- 2017夏 キルギス旅行編 その14 アルティン・アラシャンの湯の恵みをタンノー!-





さてお昼ごはん前の入浴こそかないませんでしたが、まぁあちらはすぐ近くだしいつでも入れるというわけで、午後はここアルティン・アラシャンの(温泉ファンとしては)真骨頂とでもいうべき無料野湯群へと向かいます!

13:05に食堂ユルタを出発。山の天気は変わりやすく、歩いている途中でしっかり雨が降り出しやがりました。



なお、なぜか上画像には写っていませんが宿の女の子(ちょっと英語を話せる中学生)が案内人として同行してくれています。下流に向かい、ちょこっと登ってダラダラっと降りて‥(実は別の道もありましたが初めて行くときはこのルートが無難かと)。



でも結局はこの川沿いの道を行くことになります。なお案内掲示は一切ありませんので、行きたい人はしっかりルートを聞いておく必要があります。ただTakema的案内としては「アルティン・アラシャンから下界に戻る林道を少し上ったところで左に分岐する車も通れる道(2段上の右上画像)を下っていけばそのまま歩道があるので、あとはそのまま下流側へ進む」というところです。

日本の野湯だとここまで詳しくは書きませんが(苦笑)、ここまで来る日本人自体が極少だと思うのでお教え申し上げますよん。ちなみに宿からは15分くらい歩くことになります。

やがて山道は一気に高度を下げ‥





右上画像、よく見ると階段らしきものが作られているのがわかるでしょうか。そしてその上方には何やら石組みらしきものが見えています。というわけでここを登っていくと‥







ご覧のように先客さんもいなかったので水着も不要でまったり入ります。湯温は39度弱といったところでぬる湯ですが、気温が低いので実際にはもっと温かく感じます。



上にも書いたように洞窟状の地形になっているため雨が降っていても問題なしです。うむ、ここはいい、間違いなくキルギス野湯界最高峰の1つでしょう!(今回入った中ではダントツ)。

しかも、詩かも、鹿もですよ!実はこの場所にはもうひとつ、弟分ともいえる両生類の王者の湯があります!それがこちら!





歩いてくると、実はこのカエル王の湯のほうが手前にあります。2つの湯は実質10mくらいしか離れていませんが、源泉は別のようでこちらの方がさらにぬるいです。なお半洞窟の湯はホースから注がれていましたが、カエル王の湯は浴槽内に源泉直接投入のようです。



浴槽は結構な傾斜地にあり(左上画像マウスオンで引いた位置からの画像に変わります)、後ろの崖側で着替えることになるのですが、ちょっとなかなか浴槽に入りにくいのが玉に瑕といったところでしょうか(ややアクロバティックな=あられもない姿勢が求められます)。浴槽内は段差が付けられており半身浴もOK。お湯はカエルの喉にあたる一番奥の界隈から注ぎ込まれています。



屋根はモルタル製ですが、何と鉄筋が入っているようです。厳しい冬にも耐えられるよう本格的な造りになっていることがわかります(笑)。冬季は各宿も営業しておらず皆さん里に下りちゃうわけですから。

ちなみに両上画像ともマウスオンで別画像に変わりますが、こちらの湯は半洞窟に比べても湯温が低いです。さすがにちょっとぬるいかな?(笑)。

さてそんなわけでそろそろ帰りましょう(ジャミラさんを待たせておりました。なお中学生ガイドさんはすでに帰宅済み)。でもね、確か事前に調べたところによるともう1箇所露天湯があるはずなのですよ。というわけでそちらに寄ってみることに(もちろん入る気満々です)。しかし、ここで雨が強くなってきましたよ!(くっそー)。




(右上画像マウスオンでもう1つの浴槽画像に変わります)。

間違っても動力揚湯ではないはずですから(笑)、これはもしかして泉源からの湯の供給が止まった(=湯枯れ)ということなのでしょうか?あちゃまーこりゃ残念。しかし雨がどんどん強くなってきていたので、「苦難の入浴強行」を回避できたという意味ではラッキーだったのかもしれません(苦笑)。

というわけでここまでのアルティンアラシャン野湯(といえるのかな?)動画です。





宿に戻ったあとは、火の入ったコモンルームで温まります。靴もずいぶん濡れたので乾かします。ここは周りに針葉樹林が広がっていますから薪には事欠かないようで、時折宿の方が薪を補充して下さいました(右上画像マウスオン)。

ちなみにエントランス側のサンルームには灰皿が置かれていたので、「ここでは喫煙してもいいのだな」ということで愛用のくつろぎ場所としていたわけですが、ん?雨がさらに強くなったと思ったら?







