬢ちゃんも(言葉は通じないながら)ごきげんそうです(あ、ジャミラさんが通訳してくれたんだっけ)。燃料は乾燥させた牛糞なのですが、実は厨房のほうにはプロパンガスコンロもありました。火力のことを考えれば当然でしょうし、そもそもそういうところまでプリミティブな要素なんぞ期待していません。観光宿泊施設なのですし。



この日のわれわれの出発予定は9:30とゆっくり目。同宿のカップルもゆっくりスタートのようでのんびりしています。そういえばもうお1人の中国系カナダ人の男性は朝ごはんにも姿を見せなかったので彼らに聞いてみたところ「お腹を下したらしく朝は食べずにぎりぎりまで寝ているつもり」だとのこと。あれまぁ‥(われわれを含めた4人は全く大丈夫だったので前日の夕ごはんは関係ないと思います)。

さてそろそろ出発かな‥と荷物をほぼまとめたタイミング、少し奥ではまさかまさかの思いがけない一大イベントが始まろうとしていました!なおここから先の画像や動画は多分にグロな内容となりますので(でもあくまで伝統的な営みです)、そういうのが苦手な方は一気に最下部の[次へ]までスクロールしちゃって下さい。





そう思って聞いてみるとまさにその通り、「これからこの羊を屠ります」とのこと。こ、これは滅多にない機会!見学や撮影は問題なくOKとのことなので、出発時間を遅らせてもらいその一部始終を拝見させてもらうことにしました。まず最初に祈りを捧げた上で‥



まずのど笛に一気にナイフを入れ絶命させるとともに血をこぼさぬように容器に入れます。



お腹に沿ってナイフを入れ、両側に皮を広げていきます。



ほぼ開き終わりました。こうすることで血を大地にこぼさずにすみます。



ここからは部位ごとに肉を外していきます。骨から肉をそぎ落とす作業も。



肋骨周りの肉はなくなり、そのあと当然肋骨も外されました。



肝臓?はなぜか干され、化なり大きなボールにお肉が。さっきまで生きていた羊ですがこれもまた遊牧の「日常」です。

そういえば途中である部位を取り出して中の液体を口にしていましたがかなり苦そうでした。胆のう&胆汁かな?何でも歯だか歯茎にいいということでした。そ、そうなのか?

さてこのあとは一連の動画です。羊の絶命シーンから始まりますのでそういうのが苦手は人はパスした方がいいかもしれませんが、これも一つの旅の記録です。動画は約12分半ほどあります。



そんなわけで出発は40分ほど遅れて10:10。この日は州都ナリン泊まりで距離としてはさほどありませんが、シルクロードの遺跡を往復します。ところで「なかなか温泉が出てこないな」と思う一部篤志家の方がおられるかもしれませんが温泉訪問を連発するのはこの翌々日以降ですのでもう少々お待ちを(笑)。

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