− その11 偶然ゲルの「設営現場」におじゃま&見学 −
さてさて復路40km、宿を指呼の間にしながら突如としてハンドルを左に切り平原を目指したシャガ@ドライバーさんの意図は?と思っていたら、どうやら平原のど真ん中にて何やらなさっている人々を目指している様子。見れば、まさにゲルの設営を始めたばかり。そうか、シャガさんは「ゲルの設営を我々に見せんがために寄り道してくれたんだ」。いやぁ、嬉しや嬉し!
というわけで、お手伝いはできそうもないので(どう見てもじゃまでしょ)、見学に徹することにいたしました。聞けば、こちらの遊牧民の皆さんはシャガさんの奥さんの親族なのだとか。でも、観光とは無縁の遊牧生活を送っておられる方々ですから、われわれ2人のためにわざわざというわけではもちろんないわけですし(そりゃそうだ)、この「偶然」には、「うそ、まさかゲルの設営作業そのものが見られるなんて!」と狂喜乱舞した次第です。
というわけで、まずは画像にてお楽しみいただきましょ。‥もちろん動画もあとの方で出てきます(笑)。
われわれが到着した頃はちょうど骨組みが組み立てられたところでした。うわぁ、ここが「家」になるのかぁ。
周りにくるくるっと布を巻きつけます。内側がいきなりフェルトでは埃っぽくなるからでしょうか‥。
天井&壁にフェルトを巻きつけた上で、さらに綿布を載せます。ちなみに冬期はフェルトを2枚重ねるのだとか。
人が天井に乗っても倒れないのはゲル中央に心棒があるから。最後に表面の布(防水加工はないでしょうが)をかぶせ、ヒモでしばっておしまいです。
ちなみにこの設営作業、手慣れた遊牧民の人々なら1時間くらいで終わるらしいんですね(もちろん人数にもよりますが)。さすが移動の民、われわれがキャンプでテントを設営するのにも10分くらいはかかるのに、これだけの大きさ、これだけの手間をかけるにもかかわらず1時間で設営してしまうとは!いやはや脱帽です!
さ、そんなこんなで続いては実際の動画を見ていただきましょう。
モンゴル編 動画ライブラリー(21・22) |
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「家」ができても、内装はまだこれからというわけですが、やはり移動生活に応じた必要品&コンパクトさが必要とされるのでしょうね。翻ってわれわれはといえば‥どうしましょ、この余計なキャンプ用品その他の多さ(笑)。いや、笑っている場合じゃなくて少し考えなきゃいけないんでしょう。「物質的豊かさ≠心の豊かさ」であることは、この時勢を考えればどう考えても肯定せざるをないわけですから‥。
ちなみに、翌朝こちらのゲルを遠望してみると、ゲルのすぐわきで発電用と思われる風車が元気よく回っておりました。また、このお宅ではないですが、中にはソーラーパネルを並べたゲルも見かけたりしましたから、大平原のど真ん中で暮らす人々にも着実に変化の波は押し寄せているということですね。これからは遊牧民も物持ちに?(笑)。ちなみにちょっと調べてみたら、1990年代後半から政府(インフラ省)の施策として、「10万軒ゲル・ソーラープロジェクト」なるものが進められているのだそうです。日本と中国のODAだとか。抜かりないな中国くん。
さぁてそんなこんなで、お昼ご飯を食べにキャンプまで戻ってまいりました。でもこの強い日射しの中で午前中うろうろしてきたということは‥
というわけで、昼ご飯の前からまたもモンゴリアンビールにご登場願いました!
さてしばしビールを飲みながらのんびりしているうちに、上の画像のような日本製バリバリ四駆ラリー仕様*3台が到着しました。宿の人とのやりとりを聞いていると、どうやら「ここでランチを食べたいのだが」ということのようです。
この白人さん一行(12-13人)と話す機会はありませんでしたが、まだ小学生だとも思われる子供を何人も連れて、しかも見たところガイドなしでここまでたどり着いた様子。「この人たちって、どうやって旅をしているのだろう?」と思い、ガイドのゾルさんに聞いてみると次のようなお返事が。
なるほど、車を見ただけでも外側に大型ジェリ缶(予備ガソリンケース)やスタック脱出用の鉄板なども装備されていましたし(ちなみにどこぞやで使った形跡あり。どっかではまったな)、基本的にはテント泊であちこちを旅するのでしょう、荷物はとにかく満載でどんな状況にも対応できるように思える感じです。なお、この手の方々は少なくとも3週間くらいかけてあちこち、特に観光地ではない場所をめぐるのがお好みなのだとか。うーむ、上には上がいるものです(笑)。でも、単独走行は禁止なのだそうで宜なるかな(実はそれがうざったいとも思ってしまうTakemaですが)。
さ、われわれもお昼ご飯のあとは再びロシアンジープ乗車、いよいよ午後のメインディッシュ「バヤンザク」へと向かいます!うーむ片道55km、かぁなりしんどいものがあるなぁ(笑)。