雷も鳴るこんな中で温泉から帰ってくるとしたら最悪です。アブナカッタと安堵すると同時に、この同じ時間にアルティン・アラシャンを目指して歩いているであろう多くのトレッカーに思いを致した次第です(明日は我が身)。

しかし山の天気はいい意味でも変わりやすいというか、雨が止んだと思っていたら再び太陽が出てきました。この機を逃すまじ!というわけで、夕食前のひとっ風呂(お昼前に満員だった個室湯)に出かけることにしました。



山羊や羊が放牧から帰ってきたみたいですね。なお道はぬかるんでおり、泥と家畜の糞とが一体化しつつあります(笑)。



おじさんは何やら運動中。その近くでは薪割り作業の真っ最中。奥にはトレッキングから戻ってきた人の姿も。



この日の宿の夕食なのでしょう、大鍋で肉が煮込まれているようでした。まさにオープンキッチン♪

日本の温泉宿だと「夕食前のお風呂は一番混む」パターンなのですが、さすがにキルギスではそういう感覚ではないのか、この時間(17:30ころ)なのにお風呂は空いていました。こちらの宿では6つの個室風呂を有しているようでしたが、この時は「No.3」の湯小屋を利用することに。



そんなわけで鍵を預かった上でジャミラさんと一緒に湯小屋へと向かいます。この時間になると天候も回復し、左上画像だと完全に白飛びしちゃってますが、実際には谷の奥に「テント峰」(通称)がしっかり見えておりました。



ハイ、No.3の湯小屋にやってきました。とことん鄙びた感じですが独立した建物です。窓から内部は丸見えです(実際入浴中に女性が覗いてきました)が、そんなことはどうでもいいですいざ入浴しましょうハラショー!





ちなみに置かれていたプラ桶は日本のものに比べてすごく小さいので念のため(笑)。源泉は画像右側中央部分から投入されているのですが‥



源泉投入温度はしっかり熱い51.2度、浴槽湯を攪拌しての計測でも45.3度とかなり熱めです!なお加水用水栓などという無粋なものはありません。「黙って入れ、入ればわかるさ」的な力強さに満ちています(何のこっちゃ)。

なお泉質についてこれまで述べてきませんでしたが、うっすら硫化水素臭も感知しましたが基本的にはそれほど成分が濃そうでもないようです(成分表はどこにも掲示なし)。口に含んでみても本当にあっさりという感じで、いわゆる「毎日浸かりたいぞ系の湯」でありました。あとから聞いた話ではラドン含有の湯だということですがラドンは口からも肌からも直接感知できないぞ(苦笑)。



天井は荒っぽい木組みですが湯気抜きはしっかり装備。とりあえず阿部旅館タオルで記念撮影ね(笑)。



マイナスイオンだか何だかわかりませんが、いい感じの粒子が舞っておりましたよ。



湯上がりには目の前のベンチでクールダウンできます。正面が川なので見た目も涼しいです。というか、この時間になると気温もさらに下がってきているの‥ですが!?




(この湯小屋には翌日浸かりにいくことに)。

ちなみに同じく湯上がり直後のおしんこどんが同様のクールダウン行動にいそしんだわけですが(左上画像マウスオン)、うん、せいぜいそこまでですよね。白人さんの皮膚感覚はわれわれと違うのだということを再確認しいたしました(笑)。

そういやその昔のスコットランドでキャンプしていた時、夏にもかかわらずあまりにも寒くてフリースを買ってきたTakema、いっぽうでその同じ時間、隣にテントを張ったドイツ人カップルは川に泳いでいたんでしたっけ(アンビリバブル!)。

さてこの湯小屋前のクールダウン場所から遠くに目をやれば‥







そんなわけでそろそろ戻りましょう。と、トレッキングから到着した方々がおられる様子、とりあえずあの橋に行ってみようよ。



この翌日はホーストレッキングでこの橋を渡って山の上に向かう計画です(苦笑)。



湯小屋はいくつもあります(この宿所有の湯はNo.6まで)。6番の湯、入りたかったんですが結局無理でした。



さて宿に戻ってきてからはすぐに夕ごはん。薪割りもガンガンやってますね。特大ユルタゆえ中はそこそこ寒いのですが、宿泊客の中でも最初に着席したゆえストーブ直近のテーブルに座ることが出来ましたんでよしよし。



お昼に購入した馬乳酒を持ち込み、サラダとスープ、ええっとメインディッシュは撮ってなかったので忘れました!(ただしそうスゴイ大物ではありませんでした)。まぁ基本は山小屋ですしねぇ。

ちなみに同宿のスイス人3人組、聞けば「アラクル湖から峠を越えてきたが大雨でiPhoneが死んだ」とのこと。あちゃー。ちなみに下半身はドロドロ泥まみれ。相当きつかったご様子です。

われわれの翌日の行程は、標高3,800mの峠を越えてアラクル湖を展望する予定(=彼らと同じルート)なのですが、どうなることやら?結論=どうにもなりませんでしたが(大苦笑)。

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